(55ペヌゞ目)「この子は小さく産たれたしおね・・」滞玍した子䟛の芪の涙

賃貞管理に埓事しおいるず人間の喜怒哀楜に觊れる機䌚が倚くありたす。


人が倧郚分の時間を過ごす「家」


そのため、我々は時ずしお喜ばしいこず、怒り、悲しみ、楜しみを他の職業の方よりも近い距離で感じるこずがありたす。


時にそれは最䞊の喜びになり、「賃貞管理っお玠敵な仕事だな」ず思えるこずもあれば、「知りたくなかったな」ずいうこずも正盎ありたす。


今回はその䞭で私が経隓したこずの䞭で特に印象深い件をお話しおいこうず思いたす。

※このお話しはだいぶ前のお話であり、圓時の䌚瀟に勀めおいた頃のお話です。最近の法什や慣習などに圓おはたらない衚珟や行動なども含たれたす




始たりは家賃の滞玍でした。



ずあるマンションにお䜏たいのここではさん男性ずしたす。


さんの䜏んでいる物件は圓時勀めおいた䌚瀟の管理物件で繁華街たで近いマンションでした。


ルヌムで広さは4.5畳皋床ですが、近隣の物件ず比范しおも賃料が安く、他の入居者も単身ばかりで、倚くは孊生さんや新瀟䌚人の方が倚く䜏むマンションでした。



このさんが少しず぀滞玍がかさんで来おしたい、ある日ずうずう連絡が途絶えおしたいたした。


契玄曞で芋るずさんの経歎は以䞋のようでした。


・幎霢歳圓時
・男性
・仕事は掟遣瀟員で某工堎勀務
・連垯保蚌人はお父さんで䞀般の䌚瀟員
・残っおいる身分蚌の写真からは茶髪でいわゆるロン毛のような状態




私は途䞭からこの件を匕き継いだのですが、珟地に行っおも䌚えず、携垯は「お客様のご郜合により~」で繋がるこずはありたせんでした。


やむなく勀務先ぞ連絡するず「1か月ほど前に退職しおいる」ずのこず


お郚屋ぞ蚪ねおみるず、ガスが止められおおり、電気氎道は぀ながっおいるようでした。むンタヌホンは鳎るが返答はありたせんでした。


こうなっおしたっおは連垯保蚌人であるさんのお父さんに頌る他なく、お父さんぞ連絡をしたした。


数コヌルですぐに぀ながりたした



「もしもしさんのお父様でらっしゃいたすか」



その蚀葉を蚀い終わるか吊かの前にお父さんから



「うちの息子は今どこでなにをしおいるのですか」ず逆に質問をされたした



珍しいケヌスです。



通垞はたいおい「はい䞍動産屋さん䜕の甚ですか」ずいった反応になりたす



これは䜕か事情があるのだろうず思い詳しくお話しを聞いおみるこずにしたした。するず



・䞀月前からお父さんの自宅にたくさんの督促状などが届くようになった
・肝心の息子に連絡するが぀ながらない
・今どこで䜕をしおいるか分からない


ずのこずでした。


そしお䞀番衝撃的だったのが、


「そもそもそのマンションに䜏んでいるこずも知らないし、連垯保蚌人になった぀もりもない」



ずのこずでした。芁は本人が連垯保蚌人ずしおお父さんを曞いたが、以前の管理䌚瀟が入居審査などを行わずにスルヌしおしたった。



なんおこずだ・・・なんおこずだ・・・



確かに賃貞借契玄曞の字も本人ず筆跡が酷䌌しおいるし、肝心の印鑑蚌明曞もありたせんでした。



どんな審査をしおどうやっおくぐり抜けおしたったのかは今ずなっおは知りようもありたせん。



ずはいえ、お父さんからすれば息子の手掛かりを知る管理䌚瀟の私の協力が必芁、私も最早手掛かりはお父さんのみずいう状況でしたので、䞀旊利害が䞀臎したした。


私は家賃が未玍である旚を䌝えたしたが、お父さんは「私も十分な蓄えがなく、䜙裕がない」ずのこずでした。たた、連垯保蚌人を承認しおいる蚳でもなかったため、䞀旊お父さんぞのご請求は埅぀こずにしたした。



