
自己破産するオーナーはどれくらい?
今回は不動産投資を始めたい人向けの情報になるかもしれません。
私はこれまでに賃貸物件を持っているオーナーに数百人程度しかお会いしたことはありませんが、私が見てきた(その後の動向も出来る限り調べてみた)結果で不動産賃貸を行っているオーナーで自己破産、もしくはそれに近しい状態まで行ってしまったオーナーの実際の数と確率なるものを出して見ようと思います。
まずは結論からいきましょう
不動産投資を行っているオーナーの内、自己破産やそれに近しい状態(支払不能や延滞)になる確率は
0.5%程度です
おおよそ200人のオーナーさんがいると1人出てくるかどうか。これを多いと見るか、少ないと見るかはそれぞれだと思います。
これは私が自社、他社のオーナーさんの内、動向を知ることが出来る人の中での実際の体感値です。
当社のオーナーさんでそのような方は現在、過去もちろんいらっしゃいませんが、他社のオーナーや過去に勤めた会社でのオーナーで私が知り得る範囲も含めると、大体この程度になろうと思います。
東京商工リサーチの「リスク管理債権状況」などのデータによれば「リスク管理債権」という、簡単にいうと多数の銀行が貸しだした金額の内「破綻先債権」「延滞債権」「3カ月以上延滞債権」などを合計した数字が1.33%という数字から不動産オーナーの自己破産の確率を1.33%とするような記事もあります。
しかし、この数字は中小企業など不動産投資と関係のない融資が多分に含まれている為、不動産投資における自己破産比率を計るのに適当ではない気がします。
では自己破産に至る人の原因は?

私からすると0.5%というのは多額の資金を要する投資の中では自己破産の比率は「低い」部類だと思っております。
ではこの0.5%の人たちの破産、破綻の原因とは何か?という部分ですが
0.5%の人たちのほぼ9割は不動産投資以外が原因
こうなると思います。
私が知る限り、自己破産、返済不能まで至った人の原因は以下のようなものです。
- 本業(自営業)が上手くいかずに自己破産
- 不動産投資以外の投資(海外の新事業への投資、FXなど)の失敗
- 不動産収入以外の収入が無く、別の借金による返済不能
- オーバーローンで返済比率が高すぎて原状回復が出来ず空室が増えすぎて返済不能
- ギャンブル狂いの家族がいる方
こちらの例では自己破産まで至らずとも、不動産のローンを支払うことが出来なくなった方の原因を挙げてみました。
こうやって見ると買った物件が直接の原因というよりはプライベート、もしくは家計自体に問題のあることがほとんどであるということが言えると思います。
しかし、賃貸物件自体でも負のスパイラルというのは確実にあります。
上記は赤信号ですが、その手前の黄信号というのもあります。
全ての引き金は安易な「貸し止め」

それでは、返済不能などに陥る方の負のスパイラルの説明です。
正直、このような状態を招くと一気に収支状況は悪くなっていきます。
空室が出る
↓
原状回復をしないといけない
↓
手元にお金が無い、もしくは掛けたくない
↓
お金が溜まったらやろうと考える
↓
とりあえず今はやらない
↓
貸し止めになる
↓
全体の賃収が減る
↓
お金が溜まるスピードが落ちる
↓
最初に空いた部屋の原状回復が溜まる前に他のお部屋の退去予定が来る
↓
家賃収入が減る
↓
最初に戻る
このように安易な「一部屋の貸し止め」が全体の収支を圧迫し、負のスパイラルとなってしまいます。
そして自己破産や返済不能となったオーナーはほとんどこの状態を生み出しているのです。
本来はこの逆のスパイラルにしなければいけないのですから、当然の結果ともいえます。
不動産が原因という訳でもない
ここまでご覧になっていただければお分かりになる通り、よっぽどひどい不動産(新築ワンルーム投資など)でない限りは不動産が原因で自己破産や返済不能などになるケースというのは非常に稀であるのです。
また、不動産投資で立ちいかなくなるケースというのも、不動産に原因があるというよりは、家計や収入のコントロールなど個人の資質による部分が大きく占めています。
不動産収入というのは額が大きいのですが、使い方や貯め方という投資判断はオーナーによるものです。
物件を「買って終わりであとは永久にお金を生むマシーン」という考え方をする人はいないでしょうが、貸し止めによる負のスパイラルなどに陥れば簡単には立ち直れない状態になってしまいます。
私たちが関わっているオーナーさんの中では上記の事例や負のスパイラルなどはあまり見かけないものですが、不動産投資というのは「何を買うか?」も大事ですがそれ以上に「どう運営するか?」が非常に大事だと思っています。
当社でも入居率が芳しくない物件がオーナーチェンジした途端人気物件になる事例もあります。
不動産の価値を活かすも殺すもオーナー次第であるとも思います。
不動産自体に罪がある訳でもないのです。
賃貸不動産投資を始めたい方はその点をご注意ください。
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方眼紙を信じろ!現場で迷わない「内田流・爆速間取り作成術
