【最新】鹿児島県の入居者ニーズ10選 ~バストイレ別の次に選ばれたものとは?~

大手のデータから読み解きましょう!ニーズの変化も

チェック項目の上位10選

私は毎月SUUMOに代表される入居者向けの賃貸募集用ポータルサイトの担当者と話します。

通常、こういったポータルサイトの担当者と話すのは賃貸営業部門の社員が対応するのが通例でしょうが、私は大手ポータルサイトが持っているデータはとても貴重だと思っております。

本来は、自社で掲載している物件情報の反響の推移、反響の精度などを振り返る為のサービスだそうですが、私は使い方が違います。

地域や鹿児島県などのデータを他の都道府県などと比較したものを担当者と細かく話しています。

大体は公表されている数字などがほとんどなのですが、担当者に細かいデータなどを聞くと私見も含めて細かいものを教えていただけます。

そこから、全国的な市場動向や入居者の「優先順位」「好まれている設備」「間取り」など貴重なデータがもらえるのです。

そして、今本当に入居者が望んでいるものを活かせるように考察しています。

今回は2023年7月の最新のランキング上位10選をご紹介するとともに、その要因を考察してみようと思います。

ご紹介するデータは、SUUMOなどのポータルサイトで入居者が希望条件をチェックした項目となっております。

2023年7月のランキング10

私にとっては意外な2位と9位

鹿児島県における入居者のチェック項目上位10位 2023年7月度

  • 1位 バス・トイレ別
  • 2位 駐車場あり
  • 3位 室内洗濯機置場
  • 4位 エアコン
  • 5位 独立洗面台
  • 6位 2階以上
  • 7位 ペット可(相談)
  • 8位 インターネット無料
  • 9位 オートロック
  • 10位 温水洗浄便座(ウォシュレット)

