(18ページ目)「実家をどうする?」空き家の出口戦略と選択肢 ~売却・賃貸・自己使用のメリット・デメリット~

当社は日本空き家サポートに加盟し、空き家の管理を行っております。

最近、本当に多くの方から実家や所有されている「空き家」に関するご相談をいただきます。

先日もお越しになったお客様から、相続した実家をどうすればいいか分からない、売るべきか、貸すべきか、それともとりあえず置いておくべきか、という切実なご相談を受けました。

突然もう一つの「家」を所有することになるなど、みなさんの人生設計では考えていないですよね。

思い出が詰まった場所だからこそ、簡単に決断できるわけがありませんよね。

ネットや雑誌を開けば、空き家活用ビジネスだとか、資産の有効活用なんていう言葉がいくらでも躍っています。

でも、実際の不動産業から言わせてもらえば、そんな教科書通りの正論だけで片付くほど空き家問題は甘くありません。

それぞれの選択肢には、綺麗ごとだけでは済まない現実的なメリットと、重いデメリットが必ず表裏一体で存在しているからです。

今日は、空き家管理を行っている者として数々の現場を見てきた私の視点から、売却・賃貸・自己使用の3つの選択肢について、お話ししてみようと思います。

「売却」は完全に「終わる」ことがメリットでもあり、デメリット

空き家をそのまま手放して現金化する方法ですが、これには明確なメリットがあります。

何と言っても、手っ取り早く悩みの種を終わらせることができる点です。

所有しているだけで毎年かかり続ける固定資産税や、都市計画税の負担から一瞬で解放されます。

草むしりや建物の換気のために、わざわざ遠方から実家まで通う時間と労力も、売却してしまえばこれ以上必要ありません。

また、売却金額という収入に変えられるという点もメリットであることでしょう。

しかし、この売却には、数字には表れない最大のデメリットがあります。

それは、一度手放してしまったら、その場所は二度と自分たちの元には戻らないという圧倒的な寂しさです。

実家という場所は、家族と過ごした時間や親世代が生きた証そのものです。

それらをすべて手放す行為は、人によりますが、想像以上に大きな喪失感があることも。

手っ取り早く解決する代わりに、すべての思い出と決別する覚悟が求められるのが、売却という決断の本質です。

ちなみに売れるまでの期間は、売却希望額やその地域の需要などにもよりますが、半年から1年程度掛かると思っていただければいいと思います。

一刻も早く手放したいという場合には、相場より割安にすることで早期売却は可能になりますが、大体相場通りだったら、この位が目安です。

よくサイトなどには3か月~半年くらいと書かれていますが、それは地域需要も強く、相場もピッタリか割安な場合です。

逆に適切な広告などを出していて、半年程度で音沙汰もない場合は、相場と離れていると判断してもいいと思います。

いずれにしても、売却は「今後も活用の目途がない」「家との別れも覚悟できた」という方には、おすすめな方法です。

「賃貸」は継続収入も魅力だが、以外と重い「責任」が

次に、手元に資産を残しながら収益を得る「賃貸」という選択肢です。

相続した家を誰かに貸すことで、毎月の家賃を貰うという方法ですね。

この方法のメリットは、何と言っても毎月安定した家賃収入という継続的な果実が得られることです。

将来的に自分たちがUターンして住むかもしれない、あるいは子どもに遺したいと考えたときに、所有権を維持したまま家を腐らせずに守れるのは大きな魅力に見えます。

ところが、ここに初めて家を貸す方が陥る、最大の落とし穴があります。

一たび自宅を誰かに貸し出すということは、立場としては、あなたは「不動産賃貸業としての事業者」という立場になります。

気楽に貸して小遣い稼ぎ、という訳にはいかないんですね。

事業者である以上、入居者に対して「適切な住宅を使用させる義務」が課せられます。

つまり、雨漏りが起きれば直さなければいけませんし、給湯器やエアコンが壊れれば、それが真夏の過酷な時期であっても、大家の費用負担ですぐに対応する責任が生じるわけです。

特に親から相続した古い物件の場合、いざ貸し出そうとすると、現在の賃貸市場で戦えるレベルにするために、最初に数十万から数百万円単位の多額のリフォーム費用が掛かる場合も。

しかしながら、その事業者としての心意気さえ持てれば、継続収入やいつか誰かに引き継ぐことも可能となります。

この方法は「将来、この家の活用する可能性がある」「やはりこの土地は手放せない」という方におすすめとなります。

「自己使用」は一時だけでなく「継続」がカギ

三つ目の選択肢が、売ることも貸すこともせず、別荘やセカンドハウスとして自分たちで使い続ける「自己使用」です。

メリットとしては、誰にも気兼ねすることなく、いつでも思い出の場所に帰れる安心感が手に入ることでしょう。

身内だけの集まりや、週末の息抜きの拠点として活用できれば、これほど贅沢な選択はありません。

しかし、あえて厳しい現実を言わせてください。

その場所、本当に日常的に使いますか?

最初の数ヶ月は物珍しさで通うかもしれませんが、仕事や日々の生活に追われる中で、毎月のように足を運ぶのは至難の業です。

そして、人が住まなくなった空き家の管理というのは、想像を絶するほど大変です。

たった数ヶ月放置しただけで、部屋には湿気がこもり、カビが繁殖し、庭の雑草は隣地に越境して近隣トラブルの引き金になります。

住んでいないからといって固定資産税が安くなるわけでもなく、維持管理のコストと手間だけが自分たちの生活を削り続けます。

ともすれば、自己使用という選択は、決断を先延ばしにしているだけで、空き家問題の根本的な出口にはなり得ないケースが多くなりがちです。

とはいえ、こういった場合に有効な方法としては、当社のように「空き家管理サービス」などを活用し、日常的な管理を任せてしまうという方法があります。

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決断できない場合でも「管理」だけはしっかりと

いずれの方法を選んだとしても、そこには必ず一長一短があり、全員にとっての100点満点の正解なんてものは存在しません。

だからこそ、みなさんに一番お伝えしたい大切なポイントがあります。

それは、どの方法を選ぶにしても「空室の期間をそのまま放置してはいけない」ということです。

どうしようかと迷っている間にも、建物の劣化は容赦なく進んでいきます。

適切な管理を怠った家は、あっという間に資産価値を失い、いざ売ろうとしたときには解体費用を請求されるような、誰にも活用できない状態の「負動産」へと成り下がってしまうのです。

今は人口減少社会であり、空き家特措法などの法令によって、放置された空き家に対する所有者の社会的責任は年々重くなる一方です。

手遅れになってから悔やんでも、プロであっても時計の針を戻すことはできません。

完璧な答えを出そうとして立ち止まるくらいなら、まずは家の命を繋ぐために、しっかりと現状を維持する管理を始めること。

これこそが、すべてのトラブルを未然に終わらせるための最善の一歩だと私は信じています。

もし、霧島市や姶良市にある実家の処分や管理で行き詰まり、自分たちだけでは手が付けられないとお悩みでしたら、いつでも私にお声がけください。

地域に根差した不動産屋として、皆様の想いと等身大の現実に寄り添った解決策を、一緒に考えていきましょう。

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