最近の若いスタッフを見ていると、本当にスマホの使い方が上手い。 現場調査に行っても、アプリでパシャパシャやって、その場で綺麗な図面を作ってしまう。 便利な時代になったものです。 私が若い頃なんて、方眼紙と鉛筆で真っ黒になりながら書いていましたから。 今日は、そんな間取り図作成が苦手な若手営業マン向けに、間取り図作成のコツみたいなものをお話していきたいと思います。 賃貸物件は施工当時の図面なども残っていないことがほとんどです。 1Rなどは比較的簡単なんですが、昔の戸建てなどになると、本当に複雑な形になってたりします。 そんな皆さんへ少しヒントになれば幸いです。 ちなみに、私は元々、超絶間取り図が苦手でした。 だからこそ、お伝えするには適任だと思っています。 アプリで作った図面に潜む「違和感」の正体 まずはアプリで作った図面を見ると、私はいつも言いようのない違和感を覚えるんです。 なんというか、バランスがおかしい。 部屋の広さは合っているはずなのに、廊下が妙に窮屈だったり、ドアの位置が現実離れしていたりする。 本当はこんなバランスじゃないんだけどな。 そんなモヤモヤが残る図面は、お客様が見た時にも必ず「違和感」として伝わります。 アプリは嘘をつきませんが、空気感までは再現してくれません。 だからこそ、まずは理屈で「間取りの書き方」を覚えてほしいんです。 便利な道具を使うのは、自分の中に確固たる「定規」ができてからで遅くない。 最後には、私が少し古い戸建の写真と、実際に書いた図面を載せようと思います。 細かい間違いに関しては指摘してもらってもいいですが、お手柔らかにお願いします。 現場の理屈「910mm」と、自分の体という最強の定規 まず、賃貸の間取り図を書くときの大前提。 それは「910mm」という数字を体に叩き込むことです。 日本の家屋の多くは、この尺モジュールでできています。 もちろんハウスメーカーによっては違いもあるのですが、それは大した問題ではありません。 方眼紙の1マスを半分の455mm、2マスで910mmと捉えて書き進める。 そうすると、不思議なほど実物に近い感覚の図面が出来上がります。 ここで真面目な新人ほど、数センチ単位まで正確に測ろうとして図面をぐちゃぐちゃにしてしまう。 プロの現場図面で大事なのは、細かいミリ単位の数字じゃありません。 あえて細かい広さは捨てる勇気を持つこと。 910mmのグリッドに当てはめて整理していくことで、むしろ実際の間取りに近い、違和感のない図面になるんです。 というのも、壁の厚みや間取りの構成によっては、完璧に測れば測るほど、ズレていきます。 書き順にもコツがあります。 外枠から書くな。 これが鉄則です。 建物の外枠から書き始めると、最後につじつまが合わなくなって、玄関が異様に狭くなったりする。 一番のおすすめは、リビングなど「形のいいお部屋」から書き始めること。 最強は「和室」です。畳数がハッキリとしていて、本当に書きやすいですよ そこを基準にパズルのように繋げていくと、全体のバランスが狂いづらい。 そして、道具がない時の対処法。 メジャーを忘れたら「自分の体」を定規にします。 私の身長は182cmあります。 両手をバッと広げると、指先から指先までがちょうど1間、つまり約180cmにピッタリ合うんです。 正に間取り図を作成する為に生まれてきたような体ですね。 冗談はさておき、これは本当に便利です。 自分の体という一生変わらない定規を持っていれば、どんな現場でも瞬時に寸法が測れます。 みなさんも、180cmと90cmの測り方をご自身の体で見つけてみてください。 テクノロジーが完璧になるまでの我慢 手書きを推奨している私ですが、テクノロジーを否定しているわけじゃありません。 むしろ活用しまくるべきです。 現場から帰ってきて、あれ、コンセントどこだっけ。 窓の高さ、メモし忘れたな。 そんなことは日常茶飯事です。 写真は意外と死角が多いから、後で見返しても分からないことが多い。 だから、部屋単位で動画を回し、360度ぐるっと撮影しておくんです。 これをしておくだけで、事務所に戻ってからの作業効率が劇的に上がります。 細かい数値はもちろん大事です。 でも、間取り図で一番罪なのは、お客様が実際にその部屋を見た時に、図面と全然違うじゃん、というガッカリ感を与えてしまうこと。 広さを盛るのは論外ですが、バランスが悪くて狭く見せてしまうのもプロとして失格です。 間取り図と、実際に見た時の景色に違和感がないこと。 それが一番の正解なんです。 便利なテクノロジーは、いつか完璧な図面を自動で生成してくれるようになるでしょう。 それまでは、少しだけ我慢して「自分の手」を動かしてみてください。 実際にできる人になってから使うテクノロジーは、みなさんの最強の武器になりますから。 最後に内田の間取り図作成がこちら こちらは少し古めの一軒家ですね。 こちらの間取り図を作成してみました。 全部の写真を載せる訳にはいきませんので、大体で雰囲気を見てもらえれば そして、そこの間取り図を作成する為の方眼紙がこちら なんとシンプルで雑な間取り図でしょう。 この方眼紙は現地で書いたままで修正などもしていません。 これを間取り図ソフトで作成すると この間取り図では真ん中の4.5畳の和室からスタートしました。 これを玄関から始めると、大変なんです。 実際に測ってみると1間(180cm)の単位ではないので 真ん中の玄関から入った、最初の正方形の和室から始めて、ドンドンと隣の部屋へ移動していくと、大外までたどり着きます。 そして、その大枠を見ると、外側の壁として一体となる訳ですね。 ちなみにキッチン横の脱衣所の部分は本当に狭く、ここだけは半マスを使いましたが、これは実際行くとシックリきます。 内田流のポイントは ・扉の開閉方向は必ず書いておく、特に片引きなどは→で書く ・障子や間仕切りは「何枚になっているか分かるように」 ・窓は端から端が分かればいい。窓の長さは細かく書かない。 ・忘れることが多いので、部屋単位で360°撮っておく ・特別広くない(狭くない)限り、廊下の幅、トイレの幅は2マス ね?そんな風に書けば、書き直しもいらない間取り図が出来上がるもんです。 亜流かもしれませんが、新人さんにはこの位でいいと思いますよ。 玄人のみなさん、間違いがあったとしても、優しく海のように広い心で いや、分譲マンションのエントランスのように広い心で勘弁してあげてください。 誰かの助けになればいいですね。
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元・賃貸営業マンが教える「お部屋探しの定説」に騙されない方法
