
不動産融資をどう考えるか?
今回から不定期に送るオーナーの名言(迷言)シリーズ
第一弾は
「金を借りられるのも才能だからね」
でございます。
これは当社のオーナーさんではなく、とある会合で出会ったオーナーさんです。Aさんとしましょう。
この方は不動産投資を始めて5年程経っている段階とのことでした。
周りのオーナーさんからの評価は「手当たり次第買っている、利回りが低くても手を出す向こう見ずオーナー」という感じでした。
宴もたけなわになってきたころ、ある別のオーナーさんがAさんに尋ねました。
「なぜそんなに利回りが低い物件でも買い続けるのか?」と
するとAさんの返答は
「借りられるから、買う」
とのシンプルな答え
どういうことでしょうか?
俺にとっては借金は「資産」

Aさん曰く
「今は借金だが、借金は資産になる残高だ」と、また「投資に融資してくれる不動産をやらない手はない」
うーん、確かに一概に全て間違っているとは言えませんね。確かに不動産は投資と呼ばれる様々な手法のうち、銀行が一般の方にも融資してくれる数少ない投資の一つであることは間違いありませんから。
また、少ない元手から大きな資産にしていくのに融資は有効な手立てであることも間違いではありませんからね。
例えになりますが、戸建を買おうとする時も一緒ですね。
本来、現金で買えばいい物を早めに買うとなると銀行に融資を受けざるを得ません。
溜まるのを待っていたら、それこそ35年後にマイホームとなってしまいますからね。
不動産投資も同様で時間を味方につける訳ですから、融資を返済しつつ、資産を増やしていく為に融資は有効な手立ての一つです。
しかし、それでも一番気になったのは
「銀行が貸すってことは大丈夫ってことだ」
この一言でした。
確かにあまりに無茶な利回りや無謀な不動産だと銀行は融資をしません。返ってこない確率が高いのですから
しかし、だからといって
「貸す=大丈夫」ではもちろんありません。
この点を他のオーナーさんに突っ込まれたAさんの最後の一言が
「それでも金を借りられるのも才能だからね」でした。
この言葉についてだけは同感です。
銀行も融資するにあたって人を見ます。資産、職業、年収など多岐に渡ります。
以前に比べ、不動産への融資のハードルは高くなってきているのも事実です。
そんな中融資を受けられるというのも実力の一つであることは間違いありません。
だからといって、融資が出るから全てOKとはなりませんが・・・
その会合に私はその後行くことが無くなり、Aさんのその後は分かりませんが、今も走り続けているのかどうかは少し気になります。
あの時の周りの反対をよそに大成功を収めているのか、あるいは・・・
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憧れるがハードルは高い「ルームシェア」~なぜ受け入れ物件が少ないのか?~
お友達と楽しい「ルームシェア」憧れますよね!しかしハードルは高い 超えないといけない壁が多いルームシェア 仲の良い友達同士で暮らしたら?若い時などは特に思うのではないでしょうか。毎日気の合う友達と居られたらどんなに楽しいでしょう、寝食を共にし、夜は大したことな話などもしながら過ごせたらきっと楽しいでしょう。そんな「ルームシェア」ですが、賃貸ではほとんどの物件で受け入れが難しいものです。昨今一般的になった「シェアハウス」というのは別です。「シェアハウス」とは、友達だけでなく、それこそ自分が知らない方も含めて1つ屋根の下、各々の生活スペースと共用部分を使います。決定的に違うのは「自分が選んだ人達だけと暮らせるか否か」です。シェアハウスの場合は入居の可否は管理会社かオーナーとなり、自分では決めることはできません。今回はこの夢見る「ルームシェア」についての現実を管理会社からお伝えしようと思います。私は個人的には20代の多くの時間を気の合う友達とルームシェアしていました。その点でもルームシェアの良いところと悪いところも含めてお話しできると思います。 貸す側のメリットはほぼ無い オーナー側から見ると問題点がいっぱいのルームシェア まずは、ルームシェアをしたいと思って物件を本気で探してみた方は分かるのですが、ほとんどの物件ではルームシェアは出来ません。間取りを見ていると、「この部屋を自分で、こっちは友達で」と想像が膨らみます。一般的には2DK以上でキッチンなどの水周りからそれぞれの部屋に行ける造り=振り分けという造りであれば実質問題はありません。しかし、なぜオーナーはルームシェアを受け入れることに難色を示すのでしょうか?実は貸す側にはルームシェアを受け入れるメリットはほぼありません。それには以下のような要因があります。 近所迷惑になりそう契約者は誰になる?短期になりそう家賃滞納のリスク増 それぞれ、解説していきます。 近所迷惑になりそう 基本的には友達などの関係であろうルームシェアそうするとオーナーの懸念としては、「夜間までうるさくなるんじゃないか?」という懸念があります。