
不動産投資を始めて欲しいが、騙されてほしくはない・・・
私は不動産業者として、不動産投資の素晴らしさは広く社会に訴えたいと日頃から思っています。
もちろんリスクはありますし、濡れ手に粟のように簡単に儲かるとは言えません、そこまで甘いものでもありません。
それでも、知識を蓄え、信頼できる業者さんや仲間たちと取り組むことが出来れば、きっと豊かな生活の助けになると信じております。
それが社会の役にたつはずだと信じているからこそ、賃貸管理という仕事を一生懸命やっているのです。
昨今、NISAをはじめとした「投資ブーム」が来たことにより、たくさんの方が不動産投資に興味をもっていただいております。
私たち不動産業者としても、業界の新陳代謝の為にも常に新しい方を歓迎したいと思っております。
みんな最初は初心者なわけです。そして初心者が来ない業界に未来はありません。
ただし、不動産は価格もやはり高額です。
一旦購入したならば、そこからは大家業として、不動産業のプロとしてスタートを切らねばなりません。
「初心者だからミスしても仕方ないよね」は通用しません。
だからこそ気を付けていただきたいと思います。
今回は一番最初に気になる「利回りに含まれている項目」をご紹介していきたいと思います。
そもそも利回りとは?

まずは「利回り」の定義からいきましょう。
レッツChatGPT
不動産の表面利回り(Gross Yield、グロス利回り)とは、物件が生み出す収益と物件価格を比較して算出される指標です。これは、運営にかかる諸経費を差し引く前の利回りで、不動産投資において物件の収益性を大まかに把握するために使われます。表面利回りの計算に含まれている数字は以下の通りです。
表面利回りの計算式:
表面利回り(%)=年間賃料収入÷物件価格×100
含まれている主な数字:
- 年間賃料収入: 投資物件から得られる年間の総賃料収入(満室想定で計算されることが一般的です)。
- 物件価格: 不動産の購入価格、または現在の評価額。
注意点:
- 表面利回りには管理費や修繕費、税金、保険料などのコストは含まれておらず、これらを差し引いたものを「実質利回り(ネット利回り)」と言います。
表面利回りは、物件の収益性を初期段階で判断するための指標ですが、実際の収益性をより正確に把握するには、経費を考慮した実質利回りを見ることが重要です。
素晴らしい説明でしたね。
上記である通り、本来は「年間の総賃料収入」で計算されることがほとんどなのです。
簡単に例で計算するなら「年間総賃料収入200万円」で「物件価格1000万円」の利回りは
200万円÷1000万円×100=20% 表面利回りは20% となるわけですね。
では「総賃料収入」とはなんでしょうかね?何が含まれているのでしょうか?
実はこの部分が明確にルール化されていなかったりします。
大体の業者さんでは「総賃料収入」といえば
- 家賃
- 駐車場使用料
- 管理費や共益費
これらを合計した数字を指すことが一般的です。
これらをまとめた部分が一般的に「家賃」と呼ぶものです。
しかし、なかにはこれら以外の数字が「総賃料収入」として表面利回り計算に含まれている場合が結構あるのです。
そうすると表面利回りの数字はおのずと高くなっていき、まさに「表面上は」高利回りとなり魅力的に映ってしまうのです。
大前提として「家賃」以外を含めるのが悪い!という訳ではないのですが、誤解を招きやすい項目となるので注意が必要です。
「なるほど、こういった項目があるのであれば実際の家賃だけだと○○万円くらいかぁ」と冷静に見れるのであれば全く問題はありません。
しかし、慣れないうちだと項目の特徴などが分からずに、魅力的だと思って購入した後に
「思ってたんと違う」
というような目に遭ってほしくありません。
では、次からは実際に「総賃料に含まれる項目」として使われている種類や注意点を個別に挙げてみたいと思います。
太陽光発電収入

収益性のためにアパートやマンションの屋上などに太陽光パネルを設置し、電力会社へ売電することで収益性を高めようという物件は珍しくありません。
この収入自体を利回りに組み込んでいるケースはよく見かけます。
この太陽光パネル収入の注意点としては
- 想定金額の根拠=買取が高かった月×12か月で算出していないか?実績ベースか理論値か?など
- 残りの買取期間=設置からの固定買取期間(10㎾未満は10年間、10kw以上は20年間)が残り何年残っているのか?
太陽光の売電について説明すると、長くなってしまいますので、今回は割愛します。
この数字をあてにして物件を購入してしまうと
「思ったより太陽光の売電収入が低い」や「買取期間が後数年で無くなってしまうので、それ以降は利回りがガクッと減ってしまう」ということになります。
太陽光の売電収入自体はありがたい部分があるのですが、中古で買う場合は上記のような目に合わないように注意が必要です。
プロパンガスの借地料

