
管理会社が取るべき行動は?
「従業員が無断欠勤して〇日経つのだが、心配だ」
「持病がある父と連絡がつかない、倒れていないか心配だ」
管理会社にはこういった相談があるものです。
こういった案件自体を「安否確認」と呼んでいます。
要は「中で倒れていないか心配だから確認して欲しい」という内容になります。
管理会社では大体このような事案について一定の対応をマニュアル化していることと思いますが、今回はこのマニュアルと実際の現場で行うことをまとめてみようと思います。
ちなみにこの要請に対して協力する義務は管理会社にはありません。
しかし、管理会社として入居者の人命やオーナーから預かっている管理物件の維持として、優先して対応すべきと思います。
この安否確認ですが、当社では原則自社だけでは行いません。
必ず警察官立ち会いのもとで行います、例えご親族と呼ばれる方が直接来ても勝手に開錠することはありません。
そして、安否確認の大体9割は何もありません。無事だった方の理由としてはこんな感じのものが多いものです。
- 会社は無断欠勤ではなく、いわゆるバックレた状態
- 関係性が気まずい親族だったから連絡を無視していた
- 連絡に気付かなかった
- 単に寝坊
こんな時は正直、「なんだかなぁ」とは思いますが、まずは無事であったことにホッとします。
とはいえ、残りの1割についての対応を書いてあるものは少ないものです。
まだ対応したことのない担当者さんや自主管理のオーナーさんに役立つ内容であれば嬉しいです。
特に一般的に言われているような内容はネットの海にたくさん転がっていますから、もっと現場の声で詳細な内容を今回はお届けしようと思います。
前提のQ&A

ここでは良く聞かれる内容をQ&Aでサラッと確認していきましょう、いうまでもなく私の経験談ですから、詳細については専門家に確認してください。
- Q 開錠して安否確認をすることで借主から訴えられる可能性はないのか?
- A 事前に聞き取り確認をしっかりと行い、警察官立ち会いのもとで行えば大丈夫。「管理会社目線で入居者が倒れているかもしれない」と思っても不思議ではない(社会的相当性)状況であれば損害賠償されるような恐れはほぼありません
- Q 立ち会いは管理会社(大家)と親族だけでもよいか?
- A 原則は警察官と立ち会いした方がよい。「親族だから仲が良い」という考えは捨てておく、毒親などから逃げているケースや恋人を装ったストーカー事案の可能性も捨てない。また、無事だった時に入居者から管理会社(大家)の潔白を証明してくれるのも警察官になることもあるので、警察官にお願いした方がよい。警察官も立ち会う人の聞き取り調査を行い、開錠の必要があるか、妥当かをチェックしてくれます。
- Q 面倒くさい
- A 気持ちは分かります。利益には一銭もならないうえに、取られる時間はかなりありますからね。とはいえ、管理会社としての責務であり、ギリギリで助かる命などもありますから協力しましょう。
- Q 義務でないなら入居者や連絡してきた方たちに任せればいいのでは?
