
世は大論破ブーム
昨今、ひろゆきさんをはじめ、たくさんのメディアにて「論破」が行われております。
正論をぶつけ、相手をぐうの音も出ない状態にする。
勧善懲悪であり、関係のない他人でも見ているとスカッとするものです。
タイトルとは裏腹に個人的にひろゆきさんの動画だったり、ひろゆきさんの問題解決へのスタンスはとても好きです。
動画も楽しいので見たりします。
頭の回転も早く、感心してしまいます。
しかし、この論破ブームにより巷には「エセひろゆき」が大量発生している気がします。
ネコも杓子も論破する傾向があります。
今回は毎日をトラブル解決に費やしている管理会社、不動産業者の立場から「論破」と「正論」について語ってみたいと思います。
論破することで得することはあるのか?

ハッキリ言っておきます。
社会で論破することで得する(価値が出る)のはひろゆきぐらいです。
たまに弁護士は?とか聞かれますが、弁護士さんだって相手を論破してぐうの音も出させない状況というのはごく一部でしょう。
ほとんどは依頼人だったり、相手方との調整だったり、交渉がほとんどです。
当のひろゆきさんもメディア以外の仕事で論破ばかりしている訳でもないでしょう。
もっと言えば
正論をぶつけることには価値がない
とすら思っています。
そもそも正論が通じる世の中なら裁判所も警察もいらないんです
正論というのは「正論をぶつけられても怒らない人」にしか価値がないからです。
大抵の人は正論をぶつけられるとほぼ「怒り」が出ます。
正論であればあるほど怒ります。
では、これを社会の中で実践するとどうなるでしょうか?
嫌われたり怒られるだけで得しないんです
もっとハッキリ言いましょう。
正論をぶつけられて納得する人はいない
残念ですけどね
私も若い頃は「間違っていることは間違ってると言えばいい」と思っていました。
先輩や上司、お客さんに自分の「正論なるもの」をぶつけることもありました。
しかし、それで得られる結果というのは
「オレは言ってやったぞ」という幼稚な自己満足だけでした
結果、論破された側は怒り(表面には出さなくても)、私の得なるものは消えたり、失われたりしました。
結局、みんな「恥をかかされたり」「あなたは間違ってる」「お前はバカだ」と言われて
「なるほど、自分が間違っていた、教えてくれてありがとう」とはならないんですね。
みんな自分は頭がいいと思っており、自分には能力があると思っているのです。
その為、正論というのは相手にとって受け入れがたいものになってしまうのです。
相手の面子は保ってあげよう

社会の中であなたが達成したいことは何でしょう?
論破して相手をやっつけることでしょうか?
相手より賢いと思われることでしょうか?
そうではないですよね。
自分の思った通りに進むこと
ですよね。
相手を論破することで、相手が自分の思う通りに行動してくれるなら私は論破し続けます。
しかし、前にも書いた通りですが、反応は真逆です。
論破された側は不貞腐れ、怒り、私のいうことなど聞いても貰えないでしょう。
それどころか、敵対心を持ってしまえば損得すら度外視で向かってくることすらあるでしょう。
みなさんが望むのは血で血を洗う世界でしょうか?そうではなく、あなたの得だったり、スムーズに物事が進むことですよね。
相手の面子(メンツ)だけは保ってあげないといけません。
あなたが、相手と二度と関わり合いを持ちたくなければ論破してもいいでしょう。
しかし、お客さんや関係者、家族などの関係を継続したい場合は論破しても良い結果は起きないでしょう。
それではまとめに入りましょう。
一番は気づいてもらうこと

さて、みなさんはどうしたら気分よく決断が出来るでしょうか?
「お前はバカなんだから、俺の言うことを聞いていればいいんだ」と言われたらどうですか?
私なら「バカで結構だが、お前の言うことだけは聞かん」と言ってしまいそうです。
そう、人から言われたことでは動かないものです。
だからこそ、下手に出てみてはいかがでしょうか?