購入しようと検討中の物件のガスが「プロパンガス」だった場合は、プロパンガスの「借地料」が利回りに入っていないか確認しましょう。
このプロパンガスの借地料の理屈としては
「プロパンガス供給会社がプロパンガスを置かせてもらう代わりに借地料を払う」という理屈でプロパンガス供給会社から物件の所有者さんへ支払われておりました。
本来は理屈通りの運用だったのですが、いつしかプロパンガス供給会社同士の熾烈な競争や、大家側からの過大な請求、最終的にはそういったコストが消費者である入居者へのガス料金として転嫁されているのではないかと問題になりました。
そしてこういった問題を解決する為に経済産業省がこの問題にメスを入れます。
ここも説明すると長くなってしまうので割愛しますが、平たくいえば
2024年夏から原則「借地料や紹介料」という制度が無くなっていくのです。
そうすると、仮に現在の売主さんは「借地料」などをもらっていたので「総賃料」に含んでいるかもしれませんが、あなたが物件を買った後に名義変更した場合にこの「借地料」はもらえない可能性が大です。というか貰えないことでしょう。
「表ではそういっているだけで本当はあるんじゃないの?」という期待をお持ちの方には残念なお報せですが、今回の規制では「LPガス商慣行通報フォーム」制度などがあり、抜け駆けがバレた場合、登録の取り消しや罰金などが科されることになります。
つまり、プロパンガス供給会社は「あなただけ、特別に・・・」ということは出来ません。
ですから、現在の利回りに「借地料」や「紹介料」など名目の如何は別としてプロパンガス関係の収入が計上されている場合、それらは0ゼロとして見ておいた方がいいでしょう。
定額水道料

定額水道料という項目が含まれていませんか?こちらも注意です。
本来は、電気ガス水道などのライフラインと呼ばれる料金は、入居者さんが個別にそれぞれ電力会社やガス会社、水道局などに支払います。
しかし、少し古い物件や元々寮のような造りをしている物件などは、各住戸ごとに水道メーターがついていなかったりします。
もしく付いていても水道局が建物全体の使用量しか検針しないという建物もあります。
こういった物件では、建物全体の使用水量を物件のオーナーへ一括して請求されることになります。
大家側では、その使用量を家賃と一緒に「定額水道料」として徴収して、その支払いに充てることがあります。
もうおわかりですね。
この定額水道料が利回りに含まれている場合、その金額は右から左へあなたの収益となることはありません。
定額水道料の場合、時には「定額水道料で徴収する金額」より「支払う水道料」が多くなる「逆ザヤ」ということだってありますからね。
本来はこの定額水道料については、利回りから除外すべき内容だとも思うのですが、「家賃と一緒に徴収する」という性質から計上されることもあるので、注意が必要です。
また契約によっては「水道料は家賃に含まれる」という契約で、家賃と不可分になっていたりしますので、この場合は家賃で利回りを計算する他ありませんが、実質は「家賃が下がっている」と同義になりますので、実際の水道料などを考慮して計算しましょう。
自治会費・衛生費など

