
みなさんは借地借家法という法律をご存じでしょうか?
簡単にいえば、土地建物を貸し借りする時の法律です。
みなさんがお部屋を借りて住む場合にも「借地借家法」をベースにして契約書は作成されています。
歴史的には明治頃から土地建物に関する法律というのはありましたが、戦争や大地震などを機に改正されており、直近ではバブル期にも改正されて今に至ります。
住宅というのは国民の生活の基本になるものです。その為、当事者同士に自由に任せてしまうと、横暴な大家さんに突然の値上げをされたり、ある日突然追い出されたりなど、時には生命の危機になることもあります。
その為、借地借家法という法律で賃貸市場において、主に借主保護の側面が強い法律となっています。
もちろん、この理念には賛成です。
立場的にも弱い立場に置かれやすい借主を保護すべきと私も思います。
しかし、そんな借地借家法ですが、年々の改正により昨今ではもう一つの問題が出てきました。
弱者保護のハズが弱者を保護できず、また大多数の普通の方を苦しめることになってきたのです。
今回は借地借家法に思うことと、本来あるべき姿を個人的な意見として書いてみたいと思います。
やったもん勝ちの現状

皆さんは考えたことがありませんか?
「私は家賃を滞納しないのに、家賃保証会社に加入しなければならないんだ?」と
そう昨今、一般的になった家賃保証会社への加入
全国的にも賃貸の契約をする際には、昔ながらの連帯保証人だけでなく、家賃保証会社への加入が必須となりつつあります。
こうなった背景の中にも借地借家法が影響しているのです。
借地借家法というのはザックリといえば
賃借人がよっぽど悪いことをしていない限りは大家からは解約できない
こんな法律です。
本来はそりゃそうだろうと思うのですが、この「よっぽど」の基準が高すぎるのです。
例えば家賃滞納一つとっても中々のハードルです。
滞納については現在3か月以上滞納されて初めて裁判に出せます
3か月を経過するまでは「よっぽど」に入りません。
これは中々の基準だと思うのです。
皆さんは、日々の生活で各種のお金のやり取りをしていると思うのですが、例えばレンタカーを借りて、レンタル代を払わずに3か月使用することが出来るでしょうか?
飲食店でお金を払わずに3か月間飲み食い出来るでしょうか?
家賃は3か月までは「まあまあ」となっています。
しかも3か月を経過したとしても大家側は「即刻出て行ってくれ」と言っても、出ていかなければ自力でなんとも出来ません。
食い逃げは捕まえることが出来ますが、家賃滞納は裁判上の手続きが必要になります。
3か月経過してから裁判を起こし、判決が出てから解約し、解約に応じなければ自費で強制執行
この頃には家賃滞納は更に膨らみつづけています。更に夜逃げなんかされた日には強制執行代も含めると100万円前後の出費となる場合も珍しくありません。
こんなリスクを抱えては大家側は安心して貸す訳にはいきません。
そういった現状をカバーする為に家賃保証会社が登場しました。
家賃保証会社の仕組みとしてはザックリいえば
滞納しない善良な人も全員家賃保証会社に加入すれば差益が出る
という仕組みです。
たまに出る家賃滞納での出費を善良な賃借人でカバーしているのです。
仮に家賃滞納に対してここまで借地借家法が厳しいものでなければ、家賃保証会社は生まれることはありませんでした。
普通の方も苦しめられる借地借家法

他にもこの借地借家法は普通の入居者さんに牙を剥くことがあります。
それが「生活マナーの苦情」です。
正直、この借地借家法がある前提では「やったもん勝ち」となるケースが大半です。
例えば音の苦情などは正にこれです。
賃貸借契約書には当たり前のように「騒音・楽器の演奏は不可」と記載されているでしょう。
悪質な騒音を出す人がいた場合でも借地借家法は簡単に解約を許しません。
悪質な入居者とはいえ、改善を促し、改善されないと分かったら裁判上で「いかに悪質かの証拠を集め」「多額の費用を掛けて」
それでも解約できるかは五分五分です。
よく騒音問題について「管理会社が何もしない」「大家も金が入ればいいんだ」と言われたりしますが、管理会社や大家にも権限が無いんです。
管理会社も大家も問題ある入居者だった場合、注意をすることは可能ですが、言うことをきかす権利も強制力も実はありません。
解約して相手に退去を促した場合、下手すると逆に裁判で負けてしまうことだってあるのです。
管理会社も大家も他の大多数の方に迷惑を掛ける人には出ていってもらいたいものです。
大多数の平穏な生活を一部の困った方が乱していい訳などありませんから
でも、借地借家法がそれを許しません。
多くの労力を掛けて調査し、改善を長い期間掛けて促し、多額の費用を掛けて裁判し、それでも退去しない場合は、更に多額の費用を掛けて強制執行
こんな現状です。
借地借家法が規定する「弱者保護」は普通の方々の平穏な生活を犠牲にして達成することなのでしょうか?