- A その方法もダメという訳ではないのですが、鍵を開錠する業者も管理会社の許諾なしでは開錠できないことがほとんどで結局は管理会社やオーナーの確認が出てくる。なにより対応せずに万一の結果になった場合、オーナーへの責任を考えると対応しておいた方が楽かも
第一章 連絡が来た時の対応

まずは最初の連絡が入って警察へ協力を要請するところまでをやっていきましょう。
ここではとにかく詳細に聞くということを心掛けましょう。そうすることで緊急度合いや警察に言うまでもなく解決することが多数あります。
まず確認すべき事項は
- ①入居者と電話してきた方の関係性
- ②連絡取れないのがいつからか
- ③思い当たるフシがあるか
- ④まずは入居者本人に連絡する
- ⑤入居者本人が連絡つかない場合、連帯保証人や緊急連絡先に連絡する
①入居者本人と連絡してきた方の関係性を確認します。
ここで注意したいのは連帯保証人以外からの連絡だった場合です。
というのは安否確認を悪用する人でないか?の確認をしている訳です。
例えばブラック企業を無断で辞めた場合の企業からの連絡、元恋人がストーカー化した場合、毒親や借金の取り立てなど「入居者本人が連絡を取りたくなくて取っていない」場合を想定しています。
こういった「入居者本人が連絡を取りたくない」というケースで安否確認をしてしまうと入居者本人が「なぜ教えたんだ」などという場合もある為、ここは慎重に関係性を確認します。
この部分については後の入居者本人や連帯保証人に連絡することで回避できる可能性もありますし、警察官と立ち会うことでほとんどリスクは回避できますが、事前になるべく入居者本人とどのような関係か?警察官に立ち会いを求める形になるが、連絡者は立ち会うことが出来るか?をしっかり確認しましょう。
少しでも不安が残るのであれば「本人や連帯保証人に一旦こちらから連絡してみます」と言って折り返し連絡をするように伝えましょう。
次に②と③の「いつから」と「思い当たるフシ」についてです。
ここでは「なぜ連絡が取れないだけで不安になっているのか?」ということを確認します。
これは「緊急度」と「警察官に協力を要請する根拠」を探しています。
例えば「昨日からコロナウイルスに掛かったと連絡があり、その後連絡がつかない」とか「今まで無断欠勤などないが2日連続で休んでいる」「持病があり、今日病院に行く予定だが連絡がつかない」などは緊急性が高そうと思えます。
一方で「遊びに来たけど中にいそうだから」や「本人にお金を貸しているが返済や連絡もないから」という場合にはやはり本人へ管理会社からの連絡を優先させるなどが必要だと判断していきます。
また出来るだけ事前に情報を得ておくことで警察官側も対応が変わってきますので、この段階で「なぜ安否確認を選んだのか?」というリスク管理の為にもしっかりと聞いておきましょう。
いずれにしても次は④と⑤の「入居者本人と連帯保証人に連絡」です。
ここまで書いた通り、意外と「入居者本人が連絡を取りたくなくて」というケースは多いものです。
警察に電話する前に登録されている入居者本人に連絡をしてみましょう。
電話してみると案外出てくれたりするものです。
もし繋がれば入居者本人に安否確認が入った旨をお伝えします、そして入居者本人から連絡を入れてもらうように促します。
仮に入居者本人から「その人には伝えないでください」と言われた場合は、連絡者へ「こちらで調査した結果、安否確認の必要はありませんでした」とだけ伝えて終了します。その際に連絡者から「本人と連絡がついたんですか?」と聞かれた場合は「ご本人と連絡が取れましたので管理会社としては以降の対応は出来かねる」旨を伝えて終了します。詳細については答えないでおきましょう。
入居者本人の電話が繋がらない場合は連帯保証人や緊急連絡先に確認をしましょう。
この時に判明することも多くあります。
「ブラック企業を昨日で辞めて実家にいる」とか「今朝病院に運ばれて立ち会っている」などの既に本人の事情を把握していて、無事が判明したりもします。
ここまで連絡をして、入居者本人も連絡がつかない、連帯保証人も分からない、連絡者も疑う点がほとんどない。となった場合はいよいよ警察へ安否確認の要請をします。
大前提として、安否確認は連絡した人と入居者を取り次ぐことが目的ではありません。
入居者の無事や安否が取れた場合は、対応はそこで終了しましょう。それ以外の事情については管理会社は関与する立場にはありません。
