(18ページ目)不動産相続で人生を狂わせる子どもたち ~「欲しい」人ほど失敗し、「要らない」人が育てる~

不動産投資をしている大家さんの多くが、「この物件や資産をいずれは子供に遺したい」と考えています。

その気持ちは非常によく分かります。

自分が長年かけて築いてきた資産を、次の世代に引き継ぎたいというのは、親として自然な想いでしょう。

しかし、私たち不動産業者として現場を見ていると、「資産を遺すこと=幸せを遺すこと」には必ずしもならない現実があります。

今回は、不動産や資産を遺す前に「本当に託してよいのか?また、託すためにはどうするのか?」というテーマを書いてみたいと思います。

遺したい「親」が見ることが出来ない、不動産を遺した未来と現実をご紹介してみましょう。

子供に遺した結果、逆効果となるケース

まずは、資産を残されたことが本人の為にならないケースです。

親の資産に依存してしまい、定職に就かず、浪費を繰り返し、結果として物件を次々と売却。

その資金も消費や借金返済に消えていくという、非常に悲しいですが、これは定番事例でもあります。

私たち不動産業者はこのようなケースをたくさん見てきました。

親御さんが今の姿を見たらどんなに悲しむことだろう」とやるせない気持ちになります。

資産があるという甘えから、自分の人生に対する真剣さが薄れているのでしょう。

将来の見通しが甘くなり、地に足のついた計画を立てる力を失ってしまうのです。

他には、親の遺した資産を元手に、十分な準備や経験がないまま安易に起業や独立をしてしまう人もいます。

一見、志のある行動のように見えても、実際には経営の厳しさや責任を理解しておらず、結果として失敗することが少なくありません。

親の遺したものが、かえって子供の人生を狂わせる。

時に「この人は親御さんからの資産さえ無ければ、真面目で真っ当な人だったのかもしれないな・・・」とやるせない気持ちになることがあります。

せっかくの愛情が、自分のいない世界で、子供の生きる力を奪ってしまう。という悲しい現実です。

成功する相続には教育が欠かせない

一方で、しっかりと時間をかけて資産形成や不動産経営について教育してきた大家さんの子供たちは、むしろ「資産は自分で作りたい」「親の物件は必要ない」と言うことがあります。

まったく親御さんの資産をあてにしていないのです。

それでも、いざ相続するときには冷静に事業を引き継ぎ、むしろ改善・成長させていく力を持っています。

皮肉なことに、資産を「欲しい」と言っていた人よりも、「いらない」と言っていた人の方が、成功する傾向にあるのです。

この矛盾の背景には、“資産を持つ覚悟”と“自立心”の差があります。

不動産経営は、決して楽なことばかりではありません。

入居者対応、資金繰り、税務管理、修繕計画など、実務は多岐にわたります。

しかし、そういった試練や知識なども親御さんから受け継いでいた結果、残された資産を浪費することもなく、実り多い物として受け継いでくれるのです。

また、これは不動産に限ったことではなく、現金や株なども含めて全ての資産に共通することですが「扱えない人には時に毒にすらなる」という視点は大切かもしれませんね。

前段ではネガティブな事例を挙げましたが、大多数はこのパターンです。

そもそも、資産を遺したいという愛情をもって育てる過程で、このように資産を扱う教育というものを重視しているのでしょう。

遺すのは「資産」だけでなく「生きる力」も

ドラマや映画などでは「相続」はドロドロしたり、骨肉の争いのように描かれることが多いものです。

しかし、現実には遺された資産により救われていたり、親御さんへ感謝している場面がほとんどです。

ドラマのような事態にならない為には、受け取る側の「生きる力」や「自立心」のような物が必要なのでしょう。

私も子供がいますが、子供たちには「生きる力」を身に付けておいて欲しいと切に願います。

私は今のところ渡せるような「資産」は持ち合わせていないので、揉めることもなさそうですけどね・・・

いずれにしても、あなたが大切に思っているお子さんに最初に遺すべきは、あなたの「人生を生き抜いてきた経験や力を教えること」であることは間違いないようです。

お問い合わせ

    姓名 フリガナ

    メールアドレス 電話番号

    個人情報の取り扱いについてご確認いただき、同意されましたら「同意して送信する」をクリックしてください。