
みなさんは借地借家法という法律をご存じでしょうか?
簡単にいえば、土地建物を貸し借りする時の法律です。
みなさんがお部屋を借りて住む場合にも「借地借家法」をベースにして契約書は作成されています。
歴史的には明治頃から土地建物に関する法律というのはありましたが、戦争や大地震などを機に改正されており、直近ではバブル期にも改正されて今に至ります。
住宅というのは国民の生活の基本になるものです。その為、当事者同士に自由に任せてしまうと、横暴な大家さんに突然の値上げをされたり、ある日突然追い出されたりなど、時には生命の危機になることもあります。
その為、借地借家法という法律で賃貸市場において、主に借主保護の側面が強い法律となっています。
もちろん、この理念には賛成です。
立場的にも弱い立場に置かれやすい借主を保護すべきと私も思います。
しかし、そんな借地借家法ですが、年々の改正により昨今ではもう一つの問題が出てきました。
弱者保護のハズが弱者を保護できず、また大多数の普通の方を苦しめることになってきたのです。
今回は借地借家法に思うことと、本来あるべき姿を個人的な意見として書いてみたいと思います。
やったもん勝ちの現状

皆さんは考えたことがありませんか?
「私は家賃を滞納しないのに、家賃保証会社に加入しなければならないんだ?」と
そう昨今、一般的になった家賃保証会社への加入
全国的にも賃貸の契約をする際には、昔ながらの連帯保証人だけでなく、家賃保証会社への加入が必須となりつつあります。
こうなった背景の中にも借地借家法が影響しているのです。
借地借家法というのはザックリといえば
賃借人がよっぽど悪いことをしていない限りは大家からは解約できない
こんな法律です。
本来はそりゃそうだろうと思うのですが、この「よっぽど」の基準が高すぎるのです。
例えば家賃滞納一つとっても中々のハードルです。
滞納については現在3か月以上滞納されて初めて裁判に出せます
3か月を経過するまでは「よっぽど」に入りません。
これは中々の基準だと思うのです。
皆さんは、日々の生活で各種のお金のやり取りをしていると思うのですが、例えばレンタカーを借りて、レンタル代を払わずに3か月使用することが出来るでしょうか?
飲食店でお金を払わずに3か月間飲み食い出来るでしょうか?
家賃は3か月までは「まあまあ」となっています。
しかも3か月を経過したとしても大家側は「即刻出て行ってくれ」と言っても、出ていかなければ自力でなんとも出来ません。
食い逃げは捕まえることが出来ますが、家賃滞納は裁判上の手続きが必要になります。
3か月経過してから裁判を起こし、判決が出てから解約し、解約に応じなければ自費で強制執行
この頃には家賃滞納は更に膨らみつづけています。更に夜逃げなんかされた日には強制執行代も含めると100万円前後の出費となる場合も珍しくありません。
こんなリスクを抱えては大家側は安心して貸す訳にはいきません。
そういった現状をカバーする為に家賃保証会社が登場しました。
家賃保証会社の仕組みとしてはザックリいえば
滞納しない善良な人も全員家賃保証会社に加入すれば差益が出る
という仕組みです。
たまに出る家賃滞納での出費を善良な賃借人でカバーしているのです。
仮に家賃滞納に対してここまで借地借家法が厳しいものでなければ、家賃保証会社は生まれることはありませんでした。
普通の方も苦しめられる借地借家法

他にもこの借地借家法は普通の入居者さんに牙を剥くことがあります。
それが「生活マナーの苦情」です。
正直、この借地借家法がある前提では「やったもん勝ち」となるケースが大半です。
例えば音の苦情などは正にこれです。
賃貸借契約書には当たり前のように「騒音・楽器の演奏は不可」と記載されているでしょう。
悪質な騒音を出す人がいた場合でも借地借家法は簡単に解約を許しません。
悪質な入居者とはいえ、改善を促し、改善されないと分かったら裁判上で「いかに悪質かの証拠を集め」「多額の費用を掛けて」
それでも解約できるかは五分五分です。
よく騒音問題について「管理会社が何もしない」「大家も金が入ればいいんだ」と言われたりしますが、管理会社や大家にも権限が無いんです。
管理会社も大家も問題ある入居者だった場合、注意をすることは可能ですが、言うことをきかす権利も強制力も実はありません。
解約して相手に退去を促した場合、下手すると逆に裁判で負けてしまうことだってあるのです。
管理会社も大家も他の大多数の方に迷惑を掛ける人には出ていってもらいたいものです。
大多数の平穏な生活を一部の困った方が乱していい訳などありませんから
でも、借地借家法がそれを許しません。
多くの労力を掛けて調査し、改善を長い期間掛けて促し、多額の費用を掛けて裁判し、それでも退去しない場合は、更に多額の費用を掛けて強制執行
こんな現状です。
借地借家法が規定する「弱者保護」は普通の方々の平穏な生活を犠牲にして達成することなのでしょうか?
