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2026年5月8日一生懸命に生きた人の話 ~ある「完璧に整理整頓された部屋」~
賃貸管理というのは、本当に奥が深い仕事です。 みなさんの生活の基盤である「住まい」をお預かりする仕事。 そのため、他の職業よりも多く、人の人生の裏側を垣間見ることになります。 不動産業界に入って18年になりますが、いまだに業界内ではヒヨッコ扱いされることもあります。 それでも、数え切れないほどの賃貸管理を経験する中で、時に人の人生の岐路や、その「終わり」に直面してきました。 今回は、私が過去に出会った「名もなき人」の生き様について、少し書いてみようと思います。 一般的に、人生の輝きというと、スポーツ選手や成功者のドラマチックなエピソードにスポットが当たりがちです。 でも、世間では名も無い人たちが人生の岐路で見せた、一瞬の火花のような輝きも、私の胸を打ちました。 当然ながら登場人物は、一部フィクションなどを織り交ぜながら、決して特定されないように書いていますからね。 整理整頓された部屋 長いこと賃貸管理を行っていると、時には亡くなってしまう方が当然出てきます。 病気や事故、そして自死など要因は様々です。 人間には必ず訪れますから、私にとっては当然ではあるのですが、やはり少し思うことはあります。 「少し前に会った時には元気そうだったのに」とか「良い人だったよな」とかですね。 ただ、強烈に覚えているお部屋があるのです。 まずは原因は自死でした。 みなさん、よく勘違いされがちなのですが、賃貸管理のお仕事というと、ご遺体や凄惨な現場などに立ち会ったりすると思われがちなのですが、このご時世ほとんど、そういう現場に入ることはありません。 ご遺体などは警察などが対応してくれますし、仮に酷い現場だった場合も私たちは入ることなく、専門の業者さんに任せることになりますので、実際に管理会社として、そのような特殊な現場に入ることは基本ありません。 かくいう私もご遺体などを見たことは数える程度しかありませんし、長年勤めてくれているスタッフに至っては、そういった光景を見たことはありません。 話を戻して、一報が入り現場へ向かいましたが、その時の現場は少し変わっていました。 まずは異常なほど発見が早かったのです。 というのも、一週間に3度ほど来客がある方で、正にその日だったのです。 そして、私が一番驚いたのが お部屋がきっちりと整理整頓されていたのです。 警察官も「ここまでキレイな状態は珍しいですね」という位です。 やはり自死を選ばれる方は、バランスを崩しているせいか、お部屋が荒れていることが多く、室内は滅茶苦茶だったりします。 当然といえば当然ですが しかし、そのお部屋は、しっかりと整理整頓されていました。 宅内や冷蔵庫には生ゴミや食品などもなく、テーブルの領収書なども角を揃えてありました。 恐らく、この日を迎えるにあたって少しずつ減らしていったのでしょう。 本棚の本もキレイに揃えてあり、お金などもしっかりとテーブルに集められていました。 そして、予定通りの来客が来て、不審に思って連絡してくれるであろうことも分かっていたのでしょう。 私はそれを見て、なんとも複雑な感情でした。 この人は何か、自暴自棄になったのでも、衝動的に行ったのでもない しっかりと、後のことを考えて、少しでも周りに負担がないようにしたんだな 変な表現かもしれませんが、最後の最後まで「ちゃんと」していたんだなと たしか遺書などは無かったようだと聞きました。 その方がなぜそのような決断をしたのかは、分かりません。 でも、私はなぜか、この人は「一生懸命に生きたんだな」と思いました。 そう思えるようなお部屋でした。 その方の生前のことは全く知りませんが、人生というものに真摯に向き合っていたんだということは、ハッキリと理解できました。 そして、自分だけの責任での決断だったのでしょう。 もちろん今でも自死を肯定はしませんが、不思議な感覚でした。 私はなぜか心の中で「お疲れ様でした」とだけ祈り、お部屋を後にしました。 私の中では暗い話ではないんだけど そうなんです。 実はこのお話は暗い話や、センセーショナルな部分を書きたい訳ではなかったんです。 でも文才が無いので伝わりづらいですよね。 私は、その方をまったく知りませんが「少なくとも自分は一生懸命に生きたよ」というようなメッセージを受け取った気がしているのです。 もちろん「そんなことはない」と言われたら、そんな気もします。 また、何度も言いますが、だからといって自死を肯定もしません。 私自身も後世に名を遺すようなことはないでしょうし、それに興味もありません。 だけど、この「自分の人生を一生懸命に生きる」という点では、その方とも通じる部分があったんでしょうね。 そして、その部分は誰かに知ってもらいたいと自分は思っています。 だからこそ、名もなきその方が「一生懸命に生きた」ということを誰かに知って欲しいんでしょうか。 その方と私の違いでいえば 私は今も生き続けて、その方は別の方法だったというだけの気がします。 遠いようで、意外と近いような けれども私はこれからも一生懸命に生き続けてみようと思います。 ともかく、お疲れさまでした。 またいつかお会いできた時には、答え合わせをお願いします。
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2024年1月20日最悪の残置物
夜逃げ発生 さて皆さま2024年をいかがお過ごしでしょうか。 今回はあまり気分の良い内容ではありませんね。 夜逃げという現象を皆さんは想像が出来ますでしょうか。 入居者が自分の意思である日突然消えてしまう現象です。 そのほとんどが家賃滞納とセットになっております。 逆に家賃滞納なしの夜逃げというのは発覚しない可能性が高いです。 なぜなら家賃が遅れもなく支払われていれば、わざわざ訪問したり、安否確認などもしないでしょうから発覚することは稀でしょう。 今は家賃保証会社が主流になっており、この夜逃げなるものをほとんど経験しなくなりました。 昔は一定の割合で一年に何回かは遭遇することがありました。 今はほとんどありませんね、ありがとう保証会社さん。 しかし、昔からの契約の入居者などで一部家賃保証会社に未加入の入居者さんもいらっしゃいます。 今回は少し前にあった夜逃げの件です。 もう内容はお分かりだと思いますが、最悪の残置物が残されていました。 ことの経緯と顛末 こちらの物件には成年男性が住んでおりました。 色々と理由があったので詳細は伏せますが、こちらの入居者さんは家賃保証会社は未加入の入居者さんでした。 もちろん、オーナーさんも了承しておりました。 当初は家賃をしっかりと支払って連絡も取れていたのですが、少しずつ遅れてきてしまいました。 これも最初の内は少し遅れては支払っていましたが、ある日を境にパッタリと連絡が途絶えてしまいました。 そこからは粛々と手続きを踏んで、いざ明け渡しとなりましたが、宅内から出てきました。 霊璽(れいじ)が ちなみに霊璽(れいじ)というのは仏教でいう「位牌」と同じような物です。 仏教では「位牌」となり、神道式だと「霊璽(れいじ)」となるだけですね。 私は無性に悲しい気持ちになりました。 恐らくはご両親と祖父母と思われる霊璽が無造作に衣類の中にあったのです。 このまま手続きに則って処分されると思うと忍びない気分でした。 とはいえ、私も長くは手元に置いておく訳にはいきません。 これだけはしばらく保管をしておきましたが、夜逃げした方と連絡がつく訳もなく、期間がある程度過ぎたある日私は決心しました。 