私は元々は賃貸営業マンでした。 窓口に座っていると、ネットや雑誌で一生懸命「お部屋探しのコツ」を勉強してこられたお客様によくお会いしたものです。 「南向きの部屋がいいです」 「駅徒歩5分以内で探しています」 「やっぱり1月からの繁忙期に探すのが正解ですよね?」 その熱心なお気持ち、すごくよく分かります。 失敗したくないですもんね。 でも、皆さんが信じているその「定説」、現場のリアリズムで見ると、実は損をしていたり、逆にリスクを背負い込んでいたりすることが多々あります。 今日は、教科書通りの正論でお茶を濁すのではなく、私が現場で見てきた「お部屋探しの真実」を主観をまじえてお話してみようと思います。 定説は本当なんでしょうか? ① 定説:お部屋探しは「1月〜3月」が一番いい! よく言われる定説ですね。 物件数が一番動く時期ですから、確かに選択肢の多さで言えば正解です。 でも、その分ライバルも猛烈に多い。 ちょっと迷っている数時間の間に、決断の早い人にさらわれてしまうのがこの時期の怖さです。 逆に、閑散期と呼ばれる時期はどうでしょうか。 空室を抱えて焦った大家さんが、こっそり家賃を下げていたり、設備を新しくしてくれたりする可能性は、繁忙期よりずっと高いんです。 結論を言えば、どっちもどっちです。 ただ、「これだけは譲れない」という厳しい条件がある人ほど、選択肢が溢れる繁忙期に勝負をすべきでしょう。 逆に、時期にこだわりがなく、ライバルと競わずにじっくり良い条件を引き出したいなら、閑散期を狙うのもアリですよ。 ② 定説:日当たり重視!「南向き」こそが正義! 昔からの大原則ですよね。 日当たりは悪いよりは良い方がいい。 確かにその通りかもしれません。 でも、近年のこの異常な酷暑を思い出してください。 夏場の南向きの部屋は、もはや「灼熱のサウナ」です。 冷房代はかさみますし、大事な家具や本も日焼けで傷みます。 そもそも、あなたはお日様が出ている時間に、どれだけ家にいますか? 日中はお仕事で外に出ているなら、日当たりの良さはただの「気分の問題」に過ぎないかもしれませんよ。 そして、洗濯物はある程度の日当たりがあれば、乾いてしまいます。 もちろん、日光で目覚める感覚などはいいのかもしれませんが、でも遮光カーテンしているんじゃないですか? 日当たりは好みで決めればいいですが、これからの時代、夏の暑さをどう凌ぐかという視点も忘れないでくださいね。 その位、最近の夏は過酷になってきましたらからね。 ひょっとすると、これからは「北向きこそ正義」となるかも・・・・いや、流石にそれはないか。 ないですよね・・・・? ③ 定説:学生なら、とにかく「近い」が正解! 通学の便利さを考えれば、確かにアクセスが良いに越したことはありません。 しかし、駅に近すぎる、あるいは大学に近すぎる物件には、思わぬ落とし穴があります。 それは、あなたの部屋が「仲間のたまり場」になるリスクです。 便利が良すぎると、夜な夜な友人が集まってきて、気がつけば自分の勉強や睡眠の時間が削られてしまう。 断りきれずにストレスを溜める学生さんを、私は何人も見てきました。 自分のプライバシーを守りたいなら、あえて駅から少し離れた、静かな場所を選ぶ勇気も必要ですよ。 でも、遠すぎると全てが億劫になってしまうので、加減は大事ですからね。 ④ 定説:大通りに面した「うるさい場所」は避けるべし! 静かな環境を求めるのは、住まいの基本かもしれません。 わざわざウルさい場所を選ぶ人なんかいないと思うんです。 「誰だって静かな方がいいに決まってるだろ?流石にこれに異論はないんじゃないか!」 ほぅ、ではそれがご自身に向けられる刃になるとしてもですか? ここが現実の面白いところです。 確かに「静かな環境」は一見、皆が望むように思われます。 でも、その「静かな環境」をわざわざ選んで住む人たちは、往々にして「音に対して非常に敏感」な方が多いんです。 もし、あなたが夜中に洗濯機を回す生活リズムだったり、友達と夜中電話するのが好きなタイプならどうでしょう。 「静かな環境」を望む隣人たちが、それを許してくれますかね? そう、あなたが良いと思っている点は、きっと他の住人さんもそう思っています。 だからこそ、その規律を守れないあなたは異分子として、その物件で浮いてしまいます。 結果、ちょっとした音でクレームになり、かえって肩身の狭い思いをすることになるからです。 自分自身が、多少帰りが遅い、夜に洗濯機を回したり、掃除もしたい、夜型だ。 こんな自覚があるのであれば あえて賑やかな大通り沿いや、少しガヤガヤした場所を選ぶのも悪い選択肢ではないんですよ。 そういう所を選ぶ人は「そんなに音に敏感な訳ではない」、「少々の音には動じない人たち」が住んでいる可能性は高いのです。 その方が、気楽に、のびのびと暮らせることもありますよ。 大切なのは「スペック」ではなく、自分との相性 お部屋探しに「絶対の正解」はありません。 誰かにとっての100点が、あなたにとっての幸せとは限らないからです。 そもそも定説になっているスペックは、その全てが家賃に直結します。 全て良いスペックを取ろうとした結果、「自分には必要ない」のに、家賃が高くなってしまいます。 ネットの情報を鵜呑みにせず、自分の生活スタイルや本当の希望を客観的に見つめ直してみてください。 「何を諦め、何を大切にするか」 その整理がついた時、あなたにとって最高の「縁」がある物件が、ふと目の前に現れるはずです。 あと、今回の画像はすみませんでした・・・・完全に・・・自分の趣味でした・・・・ 次回は真面目にやります。
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【不動産の豆知識】「大安」だけじゃない?契約時に知っておきたい「三隣亡」とは?