甚だ疑問です。
これでは少数の問題行動をする方のツケを大多数が払っているのです。
逆に弱者が受け入れられない現状

こんな行き過ぎた弱者保護の結果、どうなったかというと
リスクが少しでもありそうな人には貸さない
となったのです。
その為、高齢者や障碍者、シングルマザーなどの本当の弱者と呼ばれる方たちを受け入れることを大家側は躊躇ってしまいます。
「もし問題が起きたら解決には多大な労力が掛かる・・・」
そうすると困っている人を助けたい気持ちはあるが、問題が起きたリスクを考えたら・・・
仕方のないことです。
また、今後もこの行き過ぎた借主保護が続くとどうなるかといえば
普通の方へしわ寄せがいきます
家賃保証会社しかり、リスクに備えて大多数の方の負担が増してしまいます。
一定の借主保護は大切です。しかし、悪質な者までは保護しなくて良い
そうでなければ、大多数の普通の借主の負担が増し、社会的弱者は受け入れのチャンスも奪われるのです
私はこれが言いたいのです。
大多数の普通の方へのしわ寄せは許せません。しかし、現状では仕方ないのです。
あるべき姿とは

ではどうしたら良いのか?と言えば
良いものはいい!悪いものは悪い!裁判は必要だ とするだけです。
具体的には
- 勝手に解約して追い出すのはやっぱりダメなので裁判手続きを簡易にする
- 裁判に要する費用を少なくする
- 悪質な入居者は早めに追い出せるようにする
実はこれだけでほとんどの問題は解決します。
なぜなら
問題のある入居者をカバーする為に大多数の負担がある現状ですが、問題のある入居者を簡単に裁判が出来て追い出すことが出来れば大多数の負担は軽減することが可能です。
また、問題のある入居者をすぐに追い出すことが出来れば「リスクが少ないから、受け入れてみよう」と弱者に対する受入れの意識も気軽になります。
私は霧島市の居住支援協議会に加入しており、日々社会的弱者の方への支援を行っております。
しかし、現行の借地借家法のハードルでは受け入れ側のリスクが高いのも現実です。
私はこう思うのです。
簡単に追い出せる社会は、簡単に受け入れられる社会
仮に追い出された方も、簡単に受け入れてもらえるのです。
もちろん追い出す追い出さないの判断は管理会社や大家が勝手にすべきではありません。
公平な裁判などで適正な手続きを踏むべきです。しかしその裁判は現状ではハードルがあまりに高すぎます。
もっと簡単に安価に裁判が出来ればいいのです。
空き家問題が叫ばれる昨今、受入れリスクが低くなれば、次もまた見つかるハズです。
そうして皆が落ち着く場所を探していけばいいのです。
正直者が損をしたり、偏見だけで受け入れてもらえない社会
しっかりと現実を認めて、それでも弱者に寄り添う社会はこういった社会ではないでしょうか?