甚だ疑問です。
これでは少数の問題行動をする方のツケを大多数が払っているのです。
逆に弱者が受け入れられない現状

こんな行き過ぎた弱者保護の結果、どうなったかというと
リスクが少しでもありそうな人には貸さない
となったのです。
その為、高齢者や障碍者、シングルマザーなどの本当の弱者と呼ばれる方たちを受け入れることを大家側は躊躇ってしまいます。
「もし問題が起きたら解決には多大な労力が掛かる・・・」
そうすると困っている人を助けたい気持ちはあるが、問題が起きたリスクを考えたら・・・
仕方のないことです。
また、今後もこの行き過ぎた借主保護が続くとどうなるかといえば
普通の方へしわ寄せがいきます
家賃保証会社しかり、リスクに備えて大多数の方の負担が増してしまいます。
一定の借主保護は大切です。しかし、悪質な者までは保護しなくて良い
そうでなければ、大多数の普通の借主の負担が増し、社会的弱者は受け入れのチャンスも奪われるのです
私はこれが言いたいのです。
大多数の普通の方へのしわ寄せは許せません。しかし、現状では仕方ないのです。
あるべき姿とは

ではどうしたら良いのか?と言えば
良いものはいい!悪いものは悪い!裁判は必要だ とするだけです。
具体的には
- 勝手に解約して追い出すのはやっぱりダメなので裁判手続きを簡易にする
- 裁判に要する費用を少なくする
- 悪質な入居者は早めに追い出せるようにする
実はこれだけでほとんどの問題は解決します。
なぜなら
問題のある入居者をカバーする為に大多数の負担がある現状ですが、問題のある入居者を簡単に裁判が出来て追い出すことが出来れば大多数の負担は軽減することが可能です。
また、問題のある入居者をすぐに追い出すことが出来れば「リスクが少ないから、受け入れてみよう」と弱者に対する受入れの意識も気軽になります。
私は霧島市の居住支援協議会に加入しており、日々社会的弱者の方への支援を行っております。
しかし、現行の借地借家法のハードルでは受け入れ側のリスクが高いのも現実です。
私はこう思うのです。
簡単に追い出せる社会は、簡単に受け入れられる社会
仮に追い出された方も、簡単に受け入れてもらえるのです。
もちろん追い出す追い出さないの判断は管理会社や大家が勝手にすべきではありません。
公平な裁判などで適正な手続きを踏むべきです。しかしその裁判は現状ではハードルがあまりに高すぎます。
もっと簡単に安価に裁判が出来ればいいのです。
空き家問題が叫ばれる昨今、受入れリスクが低くなれば、次もまた見つかるハズです。
そうして皆が落ち着く場所を探していけばいいのです。
正直者が損をしたり、偏見だけで受け入れてもらえない社会
しっかりと現実を認めて、それでも弱者に寄り添う社会はこういった社会ではないでしょうか?