暦(こよみ)の話 不動産の購入や売却、そして注文住宅の建築。 これらは人生の中でも指折りのビッグイベントですよね。 そんな大切な節目ですから、ご契約や物件の引き渡し(決済)の日取りを気にされるお客様は割と多いです。 私も打合せでよく「やっぱりお日柄の良い大安(たいあん)にしたいです!」というお声をいただきます。 そのお気持ち、すごくよく分かります。 一方、私はそこまで気にしません。 私が買主になる場合には、逆に職業柄というのか、その他の都合などを優先して考えてしまいます。 ・売主さんが急いでいる ・仲介してくれた営業マンの締め日 ・銀行さんや馴染みの司法書士さんのスケジュール こういった利害関係者の方々の都合などを優先することが多いので、あまり大安や仏滅などは優先させないですね。 でも、自由に決められる状況であれば、やはり「大安」などを選んでしまいます。 一般的には「大安」や「仏滅」といった「六曜(ろくよう)」が有名ですが、実は不動産や建築の世界には、それとは別に「ちょっと気にした方がいいかもしれない日」が存在するのを皆さんはご存知でしょうか? 今日はそんな不動産特有の暦(こよみ)のお話です。 その名も「三隣亡(さんりんぼう)」 なんだか時代劇に出てきそうな名前ですが、これは暦注(れきちゅう)と呼ばれる、カレンダーに記載される日時や方位の吉凶占いの一つです。 …いや、字面が怖すぎませんか? 「三軒隣まで亡ぼす」・・・・なんだそれ・・・・ さて、ここからは解説ですね。 この「三隣亡」の日に、建築に関わること、例えば地鎮祭や上棟式(棟上げ)、あるいは不動産売買契約、決済などをすると、「自分の家だけでなく、向こう三軒両隣まで災いが及ぶ」と昔から言い伝えられてきました。 ちなみにこの三隣亡ですが、由来はハッキリとしたことは分かっていません。諸説ありというのが現状です。 昔は木造住宅が多く、火事などが起こると大変だったから、風の強い日を統計して三隣亡として設定した。とか色んな説はあるのですが、定説はありません。 私はこの「三隣亡」というインパクト大の字面が影響力を大きくしたんだろうな。とも思っています。 特に建築業界では、この日を避けて工事のスケジュールを組むことが慣例となっている地域も多いのです。 ハウスメーカーや大工さんなどで気にされる方は多い印象もあります。 反対に、お引越しの日で三隣亡を気にされることは、現代では無いというのが体感ですかね。 私自身は賃貸で気にすることはありませんが、不動産売買の引き渡しだけは三隣亡を避けてしまいます。 実は「良い日」だった説? 「そんな怖い日があるなら、絶対に避けなきゃ!」 そう思われるのも無理はありません。 しかし、ここからが面白いところなんです。 実はこの三隣亡、その由来を深く調べてみると、意外な説にたどり着きます。 江戸時代の古い書物には、現在の「三隣亡」ではなく「三輪宝(さんりんぽう)」と書かれているものがあるそうです。 字面からしてなんだかおめでたい感じがしますよね? 実際、そこには「屋普請(家を建てること)によし」=つまり「建築吉日」であると記されていたようなのです。 意味が正反対ですね・・・・・ それが、いつの時代か、誰かが「よし(良い)」を「あし(悪い)」と読み間違えて書き写してしまい、漢字も「宝」から「亡」へと変化して伝わってしまった……。 そして、「三輪宝」が「三隣亡」に変わり、その後定着したと そんな「うっかりミス」が起源だという説も、かなり有力なんですよ。 「所詮はそんなもの」かもしれません もしこの説が本当だとしたら、私たちは数百年もの間、昔の誰かの「書き間違い」や「勘違い」にビクビク振り回されていたことになります。 そう考えると、「三隣亡」という言葉の怖さも、なんだか少し可愛げのあるものに思えてきませんか? もちろん、地域によっては今でも大切にされている風習ですし、「知らずに選んで後悔する」のは避けたいところです。 でも、もしスケジュール的にどうしてもその日しか空いていなかったとしても、「本当は『宝』の日だったかもしれないしな」と知っていれば、気の持ちようが全然違いますよね。 暦の情報はあくまで「参考程度」に知っておいていただき、最終的にはご自身が気持ちよくスタートできる日を選ぶ。 暦を大切にすることも憂いを失くすことに繋がるのですから、手法の一つです。 知ったうえで、自分自身が納得する方法を選ぶ! これこそが、不動産で大事なことだと思うんです。 ちなみに、暦には十二直という建築に特化した別物もあるんです・・・・ それはまた別の機会にしましょうね、今日はもうお腹一杯です
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賃貸リフォームで省いていいこと3選 ~最良は最善ではない~
「せっかく空室になったんだから、次なる入居者さんの為に思い切ってリフォームだ!」 そう意気込んでプランを練っている大家さん、ちょっとだけ立ち止まってみませんか? 実は私自身、過去に「オシャレを狙いすぎて大失敗」した経験があります。 デザイナーズ物件を意識しすぎて、かなり奇抜な内装の部屋を作ってしまったんです。結果はどうだったかというと……。 「……誰も住んでくれない。」 内見には来るけれど、決まらない。 そんな状態で空室が長期化してしまいました。 その時痛感したのは、「最高(最良)を目指すことが、必ずしも入居者にとっての一番(最善)ではない」ということです。 今回は、コストを抑えつつ「決まる部屋」にするために、あえてリフォームで「省いていいこと」を3つに絞ってお伝えします。 多機能すぎる設備 最新のシステムキッチンや、ボタンが山ほどついた高機能な給湯器、美容や衛生面にも強い新機能 きっと便利な設備は入居者さんも欲しい設備に違いない! 残念ながら、賃貸物件においてはオーバースペックかもしれません。 