日頃から私がよく言う「管理会社は人の管理はできない」です。
警察への要請と準備

いよいよ警察への連絡です。
ここでは物件の所轄の警察署へ連絡します。
そして素早く伝える為に
「不動産会社の株式会社ロータスホームの内田と申します。入居者さんの中で安否確認をお願いしたい方がいます」と伝えましょう。
そうすると担当部署へ繋いでもらえます。
あとは聞かれたことを答えます。その時には手元に賃貸借契約書を準備しておきましょう。
大体聞かれるのは
- 物件の住所号室
- 入居者本人の氏名、生年月日
- 連絡が取れないのはいつ頃からか
- 誰が現場に立ち会うのか
などです。そうすると、大体「〇〇時〇〇分ごろに現地へ向かいます」と連絡がありますので、現地へ向かいましょう。
安否確認で持参、準備していくものをご紹介しましょう。
- 賃貸借契約書と入居者の身分証の写し
- 管理会社の職員であることを証明するもの(従業者証明や名刺でも可)
- 立ち会う人の身分証(免許証など)
- 家賃の振込状況を把握していく(最終入金日や引落しか振替かなど)
- 鍵を預かっているのであればマスターキー※ない場合は鍵屋への連絡
- 白紙の紙
- マスク
現地に行くと、まずは事の経緯を現場に来てくれた警察官へ説明する必要があります。その時に賃貸借契約書などの書類があると話が早いので持っていきます。
また立ち会う側(管理会社)の個人情報を確認されますので、管理会社の職員であることが証明できるもの(従業者証明、名刺)、自宅の住所や生年月日なども聞かれますので準備していきましょう。
私は今まで100件を超える安否確認をしていますので、警察官に会うと名刺を渡し「私の住所氏名、生年月日、携帯からお話していいですか?」と逆に声を掛けます。すると警察官に「慣れてますね」と言われます。どうせ聞かれるので先に済ませてしまいましょう。
家賃の振込状況は重要です。口座振替でない方などは少なくとも家賃の振込日までは元気だったという証明にもなりますので、印刷まではしなくてもいいかもしれませんが、家賃の最終入金日位は確認しておいた方がいいと思います。
そして肝心の鍵ですが、マスターキーの預かりをしているなら持っていきます。もし鍵の預かりが無い場合は鍵屋さんを時間までに呼んでおく必要があります。
この開錠に掛かる費用については当社では安否確認を要請した方に請求することを事前に伝えておきます。(自社で鍵の預かりがある場合は費用はいただいてません、鍵屋さんを手配する場合のみ)ちなみ費用については現地で確定することを伝えましょう。
予め開錠の見積りは不可能ではありませんが、鍵の形状や時にはドアロックを切ってもらうなどの処置もあるので増減することを覚悟してもらっておいた方が良いと思います。この段階では口約束になりますが、そこはやむを得ないでしょう。
そもそも管理会社としての義務ではないことですし、多くは空振りに終わる事案であること、オーナーにも責めはないことを説明します。一部渋る人はいますが、大体は飲んでくれます。人命に関わることですから逆に渋るのもいかがかとは思います。
また開錠を鍵屋さんにお願いする際は「安否確認である」ことを伝えましょう。鍵屋さんによっては「警察立ち会いが必須」とか「管理会社の詳細」「費用負担は誰がするのか」が事前に決まっていないと開錠してくれないこともありますので確認しておきましょう。
最後のマスクは万一の時の為です。まだ対応したことのない方の為に申し上げますが、安否確認の際に亡くなっており、死後数日経過してしまった場合の死臭は凄まじいものです。
遺体を直接見ることはありませんが、死臭は慣れないものになる為、マスクは一応持っていきましょう。
もちろん、慣れていても嗅ぎたい訳ではありませんから備えをしておきます。
活用しないことを願っていますが、持っていきます。
いよいよ開錠し安否確認

現地で警察官へ事情を話し、安否確認の必要があると判断して貰えた場合、警察官が立ち入ります。
ここでは連絡者と合流して警察官に一緒に説明する場合もあれば、管理会社だけで立ち会うケースもあります。
基本的には連絡者には立ち会ってもらう方がいいでしょうが、遠方などの場合は管理会社だけになるケースもあります。
当然、最初はノックやチャイムを押し、出てくるかどうかを確認します。
返答が無い場合、ドアポストを開けて匂いを確認したり、ドアポスト越しに呼びかけます。匂いの確認は・・・・・そういうことです。
