(63ページ目)賃貸経営上手な「名将」たちから学ぶ管理会社への「良いプレッシャー」「悪いプレッシャー」

やっぱり人を動かすなら「恐怖や萎縮」より「前向きな」激を
「名将」とは?はこちらから

同業者のグチ

掛けすぎるとかえってパフォーマンスは下がります、適度に

ある日のこと、他社の管理担当さんと雑談をしていたところ

「最近、部屋を決めろ決めろと一人のオーナーからのプレッシャーがきつくてさ」

あるオーナーからのプレッシャーを掛けられているその担当さんは辛そうでした。

現状としては以下のようでした。

  • 掲載や清掃なども一定の水準までは頑張っているつもり
  • 近隣相場なども伝えているが中々理解してもらえない
  • 提案もしているが飲んでもらえない
  • 要求が高く、スタッフへのプレッシャーも強い
  • 他のスタッフが段々とこのオーナーの物件に消極的になっている
  • それも原因で決まらずに負のスパイラルになっている

なるほど、管理会社あるあるです。

管理会社のレベルや管理にどの程度力を入れているかは別として、この手の話はよくあります。

「管理会社にもっとしっかりして欲しいオーナー」「やれることはやっているつもりの管理会社」の対立

本来、お互いの目的は「良好な賃貸経営」で一致しているはずです。

ですが、そこには「もっと求めたいオーナー」と「もっと評価して欲しい管理業者」で食い違います。

この場合、足りていない管理会社、求めすぎるオーナー、どちらも多くあるので、ここでは一概にどちらが正しいとは言えません。

しかし、このグチをこぼした管理会社の担当さんは私から見れば普段から合格点は十分に出せる位の管理会社と思えます。

そういった意味では負のスパイラルに陥っている今回のオーナーさんのプレッシャーは「失敗」といえます。

じゃあ管理会社へプレッシャーは掛けない方がいいのか?と言われたら、私は管理会社へのプレッシャーは「必要」だと思っています。

正確にいえば「適度な緊張感」は有った方がいい。

この適度な緊張感は管理業者に「気が抜けない」と思わせますが、「あのオーナーと関わり合いたくない」にはなりません。

そして、この適度な緊張感がある状態こそが最高のパフォーマンスが発揮できる状態なのです。

スポーツでも仕事でも「自由に何でも大丈夫・適当でもOK」というNOプレッシャー状態では油断・慢心などが起こりやすいものです。

「そんなことない、俺たちは自由にさせてくれた方がいい」という管理会社は胸に手を当ててみてください。

本当は「怒られたくない」「プレッシャーを受けたくない」だけでしょう?

でも賃貸経営の上手なオーナーさんを思い浮かべてみてください。「マズい結果は見せられない」という意識が少しあるでしょう?

だからといって苦手だとか、出来れば話したくないとは思わせない方々ではなく、むしろ良好な関係ではありませんか?

そう、賃貸経営の上手なオーナーさんは管理会社へのプレッシャーや緊張感の持たせ方が上手なのです。

適度な緊張感や良いプレッシャーは与えるけど嫌われない、むしろ良い結果と良い関係を作る!

そして管理会社にとっても適度な緊張感と良いプレッシャーというのは、オーナーとの対話の機会だったりもして、良い管理状態を作れるチャンスなのです。

「適度な緊張感はあるが、とても良好な関係」これこそが本来あるべき管理会社・オーナーの理想形だと思っています。

今回はこの管理業者へ適度な緊張感をもたらす「良いプレッシャー」と、管理業者に敬遠されたり、時には嫌われ、パフォーマンスが上がるどころか下がってしまう「悪いプレッシャー」賃貸経営の上手なオーナー、いわゆる「名将」の事例などをご紹介しつつ、みなさんの賃貸経営に活かせる方法をご紹介してみようと思います。