また、家族に比べると会話も増えるでしょうから、音の面での心配があります。特にルームシェアに適した物件というのはファミリータイプなどの間取りになっていることから、ファミリーとの時間帯のズレを気にすることが多いものです。 契約者は誰になる? 契約名義の問題です。契約名義とは賃貸借契約において「私が責任者です」ということです。責任というのは基本契約上の全てになります、家賃の滞納やお部屋の原状回復など、契約名義人以外の方は単なる「同居人」扱いになり、金銭的な責任から実際の手続きまで契約名義人の方は全ての責任を自分が負う必要があります。ルームシェアにおいてはこの「契約名義人」を誰にするかという問題があります。例えば2人で住む場合でどちらか1人が契約名義人になるか、もしく「連名契約」といってお互いが契約名義人になることも可能です。しかし、これが3人以上になると契約関係が複雑になってしまいます、例えば契約名義人の内1人が出ていくとなった場合は契約内容の変更となり、都度契約の変更を行う必要があります。また、連名契約の場合はそれぞれに連帯保証人が必要となるため、契約書を作成する管理会社にとっても負担となってしまいます。この辺りがややこしく感じてしまい、無理して受け入れなくても・・・という流れになってしまいます。 短期になりそう これはルームシェア「あるある」なのですが、実際に住み始めてみると仲が悪くなったりを心配しています。ルームシェアというのは生活を共にします。今まで見ることがなかった友達の一面を見ることになります。「意外とこんな所があるんだ・・」「生活スタイル合わない」「価値観がそもそも違う」など良いところもあれば、悪いところも見えてきます。そうすると、仲が良かった友人関係が崩れ、ルームシェアの終了となります。また、ルームシェアの解消は時期を問いません。通常、ファミリータイプの入替え時期は年度末と呼ばれる3月4月が多く、次いで9月などの秋の転勤シーズンが多いものです。ファミリー物件はシングル物件に比べると、入居期間が長くなる傾向があります。その為、ファミリー物件は動きも単身者に比べると少なく、一度空くと空室期間が長くなってしまう場合もあります。その為、ルームシェアが早期に解約となると時期を外したファミリー物件というのは少し入居までに時間を要したりもします。このような心配から「短期解約になりそう」と思われたりもします。 家賃滞納のリスク増 通常、家族での入居となると、実質お財布は1つになります。単身の場合はもちろん名義の方のみですね。そうすると、契約名義の方や本人の勤務先や年収などから「家賃を払ってもらえるか?」だけを心配します。もちろん、転職やその他事情というのはあるにしても、払える払えないというのは大体予想がつきます。しかし、ルームシェアの場合、基本的には全員で割って家賃を支払います。通常の賃貸であればお財布は1つになるのですが、ルームシェアの場合 人数×お財布 となります。そうすると、ルームシェアの1人でも家賃を滞ってしまうと全員へ影響が出てしまいます。つまり、家賃滞納のリスクが1人から増えてしまいます。2人で払うつもりだった家賃を1人で支払うというのは、かなりキツイものがあります。単純に2倍ですからね。通常の契約でも病気や解雇、転職など滞納のリスクはありますが、ルームシェアの場合、その人数に応じてリスクが増えていってしまいます。ルームシェアで誰かが滞納しだすと、解約という道にも一直線となってしまい、これまた「短期解約」という懸念にもつながります。 難しいルームシェア探し ここまで書いてきた内容を見てみると、ルームシェアを目指している方もオーナー側の目線をご理解いただけたんじゃないかと思います。入居審査というのは所詮書面での審査になります。みなさんのお人柄や性格、しっかりとした人かどうかは分からないのです。そしてだからこそ、書面上のリスクをオーナーとしては避けたくなってしまうのです。このように物件を探すことが難しいルームシェアですが、裏を返せば、今挙げられたリスクを前もって覚悟し、解決しておくことが必要となるのです。基本的にはルームシェアというのは、ルームシェア可となっていない場合は「要相談」となります。運よく「要相談」まで辿りついたなら、今回挙げた項目を前もってクリアしておきましょう。オーナーが不安に思うことに対して準備が出来ていた時には、ひょっとすると「ルームシェア」してもいいよと言ってもらえるかもしれません。次回は「ルームシェアする時に覚悟しておくこと」などを書いてみようかと思います。
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インボイス制度 まとめとベストを尽くせ編