相手が飲んでもらえるように材料を道に置いていくイメージです。
相手が自分でゴールに辿り着いたと思ったが、実は手のひらで転がしていた。という風に
あなたが自分のことを賢いと思うなら、導くことに使ってみてください
その方があなたの得にもなりますし、物事も上手く進みますし、何より気分も良いですよ。
私も日々たくさんの苦情や問題解決をしますが、論破することを捨ててからは物事は圧倒的に上手く進むようになりました。
理不尽なことで怒られたりすると論破したい欲求は出るのですが、グッと我慢して諭すように話すのです。
そうすると、不思議と穏やかになり、以降良好な関係になります。
これは物件を買う時にも表れます。
安く指値をしたいが為に物件のダメな部分を指摘する人は上手くいかないケースが多いものです、しかし人間性などが伝わり情の部分で値下げが通ったりもします。
論破ゲームはメディアで楽しむ程度にしてみてはいかがでしょうか?
え?それってあなたの感想じゃないの?
胸を張って言います
「私の個人的な感想なので気にしないでください」
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経営者は孤独、という言葉に酔っていないか? ビジネスの失敗=人格の否定ではない、私自身への手紙
経営者は孤独だ、とよく言われます。 夜中にふと目が覚めて、借入金の残高や、今後の社員の給料、あるいは先行きの見えない景気の動向や未来を考えると、胃のあたりがギュッとなる感覚はあります。 私くらいの規模の経営者でもそう思うことがあるのですから、もっと規模が大きくなったりすれば、そのプレッシャーは想像もつかないだろうな、と考えたりもします。 確かに、相談できる人が周りにいたとしても、この特有の不安感やプレッシャーというものを気軽に打ち明けることは難しいものです。 最終的にすべての責任を取るのは、自分一人だけ。 そういった重荷を一人で背負い続けるという意味で「経営者の孤独」というものは確かに存在するのかもしれません。 でも、最近もう一つの視点で思うこともあるんです。 これは本当に、経営者にしか分からない孤独なのだろうか。 また、「経営者の孤独」という言葉に自分たち自身が縛られすぎて、必要以上に自分を追い込んでいないだろうか、と。 今日は、私が感じている「仕事」というものについて、少し肩の力を抜いてお話しできればと思います。 誰もが「自分の戦場」で孤独に戦っている 「経営者は孤独で大変ですね」 たまに、こんな言葉をかけてもらうことがあります。 そう温かい声をかけてもらうと、正直なところ救われる気持ちになります。 何だか自分が「戦地へ赴くヒーロー」のような扱いを受けている気がしてくるからです。 よくぞこの苦労を分かってくれた、と内心で鼻高々になっている部分もあるのでしょう。 ただ、ふと考えてみたのです。 「あれ?でも独立する前の自分って悩みや不安、孤独感なかったっけ?」と 思い出してみれば、サラリーマン時代も日々悩んだり、不安になったり、強い孤独感を感じていました。 当時の仕事のプレッシャー、家族の将来、自分自身の限界や将来、先行きの見えない社会、健康や体調、お金、人間関係などで眠れない夜を過ごす。 おや?眠れない夜もあったのも変わらないのではないか? 『いやいや、それは単に悩みやすいだけで、経営者になれば、従業員の家族まで、背負っている人数なども違うんだよ』 『経営者は誰にも変わってもらえないプレッシャーが特別にあるんだよ』 確かに、一理あるかもしれません。 例えば「悩み」というものを、動かしている金額や人数をベースにして換算するのであれば、そう言えるでしょう。 「自己破産する可能性だってある」「自分が間違ったら多数の人を路頭に迷わす」 金額や人数をベースにして悩みを換算するのであれば、一般的には経営者の方が悩みは深いともいえるでしょう。 それでも、よくよく考えたら金額の大小は悩みの本質とは無関係な気がします。 なぜなら、金額をベースに悩みの大小を決めるとしたなら、多くの経営者の悩みはイーロンマスクや孫正義という超巨大企業の人と比べるとちっぽけな悩みということになります。 それでいいのでしょうか。 もし「金額や人数が小さいからお前の悩みは大したことがない」と言われて納得できるなら、経営者の孤独なんてたかが知れていることになります。 仮にそうだとしても、何の解決になるんでしょうかね。 また、そこまで極論でなくとも「自分が失敗したら全てを失うかも」という点では、経営者か否かで、そんなに変わりはないともいえます。 私は、かつて麻雀の神様とも呼ばれた作家、阿佐田哲也氏の言葉が、この悩みの本質を突いていると思っています。 