(23ページ目)「家賃の壁」とは?家賃設定の注意点! ~最適な家賃とは?~

家賃設定にはラインがある

さて、大家さん向けに家賃設定のお話をしていこうと思います。

アパートマンションを運営していくうえでの家賃は、「高ければ高いほどいい」というのは当然です。

しかし、だからといって高すぎると入居者からは振り向いてはもらえないでしょう。

家賃をいくらに設定するというのは、所有者である大家さんの腕の見せ所だと思っています。

そもそも、大家さんになるということは、規模にかかわらず「経営者になる」ということだと思っています。

「経営の神様」と呼ばれ、京セラ創業者、JALの再建など輝かしい実績の稲盛和夫氏は、値段の設定についてこのような言葉を残しています。

経営の死命を制するのは値決めです。値決めにあたっては、利幅を少なくして大量に売るのか、それとも少量であっても利幅を多く取るのか、その価格設定は無段階でいくらでもあると言えます。

どれほどの利幅を取ったときに、どれだけの量が売れるのか、またどれだけの利益が出るのかということを予測するのは非常に難しいことですが、自分の製品の価値を正確に認識した上で、量と利幅との積が極大値になる一点を求めることです。その点はまた、お客様にとっても京セラにとっても、共にハッピーである値でなければなりません。

この一点を求めて値決めは熟慮を重ねて行われなければならないのです。

このように語っており、「値決めは経営である」という格言として残っています。

これは大家さんも同様であるといえます。

家賃設定一つで、運営の仕方はガラッと変わります。

そして、この家賃設定の時に注意していただきたいポイントがあるのです。

それが「家賃の壁」と私が読んでいるラインなのです。

この「家賃の壁」とはなんなんでしょう。

家賃の壁とは?

どういった商品でもこの値段の「壁」というのはあることでしょう。

どんなにいい商品であったとしても市場から見て「高すぎる」と思われたら購入する人はいない、もしくは減るでしょう。

同様に「安すぎる」と思われたなら殺到するでしょうが、確実に売り手側の収益は悪化、もしくは赤字の可能性もあることでしょう。

やはり絶妙なラインを設定することが大事です。

そして不動産という特殊な性質があるため、このラインの設定は困難なものなのです。

この絶妙なラインに位置するのが「家賃の壁」です。

そして「家賃の壁」の特徴は以下の通りです。

  • 限度を超えるとピタッと需要が止む
  • 間違うと永遠に売れない(空室のまま)
  • 競合が多数の「上のカテゴリー」に入ってしまう
  • 時期による思い違い

それぞれを少し解説していきます。

限度を超えるとピタッと需要が止む

家賃の壁というのは、不動産特有の不思議な性質があります。

他の商品のように、徐々に値上げすると、段々と売れる数が減っていく現象があろうかと思います。

不動産では、ハッキリとしています。

家賃の壁を越えた瞬間、問合せや内見希望などがピタッと無くなります。

不思議なもので、以前までは大人気だった物件でも、少しずつ家賃を上げていった場合、どこかのラインで

パッタリ問い合わせが無くなるのです

原因は一つだけではないのでしょうが、あるラインを超えるとパッタリ止まってしまいます。

この要因には「不動産ポータルサイトの構造」が一つ挙げられます。

というのも不動産ポータルサイトの検索画面を見てみましょう

このように「物件の間取り」「家賃の上限下限」を選ぶ仕様がほとんどなのです。

そうすると、自ずと地域のボリュームゾーンがハッキリと分かるのです。

間取りで検索した時にヒットする価格帯というのが件数として出てくるのです。

これを外し過ぎると、良いお部屋だったとしても「相場より高すぎる」というバイアスが掛かってしまうのです。

そうすると、良いお部屋だったとしても「相場より高いしなぁ」というイメージが付いてしまうのでしょう。

間違うと永遠に売れない(空室のまま)

