家賃を「一括で前払いするから」は交渉材料にならない!その理由とは?

結構いるが・・・

「家賃を〇年分(カ月)前払いするから」

私も賃貸営業をやっておりましたが、この交渉は幾度も受けたことがあります。

さて、この方法は有効なのでしょうか?

よくある交渉なのですが

結論からいえば、正直大家側も管理会社側も実はメリットと感じないでしょう。

その理由をご紹介してみましょう。

大体は交渉事とセットである

そもそも「家賃を一括」はなぜ提案としてあるのでしょう。

大体は交渉事とセットで切り出されます。

私が受けたことのある内容でいえば

  • 入居審査に落ちたけど住みたい
  • ペット不可の物件でペットを飼育したい
  • 本来の入居人数を超えて入居したい(ワンルームに2人入居など)
  • 法人契約で入居者の入替えを自由にしたい
  • 短期で借りたい
  • 本来の家のリフォーム期間だけ住みたい

こういったケースで多い印象があります。

確かに上記の内容を大家側に飲んでもらうために、交渉の条件として「家賃を一括前払い」は有効に思えます。

ですが、なぜ大家や管理会社はメリットと感じないのでしょうか?

ここからは、その理由をご紹介してみましょう。

前払いされても使えないから

まずはこれです。

いかに前払いをされたとしても、実は大家側は使うことができません。

もちろん、使ってもいいのでしょうが、途中で解約されたらどうなるでしょう?

家賃というのは前払いがほとんどですが、それは「2月分を1月末までに」という程度のものです。

とすると、先に家賃を払ってもらったとしても、厳密にいえば「その月」が経過するまでは「預かっている」に過ぎないのです。

前払いをしてもらったとしても「今は自分のお金ではない」となると「前払い」はメリットにならないのです。

では「途中で解約しても残金は返さなくていいから」という約束とセットでならどうでしょう?

それでも結論は変わらないことでしょう。なぜなら

そうは言ってても、土壇場になれば返金を求めるのではないか?そうなった場合、揉めたくない

と高確率で思われるでしょう。

そして、高確率でそういった事態を起こされた経験があるからです。

会計処理上面倒である

これもまた事実の一つです。

前払いを受けた場合、大変なのが会計上の事務処理になります。

「前払いの残高いくらだっけ?」というのを毎月管理せねばなりません。

昨今、家賃管理はシステムで行っておりますが、個人でやっている大家さんなどになると、これは厄介です。

毎回「最初に払った額」から「経過した家賃」を引いていかねばなりません。

毎月のように決まった振込などがあれば管理は楽ですが、前払いだと引いていく必要があります。

また、結果として

前払い家賃がなくなりそうな場合、こちらから催促しなければなりません

一括して前払いした側はえてして、この「残高管理」をしていない場合がほとんどです。

「無くなりそうになったら、向こうから催促が来るだろう」と思ってしまうのです。

これは、督促の手間が増えてしまい、管理する側はイレギュラーとして覚えておかねばなりません

システムなどで管理していない大家さんになると、これはデメリットと受け取られるでしょう。

「前払いでもらったと思っていたら、いつの間にか滞納が発生していた」となることもあるのです。

単に恐い

これもありますね。

なにかしらの交渉が入るような事例でないと「家賃を一括払い」はないのですが

お金で交渉を飲んでもらう

という姿勢に嫌悪感を覚える大家さんが多いのも事実です。

もちろん収益の為にやっているのですから、収益は大切なのです。

しかし、交渉の場面でお金でゴリ押しとみられると、引いてしまうのです。

これは「交渉をしてはいけない」という訳ではありません。

「お金を払えばいいんだろう」という姿勢に映らないように注意しなければいけません。

相手方から条件として言われない状態で切るカードとしては「家賃前払い」は少し「恐い」印象を受けてしまいがちです。

交渉したいことがあれば素直に申し出てみましょう。

そのうえで条件として「家賃前払い」が出た場合などは、当然問題ありません。

なぜか「家賃前払い」は一足飛びに初手から切り出されることが多いので、誤解を生じさせてしまいます。

あくまで交渉は人と人との関係です。

初っ端から出すカードとしては、あまり先方に良い印象は持ちづらいのです。

交渉は丁寧に

いかがでしたでしょうか。

なにかしらの事情があって交渉になることでしょう。

多くの場合、大家さん側に直接会うことなども難しいことでしょう。

だからこそ、相手にどう映るか?という点を思いながら交渉に臨んでみてはいかがでしょうか。

どうしてもダメなことはダメでしょう。

それでも真摯に対応する姿勢を見せることで活路が開けるかもしれませんよ。

「家賃の前払い」自体が悪い訳ではありません。

今回挙げた内容を考慮したうえで、相手との妥協点が見いだせれば幸いです。

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