私は失敗してしまうことは人間誰しもあると思っています。
そんな時に必要なのは
何度でも再チャレンジ出来る社会だと思っています。
一度の失敗で再チャレンジで受け入れてもらえない現状
それは強すぎる保護によって生み出されてしまったのです。
言葉は厳しく見えるかもしれませんが、大多数の普通の方と社会的弱者と呼ばれる方の共存には「どちらか一方だけが我慢する」という社会ではいけないと思えるのです。
お互いが共存する道は行き過ぎた保護ではないと思っています。
社会的弱者も受け入れてもらえるが、誰も我慢しなくていい社会は一定のモラルによって支えられるハズです。
私より優秀な国土交通省の皆さん、ご一考お願いします。
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インボイス制度 まとめとベストを尽くせ編
色々な選択肢の中からベストを尽くすのです。 インボイス制度への対応に「正解」はない さて、今回でインボイス制度編は一旦終了します。タイトルにある通り、インボイス制度への対応に「正解」というのはありません。各オーナーの事情や賃借人の影響など様々な要因が重なるため、「これが正解」というのは出しづらいものです。しかし、今回までの記事の中でご紹介した内容などで「インボイス制度」とはどういった内容なのか?を掴み、「自分はどうしていくのか」を決めるだけなのです。最終的にはいくつかの選択肢になるのですが、どれもメリットデメリットを含んでいます。そのうえで、税理士や管理会社などの専門家の意見も聞いてみたりして、「自分なりの答え」を出さねばなりません。安易な値下げや課税事業者への変更などは、方針転換した時に尾を引きます。出来る限り後悔のない選択肢を取れればと思います。 他にも課題はある 今回の一連の記事では紹介しませんでしたが、インボイス制度はもっと奥が深いものです。太陽光売電も消費税を含めた金額で入金されます。とすると、太陽光の買取で電力会社は消費税を支払っているが、免税事業者がほとんどの売電に関しては電力会社は消費税を全額負担させられることになります。影響があまりに大きいことと、契約時の制度により現在では公式に消費税を支払わないということはないようではあります。しかし、今後消費税分の値下げなどは十分予想されます。また、課税事業者になるという選択肢にも「簡易課税制度」というものがあり、場合によっては課税事業者になる方が得する免税事業者もいるのも事実です。賃貸物件のオーナーは事情や物件により様々です。管理会社や専門家などと協力して、収益を最大化させていきましょう。そして管理会社も結局はオーナーに決定権があるとはいえ、「これがベストだと思う」という自分自身の意見は持っておかねばなりません。今回のインボイス制度は賃貸物件のオーナーにも影響があり、対応を迫られますが、オーナーと賃借人双方のベストを導き出しておきたいですね。
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インボイス制度Q&A③ ~賃借人からの予想問題編~
今回は悪意も想定して、対応策を検討しておきましょう。予想は外れてくれたらうれしいです。 インボイス制度開始後に来そうな質問 インボイス制度が始まると、免税事業者の物件を借りている課税事業者からの要望や問い合わせが多くなると思います。今回は制度について善意(知らなかった)も悪意(知っている)も含めて、言われそうなことを事前に予想してみました。それに対応する形での対策をご紹介してみます。 あくまで、言われそうな事項については想像になりますので、外れてくれたら幸いです。 ①いきなりの1割値下げ 「インボイス制度が始まったので、消費税分の1割を値下げしてください」 そう、こういった値下げ要求はあろうかと思います。前回の記事でもお伝えした通り、インボイス制度対策として「有効だと思えるなら登録も値下げもしたらよい」と書きました。 https://lotushome.jp/?p=3225 しかし、このような値引きについてもしっかりと学んでおかないと、必要以上の収益を失うことになります。このケースですと、免税事業者を継続するというオーナーに対して課税事業者の賃借人が消費税分の賃料値下げをお願いしたということです。もちろん、賃料の値下げについてはオーナーの任意です、するもしないも決める権利はあります。そして、今後のことも考慮して「値下げ」を容認する場合ですが まずは差額負担でもいいのでは? と思っています。 というのは以前に記事にした通り、今回のインボイス制度では「経過措置」というものがあります。 https://lotushome.jp/blog/3214/ この経過措置の詳細は記事でご確認いただければと思いますが、内容としては 制度開始後の3年間は免税事業者からの仕入も80%控除し、その後3年間は50%を控除 計6年間の経過措置期間がある という内容になっています。