私は失敗してしまうことは人間誰しもあると思っています。
そんな時に必要なのは
何度でも再チャレンジ出来る社会だと思っています。
一度の失敗で再チャレンジで受け入れてもらえない現状
それは強すぎる保護によって生み出されてしまったのです。
言葉は厳しく見えるかもしれませんが、大多数の普通の方と社会的弱者と呼ばれる方の共存には「どちらか一方だけが我慢する」という社会ではいけないと思えるのです。
お互いが共存する道は行き過ぎた保護ではないと思っています。
社会的弱者も受け入れてもらえるが、誰も我慢しなくていい社会は一定のモラルによって支えられるハズです。
私より優秀な国土交通省の皆さん、ご一考お願いします。
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VS 賃貸営業マンを狙う詐欺師②
目の前に座る詐欺師!どうしましょう ①はこちら 目の前にいる例のお客様 前回の続きになりますが、ここまで条件を聞くとKくんのお客様「A」とそっくり確かに、こういった類のお客様もいない訳ではないのですが、あまりにも似ています。 Kくんに聞いていた風貌と年代にも当てはまります。そして私の印象ですが、どうしても目の前のAはお金持ちには見えません。お金持ち=いい身なり だとは流石に思っていませんが、さすがに普通すぎます。なんなら、身に着けている高級時計は偽物であることも見て取れました。この時点でバックヤードに戻り、一旦店長へ報告してみます。しかし、かえってきた言葉は 「お客様を疑うのは良くないよ、まずは一生懸命に接客しなよ」 そうでした、うちの店長は良くも悪くも「お客様は神様」タイプでした。この時点で私は99%そうだと確信していましたが、上司がそういうならトコトンやってみましょう。世田谷区とはいえ、当時の近隣情報ではこの条件にあてはまる物件は3件程度でした。その3件程度をAに提案すると、大して見もせずに「この3件で良かったら今日決めようかな」とその言葉を聞き、後ろで喜ぶ店長。マジか店長・・「内田くん、頑張ってご案内行ってきてね、朗報待ってる」笑顔の店長に能面ばりの無表情で応え、Aとのご案内の旅へ VS詐欺師 ここまで皆さんお読みいただき、「警察に相談すれば?」と思われたかもしれません。言うまでもなく、Kくん自身も警察へ一応相談したそうです。しかし警察では対応をほとんどしてもらえませんでした。なぜなら・ジャンケンにKくんも同意していた・Kくんが勝っていた場合は本当に借りていたかもしれない・脅しや監禁などした訳でもない・賭博と呼ぶには微妙だし、詐欺と立件するにも証拠が立証しづらい確かに、Kくんが勝っていた場合には借りていたかもしれませんし、騙しているかも確証はありませんからね。車内ではまずはKくんに話しているような内容を私にも話してきました。Aが話してきたのはこんな感じでした。・いくつも会社を経営しており、年収は億を超えている・最近の若者が好きで、チャレンジしてほしいと思っている・リスクを取ることはリスクではない・運を味方にする為には普段から「勝負の場」に身をおかなければならないこの時点で私は内心「確定じゃないですか」と思っていました。そしてとうとうやってきました。A「内田くん、君を気に入った。良かったらオレと勝負して成功を掴み取ってみないか?」ついにきました。A「勝負して勝ったら、3件とも借りるよ、君のこと気に入ったから」大盤振る舞いです。Kくんよりも条件が上がりました。嬉しくないですが・・・ この話、実はAにはノーリスク さて、この話ですがお互い同等のリスクなのでしょうか?勝てば3件成約で恐らく今月の成績は全店でも1位でしょう。しかし、お部屋探しの仕組みや社会の常識に照らし合わせたらAがノーリスクなのは分かり切ったことなのです。なぜか?続きます
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VS 賃貸営業マンを狙う詐欺師①