これも不動産の厳しいところです。

不動産賃貸における収入は0か100かしかありません、空室になると一銭も入ってきません。

家賃の壁を超えると、あれほどあった問合せがピタッと止むことで入居が決まらない期間に突入いたします。

この「家賃の壁」はたったの千円の値上げでも発生することがあります。

大家さんとしては「前回より少し上げただけだから、そのうち決まるだろう」と思ったりするのですが、これが「家賃の壁」の恐いところです。

以前は10人ほどが検討してくれていたので、その中で決まるのを待てばよいのですが、誰も検討していないとすると・・・・

「家賃の壁」の恐いところが正にこういった特殊なところなのです。

他の商品であれば値上げの有効性というのは売上が徐々に下がっていったり、売上の推移が変わらなかったりと言う風に検証しやすいのですが、不動産では同じ条件の部屋が2つとして無いのですから、比較するのが難しく「家賃の壁」というものの理解が難しいという点にあります。

家賃の壁を越えてしまうと「なぜか決まらない」という現象に戸惑ってしまいますが、メカニズムとしては「選択肢から除外されてしまっては戦いようがない」という部分が強いのです。

競合が多数の「上のカテゴリー」に入ってしまう

今までは人気物件だった我がマンション

少し家賃UPを目指した途端「家賃の壁」に阻まれる。

もう一つの要因は「競合が強いカテゴリー」に入ったことも原因かもしれません。

これはどういうことかというと

日本のプロサッカーに例えてみましょう。

日本のプロサッカーではリーグがそのレベルに応じて分かれています。

かつてはTVでも放映されていたJ1を頂点にJ2、J3として各リーグでしのぎを削っています。

そして、各リーグで上位に入ると上のカテゴリーに昇格するのです。

この段階でよく起こることなのですが

下のリーグで無双していたチームが、上のカテゴリーでボコボコにされる

これが不動産でも起こるのです。

今までの家賃帯では競合に価値で勝っていたにもかかわらず、上の家賃帯に入ると「そうでもないな・・・」という評価になってしまう現象が起こります。

そうなると、今まで順調に決まっていたお部屋がなぜか決まりにくくなってしまうのです。

時期による思い違い

家賃設定をするときには既存のお部屋の賃料を元に考えることとなるでしょう。

その時に注意していただきたいのが「時期による賃料の差」です。

これはずばり

繫忙期(1~3月)に決まったスピードや賃料を過度に信用しない

ということです。

お部屋により賃料のばらつきがある場合、高いお部屋に水準を合わせて目指すケースがほとんどです。

しかし、そのお部屋が決まった時の背景もしっかり分析しなければいけないと思っています。

そのお部屋が繫忙期に決まっている場合などは特殊な思惑などがあった可能性もあるからです。

学生さんが多いエリアなどであれば、最後の駆け込みでどこも空いてなかった結果、たどり着いたということもあるのです。

この補正をかけないまま、「以前この賃料で決まってるもん」と考えて、閑散期などを迎えると空室の長期化を招く可能性が高まります。

ここで大事なのは「今の時期で適正な賃料はどの辺りか?」ということです。

必ずしも家賃というのは一定でなくてもいいのです。

需給バランスを考えながら設定するというのも一つの手です。

そのタイミングで取れる最大の幅というのを意識してコントロールすることも、時には必要かもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

賃料については出来る限り高い水準を求める気持ちは分かりますし、経営者としては当然と思えます。

しかし、冒頭の稲盛和夫氏の言葉にも含まれている通り

「最大の収益につながる点はどこか」

この点にフォーカスすべきです。

高い家賃を設定するのは簡単ですが、それによって空室を長期化してしまっては収益性を失ってしまいます。

とはいえ、安すぎる賃料を設定してしまうと、後からの変更は現行法律ではかなりハードルが高くなってしまい、同様に収益性を失ってしまいます。

まさに「値決めは経営」であるということが不動産賃貸業でも言えるのです。

みなさんの物件の「家賃の壁」というのはどこにあるのか?

一度じっくりと分析してみるのもいいのではないでしょうか

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