まず大前提として、そういった高機能なものは本来「使いたい」人が導入するものです。 しかし、賃貸物件に住む方というのは、そういった高機能な物を最初から想定すらしていません。 内見に来た時にやっと、営業マンから説明を受けて「あぁ、そうなんだラッキーなのかな・・・・」と思われる程度がほとんどです。 また多機能な設備は、それだけ故障のリスクが高まります。 ボタンの数やレバーの多さなど複雑なものは故障頻度が高まります。 修理費用も高額になりがちで、結果的に大家さんの首を絞めることになりかねません。 ご自身がお住まいになる持ち家などの場合は、暮らしの質を高めることになりますが、そもそもそういった機能を知らないし、望んでいない人にとっては無用の長物になってしまいます。 もう一つリスクとしては、ハウスクリーニングでの清掃不足などに繋がることもあります。 レバーや細かい部分が多く、十分に清掃ができない。清掃スタッフがどんな機能かが分からず、清掃していいのか戸惑う。 結果、ハウスクリーニング不足となり、かえって問題を引き起こしたり、清掃が行き届いていない印象を与える。 設備の極意は シンプルイズベスト 誰でも使い方が分かり、しっかりと清掃されている清潔感こそが最善です。 個性が強すぎる壁紙・床 「部屋のアクセントに」と、ついつい派手な色や柄の壁紙を選びたくなりますよね。 でも、これは要注意です。 壁紙の主張が強すぎると、入居者様が持ち込む家具とケンカしてしまいます。 人間、自分の持ち物や好みに囲まれて暮らしたいもの。 部屋側に強い個性がありすぎると、自分の暮らしをイメージできなくなってしまうんです。 見ていてオシャレなお部屋と、住みたい部屋は必ずしも一致しません。 「他にはないオシャレなお部屋を」という意気込みは大切ですが ここで一旦考えていただきたいのが なぜ他ではないのか?他は失敗したからないのではないか? そう、基本的にはオリジナルの壁紙というのは無い訳で、多くはメーカーが出しています。 その中で見たことが無いということは「他の人は採用しなかった」という証です。 もし、どうしても個性的な柄を使いたいなら、以下の2点がコツです。 ・脱衣所やトイレなど、面積が狭い箇所で使う。 ・主張の強いデザインは「1面のみ」にする。 これです。 個性的なガラなどの場合は、脱衣所やトイレなど狭い箇所だと、そんなに違和感が出なかったりします。 狭い場所はそもそも面積がないので、割とどんなガラを使っても受け入れやすいのです。 一方リビングなどの広い箇所に使うと、視覚的にうるさすぎて敬遠されてしまいがちです。 もう一つのコツである1面のみも同様です。 床材にヘリンボーンなどの個性的なものを選んだ場合には、壁紙は1種類で統一するなど、バランスを取って欲しいものです。 そうすることで、個性的なデザインが引き立ち、調和を取ってくれます。 主役はお部屋ではなく、お住まいになる「入居者さん」ですからね。 オシャレすぎる照明(デザイン照明) カフェにあるようなペンダントライトや、複雑な形のシャンデリア。 内見時のインパクトは抜群ですが、住む側の視点に立つと評価が変わります。 ザイン性の高い照明は、意外と掃除が大変です。 また、特殊な電球を使っていると、切れた時の交換も一苦労。 毎日の暮らしの中で「照明の電球を替えるのが面倒」というのは、小さなストレスとして蓄積されます。 そして以外と気づかないデザイン照明の欠点は 暗い(暗く見える) オシャレな照明は基本、明るさを第一としていません。いくつもの電球を違う方向へ向けていたりするので、明るさが拡散されてムーディな雰囲気を出したりします。 その為、賃貸で採用すると暗い印象を与えてしまい、内見時に足を引っ張ってしまうことも・・・ 基本的には明るい印象を持ってもらうことが王道であり、最善だと思います。 個人的には通常のシーリングライトがおススメですね。 シンプルイズベスト リフォームの打ち合わせをしていると、つい「あれもこれも」と付け足したくなります。 しかし、お金をかけすぎてコストを上げることは、巡り巡って家賃の上昇や、修繕費の負担増という形で、自分にも入居者様にも跳ね返ってきます。 「それ、本当に住む人の毎日を助けるもの?」 この視点を持つだけで、無駄なこだわりをバッサリ捨てられるようになります。 「最良(スペック)」を追うのではなく、等身大の暮らしに馴染む「最善(バランス)」を。 シンプルで清潔、そして使いやすい。 そんな部屋作りが、結局は大家さんにとっても、入居者さんにとっても、一番いい結果を生むのだと私は信じています。
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本年もお世話になりました ~来年も良い年になることを願って~
早いもので2025年も残りわずかですね。 みなさんにとって、今年はどんな年だったでしょうか。 良いことも、あまり良くないこともきっとあったことでしょう。 私も多分に漏れず、毎月のように問題は起こるし、チャレンジして失敗が続くなんてこともしょっちゅうでした。 それでも、こうやって年末になると不思議と 今年もなんだかんだ良い年だったなぁ と思ってしまいます。 私は基本的にはネガティブ思考なタイプですが、年末ってのは不思議と 自分の問題に折り合いがつくような気がしています。 「もう年も終わるし、色々あった失敗や後悔はもういいかな」と思うようにしています。 そうやって考えると一年ごとに区切りがあるってのはいいことだなと実感します。 来年もきっと色んな壁にぶつかったり、たくさん失敗もするんでしょう。 だけれど、なんだかんだ一生懸命頑張って 来年の年末も 今年もなんだかんだ良い年だったなぁ って言える人生だったら最高だなと思っています。 今年一年出会った全ての方々に感謝を申し上げます。 そして、みなさんの2026年が素敵なものであることを願っております。 本当にありがとうございました! また来年もよろしくお願いします。 株式会社ロータスホーム 代表取締役 内田 幸喜