被害額は5万円!さて、次なるターゲットは私でした 緊急朝礼!「詐欺師現る」 これは私が東京で賃貸営業マンとして従事していた会社で起きたことです。その日、朝一のミーティングで店長から緊急事案として報告がありました。「系列店舗の営業マンがお客様から5万円取られた」とのこと私もよく知っている後輩営業マンKくんでした。手口は単純ですが、人の弱みにつけ込むような嫌な手口です。 絶妙な金額とその手口 手口はこうでした詐欺師をAとします。Aは予約なしで店舗に来店したそうです。通常通りお部屋探しのお客様としてそしてAの条件はこのような感じだったそうです。・三軒茶屋駅から徒歩3分以内 ・希望家賃額 40万円~80万円のマンション・間取りは問わない・とにかく急いで部屋を決めたい・内見して良ければ今日決める東京とはいえこの家賃額はかなり高額の部類です。当時でも駅隣接クラスのタワーマンションの3LDKクラスやキレイな築浅大型戸建でなければいかないレベルです。この条件は営業マンからすると確かに飛びつきたくなるような好条件です。そして、その月Kくんは営業成績が普段に比べて調子が悪い状態でした。接客をし、慣れない高額帯の物件を一生懸命ご提案したそうです。営業成績的にもこれがまとまれば逆転の一歩になりますからね。すると、高額帯にも関わらずお店で2件程度ご提案した段階でA「この2件見に行って良かったら決めるよ」とまさかの成約宣言、Kくんのテンションは恐らくここで最高潮だったのでしょう。意気揚々とご案内へ向かうKくん、その後に罠が待っているとも知らずにそしてご案内の車でAはKくんとの会話で徐々に進めていくのです。車内ではAはKくんに自分の素性を話していったそうです。・自分は会社をいくつかやっていて年収だけでも億を超えている・ビジネスはリスクをいかに取るかが大事だ・有名人の○○はよく食事に行く仲だなど、いかに自分がスゴイ人間かを力説していたそうです。Kくんも案内する金額帯などから疑いもしなかったようです。そしてAの作戦が始まりますA「よしKくん、一つゲームをしよう」A「Kくんのことを気に入ったから、Kくんがゲームに勝ったら、案内に行く前だけどこの2物件どちらとも借りるよ」と、破格の条件でした。そしてそのゲームとは 「ジャンケン」 そうです、まさかの2分の1の確率しかし、ジャンケンに負けた場合はというとKくんがAに5万円払うこと、そして今回は即決はしないでした。そしてKくんはその挑戦を飲んでしまいました。その時に躊躇はあったそうですが、Aから「美味しい話はリスクを負った者だけが掴める」とか「オレは5万円という金が欲しい訳ではなく、Kくんに成功者の感覚を知って欲しい」、「こういった勝負をするのが趣味だ」などと言われたそうです。そしてKくんはジャンケンに負けてしまいました。Kくんは近くのコンビニで5万円をおろし、Aへ支払ってしまいました。もちろん、その日の成約はなかったそうです。そのエピソードを帰って先輩営業マンに話したところ、このような事態になったそうです。その時は「へぇー、変な人もいるなあ」程度で聞いていました。そして、その話から数日後、一人の男が部屋探しにきました。予約なしで担当は私です。私「こんにちはー、今日はどんなお部屋をお探しで?」男「成城学園前駅か千歳船橋付近で40万円~80万円の物件を探している」男「間取りは問わない」男「急いできめたいんだよね、今日見れる?」男「良かったら今日決めたいんだよね」おや?どこかで聞いたことがある条件そうです、次のターゲットは私でした。続きます
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③老夫婦の想いと大逆転 完結編
