不動産あるある ~不動産業界にある負の略語・隠語編~

良い言葉ではない

どんな業界でも略語・隠語というのはあるでしょう。

お寿司でいえば「アガリ」や「オアイソ」など、ホテル業界でいえば「ノーショウ」「シルバー」、警察でいえば「ホシ」や「ガイシャ」などもそうなるんでしょう。

もちろん、不動産業界にも業界用語として数々の言葉があります。

これまでにも何回か書いてきました。

カタカナ用語はこちら

そして今回はダークな悪い言葉編です。

不動産業者の中では通じますが、負の略語・隠語をご紹介してみようと思います。

なにを隠そう、私が最初に不動産業で勤めた会社はブラックもブラック!

どブラックでした。

そこでは、今回ご紹介するような言葉が飛び交っておりました。

結局、その会社は1週間程で退職してしまいました。

社名で検索してみましたが、現在は廃業しておるようです。

不動産会社はただでさえ、信用してもらいづらい業界です。

現在は遵法意識も高まってきましたし、多くの会社は良い業者であると信じています。

しかし、このような略語・隠語が生まれた業界でもある為、ご紹介してみようと思います。

まさかお客様の前で使うようなアホな業者は無いと信じたいのですが、このような言葉を聞いたならご注意ください。

呼び物・ある呼び

まずはこちら

読み方は「呼び物(ヨビブツ)」「ある呼び(アルヨビ)」です。

ずばりおとり広告を使う際に使う略語ですね。

不動産というのは特殊な商品です。

性質上、同じ物は2つとありません。

その為、人気な物件があった場合はあっという間に成約になります。それが賃貸でも売買でも一緒です。

人気物件を掲載すると、本当に信じられないくらいの反響が来ます。

本来、あまりに安すぎる物件があった時は不動産屋としては若干失敗でもあるのです。

本来の価値であればもっと上であった訳で、売買価格や賃料を査定ミスした証ともいえるのですからね。

とはいえ、何かしらの事情があってお得な値付けをすることもありますから、全部が全部ウソとは限りません。

それを逆手に取った言葉がこの言葉です。

要は「すでに成約した」か「存在しない」物件を広告に使って、集客する行為を指します。

使い方はこうです。

「この物件決まったけど、呼び物としてネット掲載しておこう」

「あの物件決まったけど、集客厳しいからある呼びしてから消せばいい」

インターネット上にこのような広告を出すと、興味を持ってくれたお客様からお問合せが来るのですが、そんな物件は存在しないにも関わらず

「ご来店ください」などと来店を促すのです。

そして、当日来店してみると「先ほど別の方が成約になったんです」「実はこの物件〇〇となっていまして」などと言って断るのです。

その後に「少し条件は違いますが、こちらの物件などはいかがでしょうか?」として別の物件を紹介する訳ですね。

ちなみに「先ほど別の方~」「実はこの物件〇〇と~」という言い訳も業界用語で「消し(ケシ)」といいます。

現在は、不動産ポータルサイトや消費者庁、国土交通省も規制を強めており、昔に比べると一掃されたような気もします。

それでも見抜くのは困難です。

当社でも繁忙期などになれば、ご案内予定の物件へ直前に申込が入るということは現実としてあるのです。

「先ほどお申込みが入りまして」というお断わりの連絡はしますが、そんな時は「おとり物件って思われないかなー」と少しだけ思います。

おとり物件だと見抜く技があったとしても、その物件が存在しない以上、お問合せしたお客様は時間の無駄にしかなりません。

おとり物件 ダメ 絶対

担ボ(タンボ)

つづいては担ボ(タンボ)です。

これは隠語でもあり、略語です。

正確には担当者ボーナスといって、個人的なキックバックや謝礼を受け取ることを指しています。

不動産は報酬額が法律で決められている業界です。

仲介手数料などに上限を定めているのですが、それを超える報酬を担当者が個人的にもらうことです。

貸主や売主、はたまた買主かもしれませんが、不動産業者の社員などに別途報酬を支払うことで融通を効かせて欲しい場合に、正規の手数料とは別に担当者自身へ渡すお金のことを担ボと呼びます。

使い方としては

「あの物件、担ボ付いてるんだよね。決めたいわー」

などです。

これは賃貸でも売買でも耳にすることがあります。

そうすると、どういうことが起こるかはご想像の通りです。

なぜ担当者に別途ボーナスを払わなければならないかを想像すれば簡単です。

要は「本来の価値を超えた金額で成約して欲しい」から担ボを払うのです。

市場に合った価格であれば、遅かれ早かれ成約することでしょう。

そういった相場以上の金額で成約するには、営業マンにかなり頑張ってもらわないといけません。

営業マンも会社を通さずに個人的に直接金額がもらえるのであれば、と頑張る訳ですね。

しかし、そういった物件を売り込まれる人からすれば「相場より高い物」を必死に売り込まれる訳ですから、あまり相場感などが無い方などは高値掴みをしてしまったり、本来のニーズと違う物件を勧められてしまう可能性が高まります。

また、その営業マンが所属する会社も報酬の存在を知らないことが多い為、知らず知らずのうちに自社の社員の腐敗に繋がる可能性もあるのです。

一旦手を染めてしまうと、担ボ物件しか成約を目指さなくなったり、会社への報酬を削減してでも担ボを目指すようになる人もいます。

つまり、所属している会社にも、お客様にも感謝されない営業マンが生まれてしまうのです。

長い目で見ると、このような社員は業界内でも有名になってしまいます。

得てして、担ボを貰う側は口が堅いのですが、担ボを渡す側は口が軽いので

「〇〇の営業マンに担ボ渡すと決めてくれるよ」とか「〇〇の〇〇さんはすぐに担ボ要求してくるよ」などと業界内で噂になりやすいものです。

周りまわって自分の首を締めてしまいます。

この担ボの罪深い点は、最後にツケを回される消費者が不当に高い金額を押し付けられる可能性があることです。

市場の相場より高い部分に納得していればいいのですが、担ボによって需要を歪められたお客様はたまったものではありません。

ちなみに弊社で担ボを受け取った場合は一発アウトです。社員にも常々そう言ってあります。

それは会社が欲しいからではありません。

手を染めてしまうと抜け出せない麻薬みたいなもので、倫理観を失った行動をするようになるからです。

担ボ ダメ 絶対

負の言葉は使う人がいるから

いかがでしたでしょうか。

残念ではありますが、このような隠語や略語があるということは、不動産業界に一定このような行為をする業者がいるという悲しい証拠でもあります。

法規制や業界内の常識なども少しずつ向上している昨今、昔に比べると良くなってきました。

少なくとも現在は、今回挙げたような言葉を聞くことはほとんどありません。

それでも全くの0かと言われると自信はありません。

このような負の言葉を撲滅することも不動産業界に求められているのではないでしょうか。

自分自身も甘い誘惑に負けないように、今後も取り組んでいきたいと思います。

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