ですから例えば免税事業者のオーナー物件で賃料月額11万円(税込)だった場合は、消費税分1万円の中の80%=8千円は控除されます。ということは差額として月2千円が課税事業者の負担ということになります。この分を値下げしてもいいのではないでしょうか? 少なくともこのケースですと、1万円をすぐさま値下げした場合はオーナーの収益は1万円下がります。そして、その場合課税事業者は10万円(税込)の消費税分9090円×80%=7272円の控除を受けられます。課税事業者の自己負担は9090円-7272円=1818円となります。年間で21816円ですね。年間では12万円の収益減となったオーナーに対して、課税事業者の負担は年間で21816円です。これはさすがにオーナー負担が大きい気がします。 対して仮に賃料を2千円減額して10みましょう。10万8千円の消費税分9818円×80%=7854円の控除が受けられます。課税事業者の自己負担は9818円-7854円=1964円となります。年間で23568円です。どうでしょう、オーナーの収益減2000円×12か月=24000円とほぼ同額となります。お互いにとっても悪い話ではないように思えます。実質どちらも痛み分けといったところですからね。 もちろん、その場合でも契約の変更となりますので、しっかりと契約変更を行い、経過措置終了を見据えておかねばなりません。3年後は50%分の値下げに応じるのか?経過措置終了後はどうするか?という点はお互い確認をしておいた方が良いでしょう。 しかし、インボイス制度について知らなければ1割の値下げに応じないといけないのか?と思われる可能性があるでしょう。その為、インボイス制度については貸主も知らなければいけません。 ②免税事業者のオーナーへ免税事業者からの値下げ交渉 インボイス制度では免税事業者同士の取引については影響がほぼありません。なぜなら課税事業者が負担した消費税との差額を納付する為の仕組みですから、消費税を納めない免税事業者はインボイス制度にそもそも関係ありません。免税事業者からの消費税分の値下げについては課税事業者、免税事業者どちらのオーナーも断っても賃借人に影響はありません。ないとは思いたいのですが、関係ないからこそインボイス制度をよく知らない免税事業者から消費税分の値下げ交渉があったらどうしましょうか?これは正直ほとんど無いと信じたいのですが、無知か悪意かは別として返答を用意しておきましょう。まずは賃借人が課税事業者かどうか一応確認してみましょう。この時に相手方が免税事業者とのことであれば、お互いに影響がないことを説明し、値下げ交渉を断っても大丈夫です。今のところ、免税事業者からの賃料値下げ交渉は通常の「家賃下げて」と一緒です。平時に賃料交渉があったとして受けるオーナーは少数ではないでしょうか。しかし、免税事業者が課税事業者のように交渉してきた場合、どうやって相手方がインボイス登録しているか確認したらよいのでしょうか? ③相手先がインボイスに登録しているか分からない インボイス制度が開始したのちも相手先のインボイス登録を調べる機会も増えるでしょう。どうやって調べればいいのでしょうか?インボイス登録番号が分かれば国税庁のサイトで調べることができます。 国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトこのサイトでは、適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者の情報を公表しています。 ここで注意なのが、インボイス発行事業者公表サイトで調べるには 登録番号での検索しかない ということです、名前や住所など他の情報で調べることはできません。そして出てきた情報をクリックしたとしても分かるのは「登録番号」「氏名・名称」「登録日」などと限られております。住所や連絡先などは出てきません。恐らく個人事業主も数多くいるため、個人情報に配慮した結果なのでしょう。ともかく、登録番号を聞いて検索すると出てきます。それしか方法がありません、もちろん取引先には公開しているため、登録番号を特段の秘密にすることもありません。ですから取引先となる賃借人が申し出た場合は、一応確認してもいいかもしれませんね。 ④賃貸借契約書に税込、税抜きの表示がない時はどうしたら? 基本的には内税(消費税を含んでいる)とみなされるようです。というのは、免税事業者だろうが課税事業者だろうが、物をレンタルすることには消費税が掛かってきます。消費税を取る取らないというのは、一個人や法人で決めるものではありません。