ご夫婦の結末とは?管理会社の腕の見せ所でした さあ募集だ!手直しだ! 前回までの①はこちら ②はこちらさて、全5部屋の空室を埋めなければいけません。ざっくりと5部屋の方針をこのようにしました。①比較的状態の良い2部屋は条件を変えず、再清掃と写真の撮り直しでいける②手付かずの3部屋については原状回復をメインに少し手を入れて募集 以前の募集写真 撮り直し後 いかがでしょう?写真の撮り方、明るさ一つでも随分と印象が変わってきます。もちろん、トイレの温水洗浄便座などは後付けにはなりますが、写真の撮り方一つでも印象はガラっと変わります。このお部屋は募集開始後2週間で成約となりました。 原状回復編 床のささくれや剥がれも多く、とてもこのまま住める状態ではありませんでした。 どうせ貼替えるなら、少しでも長持ちするように今回はフロアタイルを選択しました。 このお部屋は洗面台を少し前に交換しておりましたので、壁紙と床のみです。 以前のロフト、特に指摘することはないのですが、募集用には少し物足りないのも事実 ロフト部分と天井は木目柄を貼りました。高さのあるお部屋では天井のアクセントクロスで写真のインパクトを上げたいという狙いもあります 以前のトイレ、虫がすごい状態でした。 温水洗浄便座とトイレットペーパーホルダーを変えた程度ですが、見違えます 高さと長さのあるお部屋では「長手」方向に木目を入れると視覚的にも広く、高く見えます。 壁紙と少しの設備以外は今回は手を掛けませんでした。「それで充分」「過不足なし」が大事です。 元々は受話器タイプのインターホンですが、モニターホンへ変更しました。 アクセントクロスは「やり過ぎない」が大事です、ポイントと強調したい部分を抑えてやっていきましょう 以前の玄関 このお部屋も壁紙と床の張替えをメインに細かい設備だけ交換しました。費用も少しでも抑える。それもまた賃貸経営には大事なことですからね。 お部屋の様子です 以前のトイレ こちらのお部屋は全体的にアンティーク調を意識して趣きを少し変えました。 洗面台は下部分の収納が水漏れでダメになっていました。これも放置しなければ修理で行けたのでしょうが・・ 洗面台もトイレも水道業者さんが入るため、複数部屋まとめての施工で費用も少し引いていただきました。 今回のリフォームでは下記の事項でした。・壁紙と床の張替え・洗面台が古い物は交換・温水洗浄便座とペーパーホルダー・インターホンをモニターホンへ交換間取りや建具をいじるようなことは必要ないと思いましたので、キッチンや他の部分には手をつけませんでした。 費用を抑えるポイントはいくつもあるのですが、工程をしっかり管理して、資材なども安いタイミングや業者さんにお願いするなど、細かい部分の積み重ねです。ご興味がある方はお問合せいただければ金額もお答えしますので 大逆転の結果 さて、5月に管理を受託し、その結果ですが 6月に満室達成9月までに未納家賃全額回収 お部屋は1か月半で全て埋まりました。そして、前回②でお話した未納の方も全てお支払いいただき、晴れて正常化しました。 エピローグと賃貸管理の必殺技 満室になり、未納の方々も解決していた夏にもう一度ご夫婦のもとを訪ねました。リフォームの写真を持参してご説明しました。本当に喜んでくださりました。一時期は二束三文で売りにだすことも考えていたアパート「これで子どもたちに残してあげられます、ありがとうございます、ロータスホームさんに会えてよかった」私、涙が出そうになりました。正確には少し出ました。自分たちの仕事で誰かが幸せになるのはいいものです。追記現在も満室稼働中でご入居者さん全員が良好な状態です。問題といえば先日の台風でTVアンテナが少し映らない期間があった位です。未納だった方も連絡をこまめにくれ、しっかりとお約束通り果たしていただきました。今回のリフォーム含めて、必殺技はというのは結局「基本のこと」に尽きるのでしょう。でも、この「基本」こそ根気と細かい部分の積み重ねまさにそういったことを実感させられる事例でした。 さて、次なる管理物件を今もお待ちしております。