色々な選択肢の中からベストを尽くすのです。 インボイス制度への対応に「正解」はない さて、今回でインボイス制度編は一旦終了します。タイトルにある通り、インボイス制度への対応に「正解」というのはありません。各オーナーの事情や賃借人の影響など様々な要因が重なるため、「これが正解」というのは出しづらいものです。しかし、今回までの記事の中でご紹介した内容などで「インボイス制度」とはどういった内容なのか?を掴み、「自分はどうしていくのか」を決めるだけなのです。最終的にはいくつかの選択肢になるのですが、どれもメリットデメリットを含んでいます。そのうえで、税理士や管理会社などの専門家の意見も聞いてみたりして、「自分なりの答え」を出さねばなりません。安易な値下げや課税事業者への変更などは、方針転換した時に尾を引きます。出来る限り後悔のない選択肢を取れればと思います。 他にも課題はある 今回の一連の記事では紹介しませんでしたが、インボイス制度はもっと奥が深いものです。太陽光売電も消費税を含めた金額で入金されます。とすると、太陽光の買取で電力会社は消費税を支払っているが、免税事業者がほとんどの売電に関しては電力会社は消費税を全額負担させられることになります。影響があまりに大きいことと、契約時の制度により現在では公式に消費税を支払わないということはないようではあります。しかし、今後消費税分の値下げなどは十分予想されます。また、課税事業者になるという選択肢にも「簡易課税制度」というものがあり、場合によっては課税事業者になる方が得する免税事業者もいるのも事実です。賃貸物件のオーナーは事情や物件により様々です。管理会社や専門家などと協力して、収益を最大化させていきましょう。そして管理会社も結局はオーナーに決定権があるとはいえ、「これがベストだと思う」という自分自身の意見は持っておかねばなりません。今回のインボイス制度は賃貸物件のオーナーにも影響があり、対応を迫られますが、オーナーと賃借人双方のベストを導き出しておきたいですね。
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インボイス制度Q&A③ ~賃借人からの予想問題編~
今回は悪意も想定して、対応策を検討しておきましょう。予想は外れてくれたらうれしいです。 インボイス制度開始後に来そうな質問 インボイス制度が始まると、免税事業者の物件を借りている課税事業者からの要望や問い合わせが多くなると思います。今回は制度について善意(知らなかった)も悪意(知っている)も含めて、言われそうなことを事前に予想してみました。それに対応する形での対策をご紹介してみます。 あくまで、言われそうな事項については想像になりますので、外れてくれたら幸いです。 ①いきなりの1割値下げ 「インボイス制度が始まったので、消費税分の1割を値下げしてください」 そう、こういった値下げ要求はあろうかと思います。前回の記事でもお伝えした通り、インボイス制度対策として「有効だと思えるなら登録も値下げもしたらよい」と書きました。 https://lotushome.jp/?p=3225 しかし、このような値引きについてもしっかりと学んでおかないと、必要以上の収益を失うことになります。このケースですと、免税事業者を継続するというオーナーに対して課税事業者の賃借人が消費税分の賃料値下げをお願いしたということです。もちろん、賃料の値下げについてはオーナーの任意です、するもしないも決める権利はあります。そして、今後のことも考慮して「値下げ」を容認する場合ですが まずは差額負担でもいいのでは? と思っています。 というのは以前に記事にした通り、今回のインボイス制度では「経過措置」というものがあります。 https://lotushome.jp/blog/3214/ この経過措置の詳細は記事でご確認いただければと思いますが、内容としては 制度開始後の3年間は免税事業者からの仕入も80%控除し、その後3年間は50%を控除 計6年間の経過措置期間がある という内容になっています。ですから例えば免税事業者のオーナー物件で賃料月額11万円(税込)だった場合は、消費税分1万円の中の80%=8千円は控除されます。ということは差額として月2千円が課税事業者の負担ということになります。この分を値下げしてもいいのではないでしょうか? 少なくともこのケースですと、1万円をすぐさま値下げした場合はオーナーの収益は1万円下がります。そして、その場合課税事業者は10万円(税込)の消費税分9090円×80%=7272円の控除を受けられます。課税事業者の自己負担は9090円-7272円=1818円となります。年間で21816円ですね。年間では12万円の収益減となったオーナーに対して、課税事業者の負担は年間で21816円です。これはさすがにオーナー負担が大きい気がします。 対して仮に賃料を2千円減額して10みましょう。10万8千円の消費税分9818円×80%=7854円の控除が受けられます。課税事業者の自己負担は9818円-7854円=1964円となります。年間で23568円です。どうでしょう、オーナーの収益減2000円×12か月=24000円とほぼ同額となります。お互いにとっても悪い話ではないように思えます。実質どちらも痛み分けといったところですからね。 