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不動産管理あるある ~入居審査の違和感を見逃すな~
長年の勘はダテじゃない やったー、空室に申込が入ったー! 管理会社であれば、入居の申込は常に嬉しいものです。 申込が入ると、入居審査へ移行します。 昔は書類に書かれた内容をもとに、管理担当や大家さんがチェックして問題ないようなら、入居審査OKとなっていました。 今現在はというと、保証会社の審査が第一に来るという会社がほとんどではないでしょうか。 家賃保証会社は家賃滞納歴、犯罪者や反社チェックなどのデータを保有しており、滞納や反社リスクを大体軽減してくれます。 通常、この家賃保証会社による審査を通過した場合は、ほぼ入居審査は終わることでしょう。 昔であれば、在職証明書や源泉徴収票の提出なども求められたこともありますし、厳しい大家さんであれば「面談」があったこともありました。 昨今は、家賃保証会社の審査が終わればOKというオーナーさんが増えています。 しかし、管理担当は別の目線を持っていたりします。 違和感とも呼ぶべき、第六感がささやくのです。 そして、多くの場合それは的中してしまうのです。 丁寧すぎる・謙虚すぎる 電話口での受け答えがとても丁寧で、言葉遣いも完璧。 一見して「礼儀正しくて素晴らしい方だな」と感じる反面、経験豊富な管理担当者の中には、ふと違和感を覚えることがあります。 それが、“丁寧すぎる・謙虚すぎる”という特徴です。 もちろん、礼儀正しいことは決して悪いことではありません。 ですが、過剰な謙遜や不自然なまでの丁寧さは、時に「何かを隠しているのでは?」と疑念を抱かせる要因にもなります。 「過剰さ」は違和感のサインに変わります。 私はこんな対応だと注意します。 こちらが聞いていないことまで先回りして説明してくれる 「ご迷惑をおかけするかもしれませんが…」と必要以上に低姿勢 敬語が板についていない印象、丁寧に話そうとしているが誤用などがある 表面上はとても丁寧で物腰柔らかく見える人に限って、入居してから隣人トラブルや滞納などを引き起こすケースがまぁまぁあるのです。 私はこの過剰な丁寧さは2つあると思っています。 一つは「すでにやましいことがあるから」です。 既に他の管理会社などで入居審査に落ちていたり、滞納歴などがあるため、自分自身が入居審査に通らない可能性があることを知っている為、少しでも印象を良くしようと努めている場合ですね。 正直、このケースであった場合は過去の事実があったとしても、正直好印象ではあります。 自分がしてしまったことを自覚しているという証でもありますからね。 もう一つは「これから揉める可能性があるから、自分の落ち度はなくしておこう」というタイプです。 正直、こっちを警戒してしまいます。 このタイプの人は正直、賃貸物件だけでなく、日常生活のあらゆる場面で他人と揉めています。 入居してからも隣人トラブルを起こす確率がかなり高いタイプです。 思考的には自分にも落ち度がある場合は、他人を責めることが出来ないと考えている人がほとんどです。 その為、常に「自分には落ち度がない」という部分を過剰なまでに演出しているのです。 私はこのタイプの人の対応は難しく思いませんが、割と長期化するタイプなので、苦手な管理スタッフは多いと思います。 このように「揉める気が満々なので、自分の落ち度を少なくする為の丁寧さ」を管理スタッフの勘は逃しません。 ただ、このケースの場合、入居審査を断ることは出来ないでしょうね。 「丁寧すぎるからダメ」は難しいでしょうからね。 引越し理由は大事だよ お引越し理由は様々です。 転勤、入学、卒業、就職、気分を変えたい、単に飽きたなどどれも正当な理由です。 そしてどれでも正解であり自由です。 しかし、その引っ越し理由を不動産屋さんは往々にして確認します。 それは ネガティブな理由でのお引越しの時に「同じ悲劇」を繰り返さないかどうかです。 例えばですが、隣人の騒音によるお引越しが引っ越し理由だった場合、次の転居先でも同じ目に遭ったらどうでしょう。 せっかく、労力やお金を使ったにもかかわらず、問題は解決しませんからね。 そして、それはクレームとして管理会社にやってくるわけです。 そういったある意味でのミスマッチを起こさない為に、管理会社は引っ越し理由を重要視します。 たまに不動産屋に本音を話したくなくて、引っ越し理由をかなり曖昧にしたり、言わなかったりする方もいます。 しかし、このミスマッチを防ぐ為には不動産屋に協力してもらいましょう。 騒音でのお引越しなら、次の転居先でそのようなクレームが多くないか? 部屋の湿気などなら、過去に似た事例がないか? 駅までの道のりが恐くてのお引越しなら、どのようなルートがあるか? など、不動産屋は知っていても、入居者さんが気にならないことはわざわざ全部を説明しません。 管理会社も「その引っ越し理由なら、ここはおススメできないよ!」と言いたくなることがあります。 そのような不幸なミスマッチを防ぐ為にも、この引っ越し理由は大切です。 お部屋探しをする方は、できる限り不動産屋に引越し理由をしっかり説明することをおススメします。 私たちも、出来れば良い環境のお部屋をご紹介したいのです。 ですが、その人にとって「良いお部屋」かどうかは千差万別ですからね。 交渉事が多すぎる・変 入居申込の時に、交渉ごとが付く場合があります。 たまにある交渉ごとはこんな内容でしょうか。 家賃を下げてくれないか 敷金を0にして欲しい 入居時期を遅くしてほしい 初期費用を下げてもらえないか お部屋の設備などを改修してほしい まず大前提として、基本的には、募集されている設定が全てで現状有姿であります。 