たしか、こんな言葉でした。 「レートが高いから偉いのではない。その人間が、逃げ出したいほどの恐怖を感じる金額を賭けているかどうかが勝負なのだ」 「10万円で震える奴もいれば、1億で笑う奴もいる。だが、そいつにとっての『最後の一枚』を賭けた時の孤独は、金額に関わらず同じだ」 私は、人の悩みもこれと同じだと思っています。 「破滅」や「後がない状況」がよぎる局面において、人が感じる孤独や不安の純度に、金額や人数は関係ありません。 上司との人間関係に悩み、家族の将来を思い、この混沌とした社会情勢、自分自身の健康や病気などに眠れない夜を過ごす。 それは、経営者が資金繰りや経営に悩むのと、本質的には同じ「人生の重み」だと思うのです。 数千億円の負債も、個人の住宅ローンも、それが当人にとっての「破滅」を意味するなら、そこにある絶望の深さに違いはありません。 そう考えると、経営者だけが特別に孤独で、特別に不幸なわけじゃない。 こういう結論になってしまうのです。 それぞれ「自分の選んだ道」ではある 少し厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、今の私の正直な気持ちを言えば、経営という仕事は「自分で勝手に始めたこと」です。 誰かに強制されて起業したわけでも、無理やり借金をさせられたわけでもありません。 「よし、やってやろう」と決めたのは、他でもない自分自身です。 そうして自分自身で選んだ道なのですから、「経営者は孤独だ」とか「サラリーマンの方が楽だ」というのは、少し被害者意識が強いのではないか、と感じてしまいます。 自分で勝手に出場を決めたマラソン大会で、「走るのがキツい、足が痛い、誰も助けてくれない」と泣き言を言っているようなものです。 沿道の人は応援してくれるかもしれませんが、代わりに伴走してくれるわけではありません。 でもね だからといって、「悩むな」とか「大したことじゃない」と言いたい訳でもないんです。 そうではなくて、経営者だけが特別に孤独で、特別に不幸なわけじゃない。 だからこそ、自分だけが重荷を背負っていると考えるより、「みんなそれぞれ大変だよな」と捉えるほうが、ずっと救われませんか。 そう思えると、なんだか少し、世の中の人たちと「戦友」になれたような気がして、孤独感が和らいでいくのを感じます。 現代社会は、誰もが何かしらのプレッシャーと戦っている「大変な時代」です。 自分だけが苦難の道を歩いているのではなく、今日も世界の誰かが自分と同じように歯を食いしばって歩いているんだ。 と思うことで冷静になって欲しいのです。 なぜそうすべきかというと そう思わないと自らの道を絶ってしまう人が多いからです 成功も失敗も人格とイコールではない 経営をしていれば、本当に余裕がなくなる瞬間はあるでしょう。 資金繰り、トラブル、従業員の問題、先行き、事業の失敗など悩みの種は尽きないと思います。 私も少しは分かると言いたいですが、その悩みを本当に理解することは家族でも簡単ではないことでしょう。 そんな時にはきっと、頭の中が真っ白になって、周りのすべてが敵に見えるような時なのでしょう。 色々なデータはありますが、経営者や個人事業主などの自殺率は2~6倍程度とやはり高い水準だそうです。 少し前の秋田県での調査では、以下のようなものが要因としてあげられるそうです 中小企業経営者の特性 経営と資本が分離していない 社長や家族が連帯保証人である 破産や倒産によって自宅や財産の全てを失う ステークホルダーが大勢である 地域の町興しのリーダーなどである 自己実現の夢を追い求める 一国一城の主意識がある 決断力が強い 名誉、信用、プライドを重んじる 弱音をはかない 後半の要因などは皮肉ですよね。 本来は長所と思われるような部分により、結果的に自分自身の道を絶ってしまうのですから。 実は今日書きたかったのは、この点なんです。 私の周りでも、残念ながら事業が上手くいかなくなり、倒産された方もいました。 そんな時に、無関係な人達は後から 「俺はあそこはヤバいと思ってた」「あそこの社長は〇〇だったから」などと無責任な後付けが飛び交います。 まるで失敗したのは全て社長の人格や能力の無さという風潮ですね。 もちろん、一部にはそのような要素も含まれることはあるとしても、全てではないハズです。 極論ですが、私はビジネスでの成功も失敗も「人格」とは無関係な気もしています。 真っ当に頑張ったからといって必ず成功するわけではないし、失敗したからといってその人の人格がダメなわけでもない。 ビジネスの結果は、運や時流、タイミングといった、自分ではコントロールできない要素にも大きく左右されます。 