お焚き上げしてもらおう 本来は私とは縁もゆかりもない方ではありますが、このまま処分するには余りに忍びない。 普段お世話になっている神社に連絡すると、受け付けてくれるとのこと。 ちなみにこの時は玉串料(費用)だけでいうと一万円ほどでした。 当社のスタッフに決められた時間に神社に持っていってもらい、無事おかえりいただくこととなりました。 なんとかならなかったのかな 私はこんな目にあっておいてなんですが、「夜逃げ」という行為自体は迷惑ではありますが、一定理解できなくはないのです。 こんな話をすると夜逃げされたオーナーさんからは怒られそうなのですが、少しだけ肯定する気持ちもあるんです。 立ちいかなくなって、最悪の決断を下す位なら逃げてしまいなさい。と考えたりするのです。 もちろん、管理会社としては本当に厄介ですし、絶対にしないで欲しいのですが、それでも命を守る決断だとしたら・・・と思ったりするのです。 でも本当は 逃げる位ならちゃんと相談すれば何とかなるよ これを覚えていて欲しいと思います。 逃げるよりは相談してくれれば、意外と何とかなったりします。 私は家賃滞納の対応をこれまでたくさんしてきましたが、私の言う通りに動いてみて損はないと思える程度の知識や知恵は持ち合わせています。 罵倒したり、嫌がらせなどもしません(そんなことで回収できたら苦労しません) 逃げてしまうと大事な物を捨てていかねばならないんですからね。 こうなるまでは大事に持ってきたご先祖とお別れしなくてもいい道も有ったはずです。 でも、こんなご時世で相談なども出来なかったんでしょうかね。 霊璽を置いていかれた〇〇さん、少なくともしっかりとお焚き上げ供養はさせていただきました。 これからはお空に向かって祈ってください。 そしてこんな目にあった私ですが、これからのあなたの人生の成功を本当に心から願っています。 きっとご先祖様もそれだけを望んでいるはずですから。
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2024年1月9日お部屋探しの時に聞いたことのある珍言 ~営業マンはつらいよ編~
頑張れ全国の同志たち お部屋探しにいらっしゃる方は全国の不動産会社にとって当然ですが、大切なお客様です。 しかし、一口にお部屋探しといってもお客様の要望や引っ越し理由などは千差万別 一つとして同じお客様や条件などはありません。 そんな賃貸営業をやっていた営業マン時代に聞いたことのある変わった言葉を「珍言」としてご紹介してみようと思います。 通常のお部屋探しでは出会わないような言葉をいくつか思い出としてお話してみます。 楽しんで見ていただければ嬉しいです。 「え?家賃って俺が払うの?」 これは私が東京で賃貸営業を行っていた時のお話です。 ある日、とある物件のお問合せで来店した30代位の男性(Aさんとします) 初来店ですので、まずは初回接客ということでお引越し理由や希望条件などを伺います。 引っ越し理由は「実家からの独立」でした。そして肝心の家賃額について聞いた時にそれは起こりました。 私「家賃の上限と下限はどのくらいで探しましょうか?」 A「家賃?任せるよ」 私「任せるよ?」 初めての返答でした。大体皆さんは「○万円位」とか「この辺の相場ってどれくらいですか?」と聞かれることはあっても「任せるよ」は初耳でした。 訳が分からなかった私は「任せるよ」について深堀りしたところ、出た言葉が 「え?家賃って俺が払うの?」 私は本当に何を言ってるのか理解が出来ませんでした。 その後、ゆっくりと話しを聞いてみたところ、なんと 「自分のような人間が住むのだから家賃は無料だと思っていた」との返答 ここまで見ても分からないと思うので、彼の言い分を箇条書きにします。 家賃は「本当は住ませたくない人を住ませる対価」だと思ってた お部屋が空いているよりは使ってもらった方がいいハズ 自分のような若くて勤め人が住むんだったら大家も喜ぶと思った 実家でも家賃は払わないのだから、いらないと思った 箇条書きにしてもやはり意味が分かりませんね。 要するに、彼の中では大家さんは善意半分で運営しており、自分のような人なら皆入居して欲しいと思ったそうです。 なぜそういった発想になったのかは分かりませんでしたが、彼はそう思ったそうです。 なぜかガッカリしている彼とその後少しだけ話したのですが、私も疲れてしまい 「当社にはそういったお部屋はありませんので、すみません」とだけ伝えてお帰りいただきました。 変わった経験でした。 幽霊が出ないお部屋を探してください 今回は短いお話なのですが、こちらも来店したのは男性のお客様でした。 エリアや希望家賃、間取りなどを大体伺った後に、希望条件を聞いたところ 「絶対に幽霊が出ないお部屋にしてください」 と言われました。 その理由がなんと「今住んでいるお部屋に幽霊が出たから」とのこと。 完全に困りました。 何が困ったって 「絶対に幽霊が出ないお部屋」というのはどうやって証明すれば良いのか分からないのです。 私はこのブログで申し上げた通り、霊感も無ければ、幽霊を見たことがありません。 その為、幽霊そのものを信じていません(怖いから信じたくないだけですが) そんな営業マンでは「絶対に幽霊が出ないお部屋」の判定が出来る訳もないのです。 私はお客様に「通常のお部屋探しは出来るのですが、幽霊がいる、いないを含めて私で判断できないのですが・・・」と話しました。 もちろん、事故物件や幽霊の噂があるような物件は紹介しない。ということは出来るでしょうけれど、幽霊が出ないお部屋というのは証明の仕方が完全に不明でした。 お客様は「じゃあ霊感が有ったり、そういうのが分かる営業の方いませんか?」とのこと 私は念のため、同じ店舗のスタッフに「霊感とかありますか?」と聞いてみたところ全滅。 お客様に「すみません、当店には霊感があるスタッフはおりませんでした」と伝えたところ 残念そうに「そうですよね、事前に聞いておけばよかったです。すみません」と言って帰っていかれました。 私も「お役に立てず申し訳ございません」とだけ返答しました。 この時だけは「霊感って有った方がいいのかな?」と思いましたね。 最後に、霊感の有り無しをどうやって判断するんだろうな?と疑問だけが残りました。 あのお客様が希望に合ったお部屋探せていればいいのですが・・・ 頑張れ全国の営業マンたち 今回はこの程度にしましょう。 大分昔の話でしたが、いかがでしたでしょうか。 営業マンをやっていると本当に様々な人と出会います。 お引越しは人の生活の中でも重要な機会です。 その為、真剣になればなるほど人の価値観や人生観のようなものが見られます。 普段では人に話さないような価値観や人生観が見えるのも不動産業の醍醐味かもしれません。 そろそろ、お部屋探しの本格シーズンです。 全国の賃貸営業のみなさん、頑張ってください。 お客様はみんな「アナタ」を信頼して話してくれるのです。 その信頼に応えて素晴らしい新生活のお手伝いをしていきましょう。 それでも大変なお仕事ですよね、私もその一例をご紹介してみたかっただけです。 もちろん、今回のお話も大分昔であることと、少し変更もしてありますけどね。 また思い出したら書いてみようと思います。
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2023年10月3日それは管理会社の仕事なのか? ~過去の相談事例3選~