とすると、記載がないから「今までは消費税を取っていなかったんです」と言ったとしても難しいでしょう。今まで払ってきたという実績と含めて内税であったと解されるようになるのです。ですから、インボイス制度を機に賃借人に消費税を加算します。というのは、正当事由として認められるかはいささか合理性に欠ける内容になってしまいます。しかし、これから万一消費税が10%から増税された場合などは正当事由にあたる為、増額分を家賃に反映させることは可能であると思います。 今後、店舗や駐車場の契約書を作成する際には、免税事業者とはいえ、税込表示をなるべく避けるか、税込表示であるならば税法の改正により消費税等の税率が変動した場合、改正以降は消費税等相当額は変動後の税率で計算した金額とする。 というような、「消費税が上がったら金額も変わりますよ」という一文を条文に付け加えておきましょう。
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インボイスQ&A② ~免税事業者継続編~
対応をシミュレーションしておきましょう。 インボイス制度 理解には個人差も ここまで何度かやってきましたインボイス制度。このインボイス制度は制度が複雑に見える部分もあり、それぞれの立場で見え方が違うのです。そこで今回も実際の制度開始に向けて、気になる項目をQ&A方式でご紹介していきます。 インボイス制度は必ず登録しなければいけない? 任意です!免税事業者のままでも大丈夫です。 これは、消費税を納める課税事業者からするとインボイス(適格請求書)を発行してほしいものです。「消費税を払っているのだから、もらう立場はインボイス登録しなければいけない」と勘違いをしているケースかもしれません。 そんなことはありません、インボイス登録をする=課税事業者になる。ということですから、オーナーとしては自身が課税事業者になることで生じるメリットデメリットをしっかりと検討し、決断しなければなりません。もちろん、免税事業者のままでいることで、課税事業者である賃借人からのインボイス登録の要請や消費税分の賃料値下げの依頼などがあるかもしれません。制度開始前にそういった質問や要請に対して「どう答えていくか?」は考えておきましょう。ですが、当初に申し上げた通り、免税事業者のままでいることは違法でもなんでもありません。 免税事業者のままで消費税をもらうのはダメ? これも前の質問と付随してくる可能性がありますね。「そちらはインボイスを出してくれない、消費税を納付しないのに消費税を請求するのはおかしい」こんな理屈でしょうか。これは国も「免税事業者」が消費税を請求してはいけない旨の記載はありません。そして、免税事業者である貸主も様々な経費として消費税を負担しています。貸主だけ消費税を貰わずに、払いつづけるというのも酷な話だとも思います。そして、仮に借主が消費税を「もらわない」と宣言したとしても、店舗や駐車場の賃料は課税対象ですから内税(消費税を含んでいる)という扱いになるだけです。免税事業者であるから消費税を「もらう」「もらわない」という選択肢がある訳ではありません。内税にするか別途消費税を請求するかの違いしかないのです。つまり、「消費税をもらわない」という宣言は単に内税となるだけですので、実質としてもあまり意味があるとも思えません。 これまで預かった消費税分は違法になるの? なりません。益税(えきぜい)という扱いで法的な問題もありません。 ひょっとすると益税をご存じない事業者から質問があるかもしれません。消費税は免税事業者であっても経費として払ってもいます。免税事業者が消費税を取ってはいけない。という規定もありません。しかし、国の方針としては、この益税自体を少しずつなくしていこうという流れになっています。インボイス制度をきっかけに消費税の扱いを見直していきましょう。 インボイス制度の対応として登録するか値下げしかないのか? 登録もしないし、値下げもしない という選択肢もあります。 今回のインボイス制度についてオーナー向けの記事はたくさんありますが、この選択肢をしっかりと出しているものが少ないのが今回の一連の投稿になっています。 一連の記事を見ると選択肢が「インボイス登録=課税事業者になる」か「消費税分の値下げ」の2択になっていることが多いのです。もちろんインボイス登録すれば値下げもせずに済みますし、賃借人も嬉しいのは分かります。消費税分の値下げを行えば賃借人も助かりますし、それにより入居期間が長くなることでメリットもあります。 「やってもいいと思えるなら」登録も値下げもすればいい そう、正確に制度や対応を理解したうえで行うのであれば問題ないのです。インボイスは発行してあげた方がいいし、値下げで解約を防ぎたいならそれが一番いいのです。しかし、課税事業者になることはインボイス対応意外にも収益全体に関わることですし、値下げも収益に少なからずのダメージがあります。もちろん、登録も値下げもしないということには「解約」というリスクもあります。大切なのは それぞれのメリットデメリットを理解し、判断する その為には税理士や管理会社などの専門家と協力して検討しておくことが必要なのです。 もちろん、「登録も値下げもするな」ということではありません。自身の物件・賃借人・収益・将来の予想などを考慮して一番ベストな選択肢を選ぶということが必要なだけです。その選択肢の一つに「登録」「値下げ」があるだけなのです。あと少しだけインボイス制度の記事を続けますが、私はこの点をしっかりと伝えていきたいのです。