ここまでで返答があったり、出てくるケースもたくさんあります。その場合は入居者本人に事情を説明して終了です。
多くの場合、この安否確認で入居者本人から怒られるようなことはほとんどありません。
大体警察官や管理会社で無事を喜んで、入居者本人も「ご心配をおかけしました」で終わります。
いずれも返事が無い場合、いよいよ鍵を警察官に渡します。なぜかこの時に鍵を受け取って鍵を開ける警察官と「鍵の開錠だけはそちらでしてください」という方と分かれます。
いずれにしても、鍵を開けて中を確認したり、中に入るのは警察官になりますし、万一の時もご遺体を直接見ることはありませんから恐がる必要はありません。
ちなみに預かり鍵が無く、鍵屋さんも急に来れない場合はどうすれば良いかといえば「入れそうな窓があれば割る」という方法もあります。
もちろん、この時のガラスの費用も連絡者負担となることは伝えましょう。
1階やベランダ伝いなどで隣の協力があればガラスを割る許可を警察官に出して割ってもらうということも可能だったりしますが、この辺は警察官の判断と指示に従ってください。
鍵を開けてドアを開けることになりました。
ドアを開けた警察官の方は大体「〇〇さーん、〇〇警察署の者ですがいらっしゃいますかー」と声を掛けます。
驚くことに、この段階で部屋から出てくる方もいます、「借金取りだと思った」とか単純に「高齢で耳が遠くて聞こえなかった」もあります。
後は警察官の方に任せます。
ここからは結果ごとに管理会社の対応をご紹介しましょう。
不在だった場合

警察官が戻ってきて入居者が不在であることを伝えられます。
この時に警察官立ち会いのもと、部屋の中を確認出来ることがあります。
その場合は、部屋の中の物には手を触れることなく、室内を警察官とともに確認してもよいと思います。
この時に家賃滞納も一緒にあるのであれば「夜逃げ」の可能性を確認しておきましょう。
家賃滞納がない状態であれば室内への入室はしなくても良いと思います。
そして、不在だった場合は準備していた「白い紙」を使います。無い場合は名刺の裏でも構いません。
コピー用紙などがいいのですが、入居者本人が不在であれば入居者に「安否確認」で立ち入ったことをお知らせするのです。
具体的にはこんな文章でいいと思います。
入居者 〇〇 様
本日、■■様(連絡者)より連絡があり、〇〇様の安否確認がありました。〇〇様に連絡をしたものの、連絡が繋がらなかった為、★★警察署△△さん(警察官の名前)と安否確認の為、入室いたしました。■■様へのご連絡と当社へご連絡をいただけますようお願いします。管理会社 〇〇ホーム管理担当 内田 TEL〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
こんな感じで立ち入ったことと、連絡が欲しい旨を書いておきます。名刺も添えておきましょう。
しっかりと「警察官立ち会いのもと入室した」ことは強調しておきます。
大体、その後連絡があったりします。連絡があれば、無事を確認して連絡者に報告して終了です。
もちろん、夜逃げが濃厚な場合や家賃滞納が関連する場合の対応はまた別となります。
記入した紙を玄関などに置いておけば必ず目に入るでしょう。
倒れていた場合

この場合は警察官から救急車の手配がされることでしょう。
すぐに救急搬送されていきます。
その場合、管理会社がすべきことは入居者の関係者へ連絡するのみです。
連絡者に伝える、連帯保証人や緊急連絡先の方に伝えましょう。
その段階では搬送先などは管理会社といえど分かりませんので、管轄警察署を伝えて、警察経由で伝えてもらうなどになることでしょう。
また、救急搬送されるような事態ですから、退去することもあり得ます。
オーナーにも報告しておいてもいいかもしれません。
いずれにしても、この段階では一命を取り留めることを願いつつ、冷静に関係先へ連絡しましょう。
逆にいえばそれ以外はやることはありません。
入居者さんが運ばれたら、もう一度鍵を掛けて終了です。
その後の経過については病院やご親族などから連絡が来るのを一旦は待つ形となります。
亡くなっていた場合

残念ながら亡くなっていたケースについてもご紹介しましょう。
警察官が室内から戻ってきた時に「亡くなっている」と伝えられます。
ちなみに亡くなっていることがハッキリと分かる場合(腐乱しているなど)以外は一旦救急が呼ばれます。
また、必ずしも救急車ではなく、消防車で来ることもあります。
