
ここも抑えておきましょう、素朴な疑問編
今回はここまで学んだインボイス制度の実際の賃貸管理で出てきそうな疑問に対してお答えしていこうと思います。
登録したほうがいいのか?や「自分は課税事業者がいいのか?免税事業者がいいのか?」は正直申し上げます。
オーナーの収入やその他事情による
この判断だけは税理士や現在の管理会社の担当などとしっかりと検討してほしいと思います。
当社でも何人かのオーナーさんとお話しして、インボイス制度登録をオススメした方もいれば、「対策は何もしなくていいと思います」という判断もしてきましたが、結局のところ最終判断は各オーナーになります。
しかし、こういった問題にも管理会社としては「あなたにはこれがベストだと思う」という意向は持っておくべきかと思います。
それでは質問と回答へ行きましょう。
インボイス(適格請求書)って決まった書式あるの?
ありません。
これは適格請求書という堅い響きで何やら決まった書式がありそうですが、ないです。
ちなみに記載事項がちゃんと書いてあれば「手書き」の請求書でも大丈夫です。
インボイスの記載事項ってなに?賃貸だと?
インボイス(適格請求書)というからには、記載事項が定まっています。
制度について発表された内容では以下の項目が必須項目となっています。
①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
この項目ですが賃貸借契約書上ではどうしたら良いのでしょうか?
そもそも、賃貸借契約と商品の売買などの契約は若干違うところが多いため、原則通りの項目をあげられても分かりづらいかと思います。
では、インボイスの記載事項のうち、賃貸借契約書にはどのように反映すればいいのでしょうか?
| インボイスの必要事項 | 賃貸借契約書上での扱い |
| ①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号 | 貸主の氏名、インボイス登録番号 |
| ②取引年月日 | 特に記載必要なし |
| ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨) | 賃貸借契約 |
| ④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率 | 賃料、共益費、その他の項目と適用税率(10%) |
| ⑤税率ごとに区分した消費税額等 | 消費税額 |
| ⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称 | 借主の氏名、名称 |
こうやってみると、今までの賃貸借契約書と違う点でいえば、インボイス登録番号が新たに追加になる程度ですね。
その他の項目は一般的な賃貸借契約では元々記載がある事項ばかりなのです。
あとは、賃貸借契約での賃料や原状回復工事などは軽減税率(8%)の対象になるような品目は基本ありません。
なので、軽減税率という言葉も賃貸借契約においては、特に気にしなくて大丈夫です。
インボイス(適格請求書)を毎月出さないといけないの?
これも何度か聞かれましたね。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)という名前があり、正式な請求書を保存しておかねばなりません。
課税事業者なら登録した方がいいとの方針はお伝えしましたが、その次のステップですね。毎月請求書を出す必要があるのか?
もう既にインボイスの知識を持ったオーナーさんからお問合せがありますが、結論としては
賃貸借契約書に必要事項を記載していれば、毎月出す必要はありません
流石に家賃やリースなどの毎月支払う業種が請求書を出すとなると、多大な労力となります。
その為、必要事項を賃貸借契約書に記載していれば、それでインボイス(適格請求書)とみなすということになっています。
※国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問79より引用
その後はインボイスの適用を受ける側が、振込表や口座振替の事実が分かる通帳と「賃貸借契約書」とセットで消費税の仕入控除として認められる流れとなります。
これから入居する方に向けてはインボイス登録番号などの必要項目を賃貸借契約書に記載しておけば大丈夫です。
現在の契約書を変更したり、契約のやり直しをしないといけないか?
現在の契約者にはインボイス登録番号の記載や消費税額なども記載していなかったりしますね。
こういった契約者との契約変更や再契約などが必要になるかというご質問です。
インボイス登録番号、消費税額、適用税率(10%)などを記載した通知書を送付
要は契約書を補足する内容の通知でOKということです。
この新しい通知と「従前の賃貸借契約書」のセットでインボイスとみなすということになります。
ちなみにこの「通知」はメールでも可となっています。
しかし、できれば書面で出しておきましょう。書面があれば、賃貸借契約書とセットで保管もしやすいと思います。
インボイスで面倒なのは手続きではなく、「対応」
今回はインボイス制度に登録する方向けのQ&Aになりました。
手続き自体はそんなに労力が掛かるものはありません。
しかし、インボイス制度の問題は
人によってインボイス制度の理解力がバラバラ
消費税額の控除の仕組みなどは各種ホームページなどで紹介されています。
しかし、賃貸借契約に置き換えてみると疑問や問題点が出てくるのです。
そして、この部分でトラブルや対応の手間が掛かってくるのです、一般的なインボイス制度は知っていても賃貸借契約での取り扱いを貸主、借主双方によく理解ができない部分があります。
そして、このお互い理解できない部分で対応を間違ってしまうと大変なのです。
次回もQ&Aです。
なるべく、実際の制度開始前に問題を片付けておきましょう。