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インボイス制度Q&A① ~課税事業者 登録編~
インボイス制度について学んできましたが、間違いやすい勘違いも ここも抑えておきましょう、素朴な疑問編 今回はここまで学んだインボイス制度の実際の賃貸管理で出てきそうな疑問に対してお答えしていこうと思います。登録したほうがいいのか?や「自分は課税事業者がいいのか?免税事業者がいいのか?」は正直申し上げます。 オーナーの収入やその他事情による この判断だけは税理士や現在の管理会社の担当などとしっかりと検討してほしいと思います。当社でも何人かのオーナーさんとお話しして、インボイス制度登録をオススメした方もいれば、「対策は何もしなくていいと思います」という判断もしてきましたが、結局のところ最終判断は各オーナーになります。しかし、こういった問題にも管理会社としては「あなたにはこれがベストだと思う」という意向は持っておくべきかと思います。 それでは質問と回答へ行きましょう。 インボイス(適格請求書)って決まった書式あるの? ありません。これは適格請求書という堅い響きで何やら決まった書式がありそうですが、ないです。ちなみに記載事項がちゃんと書いてあれば「手書き」の請求書でも大丈夫です。 インボイスの記載事項ってなに?賃貸だと? インボイス(適格請求書)というからには、記載事項が定まっています。制度について発表された内容では以下の項目が必須項目となっています。 ①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号②取引年月日③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率⑤税率ごとに区分した消費税額等⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称 この項目ですが賃貸借契約書上ではどうしたら良いのでしょうか?そもそも、賃貸借契約と商品の売買などの契約は若干違うところが多いため、原則通りの項目をあげられても分かりづらいかと思います。 では、インボイスの記載事項のうち、賃貸借契約書にはどのように反映すればいいのでしょうか? インボイスの必要事項賃貸借契約書上での扱い①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号貸主の氏名、インボイス登録番号②取引年月日特に記載必要なし③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)賃貸借契約④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率賃料、共益費、その他の項目と適用税率(10%)⑤税率ごとに区分した消費税額等消費税額⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称借主の氏名、名称 こうやってみると、今までの賃貸借契約書と違う点でいえば、インボイス登録番号が新たに追加になる程度ですね。その他の項目は一般的な賃貸借契約では元々記載がある事項ばかりなのです。あとは、賃貸借契約での賃料や原状回復工事などは軽減税率(8%)の対象になるような品目は基本ありません。なので、軽減税率という言葉も賃貸借契約においては、特に気にしなくて大丈夫です。 インボイス(適格請求書)を毎月出さないといけないの? これも何度か聞かれましたね。インボイス制度(適格請求書等保存方式)という名前があり、正式な請求書を保存しておかねばなりません。課税事業者なら登録した方がいいとの方針はお伝えしましたが、その次のステップですね。毎月請求書を出す必要があるのか?もう既にインボイスの知識を持ったオーナーさんからお問合せがありますが、結論としては 賃貸借契約書に必要事項を記載していれば、毎月出す必要はありません 流石に家賃やリースなどの毎月支払う業種が請求書を出すとなると、多大な労力となります。