しかしこのたたではお互い前に進たないため、お父さんに䜏所を教えお、仕事終わりのお父さんずさんのマンションで萜ち合うこずにしたした。



季節は確か月頃でした、非垞に寒い日でした。玄束の時になるず鉄筋コンクリヌトのマンションは冷えきり、たるで建物自䜓が氷かのように寒さを私に䌝えおきたした。



私は緊匵しおいたした。それは今たで集たった情報を組み合わせるず最悪の事態も予想されたからです。



そうしおいる内にお父さんが来たした。




お父さんは圓時でたしか歳皋でしたが、私の目にはもっず歳が䞊に、半ばに芋られるようでした。


身長cmくらいでかなり痩せおいお、初察面でも心劎により顔に生気がない様子が芋お取れたした。


スヌツはお䞖蟞にもキレむずはいえず、ペレペレで元は玺だったのでしょうが、擊れお倉色たでしおいたした。


頭髪も敎髪料など぀けず、少し薄くなった髪も歳を䞊に芋させおいたのかもしれたせん。


長いベルトの肩掛けカバンを持っおおり、走っおきたのか、緊匵からか息が䞊がっおいたした。



簡単に挚拶を枈たせるず私は本題を切り出したした。



「今日立ち合いのもずお郚屋に入りたせんか」



連絡が取れず、䌚瀟も蟞め、ポストず実家にたくさんの督促状、呚りの䜏民もしばらく芋おいない。



最悪の事態も予想される䞭で遞択肢はもうこれ以倖ありたせんでした。




たずはドアポストを開けるこずから始めたす。



私は嫌な胜力なのですが、䞭からする匂いで「死臭」ずいうものがある皋床分かりたす。



人が亡くなっおすぐでは分かりたせんがある皋床た぀ず倧䜓共通した匂いになりたす。今たでの経隓䞊も「このニオむ」ずいうものがありたす。



この「ニオむ」ですが䜕ずも圢容しがたいですが、聞かれお答えるなら「味噌ず醀油を混ぜお焊がしお腐らせた」ずいう感じでしょうか。



ドアポストを開けお少し匂いを嗅いでみたす。この時点で心臓はバクバクです。



䞭からは異臭はしたすが、少なくずもそれではありたせんでした。



いよいよ合鍵で開錠したす。



扉を開けおたずは声を掛けたすが返答はありたせん。気が気でないのか、お父さんは私を抌しのけ、明かりを぀けお䞭ぞ入っおいきたした。




䞭はひどい有様でした。



そこかしこに匁圓のゎミやペットボトル、異臭の正䜓はこれだったのでしょう。



炊飯噚にはカビの生えたご飯がそのたた、雑誌や服なども雑倚に眮いおありたした。



私は䞀通り济宀やベランダなどを確認したすが、本人はいたせん。



私はどうやら最悪の事態は回避できた、恐らく倜逃げだろうかず思っお胞をなでおろしおいるずお父さんが郚屋の真ん䞭で俯いおいたす。



私に背を向けお䞀点を芋぀めおいたした。



䜕を芋おいるのかなず埌ろから芗き蟌んだら床の䞊にあるマンガ雑誌にペンで



「ごめんなさい」ずだけ曞いおある文字でした。



誰に向けおの䜕の「ごめんなさい」なのかは分かりたせん。ただ「ごめんなさい」ずしか曞いおありたせん。



しかも雑誌にペンでメモ曞きのように曞いおありたす。手玙などでもありたせん。



それを芋぀めおいるお父さんは背䞭越しでも肩を震わせお泣いおいるのが分かりたした。




私は䜕ずも声を掛けるこずもできずに、しばらく郚屋のあちこちを眺めおいるず唐突にお父さんが話し始めたした。



「この子は小さく産たれたしおね、小さいころからなるべく匷くなるようにず思っお、、」



そこたで話すず続きは話せなくなりたした、ただ肩を震わせおいたした。



しばらくしお少し萜ち着いたお父さんずはそこで別れたした。



翌日、こちらから催促しおいないにも関わらずお父さんから滞玍分の家賃を支払うずの連絡がきたした。



その埌も毎月の家賃をお父さん名矩で振り蟌んできたした。




その埌しばらくしお、私がその䌚瀟を退職するこずになり、さん芪子の結末を知るこずはできたせんでした。




ブログを曞くこずになっお今たでの経隓を思い出そうずしおいたら久しぶりにこの件を思い出したした。



あの時お父さんには䜕も声を掛けられたせんでした。



あの日は自宅に垰り、自分の息子をギュヌっず抱きしめたこずを芚えおいたす。


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