救急車が到着し、救急隊員が中に入り、死亡していることを確認します。
これは死亡しているのか助かる可能性があるのかを判断する為です。
あくまでも助かる可能性があるのかを救急隊員が判断するのです。その可能性があるのであれば救急車に乗せていくことでしょう。
そして亡くなっていることが確定した場合、なんと救急車と救急隊員はそのまま帰っていきます。
ご遺体はそのままに帰ってしまいますが、そこは慌てないでください。
死亡と判断された場合、警察へ管轄が移ります。
救急車はあくまで「助かりそうな人やまだ生きている方」を乗せるもので、「遺体を回収する」のではありません。
死亡が確認されると警察の鑑識が来ます。

鑑識の車はこんな感じです。
ちなみに死亡が確認されると、ここから現場での調査が開始となり、時間がかなり掛かります。覚悟を決めましょう。
その後鑑識の方たちが訪れ、事件性などがないかなどを確認していきます。

※ご遺体の状態次第では鑑識の方はこのような装備になることもあります。大変なお仕事です。感謝します。
ある程度調査が進み、事件性が無いと判断されるとご遺体を警察が運び出し、鍵を渡されることでしょう。
亡くなっている場合も連絡を優先しましょう。
- 連絡者、緊急連絡先、連帯保証人や親族など分かる範囲へ連絡
- オーナーへ報告
- 家賃保証会社加入なら保証会社へも連絡
全て連絡が出来た場合は、基本的にはその日はそれで終了です。
その後の明け渡しや解約については保証会社や保証人などとのお話になりますので、今回は割愛します。
基本的には警察官の指示に従いますが、あまりに長い場合は「一旦帰ってもよいか?」と確認してもいいでしょう。
ある程度済んで、事件性もなければ即日鍵を渡されることもありますし、捜査をしっかりする場合は鍵を預けることもあります。
ちなみに死臭が付いてしまった服はなるべく早めに洗ってください。本人は少し慣れてきますが、他の人からはすぐ嫌な顔をされるでしょう。
個人的にはやはり人間が一番嫌いなタイプの匂いがします。本能なのでしょうかね。
とはいえ、そんなに近くなければ匂いもついたりしませんし、風下にいなければ付くこともありません。
実際は9割は空振り

いかがでしたでしょうか。
今回は管理業務に特化した内容をお届けしました。
実際には安否確認の9割以上は空振りです。倒れてもいませんし、亡くなってもいないことがほとんどです。
その度に警察官と「空振りでしたね、でも空振りで何よりでした」と話しています。
多忙な管理会社で安否確認は正直ウェイトの重い業務になります。
会社としても収益には関係なく、拘束時間も長いもので大変だとは思います。
しかし、こういった安否確認で助かる命を見てきたこともあると、出来る限り対応したいと思っています。
そして残念ながら間に合わないこともあるでしょうが、誤解を恐れずに言えば、管理会社のせいでもありませんよ。
時折、亡くなったやり場のない気持ちを管理会社にフルでぶつけてくる人もいます。気持ちのやり場がないからともいえますけど、そこは別です。
我々は管理会社ですが、人や命の管理は出来ません。
それでも亡くなってしまったのであれば、少しでも早く見つけてあげたい。という気持ち位で良いと思います。
きっと亡くなった方もあなたに感謝してくれるはずですからね。
私はそう思っています。
いずれにしても、備えあれば憂いなし。
今回もみなさんの助けになってくれたら嬉しいです。
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「エアコンが効かない原因は換気扇!? 意外な落とし穴と対策方法」
記録的な猛暑が続いている日本列島 ひと昔前は「エアコンは体に悪いから極力使わない」という言説も今は懐かしいものです。 この暑さでは、エアコンは一種の生命線です。 当社でもエアコンの故障についてはなるべく早く対応したいと心掛けております。 ですが、最近特に多いのが エアコン自体の故障ではないのに、部屋が冷えない という謎の現象です。 これには、エアコンの仕組みと換気扇が密接にかかわっているケースが多数です。 どういうことでしょう。 換気扇とエアコンの意外な関係 先日私が伺ったお部屋も同様でした。 「エアコンを最低温度にしているが、全然お部屋が冷えない気がする」とのご連絡があり、現地確認の為にお部屋に伺いました。 お部屋に入り、お話を伺うと「最低温度にしてようやくこの温度なんです、故障じゃありませんか?」