なぜ騒音問題は解決しづらいのか?③ マンションなら大丈夫という幻想他 まとめ

音に強いという過度の幻想はやめておきましょう
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7 マンションなら大丈夫という幻想

次にあげるのが、音の問題を避ける為にマンションという選択肢への「過度な幻想」です。そしてこの過度な幻想こそが騒音トラブルを発生させてしまうという内容です。

これは、事実の部分と期待の部分がズレるという話しです。

まず、音に対して「アパート」と「マンション」ならどっちが強いか?といえば「マンション」であるのは間違いありません。
これは構造の差によりますが、大体そうでしょう。

しかし、音のトラブルは「アパート」「マンション」どっちが少ないか?といえば必ずしも「マンションの勝ち」とはなりません。
なぜでしょう?

音の問題は「期待」と「感覚」にも関わるから

そう、音の問題は感覚の違いによるものと話してきましたが、マンション=音に強い というイメージから過度の期待によるトラブルも多いのです。

要は「マンションに住んだのに音が聞こえる」という主旨です。

皆さんにハッキリと言っておきたいのですが、例え分譲マンションであったとしても共同住宅である以上、「音はします」
にもかかわらず、マンション=音がしない という期待を持った方からすると「許せない」という感情を持ってしまいます。

体感になりますが、マンションタイプの方が騒音トラブルは多い印象です。これは以下の側面があると思っています。

  • マンションだから音に強いと思って「音を出す側」が気を遣わない人がいる
  • マンションだから聞こえないと思って「音を受ける側」が期待しすぎる
  • アパートはそもそも「聞こえる」という前提の人が住みやすい
  • 音に対して意識の高い(過敏な)人が住みやすい

マンションという物への過度の信頼や期待が却って騒音問題に繋がってしまうケースですね。

一般的にアパートタイプというのは「音にそこまで強くない」という前提がありますから、選択する方は音に対する期待値がそこまで大きくないのです。
他方マンションというのは強いのですが、それでも全くしないという訳でもありませんから、音に無頓着な方が近くにいれば聞こえてしまいます。
しかしマンションへの過度の期待値がある方は「音に悩みたくないからマンションにしたのに」という感情も出てしまうのです。

その為、騒音に対する苦情というのはアパート>マンションとはならないのです。

そしてマンションの方が音の苦情はこじれるケースは多い印象です。やはりマンションに対する期待値というものが働いているのかもしれませんね。

8 救われない専門家や訴訟

訴訟や専門家を活用することも解決の一つではありますが、容易ではありません。

これまで申し上げた通り、「騒音」と認定するだけでも高いハードルです。

しかもその後弁護士などを使い訴訟などに移行しても変わりません、やはり守りの堅い「借地借家法」、損害賠償を求めても被害とのバランスを欠いた金額、そもそも訴訟費用などが高い現状など本当の意味で救われることが少ないのです。

騒音と認定する為の費用から弁護士費用、裁判まで持ち込む労力。これらは並大抵のものではありません。

被害者側に立つとあまりに膨大な労力!解決への道はこれでは困難です。

9 管理会社は「人の管理」はできない

借りていただく入居者の行動や宅内での生活スタイル、昨今ライフスタイルの変化や個人個人の新しい価値観などの多様化も叫ばれております。

管理会社はあくまで「建物の管理」であり、「人の管理」ではありません。

私権を制限するようなことは出来ませんし、すべきでもありません。

昔の古い時代のようにお部屋を無断で開けて見る、などはもってのほかです。

解決をしたい管理会社ですが、同時に入居者の自由は尊重したい。

誰かに制限を課す為にはしっかりとした「基準」が必要です。大多数が納得できる「基準」ですが、現状これはありません。

我々管理会社の最大の弱点である「人の自由」とのバランス。

個人的には国や法律しかこの部分は触れないのです。せめて基準などが示されるだけでも随分と解決しやすいのですが・・・

まとめ 変革の時では?「借地借家法」

最近の賃貸住宅を取り巻く問題は「借地借家法」の「強さ」が変に作用している印象です。

一昔前は横暴な大家や悪徳不動産が横行した経緯もあり、入居者の権利が弱いものでした。そこで登場した「借地借家法」は多くの人を救いました。
それに異論はありません。入居者と大家というのは対等であるべきです。

しかし、ライフスタイルなども変わった昨今、本当にこのままで良いのでしょうか?

最近の借地借家法は「弱者救済を強く打ち出し過ぎて、逆に多くの普通の人を苦しめている」印象があります。

音の問題もしかりです、悪質に騒音を出す場合でも「借地借家法」は守ります。簡単に追い出すことはおろか、調査さえも管理会社やオーナーは簡単にできません。こんな状態では誰が助けてあげられるのでしょうか?

国や裁判に訴えたとて、明確な基準はなく、実際に実効性のある判決は期待薄です。

普通に心穏やかに過ごしたい大多数の人を守れないのです。

私は何も「管理会社やオーナー目線の法律になれ」「入居者を簡単に追い出せるようにしろ」とまでは言いません。

しかし、「かなりのレアケースに備えようとして、99%以上の普通の入居者が困ってしまう」現状には警鐘を鳴らしたいのです。

社会的弱者を守る為の法律が「好き勝手放題する人」も同時に守り、そして悪用されている現状には異を唱えたいのです。

社会的弱者を守ることは第一ですが、だからといって99%の大多数を蔑ろにすることはいいのでしょうか?

両立する道はあるハズです。

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