その為、交渉ごとというのは、通るか通らないかは大家さん、管理会社次第になります。 管理会社としての立場でいえば、交渉はそれ自体は善も悪もありません。 お互いが条件としてマッチングできれば、winーwinとなり、契約成立という素晴らしい結末になります。 しかし、その交渉ごとが「かなり多い」「過大」と感じられた場合、ときに入居審査に影響を及ぼすことがあるのです。 要は 「そんなに要望が多いのであれば、後から揉める可能性があるからお断りしよう」 という入居者さん側からは理解できないお断りの仕方もあります。 というのも、多くの大家さんは「多すぎる交渉」「過大な交渉」を飲んだにも関わらず、クレームや揉め事になった経験をしているのです。 例えば 敷金を減らした→退去時にお部屋が荒らされており、原状回復費を渋られた 家賃を下げた→短期解約 初期費用を下げた→短期解約 お部屋の設備改修→その他の部分も変えて欲しいと頻出 こんな風な感じで、交渉をせっかく飲んだにもかかわらず、却って不遇な目に遭ったという例は枚挙に暇がありません。 ここで大事なのは 交渉がダメではない とはいえ、相手があることだから、節度のある範囲でなければなりません。 交渉というのは、相手にもメリットが無ければ成立しませんからね。 あまりに多すぎたり、過大な交渉だった場合には「この人の入居はお断りして」と言われてしまい、本当に住みたかったお部屋に住めなくなる可能性があります。 管理会社としても交渉があれば一生懸命大家さんに伝えたいと思います。 しかし、多すぎたり、過大な場合は「とても交渉にはならないから伝えられないし、お断りするしかないな・・・・」となってしまう可能性があります。 出来る限り正直に いかがでしたでしょうか? 今回は不動産あるあるの入居審査にまつわることを書いてみました。 ここまでのまとめとしては 出来るかぎり正直に話してくれれば、ほとんど問題はない。ということですね。 入居審査で一番気になる点がまさに「これって本当(本心)かな?」と疑念を持たれることです。 そうすると、あれもこれも疑わしくなってきてしまいます。 多くの大家さんが恐れているのは、短期的な損得よりも 後々のトラブル こちらの方を警戒している方がほとんどです。 ですから、入居審査で疑われない程度には正直にお話してもらえれば助かります。 そうすることで安心した大家さんはきっと、あなたにも信頼を寄せてくれるはずです。
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賃貸管理スタッフには「他責も必要」な訳 ~自責ブームに警鐘を~
世間は「自責ブーム」 「すべては自分の責任」という“自責思考”が、近年のビジネス界では美徳のように語られがちです。 もちろん、自らを省みて成長につなげる姿勢は大切です。 しかし、賃貸管理の現場においては、過度な自責がかえって人材の疲弊や離職を招く原因にもなっている気がします。 そんな中、私は分譲マンション管理を皮切りに、賃貸管理を今でも行っております。 昔はこの「自責思考」に捉われ過ぎてしまい、一度は賃貸管理の仕事そのものを嫌になってしまった経験もあります。 そんな私ですが、ある時から仕事上で「程よい他責思考」を手に入れてからというもの、仕事が上手くいき、ストレスが軽減し、賃貸管理の仕事が好きになりました。 そこで今回は、管理業務のリアルな現場を踏まえ、「程よい他責思考」がなぜ必要なのかを解説してみようと思います。 一番は、この瞬間に辛い想いを抱えている全国の賃貸管理業務に従事している「同志」の支えになれば嬉しいです。 また、賃貸管理部門を持つ会社の社長や役員の方々にぜひご覧になって、参考にしていただければ幸いです。 そもそも不動産業は離職率高め そもそも不動産業は全産業平均と比べても離職率は約13%~15%程となっており、やや高い傾向であります。 これは賃貸管理に従事する人だけを対象とはしていませんが、賃貸管理のスタッフの入れ替わりが激しいという点は同業者なら異論はないでしょう。 ちなみに米国での管理会社といえばPM(プロパティマネジメント)会社ですが、ここの離職率はなんと従業員の離職率が約33%/年 と推計された調査があります。元々雇用形態の違う米国とはいえ、この数字はやはり平均よりも高い数値であることが、賃貸管理業務でのストレスを物語っています。 ※国内賃貸管理部門のみを対象とした統計は公的データとしては少ないため、あくまで「不動産業界全体の傾向」と「海外の業界データ」を参考として紹介しています。 現在日本では、労働者不足が深刻な問題となっており、特に日本語での対応が必須となる賃貸管理における離職率の高さは賃貸不動産会社を営むには今後対策が必須であることは想像に難くないでしょう。 ちなみに当社の管理スタッフは当社での在籍年数が8年以上となっております。 そもそも大きな会社と比べると社員数も少ないのでデータとしては参考になりませんが、それでもこの賃貸管理スタッフの「ストレス軽減」には細心の注意を払っています。 その対策の一つが「程よい他責思考」なのです。 それでは本題に入っていきましょう。 そもそも多くのトラブルは管理会社のせいではない 賃貸管理の仕事をしていると、クレームやトラブルに日々直面します。 その対応でオーナーと入居者、業者と入居者、仲介会社と自社などあらゆる場面で板挟みになるのが、管理会社の賃貸管理スタッフです。 しかし、よーーーく考えてみましょう。 そもそもトラブルのほとんどは 管理会社が原因で起こっているわけではありません 入居者同士の騒音トラブル 近隣のゴミ問題 経年劣化による設備の不具合 天災地変 家賃滞納 これら代表的なトラブルの原因が管理会社の責任であることはほとんどありません。 