もちろん、その場合でも契約の変更となりますので、しっかりと契約変更を行い、経過措置終了を見据えておかねばなりません。3年後は50%分の値下げに応じるのか?経過措置終了後はどうするか?という点はお互い確認をしておいた方が良いでしょう。 しかし、インボイス制度について知らなければ1割の値下げに応じないといけないのか?と思われる可能性があるでしょう。その為、インボイス制度については貸主も知らなければいけません。 ②免税事業者のオーナーへ免税事業者からの値下げ交渉 インボイス制度では免税事業者同士の取引については影響がほぼありません。なぜなら課税事業者が負担した消費税との差額を納付する為の仕組みですから、消費税を納めない免税事業者はインボイス制度にそもそも関係ありません。免税事業者からの消費税分の値下げについては課税事業者、免税事業者どちらのオーナーも断っても賃借人に影響はありません。ないとは思いたいのですが、関係ないからこそインボイス制度をよく知らない免税事業者から消費税分の値下げ交渉があったらどうしましょうか?これは正直ほとんど無いと信じたいのですが、無知か悪意かは別として返答を用意しておきましょう。まずは賃借人が課税事業者かどうか一応確認してみましょう。この時に相手方が免税事業者とのことであれば、お互いに影響がないことを説明し、値下げ交渉を断っても大丈夫です。今のところ、免税事業者からの賃料値下げ交渉は通常の「家賃下げて」と一緒です。平時に賃料交渉があったとして受けるオーナーは少数ではないでしょうか。しかし、免税事業者が課税事業者のように交渉してきた場合、どうやって相手方がインボイス登録しているか確認したらよいのでしょうか? ③相手先がインボイスに登録しているか分からない インボイス制度が開始したのちも相手先のインボイス登録を調べる機会も増えるでしょう。どうやって調べればいいのでしょうか?インボイス登録番号が分かれば国税庁のサイトで調べることができます。 国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトこのサイトでは、適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者の情報を公表しています。 ここで注意なのが、インボイス発行事業者公表サイトで調べるには 登録番号での検索しかない ということです、名前や住所など他の情報で調べることはできません。そして出てきた情報をクリックしたとしても分かるのは「登録番号」「氏名・名称」「登録日」などと限られております。住所や連絡先などは出てきません。恐らく個人事業主も数多くいるため、個人情報に配慮した結果なのでしょう。ともかく、登録番号を聞いて検索すると出てきます。それしか方法がありません、もちろん取引先には公開しているため、登録番号を特段の秘密にすることもありません。ですから取引先となる賃借人が申し出た場合は、一応確認してもいいかもしれませんね。 ④賃貸借契約書に税込、税抜きの表示がない時はどうしたら? 基本的には内税(消費税を含んでいる)とみなされるようです。というのは、免税事業者だろうが課税事業者だろうが、物をレンタルすることには消費税が掛かってきます。消費税を取る取らないというのは、一個人や法人で決めるものではありません。とすると、記載がないから「今までは消費税を取っていなかったんです」と言ったとしても難しいでしょう。今まで払ってきたという実績と含めて内税であったと解されるようになるのです。ですから、インボイス制度を機に賃借人に消費税を加算します。というのは、正当事由として認められるかはいささか合理性に欠ける内容になってしまいます。しかし、これから万一消費税が10%から増税された場合などは正当事由にあたる為、増額分を家賃に反映させることは可能であると思います。 今後、店舗や駐車場の契約書を作成する際には、免税事業者とはいえ、税込表示をなるべく避けるか、税込表示であるならば税法の改正により消費税等の税率が変動した場合、改正以降は消費税等相当額は変動後の税率で計算した金額とする。 というような、「消費税が上がったら金額も変わりますよ」という一文を条文に付け加えておきましょう。
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インボイスQ&A② ~免税事業者継続編~