その為、必要事項を賃貸借契約書に記載していれば、それでインボイス(適格請求書)とみなすということになっています。※国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問79より引用その後はインボイスの適用を受ける側が、振込表や口座振替の事実が分かる通帳と「賃貸借契約書」とセットで消費税の仕入控除として認められる流れとなります。 これから入居する方に向けてはインボイス登録番号などの必要項目を賃貸借契約書に記載しておけば大丈夫です。 現在の契約書を変更したり、契約のやり直しをしないといけないか? 現在の契約者にはインボイス登録番号の記載や消費税額なども記載していなかったりしますね。こういった契約者との契約変更や再契約などが必要になるかというご質問です。 インボイス登録番号、消費税額、適用税率(10%)などを記載した通知書を送付 要は契約書を補足する内容の通知でOKということです。この新しい通知と「従前の賃貸借契約書」のセットでインボイスとみなすということになります。ちなみにこの「通知」はメールでも可となっています。しかし、できれば書面で出しておきましょう。書面があれば、賃貸借契約書とセットで保管もしやすいと思います。 インボイスで面倒なのは手続きではなく、「対応」 今回はインボイス制度に登録する方向けのQ&Aになりました。手続き自体はそんなに労力が掛かるものはありません。しかし、インボイス制度の問題は 人によってインボイス制度の理解力がバラバラ 消費税額の控除の仕組みなどは各種ホームページなどで紹介されています。しかし、賃貸借契約に置き換えてみると疑問や問題点が出てくるのです。そして、この部分でトラブルや対応の手間が掛かってくるのです、一般的なインボイス制度は知っていても賃貸借契約での取り扱いを貸主、借主双方によく理解ができない部分があります。そして、このお互い理解できない部分で対応を間違ってしまうと大変なのです。次回もQ&Aです。なるべく、実際の制度開始前に問題を片付けておきましょう。
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インボイス対策 ~登録するならどうしたら?編~
今回は登録の為の手順について 課税事業者なら登録した方がいい ここまではインボイス制度について否定的な話が多かったのですが、今回は登録するならどうすれば良いか?についてです。今回の制度では免税事業者に影響が大きいものです。既に課税事業者となっているオーナーは基本的にはインボイス制度に登録した方が良いでしょう。なぜなら既に課税事業者として消費税を納める義務があるのですから、相手方の消費税も控除してあげることにデメリットはありません。 「私の物件を借りてくれれば、インボイス発行できますよ」 というアピールポイントにもなります。これは、インボイス後の唯一のメリットかもしれません。今後募集時にはかなり強力なアピールポイントになると思います。最初から家賃関係で値下げ交渉などを受けずに済みます。 課税事業者でも「登録」しなければインボイス発行できません 既に課税事業者であるオーナーが発行する請求書がインボイス(適格請求書)になる訳ではありません。別途「適格請求書発行事業者の登録申請」を行わなければなりません。 ちなみに令和5年10月1日からインボイスを発行する為には令和5年3月31日までに登録申請を行う必要があります。 登録申請はどこに出すの? 納税地を管轄する税務署へ提出します。申請内容に不備がなければ、審査後「適格請求書発行事業者」として登録され、「登録番号」が記された「登録通知書」が届きます。 申請方法は? 申請方法は3つです。 「e-taxによる電子申請」「郵送による申請」「納税地管轄の税務署へ提出」 私は税理士さんにお願いして手続きには詳しくありませんので、ご自身でチャレンジする方は国税庁HPをご覧ください。 申請手続|国税庁インボイス制度の開始に伴い、事業者の方が適格請求書(インボイス)を交付するためには、納税地を所轄する税務署長に対して登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者になる必要があります。 税務署における審査を経て、適格請求書発行事業者として登録された場合、「登録通知書」(登録番号や公表情報等が記載されています。)を送付します。 … インボイスの不正は罰金or懲役 インボイス(適格請求書)を発行事業者以外が発行したり、それっぽい造りの請求書を出したりする行為は厳しい取り締まりが待ってます。 1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。 しないと思いますが、やめましょう。