というか、このようなトラブルはどんなに気を付けていたとしても定期的、必然的に発生するものですよね。 こういったトラブルに対応する為にいるのが「管理会社」なのですから。 管理会社は“対応者”であって、“原因者”ではないケースがほとんどです。 にもかかわらず、「自分の対応が悪かったから…」「自分の説明が足りなかったから…」と、自責で考え続けると、心身ともに疲弊していきます。 自責で考えすぎると、ストレスが限界に 真面目で責任感の強い人こそ、賃貸管理スタッフとしては優秀です。 しかし、こういった人材こそ「すべて自分の責任」と抱え込んでしまいがちです。 この思考こそが、精神的な負担となり、最悪の場合は離職にもつながります。 まさに自責思考の被害者となってしまいます。 本来は称賛されるべき、自責思考、真面目さが却って自分を苦しめてしまうのです。 そして、限界を迎えたスタッフは会社や業界を去ってしまうという、なんともやり切れない結末を何度も見てきました。 そんなスタッフにおススメしたいのが、この「程よい他責思考」です。 程よい他責思考とは? 実践編です。 まずは重大なトラブルが耳に入った瞬間に、こう思いましょう。 「俺のせいじゃねーよ」 この表現は各自変えていただいて結構ですが、私はこのように思っています。たまに口にも出しています。もちろんお客様、オーナーさん、同業者には言いません。 「そうだ、このトラブルの原因は自分ではないんだから」とセットします。 言い方を悪くすれば他人事にするのです。そうすると、不思議と冷静になれます。 前述したように賃貸管理のでは「問題が起きないようにすること」も重要ですが、本質的には「起きた問題にどう対応するか、できるか」で価値が決まる仕事です。 先ほど例として挙げたトラブルは正直どれも「いつか起こること」であり、避けられないものです。 つまり、「起きてしまったこと=失敗」ではなく、「どう収めたか=成果」なのです。 まずはここがスタートラインです。 「自分には限界がある」という事実 もう一つの思考として大切なのが 「自分ではどうしようもない範囲がある」ということを割り切りましょう。 これは「投げやり」や「他人事」ではなく、事実です。 なぜなら賃貸管理で起きる問題は最終的には自分だけではどうしようもないことがあります。 代表的な限界は 修繕や金銭を伴う判断は「オーナー判断」 犯罪に関することは「警察」 法律や条例の問題「裁判所」「弁護士」 設備のトラブルなら「業者」 ね? こういった部分はどんなに賃貸管理スタッフが頑張ろうとも、どうにもなりません。 勝手に法律を飛び越えることもできませんし、その権限もありませんし、やってはいけません。 こういった事実を冷静に整理し、「ここからが自分の出番だ」「これ以上は自分の範囲外だ」と割り切る思考が、現場では非常に重要です。 責任を押し付け合うのではなく、事実として他の要因を認識し、自分の役割に集中する。 私はこの思考方法をスタッフに伝える時にこんな風に言っています。 「まずは諦めることからスタート」 起こってしまったことを悔やまない 次に自分が出来ることを洗い出す やった方がいいことを淡々と行っていく 逆にそれ以上のことは出来ませんからね。 こうやって言われると当たり前のことなんですが、トラブルで気が立っている人やこちら側を責めてくる人がいると、ついつい「自責思考」になってしまうのです。 このように自分の限界をしっかり把握して、出来ることだけをしっかりやる。 この「最初に諦める」ことで、最短でかつ最小限の被害で終わることが出来たりするのです。 まずは落ち着いて、着実に業務を行う為のステップですね。 我々はピンチに輝くヒーローだ もちろん、「他責だから自分は関係ない」と開き直ることは、プロではありません。 そして「他責だから日頃の予防は必要ない」という訳でもありません。 起こさなくていいトラブルや予想されるものは、予めできる限り潰しておくのもプロの仕事です。 関係ないから対応しない、ではなく、関係ないからこそ冷静に対応する、です。 自分のせいではないからこそ、冷静にこの局面を最小限の被害、最高の結末にもっていく 逆境にこそ現れるヒーロー、それこそが管理スタッフなのです! 呪術廻戦の五条悟、シティーハンターの冴羽獠、ドクターXの大門未知子、アベンジャーズのトニー・スターク、キングダムの楊 端和などなど 我々はピンチの時にこそ現れる「頼れるアニキ」ポジションなのです。 カッコイイ・・・・・ 冗談はさておき、本当に賃貸管理スタッフというのは非常に責められやすい構造になっています。 入居者から、オーナーから、業者から、時には自社の営業部門などから・・・ だからこそ、この「程よい他責思考」というのは自身の精神安定剤しても、良いお仕事をするため、冷静でいる為にも必要だと思います。 「全部自分の責任だ」と思い込むことは、誠実さの裏返しですが、それが自分自身を追い詰めてしまっては本末転倒です。 感覚として「自責:他責=6:4」くらいのバランスで考えるくらいが、現場ではちょうどいいのかもしれません。 「人のせいにしていい」と言いたいのではなく、「人のせいにしないと潰れてしまう仕事がある」という現実を、もっと業界全体で共有すべきではないでしょうか? ちなみに当社ではクレームの最後方には私が直接対応します。 最後はどんな問題でも持ってきていいよ!とスタッフには本気で言っています。 そういった上司や会社からの「最後の逃げ道」も必要だと思っています。 こんなことを書いておいてなんですが、こういった思考を持つようになってから管理の仕事の楽しさに気付きました。 今では天職だと思っていますし、この「最後に出てきて、問題を解決して感謝される仕事は最高」と思っています。 全国でお悩みの同志のみなさん 起きてる問題はそもそも「あなたのせいではないですよ」 ではまた