賃貸での自治会費や衛生費などの名目が計上されることがあります。
これは、入居者各自がゴミを出すときに地域のゴミ捨場を利用することが一般的ですが、このゴミ捨場の清掃や管理などを地元の自治会などが行っている場合が多く、その自治会へ自治会費や町費などの名目で物件の大家さんが支払う項目となります。
平たくいえばゴミ捨場の使用料ということです。
これも定額水道料と同様に、右から左へ渡すものとなり、大家さんの収入になることは基本的にはありません。
こちらも定額水道料と同様に別途で項目を定めていることもあれば、「家賃に含む」として別で計上されていないことも多くありますので、自治会費を支払う必要のある物件であれば以下の点をしっかりと調べておきましょう。
- 入居数で計算されるのか?=空室でも世帯数で計算されるのか?実際に入居している月数で計算されるのか?
- 金額は?=一物件でいくらなのか、一人いくらなのか
- 徴収されるのはいつか?=毎月なのか?年一回なのか?
- 前払いか後払いか?=購入時の精算方法はどうなっているのか
空室でも発生する場合は空室だけのダメージだけではなくなりますので、注意が必要です。
利回りはあくまで「表面」中身をしっかりと確認しましょう
いかがでしたでしょうか。
収益用を扱うインターネットサイトでは当然ながらこの「利回り」が当たり前のように表示されることが多いものです。
収益の為に購入する物件であるため、この数字が重要なのは言うまでもありません。
しかし、それが故に「利回りをどうにか高く見せたい」と思う心理は当然働くわけです。
冒頭でも申し上げたとおり、収益用不動産を買った瞬間にプロとしてみなされるのです。
高い利回りを見かけるとテンションが上がるものですが、まずは「この利回りは本当だろうか?」という冷静な視点をもつように心がけていきましょう。
今回挙げた項目が利回りに入っている=悪 ではありません。
しっかりと精査して、あなたの思う本当の「利回り」で判断するようにしましょう。
その為には資料などをしっかりと取り寄せて精査することです。
不明な点があればしっかりと仲介業者へ確認し、必要な資料をもらいましょう。
そういった資料や説明が無い場合はいつでも「勇気ある撤退」をする冷静な心を持っておけばよいと思います。
まだまだ収益用物件に関するルールなどが整備されていない昨今ですが、それがゆえに「お宝」も潜んでいるのです。
今回の記事があなたの知識の一助になれば嬉しいです。
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貸主が宅建や賃管士を取るのはアリかナシか?
オーナーが取るべき資格なのか?役にたつのか? 不動産業は資格の宝庫 さて、今年も不動産関係の試験がラッシュを迎えています。宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、不動産鑑定士などの国家資格から敷金診断士、土地活用プランナー、住宅ローンアドバイザー、リフォーム提案士などの民間資格まで毎年のように新たな資格が出てきていいる印象です。そんな資格の中で、たまにオーナーさんでも宅建(宅地建物取引士)や賃貸不動産経営管理士を持っている方もいます。またオーナーに「宅建とか賃管士とか勉強した方がいいですかね?」と聞かれます。なので、今回はそれについてお話しします。 国家資格は業者を縛るもの では結論からですが、 取らなくていいと思います もちろん興味があって好きならいいのですが、賃貸経営に役立つかといえば正直NOだと思います。 そもそも不動産系の国家資格というのは 不動産業者を縛る為にあるのです これは今までの資格が出来た歴史を見れば明らかです。 宅地建物取引士=高い取引になるのに、業者だけが知識を持っていて消費者が泣き寝入りになることが多かったから管理業務主任者=分譲マンションが増えてきて雑な管理をする業者が増えてきたから賃貸不動産経営管理士=サブリースなど管理受託のルールが無く、管理業者が関係するトラブルが増えてきたから このように世の中で不動産業者が至らなかったりすることで業界自体が規制を掛けてきた結果なのです。 そう、知ったら賃貸経営が上手くいくというような主旨は入ってないのです。 あくまで不動産業者にルールを課して説明責任などを課していったり、適正な管理が行われる為の法律作りとそれを知っている者に取引を任せようという主旨なのです。 特に賃貸不動産経営管理士などは名称からして賃貸不動産の経営に関するいいことがありそうなのですが、先ほどの主旨からして、預かる不動産会社へ規制を掛ける内容ばかりです。一度試験問題などをご覧になっていただければよく分かりますが、勉強する内容はオーナーから物件を預かるにあたっての決まり事ばかりです。もちろん、知らないよりは知っていた方がいいことですが、預ける側が気にすることではないことが多く、退屈かもしれませんね。 意外と役立つのは「民間資格」 ここまでどうせ取るなら国家資格がいいというのは分かるのですが、ご自身のオーナーとしてのスキルを身に着けるのであれば意外と民間資格の方が勉強すると身になるものは多いかもしれません。なぜかというと民間資格というのは、国家資格などと違って中々不動産業界の人は受けてくれません。そういった背景もあり、不動産業界で働いていない人へも役立つ知識を提供することで受験者を募っていたりもします。なので、どうせ勉強するなら民間資格の方が学びは多くなるかもしれませんね。
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