たまーにあるんです、変なご相談が 誰に相談したらいい? 不動産の管理会社となると様々なご相談が日々寄せられます。 設備の不良から隣人トラブルなどまで、本当に幅広い範囲だと思います。 私もこの仕事は長くなりましたが、それでも日々「こんなことが起きるとは」の連続です。 そんな刺激あふれる管理会社ですが これは流石に管理会社の仕事か? というようなご相談が寄せられることがあります。 今回は私が過去に経験したご相談の内、特に変わったものを3つご紹介しようと思います。 とはいえ、現在お住まいのことであれば、大体は一旦管理会社に連絡していただければ大丈夫です。 隣の娘さんの帰りが遅い これはハッキリと管理外ですね これは随分昔、東京での経験でした。 とあるワンルーム系のマンションにお住まいの方からの電話でした。 「隣の大学生の女性の帰宅が段々と遅くなってる気がするので、注意してください」 最初聞いた時にはてっきり深夜の騒音かと思っておりました、その女性が深夜に帰ってきて生活音などがうるさいのかな?と しかし、よくよく話を聞いてみるとそうではありませんでした。 その方の言い分としては 「若い女性の帰りが遅いというのはけしからん」 「隣の女性が大学生というのはお引越しの挨拶で知っている」 隣に住む女性は進学の為に地方から出てきた方だそうです。 そしてお引越しのご挨拶に親御さんと来ていただいたことで、責任感を持ってしまったようで 「親御さんが心配するだろうから管理会社が注意しろ」とのことでした。 これについては、管理会社は親でも親戚でもありませんし、騒音などの苦情でない限りは生活やライフスタイルは本来自由です。 私は「生活音やマンションのルールを破っていない限りは帰宅が遅いというのは、管理会社として申し上げることは出来ない」と申し上げると 「管理会社なのだから、親御さんからお預かりしたお嬢さんを責任持って管理しないんですか?」とご立腹のようでした。 もちろん、この物件は女性限定や帰宅時間に関する取り決めなどもありません。いわゆる普通の賃貸マンションです。 設備や住環境に関することであれば対応は出来るのですが、生活の管理は範囲外です。 ご本人は混じりっけなしの善意なんですがね。 こういった経験からも私は「一人暮らしの時のお引越しご挨拶は程ほどに」と思っております。 結局はご説明して理解をしていただきましたが、変わった正義感でしたね。 私のところだけ新聞が届かない これも理解するまで時間が掛かりました 次は微笑ましいお話です。 ある日のことお電話が 「私のところだけ新聞が届かないんですが、投函物抜き取りとかありますか?」 おや、深刻な相談です。もしそうなら窃盗などの警察にも頼らなければなりません。 まずは聞き取りです。 私「新聞はいつごろから届かないんですか?」 入居者さん「最初から届かないんです」 私「ちなみにどちらの新聞ですか?南日本新聞とかですか?」 入居者さん「分からないです」 私「?」 この辺で変だなと思い、詳細を聞いてみたところ 新聞を契約していない ということが判明しました。 どういうことかというと 引っ越してきて朝ポストを見ると、ほぼ全戸新聞が入っている ↓ そうか、このマンションは入居者全員新聞が届くんだ! ↓ 自分のところに新聞が入っていない ↓ 誰かが新聞を抜き取っているのではないか? と思ってしまったそうです。 そこからは、とっても和やかに終わりました。 入居者さんも「今思えば何でそんな風に思ってしまったのか」とのことでした。 私もありますが、一度思い込んでしまうと簡単なことに気付けないということなんでしょうね。 最初の入口が「郵便物の抜き取り」と思って話を聞いておったので、私も真相に辿り着くのに時間が掛かりました。 とはいえ、何の実害もない微笑ましいエピソードですね。 別れた彼氏が来るのを阻止して欲しい なぜ私が・・・・ これはマンションの掃除をしている時に話しかけられたのですが 若い女性が駆け寄ってきました。 そして 「最近別れた彼氏が頻繁に家に訪ねてくるので、来ないように説得して欲しい」 とのことでした。 ストーカーかな?と思って聞いておりましたが、残念ながらストーカーに対応する権利も実行力も不動産管理会社にはありません。 建物もオートロックでもありませんから、玄関先まで来るのを拒む設備もありません。 来訪者を遠ざける為には敷地内に関係者以外の立ち入りを禁止している部分しか、管理会社には根拠はありません。 しかし、彼女の言い分としては 隠れて待っているか、玄関先で待っていて、元カレが来たら注意して欲しい なんてこった・・・・ 私は警察をおススメしました。 ストーカー事案であれば深刻化すると身の危険につながるし、不動産会社が対応できる範囲を超えていると しかし彼女は「警察はいや」とのことでした。 ですが、権限もなければ警告する為に張り込みまでは到底できませんのでお断りしました。 その後も折に触れては心配ではいました。個人的には警察にしっかりと相談した方が良いと思っていたからです。 しかし、思わぬ形で結末を知ることになりました。 それは警察からの連絡でした。 私は悪い予感が当たったのかとドキドキしながら聞きました。すると警察官は 玄関先で男性が大声を出して喧嘩しているので来ました。こちらの住民さんの連絡先を知りませんか?とのことでした。 私は警察官に何が起こったのかを確認したところ 部屋に訪ねてきた男と元から部屋にいた男が喧嘩になった。とのことでした。 私は理解が出来ずにいたのですが、結論から言えば 別れた元カレというのは、彼女の浮気相手だったそうです。 浮気相手には彼氏がいることを伝えていなかったそうです。 しかし、いつかはバレてしまうことを恐れて彼女は浮気相手に別れを切り出したそうです。 突然連絡も取れなくなった彼女に真相を聞きたい浮気相手(自身は彼氏と思っている)と本当の彼氏が鉢合わせになってしまいました。 本当の彼氏は困惑したことでしょう。突然家に来た男が自分の彼女の「彼氏」であると主張したのですから そして玄関先で口論になってしまい、近所の住民が警察へ電話した。とのことでした。 なるほど、だから警察を頼りたくなかったのか・・・・ そして一刻も早く対応しなければ、いつか鉢合わせになってしまうことを恐れていたのです。 だからこそ、張り込みまでして対応をお願いしたのでしょう。 だからといって管理会社を使って遠ざけようとするなんて・・・ 管理会社は「人の管理はできない」 私は常々こう思っております。 我々は不動産の管理を通じて人の幸せに貢献が出来ると思っています。 しかし一方で不動産の管理は出来るものの、人の管理は出来ません。 問題が起きても裁判所や警察のように権力を行使できる力はありませんし、不動産会社が人の管理を出来る権限など持つべきではありません。 もちろん、問題が起きれば「説得」「注意」「公的機関への相談」などは出来ますが、本当の意味での実力行使は出来ません。 だからこそ、「説得」「注意」の技術は上げる必要がある。と思っております。 言い方ひとつで怒っている人を冷静にすることも出来ますし、無理難題を言ってくる人に説明することだって出来ます。 武器も権限もありませんが、そういった技術を強化することで問題を解決することは出来ます。 しかし、根底には「人の管理は出来ない」という事実は管理会社のスタッフは持っておいた方が良いと思っています。 それを根底に認めつつ、それでも問題を解決する。というスタンスでなければならないと思っています。
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2023年7月22日事故物件の内側から飛び出してきたモノとは?