とのこと 私はエアコンの吹き出し口に手をかざしてみました。すると、冷気が出ています。 しかし、お部屋は最低温度とはかけ離れています。 結論からいえば、エアコンは壊れていませんが、部屋は冷えないという、一見すると矛盾のような状態でした。 まさに、この異常なまでの暑さとエアコンの仕組みが原因だったのです。 そもそもエアコンは、室内の空気を循環させながら冷やす仕組みになっています。 外の空気を直接冷やしているわけではなく、部屋の中の空気を吸い込み、冷やして再び室内に戻す「循環型」の冷却です。 エアコンは外に室外機が置いてあり、その見た目から「外の空気を吸って冷やしてから室内に出す」と思われやすいのですが、実際は室内だけで空気を吸って冷やして出すを繰り返しているのです。 じゃあ、その仕組みと換気扇になんの関係があるのさ? 実は密接に関係があるんです。 換気扇は空気を「外に出す」装置 キッチンやお風呂には大体換気扇がありますね。 換気扇は当たり前ですが、スイッチを入れると室内の空気を強制的に外へ排出します。 そうすると、お部屋の空気は負圧(気圧が下がる)になり、代わりに外の暑い空気が窓の隙間や給気口から流れ込んできます。 換気扇を点けるということは、エアコンが冷やした空気を外に出して、外の空気を中に引き込む行為であるのです。 その為、エアコンは外から来た暑い空気を一生懸命設定温度にする行為を延々と繰り返すのです。 そうすると、エアコンから出る空気は冷たいのに、部屋は一向に涼しくならない…という悪循環に陥ります。 例えるなら「窓を開けたままエアコンを点けている」という状態になってしまうのです。 現在の鹿児島ですと、気温は37度です。 先ほども書いた通り、エアコンは「循環型」のタイプがほとんどで、室内の空気を吸い込みながら少しずつ室内を設定温度にしようとしているのです。 しかし、そんなエアコンの努力を尻目に、換気扇は冷えた空気を外に出し、暑い外気を室内に連れてくるのです。 これでは、業務用などの強力なエアコンでない限り、設定温度への到達は長時間を要することでしょう。 よくあるケースでは お風呂の湿気を取りたいからと、24時間換気扇を「強」で回しっぱなし キッチンのニオイが気になるからと、常時レンジフードを稼働 換気のためにすべての換気口を全開にしている などが見られます。 対策方法 じゃあ換気扇を回すなってことか? そこまで極端なことではありません。 先ほども書いた通り、エアコンは室内の空気を循環させているだけで、室内の換気は基本的には行っていません。 ですから、ある程度の換気は必要です。 ただ、その量や時間を調整すればよいだけなのです。 ポイントとしては以下の通りです。 換気扇は「弱」モードやタイマーを活用 常時「強」で運転しないよう注意しましょう。 入浴・料理後は、30分程度の換気でOK 湿気やニオイの除去は一時的な強運転で十分です。 エアコン使用中は、ドアや窓の隙間もチェック 隙間風があると外気が入り込み、冷却効率が下がります。 エアコンの冷えが悪いと感じたときは、吹き出し口からの冷風を確認してみましょう。 ある程度冷たい風が出ているのであれば、「換気の仕方」を見直してみることをおすすめします。 また、この使い方を意識するだけで、電気代もかなり削減されたりもします。 エアコンに負荷をかけると、それだけ消費電力は上がってしまいます。 特に夏場は、換気扇の使い方ひとつで室温に大きな差が出ることがあるのです。 快適な室内環境を保つためにも、エアコンと換気扇のバランスに気を付けましょう。
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管理スタッフよ!時にはブチギレてみよう ~深夜のどんちゃん騒ぎを解決してみよう~
夜中に大騒ぎする入居者にブチギレた話 騒音問題というのは非常に難しいものです。 これまで何度も取り上げてきましたが、借地借家法という本来「弱者の味方」であった法律の現在が「好き勝手する人すら守る」悪法ではないかと思うことが多々あります。 大昔は悪徳な大家や不動産業者が横暴なことをしてしまうケースが多かったものです。 そういった大家や不動産業者から入居者を守ることを目的に「借地借家法」は制定されました。 主旨としては「よっぽどのことが無い限り、入居者を大家や不動産業者が追い出せないようにする」という素晴らしいものでした。 