数年遅ければ大成功していた、あるいは数年早ければ倒産しなかった。 そんな話は、この世界には山ほど転がっています。 自己責任だからこそ 誰かに強制されて社長になったわけでも、無理やり借金をさせられたわけでもありません。 「よし、やってやろう」と決めたのは、他でもない自分自身です。 でも、これは自分を責めるための言葉ではありません。 むしろ、「自分で決めたことなんだから、周りの期待や世間の目に過剰に反応しなくていいんだ」という、自分を自由にするための言葉なんじゃないでしょうか。 誰かに頼まれたわけじゃない。 だから、教科書通りの「立派な社長」を演じる必要もありません。 経営をしていれば、本当に余裕がなくなる瞬間がくることでしょう。 通帳の残高が減っていき、頭の中が真っ白になって、周りのすべてが敵に見えるような時です。 そんな時、どうかこれだけは忘れないでください。 お金がなくなることは、単に「お金がなくなった」という事象に過ぎません。 あなたの人間としての価値や、これまで積み上げてきた努力が否定されたわけではないのです。 例えば会社をたたむことになったとしても、それは人生の敗北ではありません。 今の日本では、命まで取られることはありませんし、やり直すチャンスは必ず用意されています。 そもそも、先の例でもある通り、経営者だから無条件に偉い訳でもないでしょう。 もう一度経営を志す気持ちがなくても十分じゃないですか。 誰に強制される訳でもないんですから。 私自身は、ようやく今年で5年を迎える若輩者です。 そんな私の言葉では説得力はないかもしれませんが、一旦落ち着く手助けになればいいなと思います。 長くなりましたが、あなたの苦しみはひょっとしたら、みんなも同じような不安や孤独の中、ギリギリのカラ元気で明るく見せているだけかもしれませんよ。 それでも、どうしてもダメな時には「一生懸命頑張ったけど、ダメだったな」と明るく諦めてみませんか。 私はそんなあなたのことを決して笑ったりしません。 今回の記事は、私自身の「雑談」であり、未来の自分への手紙でもあります。 私自身も経営者の端くれで、これからどんな苦境が待ち受けているかも分かりません。 今日まではたまたま運が良く、一年ずつを生き延びているだけかもしれませんからね。 いつか私が、本当の孤独に震えてしまった時。 この過去の自分の考えを、未来の私が読み返して、「ああ、そうだったな」と思い出してほしい。 自分の為にも書く記事は、これが初めてかもしれませんね。 次回からは、もっともっと、どうでもいい、しょうもない内容を書いていこうと思います。 だから、これを読んでいるあなたも、たまには見に来てもらえませんか?
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社長なりすまし詐欺メールの手口と、導入すべき対策
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同じ日本でこんなに違う?不動産売買の「関東vs関西」ルールと、気になる鹿児島はどっち?
不動産の世界には、法律や教科書には載っていない「地域の掟」のようなものが存在します。 同じ日本国内、しかも同じ「不動産売買」という行為なのに、境界線を一歩またぐだけで、それまでの常識が通用しなくなる。 これを知らずに県外の物件に手を出したり、あるいは県外の買い手と交渉を進めたりすると、決済当日になって「そんな費用、聞いてない!」と顔を真っ赤にして揉めることになります。 土壇場になって大きな金額でトラブルになるのは、売主も買主も同様でしょう。 であれば、最初からトラブルの芽を摘んでおくのが一番の合理的な解決策です。 今日は、特に関西と関東で大きく分かれる「3つの商慣習」について、簡単にご説明しようと思います。 ちなみに私は不動産業を始めたのが、東京だったので、賃貸では「礼金あり」「契約更新料1カ月」に慣れ親しんでいました。 鹿児島に帰ってきてからは基本的に「礼金なし」「契約更新は〇万円」に違和感がありましたね。 「関東方式」と「関西方式」の簡単な説明と、では鹿児島ではどうなの?というところをご紹介したいと思います。 「敷金・保証金」 まず、収益物件を扱う上で避けて通れないのが「敷金・保証金」の扱いです。 賃貸マンションなどを1棟丸ごと売買する場合、売主は入居者から「敷金」を預かっていますよね。 この敷金、退去時には入居者に返さなければならない「債務」です。 所有権が移れば、この返還義務も新しいオーナー(買主)に引き継がれます。 これについては、最高裁判決でも示されている通り、全国共通のルールです。 