心臓が止まるかと思いました 異変あり とある夏の暑い日に一本の電話がありました。 「窓ガラス越しに人が倒れているように見える」 ある物件からの連絡でした。 急いで駆けつけると、たしかに窓ガラス越しに人が横たわっているのが確認できます。 私はその時点で警察へ連絡しました。 なぜなら曇りガラス越しに既に変色しているのが分かったからです。 しかも、恐らく体液のようなものまで見えたため、残念ながら既に手遅れであろうことが分かりました。 数分後に警察官が来てくれました。 しかし、一つ問題がありました。 この物件にお住まいの方は私たちが管理を受ける前からお住まいの方で、この住戸の鍵は私たちも受け取っていないのです。 その為、鍵を開錠して室内に入るということが出来ないのでした。 いざ突入 一刻も早く出してあげたいのです 警察官も外から眺めて、最早手遅れであることを確認しました。 そうすると、警察の方が取る手は2つです。 鍵屋さんに開けてもらうか、窓ガラスを破るかの2択です。 時間は既に夜になり、馴染みの鍵屋さんは丁度別件ですぐには来れないとのこと。 しかし、私たちも一刻も早く出してあげたいものです。 幸い角部屋であったこと、1階であったことから居室の横の小さい窓を割って入ってもらうことにしました。 ちなみにこういった時には手順があります。 壊す箇所の前での写真撮影です。 警察としても了解のうえで壊すという証拠の為に、壊す前のガラスの前で私が指をさしている写真を取らねばなりません。 要は「管理会社の確認を取ってこの窓ガラスを割るよ」という写真になります。 交通事故の時なども損傷している箇所を指さして写真を撮りますが、似たような感じです。 既にオーナーさんには連絡済みだった為、オーナーさんの了解も得ています。 私は警察官の指示に従い、窓ガラスの前に立ち、建物に背を向けた状態で窓ガラスを指さします。 さあ、シャッターを切ろうとした、その瞬間でした。 ドン!! 背後のガラスを叩く音がしました。 私は心臓が止まる思いがしました。 まさか、と思いました。 私はあまりの驚きで声が出ませんでした。 警察官も「うぉっ」と声をあげました。 私はただ、写真を撮る警察官の方へ後ずさりするだけでした。 窓ガラスを叩いた正体は? 私は後ずさりして窓ガラスを見ました。 すると、ガラス越しに何かがいるのが分かりました。 その正体は入居者さんが飼っていた「犬」でした。 確かにペット可の物件でしたから予想は出来たかもしれませんが、すっかり失念していました。 一刻も早く出してあげねばとばかり思い、予想の範囲から消えておりました。 そこからは、あっという間でした。 ガラスを破壊し、警察官が中へ入ると1匹の小型犬を抱いて出てきました。 その後、やはり亡くなっていた入居者さんを無事運び出してくれました。 後日、検死で病気による突然死だったとのことを伺いました。 犬は一旦警察署で預かったのちに、ご遺族に引き渡されたとのことも報告を受けました。 警察の方に聞いたところ、ガラスを割って入った時にワンちゃんは既にこと切れた飼い主さんの近くに駆け寄り、近づく警察官を威嚇し、かなり吠えたようです。 恐らく最後まで飼い主を守ろうとしていたのではないか。とのことでした。 私は飼い主さんのことを考えていました。 警察官の方に聞いたところによると、亡くなった入居者さんは家族とも疎遠で、友人づきあいも希薄だったようです。 しかし、唯一の家族であるワンちゃんはしっかりと可愛がっていたのでしょう。 亡くなった時のことは知る由もありませんが、最後の瞬間に一人でなかったこと、誰よりも自分を大切に思ってくれる命がそばにいたことが故人の幸せだったらいいなと、とりとめのないことを思っていました。
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2023年3月14日「私はあの男と縁を切ったので」娘に言われた滞納者の再生への道②
どん底からの再生への道 果たしてAさんの結末は?家族として復活できるか? 苦しい現実と悲しい過去 前回の記事はこちら https://lotushome.jp/blog/3834/ やはり娘さんはAさんのアキレス腱であったことが分かった今、私の解決へのレールにやっと乗ることが出来たように思います。 しかし、まだ問題は山積みです。 まずは、今後の滞納解決のために現況を確認することにしました。 Aさんの現況としては 現在は年金暮らしであるその他にも知り合いのところでアルバイトで少し働いているコロナウイルスの影響などもあり、アルバイト収入も多くはない しかし、この期に及んで滞納分の返済についてどう思うか?という問いに対しては 「無理だ」「払えるもんなら払ってる」「毎月赤字だから余計なお金などない」などと、およそ正論からはほど遠く、誠意のかけらもない問答が続きました。 ここはグッと我慢です。 この段階で「人としての道」などを語りかけても ぬかに釘 のれんに腕押し 滞納者に正論 です。 「家賃は払うべきだ」こんなことは滞納している人たちも知っているのです。知ったうえで滞納しているのです。 オーナーや他の善良な入居者さんからすれば腹の立つ事態ですが、回収のためにはここは怒ったりしてはいけません。 この間にも娘さんと娘さんの友人からの罵倒は止まりません。 「生活がだらしない」 「あなたのせいで何度も人に謝ってきた」 これまでの娘さんの苦労が垣間見える言葉ばかりでした。 中でも第三者の私でも応えたのは 「あんたがそんな苦労ばっかり掛けるからお母さんは・・・」 という娘さんの言葉でした。 この言葉はAさん本人にも強く刺さったようでした。 娘さんに「お前はここには来るなよ」と絞り出すようにつぶやきましたが、すぐさま 「私だって来たくなかった」と返され、沈黙ばかりとなりました。 もう十分だろうと思った私はAさんに 「娘さんはこれまで十分重荷を背負ったと思うので、もう解放してあげませんか?」 とAさんに告げました。 するとAさんはここで初めて 「どうすればいい?」 と耳を傾ける姿勢を見せたのです。 滞納している方に一方的に返済計画などを提案しても無駄です。その場では「はい」と言いますが、それはその場から「逃げたい」という一瞬の誤魔化しです。 本当の意味で滞納を解決するには自分自身の「どうすればいい?」の言葉や「何とかしたい」まで持っていくことが必要なのです。 ここで私の解決プランをようやくAさんに伝えることにしました。 解決への道とAさんの試練の道 さあ解決編のスタートです まずは、私のプランはこうでした。 このAさんの唯一のアキレス腱である娘さんへの想いを利用(言い方は最低なのは自覚しています)して、滞納解決を試みることでした。 具体的には まずは滞納分を完済する完済し終えたら保証会社に加入する保証会社に加入したら娘さんを連帯保証人から外す 長年苦労してきた娘さん そして迷惑が掛かっていることで父娘の関係は最悪のものとなってしまいました。 そこで私は「娘さんを連帯保証人から解放する為」ならAさんは頑張れるのではないか?と思ったのです。 Aさんの人としての最後の良心に賭けてみることでした。 もちろん、このプランは既に物件のオーナーさんには伝えてありました。 事前に、保証会社に通ったら娘さんを連帯保証人から外し、保証会社の契約に切り替える許可を貰っていました。 オーナーにも返済能力や意思があやふやな娘さんよりは保証会社の方が確率は高いと伝えました。 そして、その方法なら滞納分も払って貰える可能性が高い旨も説明してありました。 オーナーもAさんについては諦め半分でしたから、この案には快く同意していただきました。 しかし、この道も楽ではありません。 なぜなら現在の滞納を解消する為には並々ならぬ努力と倹約が必要です。 