
目の前にいる例のお客様
前回の続きになりますが、ここまで条件を聞くとKくんのお客様「A」とそっくり
確かに、こういった類のお客様もいない訳ではないのですが、あまりにも似ています。
Kくんに聞いていた風貌と年代にも当てはまります。
そして私の印象ですが、どうしても目の前のAはお金持ちには見えません。
お金持ち=いい身なり だとは流石に思っていませんが、さすがに普通すぎます。
なんなら、身に着けている高級時計は偽物であることも見て取れました。
この時点でバックヤードに戻り、一旦店長へ報告してみます。
しかし、かえってきた言葉は
「お客様を疑うのは良くないよ、まずは一生懸命に接客しなよ」
そうでした、うちの店長は良くも悪くも「お客様は神様」タイプでした。
この時点で私は99%そうだと確信していましたが、上司がそういうならトコトンやってみましょう。
世田谷区とはいえ、当時の近隣情報ではこの条件にあてはまる物件は3件程度でした。
その3件程度をAに提案すると、大して見もせずに
「この3件で良かったら今日決めようかな」と
その言葉を聞き、後ろで喜ぶ店長。マジか店長・・
「内田くん、頑張ってご案内行ってきてね、朗報待ってる」
笑顔の店長に能面ばりの無表情で応え、Aとのご案内の旅へ
VS詐欺師
ここまで皆さんお読みいただき、「警察に相談すれば?」と思われたかもしれません。
言うまでもなく、Kくん自身も警察へ一応相談したそうです。
しかし警察では対応をほとんどしてもらえませんでした。なぜなら
・ジャンケンにKくんも同意していた
・Kくんが勝っていた場合は本当に借りていたかもしれない
・脅しや監禁などした訳でもない
・賭博と呼ぶには微妙だし、詐欺と立件するにも証拠が立証しづらい
確かに、Kくんが勝っていた場合には借りていたかもしれませんし、騙しているかも確証はありませんからね。
車内ではまずはKくんに話しているような内容を私にも話してきました。
Aが話してきたのはこんな感じでした。
・いくつも会社を経営しており、年収は億を超えている
・最近の若者が好きで、チャレンジしてほしいと思っている
・リスクを取ることはリスクではない
・運を味方にする為には普段から「勝負の場」に身をおかなければならない
この時点で私は内心「確定じゃないですか」と思っていました。
そしてとうとうやってきました。
A「内田くん、君を気に入った。良かったらオレと勝負して成功を掴み取ってみないか?」
ついにきました。
A「勝負して勝ったら、3件とも借りるよ、君のこと気に入ったから」
大盤振る舞いです。Kくんよりも条件が上がりました。嬉しくないですが・・・
この話、実はAにはノーリスク
さて、この話ですがお互い同等のリスクなのでしょうか?
勝てば3件成約で恐らく今月の成績は全店でも1位でしょう。
しかし、お部屋探しの仕組みや社会の常識に照らし合わせたらAがノーリスクなのは分かり切ったことなのです。
なぜか?
続きます