物件に住んでいる人たちからすれば、知らない間に所有者が変わったからといって、自分たちが預けた敷金が勝手に無くなったというのは、たしかに無理筋な気がしますから、ここは当然だと思います。 問題は、その「現金」をどう動かすか、です。 この問題について、「関東」と「関西」はハッキリ違います。 関東方式では、売買代金から敷金の総額を差し引いて決済します。 例えば、1億円の物件で敷金が2,000万円預けられているなら、買主は売主に8,000万円だけ払えばいい。 手元に2,000万円のキャッシュが残るから、急な退去があっても安心です。 ところが、関西方式は違います。 「敷金の持ち回り」といって、敷金分の現金は一切渡されません。 1億円の物件なら、1億円を丸々支払います。 「えっ、じゃあ入居者が退去する時の敷金返還は?」というと、買主が自分のポケットマネーから出すんです。 関東の人からすれば「二重払いじゃないか!」と叫びたくなるような話ですが、関西では「その返還リスクも含めて、最初から安く値付けしているんでしょ?」という理屈なんです。 どちらも「買主が敷金返還債務を引き継ぐ」のは一緒なのですが、関東方式の「売買代金から後で引く」のか関西方式の「もうすでに売買代金から引いている」という認識の違いなのです。 この感覚のズレですが、契約直前に発覚すると、まず間違いなくトラブルになります。 そして当の本人たちは、この違いを知らない限り、自分たちの今までの「常識」があるため、中々途中からは受け入れにくいものでしょうね。 「固定資産税の精算日」 次に、固定資産税・都市計画税の精算日です。 これが実は、実務上もっとも「え、そんなに違うの?」と揉めやすいポイントです。固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に1年分が課税されます。年度の途中で売買する場合、引渡しの日を境にして、それ以降の分を買主が売主に支払って精算するのが通例です。 問題は、その1年を「いつからいつまで」と捉えるか、です。 関東方式は、1月1日を起算日とします。つまり、1月1日から12月31日までを「1年」と考えます。対して関西方式は、4月1日を起算日とします。役所から納税通知書が届く「年度」のサイクルに合わせ、4月1日から翌年3月31日までを「1年」と考えるわけです。 これがどう影響するか、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。例えば、年間の固定資産税が36万5,000円(1日あたり1,000円)の物件を、「3月1日」に決済するとします。 関東方式(1/1起算)の場合売主の負担:1月1日〜2月28日(59日間)= 5万9,000円買主の負担:3月1日〜12月31日(306日間)= 30万6,000円 関西方式(4/1起算)の場合この場合、精算対象は「前年度の残り(3月分)」になります。売主の負担:前年4月1日〜2月末日(334日間)買主の負担:3月1日〜3月31日(31日間)= 3万1,000円 結構違いますね。見ての通り、3月1日に決済をするなら、買主としては「関西方式」の方が、その場で売主に支払う精算金が圧倒的に少なくて済みます。 逆に、売主からすれば「関東方式」で精算したほうが、手元に残るお金が増えるわけです。 たった3ヶ月の起算日の違いで、この例なら27万円以上の差が出ます。 これが1棟マンションなどの大きな取引になれば、差額はさらに膨らみます。 さらに、関西方式(4月1日起算)を選んだ場合に、実務上で最も神経を使うケースがあります。 それが「1月1日から3月31日の間に決済を行う」というシチュエーションです。 ここには、非常に厄介な問題が潜んでいます。 固定資産税というのは、その年の1月1日時点の所有者に課税されます。 たとえ3月1日に名義を変えたとしても、春先に役所から納税通知書が届くのは「元売主」のところなんです。 もし、関西方式で2月1日に決済をしたとしましょう。 この時、精算するのは「前年4月1日から、今年の3月31日まで」の残り期間分だけです。 これでお互いスッキリ……とはいきません。 問題は、4月1日から始まる「新しい年度」の税金です。 この分は、当然ながら新オーナー(買主)が負担すべきもの。 しかし、4月以降に届く納付書の宛名は「元売主」のままです。 ここで何も手を打たずに決済を終わらせてしまうとどうなるか。 数ヶ月後、新しい年度の税額が確定したタイミングで、元売主が「通知書が届いたから、あなたの負担分を払ってください」と買主に連絡し、そこからまたお金のやり取りをしなければなりません。 