対応をシミュレーションしておきましょう。 インボイス制度 理解には個人差も ここまで何度かやってきましたインボイス制度。このインボイス制度は制度が複雑に見える部分もあり、それぞれの立場で見え方が違うのです。そこで今回も実際の制度開始に向けて、気になる項目をQ&A方式でご紹介していきます。 インボイス制度は必ず登録しなければいけない? 任意です!免税事業者のままでも大丈夫です。 これは、消費税を納める課税事業者からするとインボイス(適格請求書)を発行してほしいものです。「消費税を払っているのだから、もらう立場はインボイス登録しなければいけない」と勘違いをしているケースかもしれません。 そんなことはありません、インボイス登録をする=課税事業者になる。ということですから、オーナーとしては自身が課税事業者になることで生じるメリットデメリットをしっかりと検討し、決断しなければなりません。もちろん、免税事業者のままでいることで、課税事業者である賃借人からのインボイス登録の要請や消費税分の賃料値下げの依頼などがあるかもしれません。制度開始前にそういった質問や要請に対して「どう答えていくか?」は考えておきましょう。ですが、当初に申し上げた通り、免税事業者のままでいることは違法でもなんでもありません。 免税事業者のままで消費税をもらうのはダメ? これも前の質問と付随してくる可能性がありますね。「そちらはインボイスを出してくれない、消費税を納付しないのに消費税を請求するのはおかしい」こんな理屈でしょうか。これは国も「免税事業者」が消費税を請求してはいけない旨の記載はありません。そして、免税事業者である貸主も様々な経費として消費税を負担しています。貸主だけ消費税を貰わずに、払いつづけるというのも酷な話だとも思います。そして、仮に借主が消費税を「もらわない」と宣言したとしても、店舗や駐車場の賃料は課税対象ですから内税(消費税を含んでいる)という扱いになるだけです。免税事業者であるから消費税を「もらう」「もらわない」という選択肢がある訳ではありません。内税にするか別途消費税を請求するかの違いしかないのです。つまり、「消費税をもらわない」という宣言は単に内税となるだけですので、実質としてもあまり意味があるとも思えません。 これまで預かった消費税分は違法になるの? なりません。益税(えきぜい)という扱いで法的な問題もありません。 ひょっとすると益税をご存じない事業者から質問があるかもしれません。消費税は免税事業者であっても経費として払ってもいます。免税事業者が消費税を取ってはいけない。という規定もありません。しかし、国の方針としては、この益税自体を少しずつなくしていこうという流れになっています。インボイス制度をきっかけに消費税の扱いを見直していきましょう。 インボイス制度の対応として登録するか値下げしかないのか? 登録もしないし、値下げもしない という選択肢もあります。 今回のインボイス制度についてオーナー向けの記事はたくさんありますが、この選択肢をしっかりと出しているものが少ないのが今回の一連の投稿になっています。 一連の記事を見ると選択肢が「インボイス登録=課税事業者になる」か「消費税分の値下げ」の2択になっていることが多いのです。もちろんインボイス登録すれば値下げもせずに済みますし、賃借人も嬉しいのは分かります。消費税分の値下げを行えば賃借人も助かりますし、それにより入居期間が長くなることでメリットもあります。 「やってもいいと思えるなら」登録も値下げもすればいい そう、正確に制度や対応を理解したうえで行うのであれば問題ないのです。インボイスは発行してあげた方がいいし、値下げで解約を防ぎたいならそれが一番いいのです。しかし、課税事業者になることはインボイス対応意外にも収益全体に関わることですし、値下げも収益に少なからずのダメージがあります。もちろん、登録も値下げもしないということには「解約」というリスクもあります。大切なのは それぞれのメリットデメリットを理解し、判断する その為には税理士や管理会社などの専門家と協力して検討しておくことが必要なのです。 もちろん、「登録も値下げもするな」ということではありません。自身の物件・賃借人・収益・将来の予想などを考慮して一番ベストな選択肢を選ぶということが必要なだけです。その選択肢の一つに「登録」「値下げ」があるだけなのです。あと少しだけインボイス制度の記事を続けますが、私はこの点をしっかりと伝えていきたいのです。
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インボイス制度Q&A① ~課税事業者 登録編~
インボイス制度について学んできましたが、間違いやすい勘違いも ここも抑えておきましょう、素朴な疑問編 今回はここまで学んだインボイス制度の実際の賃貸管理で出てきそうな疑問に対してお答えしていこうと思います。登録したほうがいいのか?や「自分は課税事業者がいいのか?免税事業者がいいのか?」は正直申し上げます。 オーナーの収入やその他事情による この判断だけは税理士や現在の管理会社の担当などとしっかりと検討してほしいと思います。当社でも何人かのオーナーさんとお話しして、インボイス制度登録をオススメした方もいれば、「対策は何もしなくていいと思います」という判断もしてきましたが、結局のところ最終判断は各オーナーになります。しかし、こういった問題にも管理会社としては「あなたにはこれがベストだと思う」という意向は持っておくべきかと思います。 それでは質問と回答へ行きましょう。 インボイス(適格請求書)って決まった書式あるの? ありません。