駐車場の躍進について

考えてみましょう

正直、このランキングに入っている項目自体に驚きはありません。

バス・トイレ別や室内洗濯機置場などは全国的にも優先順位は高く、私たちもこういった項目は最早「標準」になりつつあるといえるでしょう。

しかし、特筆すべきは

室内洗濯機置場を上回る2位「駐車場あり」

ポータルサイトの担当者さんも「これは都市部ではありえないです」と言っておりました。

これは地方では特に今後も加速することはあっても衰退はないような気がします。

これには要因が2つ程考えられます。

一つは少子化による「子供への手厚さ」

やはり最近は少子化が進んできており、昔のように一世帯当たりの子供が減ってきています。

ということは一人の子供に掛けられる教育費用は増加します。

昔は進学する子供たちは「苦学生」が当たり前でした。

その為、出来る限り交通費が掛からない場所に住むということが当たり前でした。

しかし、最近は少子化の煽りを受け、子供への支援が手厚くなった結果

学生の車の所有率が上がってきています

そして当の本人たちも「車での移動」を求めています。

やはり地方になると車移動が便利です。

各施設までの交通網が都市部に比べて少ない地方では、車による移動が便利なのはいうまでもありません。

また地価なども都市部と比べて高くはありませんから、駐車料金もそこまでの負担とはなりません。

その為、何が起きているかというと

便利な立地より駐車場優先

大きな駅で周辺も栄えている場所に住み、自転車やバスを活用する。より「少し離れた場所でも駐車場優先」という事態が起きております。

もう一つの要因も似ていますが

交通網の縮小による移動の困難さ

これも地方は顕著なのかもしれませんが、バスや鉄道の本数削減や廃線などで以前は便利だった交通網が少しづつ不便になってくる場所があります。

そうすると、移動の自由を確保する車の優先度も高くなってきたのではないかと思っております。

それを裏付ける他社の事例として

便利な駅近で新築マンションを建築したが、敷地内駐車場が埋まった途端、問い合わせが減少し、決まりづらくなった

こんな事例もチラホラと聞こえておるようです。

じゃあ地方はそもそも賃貸がダメなのか?というと、そうではありません。

駐車場があって、繁華街から少し離れた場所に光が当たってきたのです。

狭く、家賃も高く、駐車場が無いよりも 広く、家賃もそれなり、駐車場がある物件にシフトしてきている傾向があります。

前述の駅近新築マンションを管理する社員さんも

この駅より少し離れた駐車場ありの物件の方が、入居希望が顕著なんですよねー。とのことでした。

これは私も体感しています。少し前であれば「周りにあまり商業施設がない」「主要部まで距離がある」物件は人気が少ないものでした。

しかし、そういった場所にあるからこそ、駐車場は確保できる物件が多かったのです。そういった物件がここにきて盛り返してきているのです。

近くの便利さより、移動の快適さを重視するように傾向が変わってきているのでは?と推察されます。

もちろん、駅近で更に駐車場も確保できるということであれば最強です。事実そういった物件の賃料は上昇している状態です。

あとは絶対的に強いエリアであれば現在でも駐車場の有り無しに関わらず入居は好調です。

但し、全体においても2位の検索項目というのは無視できないものになってきており、今後の新築計画などでは考慮に値する数字だと思います。

オートロックの需要

都市部との違い

9位のオートロックについても都市部との差が顕著に見られます。

都市部では大体2位から5位以内に入る程の人気項目ですが、鹿児島県内では9位となっております。

これも推測になりますが、2つ程要因があると思っております。

一つは治安の良さ

物騒な事件が報じられることは増えてきたものの、都市部に比べると鹿児島県はまだまだ治安は悪くなく、オートロックの需要自体も現場レベルではそこまで大きなものではないように思えます。

もちろん同じ物件で「有った方がいいか」と言われたらYESとなる設備です。

私は賃貸営業を東京でスタートさせたのですが、東京などの都市部に比べるとオートロックを優先条件に挙げる方は断然少ないと言えるでしょう。

絶対数がそこまで多くないため、まだまだ一般的な認知を取れていないという側面もあるのかもしれませんが、やはり条件に挙げる方は多くはありません。

もちろん、繁華街や人通りの多い場所ですと効果はありますが、順位をみても鹿児島県では現在のところ大きな需要ではないのでしょう。

もう一つは人付き合いの距離感

やはり地方都市になると人付き合いの感覚が近いというのもある気がします。

未だにドアをノックするだけで人が出てきます。都市部のように「どなたですか?」と聞かれるようなことは少ないかもしれません。

その為、オートロックという一つの門番を挟むことを重視しない人柄というのも根底にあるような気がします。

オートロックより上の「ペット可」

もともと需要はあるのですが、孤独も要因だと思っています

こちらも定番ではありますし、ジレンマの多い「ペット可」です。

他の都道府県と比較してもまだまだ受け入れの少ない鹿児島県

しかし、安易に取り組むと原状回復やトラブルの種となりやすい項目となります。

需要自体は鹿児島県でも多くなってきていると思います。

これにはペットそのものに対する需要が同時に増加しているのではないでしょうか?

核家族化や個人主義が強くなってきた昨今、単身者の割合が増えてきております。

そういった生活スタイルを望む単身者といえど、やはり孤独感を感じる方も多く、猫や犬などの愛玩動物への需要も増えてきているのではないでしょうか。

特に年齢を重ねていった方のペット飼育率は高くなってきていると感じます。

これまでは子供を産み育て、子供たちも近くで働き、孫が産まれたら祖父母の家に遊びに来る。というのも家族の形でした。

しかし、現在は子供たちは遠方で就職することも多く、普段は一人や夫婦のみで過ごすことが多くなってきた為、ペットを飼って世話をすることで生活にハリが出るという側面もあるのではと考えています。

事実、ペットの飼育割合は50歳~59歳の割合が一番高いというデータも出ており、こういった傾向は今後の賃貸経営にも参考になるデータといえるでしょう。

しかし、同時に高齢者のペット飼育については「自分自身に何かあった場合のペットの行き場」という問題もはらんでおり、解決策とセットで今後検討していかねばならない問題です。

変化を上手に使おう

賃貸経営においては、市場の動向や人口の推移など様々な社会的な要因を考慮していく必要があります。

ここまでの考察を見て「地方は賃貸経営が厳しい」と簡単に見るのか、「地方での戦略の一つ」と捉えるかは各個人のスタンスになるのでしょう。

ここにきて地方に進出してきてくれるオーナーも増えてきています。

都市部では満足のいく利回りを確保することが難しい状況となっており、地方の特性を上手く活かし、高利回りを実行することの出来るオーナーさんも増えてきました。

世の中は常に移ろいゆくものですが、「昔はよかった」と嘆くだけでなく、状況を理解し、適応していくことも同時に賃貸経営の上手な名将たちの条件ではないでしょうか?

先日、全国的にも著名なオーナーさんとお話する機会がありました。その方は全国的にもコラムや動画でも有名な方でしたが私は「何か投資スタンスや購入物件の設定などルールを設けていらっしゃるんですか?」と質問しました。

返ってきた言葉は

「そういうルールを設けてしまうのは、もったいないと思っています」

「新しいものも、収益になると判断できたら取り組むようにしてます」

変化や情勢をつかみ、しっかりと判断して柔軟に取り組んでいく。

もちろん、そこに至るには判断できるだけの経験やリスク管理などが重要なのは言うまでもありませんが、私はシンプルなその言葉にいたく感動してしまいました。

賃貸経営を取り巻く様々な環境に「上手に合わせるが、流されない」というのはこれからの賃貸経営において必要な能力ではないでしょうか。

これからも、気になるデータが出た時にはみなさんに共有できればと思っております。

今回はここまで

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