一度終わったはずの取引で、また相手と連絡を取り合う。 これは、お互いにとって非常にストレスですし、連絡が取れなくなれば即トラブルに発展します。 一番避けたい「終わらない仕事」の典型です。 だからこそ、「次年度の精算」も同時に行っておくのがおススメです。 「新しい年度の税額はまだ確定していませんが、去年の金額をベースにして、次年度分も今ここで精算してしまいましょう」 つまり、新しい年度の1年分(またはその相当額)を、決済時にあらかじめ「予納」のような形で精算してしまうのです。 税額が多少前後したとしても、後から追いかける手間やリスクを考えれば、その場で「お互いこれ以上はなし」と決めてしまう方が、よほど合理的でスッキリします。 教科書には「税額が確定してから再精算する」と書いてあるかもしれません。 でも、そんな正論は現場では通用しません。 後からお金の話をするのは、誰だって嫌なものです。 「あの時、キッチリ終わらせておいてよかった」 そう思ってもらえるように、今のうちに次年度の分まで計算機を叩く。 そういった背景もあってか、精算の方法として分かりやすいのは1/1を起算日とした「関東方式」かもしれませんね。 司法書士への「売渡費用(報酬)」 最後にお話しするのが、登記の専門家である「司法書士」に支払う費用の負担についてです。 不動産の売買が決まると、法務局にある「登記簿」の内容を書き換える必要があります。 この手続きは、通常以下の4つのステップで進みます。 1.売主の「住所変更登記」 (今の住所と、登記簿上の住所が違う場合に行います) 2.売主の「抵当権抹消登記」 (売主がローンを完済した証として、銀行の権利を消します) 3.売主から買主への「所有権移転登記」 (これが売買のメイン。名義を正式に切り替えます) 4.買主の「抵当権設定登記」 (買主がローンを組む場合、銀行の権利を新しく付けます) この4つのうち、誰がどの費用を出すのか。 ここでも、関東と関西で明確な「作法」の違いがあるんです。 関東方式は、非常にシンプルです。 「自分のためにやる手続きは、自分で払う」という考え方です。 1と2(売主の準備)は売主が払い、3と4(買主の権利)は買主が払います。 つまり、売主の住所が変わっておらず、ローンもなければ、売主が司法書士に支払う報酬は「ゼロ」になることも珍しくありません。 ところが、関西方式はここでも独特の商慣習が顔を出します。 なんと、メインイベントである「3.所有権移転」の費用を、さらに細かく二つに分けるんです。 一つは、名義を移すための「登録免許税(税金)」や、実務的な手続き費用。 これは買主が負担します。 そしてもう一つが、「売渡(うりわたし)費用」と呼ばれるものです。 これは、司法書士が売主の本人確認をしたり、権利証を確認したり、登記に必要な書類を作成したりするための「売主側の手間賃」のようなものです。金額にしておよそ3万円から5万円程度。 関西では、この「売渡費用」を売主が負担するのが一般的です。 関東の感覚でいる売主さんに、「関西の物件だから、売渡費用として数万円払ってください」と伝えると、十中八九「なぜ名義を変えるのは買主なのに、私がそんなものを払うんだ?」と不審に思われます。 逆に、関西の感覚でいる買主さんが関東方式の物件を買うと、「売主が売渡費用を払わないなんて、不親切な業者だ」と感じてしまうかもしれません。 また、関西方式の特徴としては、司法書士が売主側と買主側で別々になることが多いのです。 双方ともに自分のことだけを行う司法書士に依頼する訳ですね。 関東方式では、一人の司法書士にお願いすることが多くなるのです。 じゃあ鹿児島はどっちなのさ? ここまで関東方式と関西方式の不動産売買の慣習について説明してみました。 他にも各地域では、独特の習慣や方式があるようです。 さて、私たちが活動している鹿児島はどうなっているかというと、現在は基本的に「関東方式」が主流です。 敷金は差し引きますし、固定資産税は1月1日起算、司法書士さんもお一人にお願いするのが一般的です。 ただ、ここで大切なのは「どちらの方式が正しいか、優れているか」ではありません。 不動産というのは、その土地に根ざした、動かすことのできない資産です。 だからこそ「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、その土地の作法を尊重することが、一番のトラブル防止になります。 大事な取引だからこそ、思い込みで進めるのではなく、一つひとつ丁寧に「今回のルール」を確認してほしい。と思っています。 その小さな確認の積み重ねが、大きなトラブルを未然に防ぎ、皆さんを守ることに繋がるからです。 せっかくの不動産との出会いが、最後まで良い思い出になりますように。 皆さんが安心して取引を終えられることを、心から願っています。 ちなみに、賃貸でも全国各地で習慣が変わっていたりします。 またどこかで「賃貸編」も書いてみましょうかね。 ではまた