溜まりに溜まった滞納をあまりにも分割にし過ぎると解決まで時間が掛かりすぎます。 私は計画を立てる為にAさんの家計を洗い出しました。 その人の返済計画を立てるのに、どれだけのお金を出せるかは生活に掛かる費用を知らなければ立てようがないと私は思っています。 そして計画はこうなりました。現在滞納している賃料6ヶ月分を 平常月は通常の家賃+半月分を加算 年金支給月は通常の家賃+1か月分を加算 つまり、平常月は家賃の1.5カ月分、年金支給月は家賃を2倍払うという計算です。 これは皆さんにとっては厳しくないかもしれませんが、滞納している方からすると非常に厳しいものです。 もちろんAさん自身もかなり厳しいものであることは分かっていました。 この段階でもAさんが支払うことが出来るかは五分五分、いや七対三で払わないが優勢でした。 そして結末は 家族の再生は出来るのか? そして計画は進みました。 最初の1か月、2ヶ月これは無事にクリアしました。 大体他の方もここまではいくのです。問題はここからです。 3か月目、ついに約束の朝に入金が確認できませんでした。 「あぁ、ここまでだったか」 と落胆していると私の携帯が鳴りました。 「ごめん社長、朝一銀行に寄れなかった、今から振り込むから」 Aさんでした。 そしてその言葉通りしっかりと入金されました。 その後も返済はしっかりと続きました。 最初の頃は娘さんからも私に確認の電話がきました。 「絶対あの人は口だけだと思います」と しかし、その都度「今月も約束通り入金されていますよ、よほど娘さんのお言葉も堪えたのでしょう」そして 「今は娘さんを連帯保証人から解放すると思って頑張ってますよ」とも答えました。 娘さんは「そうですか・・」と複雑そうでした。 そして約束の半年が過ぎました。 Aさんは一度も約束を違えることなく完済しました その旨を娘さんにもお伝えしました この間も折に触れては娘さんには進捗は報告していました。 「お父さん、今月も無事クリアしましたよ」 「もう保証会社の審査を受けても大丈夫だと思います」 その度に娘さんのお父さんに対する感情も変化していったように思います。 そして完済し終えた日に娘さんへ聞きました。 「新しく保証会社に加入するに当たって連帯保証人ではなく、お父さんに万一のことがあった時に緊急連絡先というのが必要になります。債務を負いませんが、緊急連絡先に娘さんなっていただけませんか?」 この緊急連絡先というのは連帯保証人のようにお金の責任はありませんが、万一本人に病気などあった時には連絡をしてご協力をお願いすることはあります。 もちろん、その性質上親族でなくとも大丈夫です。職場の同僚や友人などでも構いません。 しかし、何となく娘さんになっていただけたらいいな。と思っていました。 そうでなければ、今後Aさんと娘さんは接点すら無くなってしまいます。 この期に及んで私も「出来ることなら」と内心思っていました。 「私はあの男とは縁を切ったので」とまで言われたAさん 連帯保証人を外れる今、流石にもう関係を切りたい!と言われるかと思っていました。そしてそれも仕方ないことだと思います。 しかしその返答は 「もちろん、いいですよ」 私は胸と目頭が熱くなりました。 解決後のこと その後、Aさんは保証会社の手続きと契約変更の手続きをしっかりと進めていただきました。 娘さんが緊急連絡先になってくれることも伝えると照れくさそうにしていました。 その後も約束の期日までにしっかりと家賃を払ってくれています。 Aさんもまた娘さんへの想いを原動力に頑張ってきました。 これからAさんと娘さんがどうなるかは私には分かりません。 映画のようにまた父娘仲良くなるかもしれませんし、現実はそう上手くいかないかもしれません。 そしてその幸せになったAさんと娘さんの姿を私は見ることはないでしょう。 管理会社としての私の役目は滞納が完済した時点で終わりです。Aさんのハッピーエンドの場面は見ることはないのです。 困った時だけ出番のある管理会社 私と2度と会わないということが、Aさんの幸せになった証拠ですからね。 私の目の届かないところで幸せになっていてくれたら嬉しいです。 それでも一時は絶縁状態だった2人 お手伝いが出来た満足感を糧に明日も仕事を頑張ろうと思います。
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2023年2月15日「私はあの男と縁を切ったので」娘に言われた滞納者の再生への道①
切なさと希望の話です きっかけは新規物件の滞納 「私はあの男とは縁を切ったので、連絡もしないでください」 電話を切られてしまいました。 はぁ、参ったな・・・ 発端は当社に新規で管理の依頼のあった物件でした。 こちらの物件は築年数も30年を超え、10世帯あるアパートの内空室が7部屋もあるという状態でした。 しかも残り3部屋の内1部屋は6ヶ月以上の家賃を滞納している状態だったのです。 この惨状を憂いたオーナーさんが当社の噂を聞いて管理の依頼がありました。 その後、家賃設定やリフォームなどを実施し、空室はその後すぐに満室になったのですが、問題はこの滞納者でした。 年齢は65才男性で一人暮らし、古くからの入居者の為保証会社の加入は無し、電話や訪問をしてもなしのつぶて、全くの無視です。 当初の契約書に記載されている職場も既に退職し、噂では無職ではないかとのこと。 お名前はAさんとしましょうか。 前任の担当もとうとうギブアップということでした。 今回は最初から私自ら督促に向かうことにしました。 唯一の身内である娘さん そして冒頭の言葉です。 連帯保証人の娘さんに電話をしたところ開口一番言われました。 前管理会社も匙を投げたのが、唯一の連帯保証人である娘さんの存在でした。 とにかく連帯保証人になったのはいいが、お父さんの滞納やそれ以外の問題でも度々連絡が来ることで参ってしまったのです。 無理もありません、前の管理会社の頃から滞納について度々連絡をされ、請求され、なにかと責任を取らされ続けてきたのです。 そしてそれでも連帯保証人という重い役目に縛られ続けていました。 保証会社もナシ、連帯保証人は関わりたくない、本人は連絡も取れない、仕事もしているかも分からない ふーむ 私は再度娘さんに連絡して言いました。 「連帯保証人を外れる為に協力してくれませんか?」 「え?どういうことですか?」と娘さんはようやく聞く耳を持ってくれました。 娘さんは今までそんなことを言われたことが無かったのでしょう。 聞く耳を持っていただけました。 そして、娘さんと一緒にお父さんのアパートへ行く約束をすることが出来たのです。 この時私には解決への道筋が一本だけ見えていたのです。 しかし、その方法は蜘蛛の糸よりも細く、不確定要素しかありませんでした。 娘との久々の対面と罵倒 約束当日、私は副社長と2人で現地へ行きました。 そして警察の方にも来ていただきました。 なぜ警察を呼んだかというと、それなりの高齢であり、連絡も取れない。 そう、万一室内で倒れたり死亡している可能性もあったからです。 程なくして娘さんが来ました。 車から降りて自己紹介をすると隣に男性が一人立っていました。 旦那さんかな?と思いご挨拶をしたところ、娘さんの友人のような方で、私に会うなり 「管理会社も大変ですね、言っちゃなんですけどあの親父はクズですよ」とかなりの怒気をはらんだ言葉を発してきました。 恐らく今回立ち会うにあたって、信頼している人を連れてきたのでしょう。 そして普段娘さんからお父さんのこれまでの行動を聞いて同情し、憤っているのでしょう。 警察の方には事前に話しておりましたが、現地でも状況を伝えます。 そして警察の方が玄関先から声を掛けます。 「Aさーん、こんにちは〇〇警察の者です。開けてくれませんか?」 文言を少しずつ変えながら声を掛けますが返答がありません。 