オーナーとのパワーバランス

こんな感覚のオーナーにならないでくださいね・・・

前提として、管理会社にとって一番最優先するお客さんは誰か?といえば「管理物件を預けてくれるオーナー」となります。

こんなことを書くと「おいおい、入居者はどうした」と言われるかもしれませんが、少しお待ちください。

管理会社の基本的な仕事というのは、どう取り繕っても

「オーナーの収益を最大限化すること」なんです。

じゃあ「入居者はどうでもいいってことか?」というとそうではありません。

「だからこそ、家賃を払っていただける入居者さんが大切なのです」

どうです?矛盾はしないでしょ?オーナーにとっても入居者さんというのは「家賃を払っていただけるお客様」な訳です。

オーナーが大事だからこそ、入居者さんを大切にしなければならない!ご理解いただけたことでしょう。

しかし、管理物件がなければお話にもならない訳ですから、やはりオーナーとの関係というのは管理会社は気になるものです。

そして、そういったオーナーさんと管理会社の関係というのは絶妙なパワーバランスが存在します。

もちろん、オーナー様様という場合もあれば、強気な管理会社も存在しており、あるいはオーナーさんによっても個別に違いがあります。

そういった立場も踏まえて本題に入っていきましょう。

大前提として

まず、これからの前提として「管理会社がある程度のことはしてくれている」という前提になります。

「それは怒っても仕方ないよね」というミスや無気力で怠慢ばかりの管理会社だった場合は別です。

そんな管理会社であれば「管理会社変更」一択です。プレッシャーを掛ける必要もないでしょう。

それなりのことはしてくれていると思うが「もっと良くしたい、パフォーマンスを上げて欲しい」という想いがある場合に限ります。

あくまで「管理会社と良い関係を築く」「もっと自分の物件で良い結果を出したい」という前提です。

そういった前向きなプレッシャーや緊張感の為の方法だということを前提に進めていきます。

悪いプレッシャーと負のスパイラル

ごめんなさい、漫画だけでは無理でした

まずは「悪いプレッシャー」とはどういったものでしょうか?

単純に言えば管理会社や担当者が委縮したりプレッシャーを受けて何も言えなくなるだけの状態にすることです。

この状態では事態が好転するどころか、冒頭のオーナーのように負のスパイラルに陥ることが珍しくありません。

そして、この状態の最大のデメリットがあります。それは

管理会社や担当が次の手を提案出来なくなることです。

これはどういうことかと言いますと、ある程度の管理会社や担当であれば当然空室の長期化に対して対策を提案するハズです。

この時に残念ながら効果が出なかった場合に管理会社はこう思うのです。

「前回聞いてもらって結果が出なかったのに、更に提案するのは図々しいかな?」

ましてやオーナーからの過度なプレッシャーが掛かっている状態では提案しても「前もそう言って埋まらなかったじゃないか?」「じゃあ最初からそうすれば良かったんじゃないか?」と言われてしまうことを恐れて提案が出来なくなってしまう場合があります。

オーナー側からすると「空室が長期化しているのに何も提案もない」となってしまい、オーナーとしては更に不満の溜まる状態になってしまい、更にプレッシャーを掛けざるを得ない状態になってしまいます。

これが負のスパイラルの正体になっているケースは多く見られます。

これは空室の問題だけでなく、他の問題でも大体はこんな経緯を辿ってしまい、オーナー、管理会社ともに苦しい状態になってしまいます。

冒頭のオーナーさんも正にこの状態に陥ってしまったのです。

「管理会社がそんな状態ではオーナーではどうしようもないじゃないか?」

お気持ちは分かります。不動産投資を志されたのですから、やはり物件のパフォーマンスは上げていきたいものです。

では、ここからは私が今まで見てきた賃貸経営の上手なオーナー=名将を事例に管理会社から見る「良いプレッシャーの掛け方、適度な緊張感を持たせ方」をご紹介してみましょう。

良い時のコミュニケーション

良い時のコミュニケーションは「いい提案」に繋がりやすい

悪いプレッシャーを掛けてしまうタイプのオーナーに共通して多いのが

悪い時だけコミュニケーション過多

もちろん、問題点があるのですから当然管理会社や担当とコミュニケーションを取ることが必要なのですが、物件の状態が良い時には連絡やコミュニケーションは一切無いという方が多いものです。

対して名将たちは

良い時にコミュニケーションを取っておく

反対ですね。

物件の入居状況なども含めて良好な状態の時に管理会社や担当とコミュニケーションを計る方が多いのです。

用件としては「今入居も安定しているのでお礼に来ました」という内容だったりするのですが、そこで話すのは「次空室が出たらどうしていきましょうか?」や「これから問題が出そうなこととかあります?」などの話に繋がります。

そこでは、現在の状況が良いのも手伝って前向きで建設的な話し合いとなります。

良好な状態の管理会社からは「次回空いたら、最近のトレンドでこんな方法がありまして」とか「この状態であれば家賃を上げることも視野に」「そろそろメンテナンスの時期ですが、計画的に進めましょう」なども聞けるでしょう。管理会社も自信を持ってオーナーと話せるタイミングですから、基本的には前向きな意見が多く出ることでしょう。

また管理会社にとっては「お礼を言ってくれる律儀な方」とか「既に次の対策を見ている意識の高いオーナーさんだな」「日々の物件状況をしっかりと把握している方」という風なプラスの印象を持たせることが出来ます。

こういった良好なタイミングを狙って管理会社とのコミュニケーションを取ることで「建設的な意見交換」「お礼を伝えて好感を持ってもらう」「物件を把握しているという意識」という一石三鳥の結果を名将たちは無意識なのか意識的なのかを別として管理会社に与えるのです。