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前の住人の郵便物が届く!勝手に捨てると犯罪?郵便局公認の「正しい止め方」を解説
さて、お引越しを無事に終えて、新生活のスタートを切ったみなさん、お疲れ様です。 荷解きも一段落して、ようやく自分らしい暮らしが始まった頃、あなたにやってくる「面倒ごと」があります。 ふとポストを開けて少しだけモヤッとする瞬間です。 自分の名前に混じって届いている、見ず知らずの誰か宛ての手紙。 そう、前に住んでいた方宛ての郵便物です。 「せっかくの新生活なのに」 「これ、いつまで届くんだろう」 そんな風に戸惑ってしまうお気持ち、よく分かります。 今回は、この「前の住人宛てに届く郵便物」への対象方法をご紹介したいと思います。 気持ちよく新生活をスタートさせる為に、早めに終わらせておくことをおススメします。 勝手に捨てたり、開けたりは なぜこんなことが起こるのでしょうか? お引越しのバタバタでうっかり「転居届」を出し忘れていたり、手続きはしたけれど郵便局側の処理に少しだけタイムラグがあったり。 いずれにしても、郵便局側からすると「とにかく住所と名前が合っているから届ける」という状態です。 でも、受け取る側としてはやっぱり困りますよね。 「放っておけばそのうち止まるかな」と思っても、次から次へと届くダイレクトメールや重要そうな封筒。 つい「もう捨てちゃってもいいかな」という気持ちが芽生えることもあるかもしれませんが、ダメです、犯罪です 実は、自分宛てではない郵便物を勝手に捨てたり、中身を見たりすることは、法律で禁止されています。 「信書開封罪」「信書隠匿罪」という難しい名前のルールがあるのですが、要するに「他人の信書を勝手に開けたり、処分してはいけない」ということですね。 またこんな法律もあるのです。 郵便法第42条(誤配達郵便物の処理)郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ、又はその旨を会社に通知しなければならない。 「間違えたり、手続きしてない方が悪いのに、なんで自分が!」 そう思うのも無理はありません。 引っ越したばかりの皆さんには何の非もないのは事実ですから、お気持ちは分かります。 ですが、万が一その手紙がとても重要な通知だった場合、後から前の住人さんとトラブルに発展してしまう可能性があります。 せっかくの新生活が、そんないらぬトラブルに巻き込まれるのも嫌でしょう。 では、どうしたらいいのでしょうか。 メモを張ってポストにポイ 一番確実で、それでいて驚くほど簡単な解決法をお伝えします。 それは、郵便局の公式ルールにそのまま乗っかることです。 用意するのは、小さな付箋かメモ用紙、そしてセロハンテープor輪ゴムだけ。 投函された郵便物にメモや付箋で「転居済み(受取人不在)」と一言だけ書いて、郵便物の表面に貼ってください。 もし何通かあるのであれば、輪ゴムでまとめて、一番上にだけメモやふせんを張ります。 あとはそれを、お散歩やお買い物のついでに、近所のポストにポイっと投函するだけです。 もちろん、切手を貼る必要も、郵便局の窓口まで行く必要もありません。 これだけで、郵便局側で「あ、この人はもうここには住んでいないんだな」と正しく認識され、次からは届かなくなります。 え?そんなことしていいの?と思われるかもしれません。 ですが、この方法は郵便局が公式で出している方法なので、むしろ正しい対処法なんです。 意外と簡単ですよね。 注意点としては、この方法はあくまで郵便局が取り扱う「郵便物」には有効なのですが、メール便などの運送会社が独自で行っているサービスには適用外になってしまいます。 自分のために 「他人のミスなのに、なんで私がそんな手間を」 そう感じることもあるでしょう。 ですが、これは前の住人さんのためというより、あなたのポストを「自分のものだけ」にするための、最後のお掃除のようなものだと考えてみてください。 一回の手間で、明日からのポストチェックがずっと気持ちの良いものに変わります。 モヤモヤをポストに残したままにせず、スッキリとさせてしまいましょう。 新生活が誰にも邪魔されない、あなただけの素敵な時間になることを心から願っています。