警察の方は 「返答がないので、鍵を開けましょうか」と言い 私は住戸の鍵を警察へ託しました。 鍵を差し込み警察の方がドアを開けます。 この瞬間だけは何度立ち会っても慣れないものです。 すると警察の方が言いました。 「あぁ、いらっしゃったんですね」 私も覗きこみます。そこには 玄関から見える居間にこちらに背を向けて座っているAさんがいました その状態で警察の方に呼ばれて振り向きました。 小太りで頭髪も薄くなり、下はジャージで上は肌着のような恰好のAさん そして流石に観念したのか、玄関の方へ少しずつ歩いてきます。 警察の方は 「無事そうですね、それではこれ以上のことは我々の管轄外になりますので、我々は失礼します」 お礼を伝えて、それではAさんと話しをしようかなと思った矢先 「あんたどんだけ迷惑掛ければ気が済むの」 と娘さんが第一声 続いて娘さんの友人も続きます 「お前、こんだけの人に迷惑かけてさっさと出てこいよ」 その後も2人から次々と叱責を受け続けます。 うな垂れて目線を玄関の土間に移しながら立ちすくむAさん 私は娘さんと友人を制して 「Aさん、今日は滞納の件と安否確認の為に参りました。初めましてロータスホームの内田です」 と間に割って入りました。 するとAさんは 「娘を連れてくることはないじゃないか」と小声で言ったのです。 私はこの時に 一つ目の賭けに勝った と思いました。 私はAさんの滞納解決への道を全て思案していました。 仕事もしていない、周りのコミュニティも属していない、家族も娘さんの他いない、高齢である そうなのです、彼には失う物がほとんど無かったのです。 滞納督促は以前の記事でも書きましたが、当の滞納者が「何を一番恐れているか?」が大事です。 この生活を失いたくない、これ以上のストレスは嫌だ、連帯保証人に知られたくない、仕事に支障が出るのは困る、滞納していることが世間にバレるのが恥ずかしい、など 人それぞれなのですが、私は過去の経験などからか、人と対峙すると「この人が何を恐れるのか?」を見つけるのが人より得意なのだと思います。 それが見つかれば後は簡単です。 その恐れる事態にならない方法、すなわち滞納の解決を本人と一緒に決めていくだけなのです。 ここでその「恐れる事態」で脅してはいけません。人間は恐れる事態で脅すと恐怖や絶望で前に進むことは出来なくなります。 あくまで「最悪の事態を私たちなら解決できる」という安心感もセットにしなければなりません。 脅したりで解消できるのなら、こんなに簡単なことはありません。しかし、脅すという行為では最初の何回かは支払うかもしれませんが、絶対に滞り始めます。 しかし、「これさえ達成すれば最悪の事態は来ないんだ」という安心感は強く、かえって回収率は大きくなるのです。 話を戻しましょう。 私はこの失うものがないAさんにとって唯一のアキレス腱が娘さんである可能性に賭けたのです。 嫌な奴だ、性根の悪い奴だと思われるでしょう。私もそう思います。 しかし、それだけ滞納の督促というのは厄介なのです。 払ってください はい、払いますで済むならどれだけいいか。 滞納というのは簡単には起こりません、その人の人生でかなりの問題を抱えているからこそ起こるのです。 その苦労や見たくないもの、聞きたくないものを大家さんの代わりに解決することが管理会社の役目なんだと思います。 長くなりますので、続きます。 https://lotushome.jp/blog/3839/
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2023年1月13日過去に受けた変なクレーム
今まで受けたクレームの中で変わったものを どうしたらいいものか・・・ 先日、ニュースサイトでこんなニュースを見ました 「テレビが故障してW杯が見られない」不要不急の110番通報が35万件 「1.3倍」に急増 警察への通報のうち、不要不急の110番通報がおととしに比べて1.3倍に急増しているとのこと。確かにテレビの故障を警察に言ってもどうしようもないと思うのですが、警察の方も大変ですね。今回は賃貸管理会社をしているうえで避けられないクレーム(正当な物も含めてですよ)その中でも私が過去に経験したことのある「変わったクレーム」をご紹介してみたいと思います。 TVコマーシャルで偉そうにするな 当社はTVコマーシャル出してません ある日のこと、会社に電話がありました。たまたま私が取ると開口一番 「お前のところの社長はTVコマーシャルで偉そうにしゃべりやがって」 とのこと 社長の私が知らない間に当社はTVコマーシャルを出していたのでしょうか?「当社は不動産会社ですが、お間違いではないですか?」と尋ねてみました。 「間違いない、社長が偉そうにコマーシャルなんか出る暇があったら仕事しろ」 そして電話を切られてしまいました。 多分どこかの不動産会社と勘違いしたのかと思いますし、その後も一度も連絡はないのですが、何と間違ったのでしょう?謎です 私だけ新聞が届いてない そのままですが、理解するのに時間が掛かりました。 これも電話でした 入居者「私だけ新聞が届いてないみたいなんですが・・」 これ自体はたまーに受けることがあるのです。主な原因としては①配達する側のミス ※管理会社では調べようがありませんが②郵便物の盗難(新聞泥棒)のどちらかなのですが今回は違いました。 そもそもこの方、新聞を契約していませんでした 住んでいるマンションの郵便受けのほとんどに新聞が入っていることから 「マンションに住んでいると貰えるんだ」と思ったそうです。書けば簡単なのですが、まさかの勘違いだけに辿り着くのは時間が掛かりました。全く悪意もなかったので実害もありませんでしたが、「そう思う方もいるんだな」と驚きました。 放射能が気になるので物件を「何かで」覆って欲しい これは東日本大震災発生後の東京にいるときのことでした。当時、原発の事故があり、周辺では放射能の値が高くなったニュースをご覧になった方からでした。「東京でも放射能の数値が高くなってきている」「ついては放射能から入居者を守るのも管理会社の役目だろう」「だから建物全体を覆って放射能対策をするべきだ」「何で覆うかは調べてほしい」当時は政府も含めて対策をしておりましたが、東京では避難などの措置も取られない状態でしたから、管理会社の我々もニュースや情報を取っている段階でした。そんな中で「放射能を防ぐ」という方法はいくつか紹介されていたものの、「覆う」のは不可能でした。しかし一向に納得はしてもらえずに「管理会社は安全を提供する義務がある」との一点でしばらくの間対応を迫られました。最終的には話して理解を得られましたが、当時は情報も錯綜する中、大変でしたね。 あのネコを譲って欲しい なぜ言えたんでしょう? これも変わったクレームというか要望というか分譲マンションの管理をしている時のことエントランスで管理員さんと話していた所、見知らぬ親子が話しかけてきました。50歳くらいの女性と小学校高学年くらいの男の子でした。 「さっき入っていった人の飼ってるネコを譲ってほしいから、あなた達からお願いしてくれない?」 なんですと?確かに先ほどマンションに住んでいる住人さんがネコを連れて帰ってきました。動物病院に行ってきたとのことで、先ほどまで私や管理員さんと雑談していましたから。面食らってしまいましたが私は返答します。「絶対ダメでしょうし、そもそも今飼ってらっしゃるネコですよ?」と、すると 「あのネコは高いネコだ!私たちの方が可愛がるから」と返答になってません。 子供の前でなんてことを言うんだ!当初は丁寧にお断りしておりましたが とりあえず言ってみないと分からないからあの人も手放したがってるかもしれないからあんた達も管理会社なんだから地域の役に立たないとこの子もネコを飼いたいし、子どもの願いだから などと全く聞きません。その為、最終的にはこれ以上言うのであれば警察などに相談せねばなりません。と伝えたところ 「ケチ」 と吐き捨てて帰っていきました。一応、その住人さんには顛末を話して今後注意をしてもらうことと、近くの交番の警察の方に報告しておきましたが、スゴイことを恥ずかしげもなく言う人がいるもんだと思いました。結局その後実害も無かったのですが、あんなことを言う人もいるんだなと勉強になりました。 社会の常識とは? 私も日頃から「自分の常識、社会の非常識」という言葉を思い出し、自分の振る舞いを気を付けようと心がけております。勘違いなどであれば、笑い話にもなるのでいいんですけどね。でも、一方で冒頭の警察の事例などは深刻かもしれませんよね。本当に大事な通報が不要不急の110番により埋もれたり、警察の業務量増加になってしまったら大変です。警察や消防に何でも言えばいいという訳ではないんですけどね・・・また、社会で仕事をしていると、どの仕事でも一定あるんでしょうね。社会の同志のみなさん、今日もお疲れ様です。