これは適格請求書という堅い響きで何やら決まった書式がありそうですが、ないです。ちなみに記載事項がちゃんと書いてあれば「手書き」の請求書でも大丈夫です。 インボイスの記載事項ってなに?賃貸だと? インボイス(適格請求書)というからには、記載事項が定まっています。制度について発表された内容では以下の項目が必須項目となっています。 ①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号②取引年月日③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率⑤税率ごとに区分した消費税額等⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称 この項目ですが賃貸借契約書上ではどうしたら良いのでしょうか?そもそも、賃貸借契約と商品の売買などの契約は若干違うところが多いため、原則通りの項目をあげられても分かりづらいかと思います。 では、インボイスの記載事項のうち、賃貸借契約書にはどのように反映すればいいのでしょうか? インボイスの必要事項賃貸借契約書上での扱い①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号貸主の氏名、インボイス登録番号②取引年月日特に記載必要なし③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)賃貸借契約④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率賃料、共益費、その他の項目と適用税率(10%)⑤税率ごとに区分した消費税額等消費税額⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称借主の氏名、名称 こうやってみると、今までの賃貸借契約書と違う点でいえば、インボイス登録番号が新たに追加になる程度ですね。その他の項目は一般的な賃貸借契約では元々記載がある事項ばかりなのです。あとは、賃貸借契約での賃料や原状回復工事などは軽減税率(8%)の対象になるような品目は基本ありません。なので、軽減税率という言葉も賃貸借契約においては、特に気にしなくて大丈夫です。 インボイス(適格請求書)を毎月出さないといけないの? これも何度か聞かれましたね。インボイス制度(適格請求書等保存方式)という名前があり、正式な請求書を保存しておかねばなりません。課税事業者なら登録した方がいいとの方針はお伝えしましたが、その次のステップですね。毎月請求書を出す必要があるのか?もう既にインボイスの知識を持ったオーナーさんからお問合せがありますが、結論としては 賃貸借契約書に必要事項を記載していれば、毎月出す必要はありません 流石に家賃やリースなどの毎月支払う業種が請求書を出すとなると、多大な労力となります。その為、必要事項を賃貸借契約書に記載していれば、それでインボイス(適格請求書)とみなすということになっています。※国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問79より引用その後はインボイスの適用を受ける側が、振込表や口座振替の事実が分かる通帳と「賃貸借契約書」とセットで消費税の仕入控除として認められる流れとなります。 これから入居する方に向けてはインボイス登録番号などの必要項目を賃貸借契約書に記載しておけば大丈夫です。 現在の契約書を変更したり、契約のやり直しをしないといけないか? 現在の契約者にはインボイス登録番号の記載や消費税額なども記載していなかったりしますね。こういった契約者との契約変更や再契約などが必要になるかというご質問です。 インボイス登録番号、消費税額、適用税率(10%)などを記載した通知書を送付 要は契約書を補足する内容の通知でOKということです。この新しい通知と「従前の賃貸借契約書」のセットでインボイスとみなすということになります。ちなみにこの「通知」はメールでも可となっています。しかし、できれば書面で出しておきましょう。書面があれば、賃貸借契約書とセットで保管もしやすいと思います。 インボイスで面倒なのは手続きではなく、「対応」 今回はインボイス制度に登録する方向けのQ&Aになりました。手続き自体はそんなに労力が掛かるものはありません。しかし、インボイス制度の問題は 人によってインボイス制度の理解力がバラバラ 消費税額の控除の仕組みなどは各種ホームページなどで紹介されています。しかし、賃貸借契約に置き換えてみると疑問や問題点が出てくるのです。そして、この部分でトラブルや対応の手間が掛かってくるのです、一般的なインボイス制度は知っていても賃貸借契約での取り扱いを貸主、借主双方によく理解ができない部分があります。そして、このお互い理解できない部分で対応を間違ってしまうと大変なのです。次回もQ&Aです。なるべく、実際の制度開始前に問題を片付けておきましょう。