これらは「物件状況を把握している方にマズい所は見せられないな」という適度な緊張感に繋がっていきます。

適度な「貸し」を作っておく

あくまで「自然に」と「適度」がポイントです

管理会社というのは正直「板挟み」の連続です。

他人の所有物を他人に貸すお手伝いというもので、基本的に自分達の権限で何かできるという部分は少ないものです。

そういった中で管理会社に対して適度な「貸し」を作れるチャンスというのは随所にあるものです。

先日のこと、ある物件で退去した入居者がいました。

このお部屋では入居者の過失によりお部屋が傷んでおりました。

その為、入居者の方に当該箇所の原状回復費をご請求しましたが、払わないのです。国土交通省のガイドラインに照らし合わせても明らかな部分と請求額であるにも関わらずです。

しかも入居者の過失は明らかであるにも関わらず、かなり争う姿勢を出していました。

揉めそうなことを含めてオーナーに相談したところ、あっさりと「その部分はいいですよ、大丈夫です」と言ってもらったそうです。

管理担当も対応に苦慮していただけに大変助かったそうです。

このオーナーさんは我々と同じく不動産業の方で当社に管理を任せてくれていますが、普段からこういった困ったタイミングでは何かと融通を聞いてもらっています。

そういった「恩」もあり、入居やその他の点で挽回しようという意識が働いているのか、当社に預けている全物件が良好な状態です。

もちろん、この方から「今回は貸しですよ」などとは聞いたことがありませんが、こういった細かい部分の恩というのが色々な部分で効いてきます。

だからといって「何でも飲まないといけない」「融通をいつでも聞かないといけない」という訳ではありません。

何でも聞いてしまうと無理難題ばかり降ってくるようになってしまいます。

あくまでも「適度に」というのと、相手が困っているなど「感謝や恩」と思えるかどうか?の見極めが大事です。

あまり打算的になりすぎると良くないのかもしれませんが、こういった「適度な貸し」は必ずプラスになって返ってくるものです。

これも管理会社や担当としては「あの時助けてもらっているしな」という意識や「恩返ししたい」という前向きな動機になるのは間違いありませんからね。

私自身、今思い起こしても「名将」達への「借り」はいまだに返せていません。

常に借りが残っていますが、現状は良好な状態であることが名将たちの名将たる所以なのかもしれません。

感じる他社の影

これは「ほーんの少し」で大丈夫です。過度は禁物

当社によくお越しいただくオーナーさんがおります。

この方とは毎回楽しい話題だったり、私が勉強になるような話を聞かせてくれます。

個人的にも好きなオーナーさんなのですが、当社のエリアとは別の都道府県にも物件を所有しています。

そちらの物件の様子や首都圏の最近のトレンドなどもオーナーさんから聞くのですが、そういった会話からも

「そうだよな、他の管理会社ともお付き合いあるんだもんな」と実感するのも事実です。

その方から「他の管理会社はこうなんだから」とか「他の管理会社に変えようかなー」というプレッシャーを掛けられたこともありません。

ご本人にもそのような意識は感じられません。毎度お会いする度に感謝を伝えらえれ、次回の方針などを話して建設的な会話ばかりです。

それでもそういった「他社の影」というのはやはり意識するものです。

ですが、これはさじ加減が大変重要だと思っています。

あくまで「匂わせる」程度で十分だと思います。

ニュアンス的には「いつもありがとう、本当に信用しているよ」という感情を相手に持たせていながらも「私は他社だったり、不動産業界のことも分かっているよ」が伝わる程度で十分です。

「私が他社で持っている物件ではー」とか「他社ならこんなことないのに」とばかり言ってしまうと過度なプレッシャーになってしまうこともあります。

私が出会ってきた名将たちも「いくつかの不動産会社」と取引があることは分かりながらも、脅しはしない。

勝手に管理会社が他社に負けじとパフォーマンスを上げている!

名将たちはこんな印象を持ちます。

管理会社というのは得意な部分が様々です。

大手には大手の良さが、中小には中小の良さが、時には担当レベルでも変わります。

しかし、こういった「勝手に管理会社が張り切る」緊張感は相互にいい影響をもたらすこともあるといえます。

同じオーナーさんを管理している他社さんと話していても、名将たちの物件は不思議とお互いに良好な状態であることが多いものです。

これは複数の管理会社と付き合った方がいいというよりは「不動産業界のこともある程度把握しているよ」という無言のメッセージが「適度な緊張感」に繋がっているのだと思っています。

やっぱりコミュニケーション力

いかがでしたでしょうか。

どれにも共通しているのがコミュニケーションの取り方ということです。

プレッシャーもコミュニケーションの一つではありますが、やはり前向きで建設的な関係を築くことが最良であることは疑いようがありません。

もちろん、ハッキリと言わねばならない場合などもありますが、根底にはお互いに良好な状態を作っていこうという信頼関係を築いていく作業なのだと思います。

管理会社はもちろん慢心・油断をしてはいけませんし、プロとして最良の提案をしていくことが責務になります。

そういったお互いの信頼関係を築く為にも、やはり「適度な緊張感」というのは必要だと管理会社の立場からも思います。

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