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2023年1月11日飛び降り事件後の遺族のまさかの一言
この事件は私にとっても色々と考えさせられる事件でした 東京での分譲マンション管理時代 今から10年ほど前の話しです。当時私は東京で分譲マンションの管理会社に勤めていました。分譲マンションの管理というのは賃貸管理と似ておりますが、各住戸ごとにオーナーさんがいるという形態になるため、賃貸用の物件とはまた少し違うところも多いのですが、今回はそこはおいておきましょう。ある夏の日にとあるマンションの管理人さんから連絡がありました。 「内田さん、○○○号室の方がベランダから飛び降りた」 私の担当マンションでした。 私はすぐに電車を乗り継ぎ現地へ向かいました。 荒れた室内 画像はイメージです。実際はもっとヒドイ状態でした 私が駆け付けた時には既に警察の方が多数おりました。そして、残念ながら被害者の方は亡くなったことを知りました。即死だったとのこと。しかし、現場にはおびただしい量の血液が残っており、生々しい状態でした。被害者は当時上層階に住んでいた若い女性でした、こちらの記録によると夫婦2人暮らしとなっていました。警察から旦那さんには連絡済で、今現在こちらに向かっているところとのことでした。私は警察立ち会いの元、室内の様子を一緒に確認して欲しいとのことで室内へ入室しました。頭と両手足にビニールを付け、マスクをして入室すると、そこは・・・ 荒れた室内、服や物が散乱しています そして、ペット可でありましたが、小型犬がケージに3匹いました。知らない人が多数入ってきたせいか、キャンキャン吠えていました。そして更に異様だったのが各所で見る以下の光景でした。 枕がズタズタになっており、ハサミと包丁が刺さっている台所シンクにオロナミンCの空き瓶ユニットバスのドアパネルが蹴られたように大きな穴が空いている写真がビリビリに破かれて散乱している 一目で理解できますね。そう、被害者の方は心の病を抱えていたのです。ご自身の幼少期の写真も引き裂いていたり、枕に突き立てられた包丁などは、実際に見ると中々のインパクトでした。残された写真を見ると、健康だった当時のものでしょう。キレイな奥さんと笑顔の素敵な旦那さんがテーマパークで仲良く写っていました。こんなに幸せそうなのに・・・印象的だったのは、破かれた写真がどれもこれも自分自身(奥さん)の部分をビリビリに破いていた点でした。 帰ってきた旦那さんの一言 ついに到着した旦那さん、その反応は意外でした。 旦那さんが到着しました。私は勝手に自分に当てはめていたのでしょう、帰ってきた旦那さんの反応に驚きました。泣くこともなく、笑顔こそ無いものの、取り乱した様子もなく、ただただ淡々と警察官と話しています。今日仕事に行くときも妻は普通だった、何時ごろ家を出た、奥さんの親族には電話をしてあること、病院の場所など表情も喜怒哀楽のどれでもない真顔で淡々と話すその姿に困惑しました。亡くなったにも関わらず、配偶者すら涙を流してくれないのか・・可哀想にと思いました。勝手に奥さんに同情してしまった私は警察官に断って、一旦室内から出ました。そして、廊下に灰皿が置いてあったので、そこで鬱屈した気分を晴らす為、タバコを吸いはじめました。※当時の話です。もちろん廊下(共用部)でタバコは本来絶対にダメですよ。すると、ひと段落したのか旦那さんも室内から出てきました。私はあまり良い印象を持っていなかったのですが、会釈をして「この度はご愁傷様です」と声を掛けました。旦那さんは「どうも」とだけ発すると「僕にもタバコ一本もらえませんか?」と言ってきました。私はタバコを一本とライターを渡しました。旦那さんはタバコに火を点け、廊下にある階段に腰掛けました。無言でタバコを吸う2人会話もなく、ただただ横目で眺めるように旦那さんを見ていました。すると、旦那さんは自分を見ていた私の目線に気づいた様子でした。そして、私の感情に気づいたのでしょうか私に一言だけ 「僕もね、辛かったんですよ」 あぁ、そうか。あの室内を見れば病状がどれほどだったのか、少しだけ分かります。恐らく、この事態に至るまで色々と積み重ねがあったのでしょう。しかし、亡くなるその日まで、少なくとも旦那さんは一緒に生活をし続けていました。あの荒れた室内で私は自分の価値観や物差しだけで測ったことが恥ずかしくなりました。旦那さんの一言に何も言えずに、また会釈だけしてその場を離れました。その後、私は実況見分から解放されました。しかし、仕事は残っていました。そう、飛び降り現場の処理ですね。もちろん、ご遺体などは救急が運んで行ったのですが、血痕はまだ残っていました。他の入居者も帰って来る時間帯ですから、まずは水で流しておいた方がいいと思いました。※現在では管理会社はこのようなことを原則として行いません、管理会社はそこまでしなくても大丈夫ですからね。私はデッキブラシとホースで血を流しながら、色々なことを考えていました。被害者は居たが、加害者は居たのか?今回のことは悲劇なのか救いなのか?こうならない方法はあったのか?なんとも言えない感情でした。結論もでませんでした。ただ、流れていく血を見ながら、亡くなった奥さんと残された旦那さんの幸せばかりを願っていました。
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2023年1月9日「内田さんだけが頼りです」韓国から来た2人の娘さんの家を探せ!ルームシェア編
今回は明るい話しですよ! 韓国からの若い女の子2人が来店 これは私が14年程前に東京杉並区で賃貸営業マンとして働いていた時のエピソードです。ある日、私のいる店舗に2人組の女の子が入ってきました。年のころでいえば19才前後の小さな女の子たちでした。私は席に案内すると、お客様カードという最初に個人情報を書いてもらう書類を出しました。しかし2人の女の子は書こうともせずに、何だかモジモジしています。そして意を決したかのように1人の女の子が言葉を発しました。 「外国人でも貸してもらえるお部屋ありますか?」 そう、2人は韓国人でした。見た目では分かるはずもなかったのですが、言葉を発したらなるほど、確かに日本語のイントネーションや喋り方で分かるくらいでした。とりあえず私はお客様カードを手元に置いたまま、まずは事情を聞きました。 すると、「2人でルームシェアをしたい」とのことでした。正直、私はこの時点で「あぁ、無理だろうな」と思ってしまいました。そして、その表情を察したのかユナちゃん(仮名)が 「もういいよ、ここもダメなんだ」と言ってもう一人のジヨンちゃん(仮名)に韓国語で恐らく「もう帰ろう」的なことを言ったようでした。しかし、ジヨンちゃんはそんなユナちゃんを宥めながら私に話しを続けました。要点としては 韓国から日本語を学びに来ている2人とも将来日本で働きたい今は専門学校に通っているが、どうしても今入っている寮に馴染めない今日は物件探しの為に不動産屋を回ってきた 駅から順に不動産屋を片っぱしから訪ねていったそうです。 しかし「ただの1件も物件を紹介されることが無かった」とのことでした。 みなさんは「ひどい不動産屋たちだ」と思われたかもしれません。しかし、当時の杉並区周辺ではこの条件は絶望的だったのです。当時は保証会社も一般的ではなく、ルームシェアという条件も日本人ですら難しい状況だったのです。東京ということもあり、日本人で借り手はたくさんいるし、あえて外国籍の方、ルームシェアという不安定な入居を受け入れなくてもという状況でした。更には、彼女たちの連帯保証人というのも日本にいる先輩の韓国籍の方で親族でもない。という状況だったのです。ここまで聞いた段階でも正直厳しいだろうと思いました。当時の上司の店長も「多分物件無いから、接客して適当な所で切り上げて」という指示でした。当時勤めていた会社は地域で人気店でした。しかも時期は繁忙期、次から次へと来るお客様を捌くだけでも大変でした。売上のことを考えたら仕方ないことのようにも思えました。 胸を打たれる営業マン そして後ろ向きな接客が始まりました。まずは2人の希望に合いそうな物件を出してみます。2人は「これがああだ、ここがこうだ」と希望条件を話してきますが、私は負け戦と半ば諦めていましたが、一応他社に問い合わせてみます。 「お世話になります、今韓国籍の女性2人のルームシェア出来る物件を探し・・」まだ言い終わる前に先方から 「無いです」 心のオーキド博士も言ってます そして、それでも10件ほど問い合わせたでしょうか、やはりありません。私は内心「これだけ頑張った形を見せられたから、もういいだろう」と思って2人に言いました。「やっぱり無いですね」と話して、2人が諦めてくれる方向へ促しました。するとユナちゃんは帰り支度をするのですが、ジヨンちゃんは真っ直ぐこちらを見て 「どうしても2人で住みたいんです、実は・・・」と言って話してくれました。 寮に馴染めないというのは嘘だったユナちゃんの家庭は裕福ではなく、高い寮費が限界であったそれで安い所に2人で住めば日本に居続けられる両方の親もそれが出来るなら「大丈夫」とのこともし見つからないならユナちゃんは韓国に帰らなければならない おぉ、マジか・・・ そしてジヨンちゃんは言いました。 「今日私たちの条件で頑張ってくれたのは内田さんだけでした、内田さんだけが頼りです。なんとかお願いします。」 私は胸を打たれてしまいました。 異国の地で拙い日本語で一所懸命に説明し、冷たくあしらわれ、それでも諦めずにここまで辿り着いたのか・・・と よし、ここは一丁やってみよう!と決めました。しかし、この日は次の接客予定が有った為、一旦帰っていただき、明日来てもらう約束をしました。 そして執念のお部屋探しが開幕 私の心にアンセム(応援歌)が鳴り響きます そして翌日、2人はしっかりと約束の時間に来てくれました。今日の作戦は「自社のオーナーに土下座外交」これでいこうと決めていました。その為に本社から管理部を呼び、オーナー名簿を持ってきてもらいました。目の前の2人も昨日本音を話してスッキリしたのか、今日は協力的です。あんなに不貞腐れていたユナちゃんですら、今日は笑顔がチラホラ見えます。さて、スタートしました。 が、しかし お断りの連発です。そう、保証人も外国籍(日本語も拙い)、日本人の身よりはいない、ましてや学生2人のルームシェア。厳しい条件です。あんなに笑顔だったユナちゃんも少し涙目です。最早韓国に帰らなければいけない現実が襲ってきたのでしょう。それでも私は片っぱしからオーナー名簿のうち、2K以上の間取りを持っている方に連絡していきます。どれ位掛けたでしょうか、恐らく20~30件程掛けたあたりで一人のオーナーさんが 「まあ、普段部屋を決めて貰ってるしね、いい子たちなの?」との言葉が 私は「もちろんです、もしお時間あるなら面談でもいかがですか?」と続けました。すると「まず部屋を見てもらって、気に入ったら声を掛けてよ」とのことでした。私はすぐさま2人を連れて部屋に向かいました。そこは杉並区の阿佐ヶ谷という町でした、オードリーの春日さんが住んでいた町としても有名ですが、長い商店街もあり、本当に住みやすい所です。現地に行くと、確かにキッチン周りは狭いものの、ちゃんと2人の部屋が確保でき、当初の家賃設定もクリアしていました。ユナちゃんもジヨンちゃんも大変気に入ったようでした。すぐにオーナーに連絡し、近くの喫茶店で待ち合わせをしました。オーナーさんが現れました。ユナちゃんもジヨンちゃんも「ココがダメなら」という気持ちで緊張してしまい、上手く話せません。 決着 情熱のプレゼンスタートです! 代わりに私はオーナーさんの前で熱弁しました。この子達がいかに素直な子か、ひたむきに頑張る子達です、今緊張しているだけです、しっかりとした子です、勉強も頑張っているし、来日して一年足らずで日本語も大分覚えてます、迷惑も決して掛けないことでしょう、などなど 情熱のプレゼンをオーナーの前で繰り広げました。するとオーナーさんは一言 「よし分かった、内田さんが保証人になるならいいよ」OH・・・・・ そうか、私の情熱だけでは無理だったか・・・と思ったところ 「ウソウソ、良い子達じゃない!気に入って貰えたならそれで大丈夫だよ」 やったーーーーーーーーーーーーーーーーー!横でユナちゃんもジヨンちゃんも大喜びです、キャーキャーと喜んでいます。そこからはとんとん拍子で物事は進みます。オーナー審査も終わったので、契約書を取り交わし、通常通り入居手続きを進めていきました。そして、鍵渡しの日、2人がやってきました。鍵を渡して「何かあったら連絡してくださいね」と言って送り出そうとした時のこと 2人からクッキーの詰め合わせを貰いました。そして 「内田さんのおかげで2人で住むことが出来ました、あの時諦めないでいてくれてありがとうございました」 私は急に涙が出そうになりました。申し訳なさもこみ上げてきました。最初は無理と決めつけて、帰ってもらおうとしたのに・・でも、諦めずにやり遂げた達成感も同時に沸いてきたのです。一生懸命涙をこらえて、明るく2人を見送りました。店の先輩もその様子を見ていてくれました。店に戻ると褒めてもらいました。そしてなぜか最初は「多分物件無いから、接客して適当な所で切り上げて」と言っていた店長まで 「ここまでやり切るのが営業マンだからね」 と異次元の褒め方をしてきました。なぜだ?昨日の記憶を無くしたのか?ともあれ、この1件は私にとっても大きなものになりました。それは今回は外国籍というハードルだったけれども、同じように苦境に立たされている人たちにとっては我々営業マンしか頼みの綱はいないのだ。そして、本当に苦しい人は中々本音を言ってくれないんだ。そして言えなくなったのも周りの環境があったからなんだ。と以降、私の接客は変わりました。本音という部分が出るのかどうか?言いづらいことを話してもらいやすくする為には?と試行錯誤していくようになりました。まだ今でも完成していませんが、少しは上達してきたと思います。後日談として、その後も町で偶然会えば、ちょこちょこ「ユナちゃんと喧嘩しました」とか「ジヨンちゃんと旅行に行きました」と2人は話してくれました。もう年月が経って、私も東京にいませんが、今もどこかで2人が幸せに過ごしていればいいなとたまに思い出します。
賃貸管理の思い出
これまでの賃貸管理での入居者さん等との思い出をまとめております。