しかし、時を積み重ねた結果、何が起こったかというと ルールを守らない人すらも追い出せない結果、99%の善良な入居者が迷惑する。という事態を頻発させております。 騒音問題だけでなく、家賃滞納、入居者同士のトラブルなど枚挙に暇がありません。 簡単にいえば「深夜に悪意をもって騒音を出す人」ですら、もし解約して退出してもらうには、かなりの時間や費用、裁判上での手続きなど途方もない労力が掛かってしまいます。 その間に周りの善良な入居者は耐え忍ぶ、もしくは泣き寝入りするしかない現状です。 ここまでが前段です。 とあるお部屋からお願いにも似た苦情がありました。 「深夜の2時~3時にも関わらず、大声で歌ったり、大人数で騒いでおり、困っている」 当初はここまでの熱量を掛けるような問題とは認識していませんでした。 深夜の酒盛りと大人しそうな入居者 その入居者さんは大変参っており、当社へ直接お越しいただくことになりました。 そこで録音していたというデータを持ってきていただきました。 あまりにも騒音が酷く、確認の為、ベランダに出てみると確実に隣であると分かったから録音したとのことでした。 そこには ウウェーイというような奇声 一気飲みを煽るようなコール 大声で歌いだす これは酷い すぐさま当該入居者に連絡をすることにしました。 しかし、不思議な気もしていました。 たしか、そのお部屋に住んでいるのは大人しそうな女性のお一人暮らしだったハズでは?と・・・ 詳細は伏せますが、確か大人しそう、なんなら礼儀正しい内気に見える女性だったと記憶していました。 早速本人に連絡すると電話が繋がりました。 私「最近、騒音のご連絡が来ていますが、お心当たりありますか?」 女性「・・・・いえ、一人で住んでいて、友達も来ていないので・・・・」 私「うーん、でも○月○日に複数のお部屋からお声が寄せられていて、確実に○○さんらしいですが、本当にお心当たりないですか?」 女性「・・・すみません、気をつけるようにします」 このようなやり取りで初日は終えました。 誤解のないように申し上げますが、騒音問題というのは98%位は手紙や電話での注意で解決します。 大体の方は自分が騒音の原因と気づいた場合、その原因の音に注意してくれます。 但し、この98%をくぐり抜けた残り2%に対して、借地借家法が防波堤となり、非常に対応が困難になるのです。 しかし、その為にも初期対応は迅速に丁寧に行う必要があります。 今回もこれで収まってくれれば。と思い、お隣の方に説明して様子を見てもらうこととしました。 しかし、当然この騒音は止まらなかったのです。 お次は連帯保証人さんである親御さんへ協力も依頼しました。 しかし、連帯保証人さんは「うちの子がですか?」「はい、すみません注意しておきます」とのこと。 そう、確かに、この期に及んでもまだ私すらも「あの子が大騒ぎするかな?」と思っており、親御さんもそう思ったことでしょう。 結論からいえば、これでもまだ解決はしませんでした。 そして、お隣の入居者さんから「昨日も酒盛りのような宴会みたいな音がありました、もう限界です」との連絡 また他にも「下の駐輪場にバイクが何台も雑に置かれているので、今もいると思います」とのこと 私は騒音問題というのは、それでも慎重に対応すべきとは思っております。 騒音の範囲というのは人によってかなり違います。 少しの生活音すら許さないというタイプの人もいますが、それで注意されたらお隣の人は普通に過ごすことができません。 管理会社としては、よくよくその状況を見極める必要はあろうかと思います。 今回は状況調査や複数人からの聞き取り、なによりしっかりとした録音の証拠なども揃っておりました。 また生活音ではなく、複数人による酒盛りのような状態です。 再三の注意や諭すような声掛けもなしのつぶて いざ!直接対峙しましょう さあ、いざブチギレてみよう 現地に向かうこととしました。 そして、前もって聞いていたことを整理してみます。 恐らく5~8人程度はいそう バイクが何台も雑多に停めてある 声からして20歳前後であろう ほー、なんだか荒れそうな気もしますね。 念のため、当社の男性スタッフも2人連れていくことにしました。 一人はベンチプレス130kgで身長180超えの猛者です。 そう、その通りです。 私も好戦的な方ではありませんから、保険を掛けまくっているのです。 もちろん、そういった事態にならないことは大前提ですが 現地に着きます ピンポンを鳴らします。 出てきません・・・ 到着時にしていた声も鳴りを潜めています 実はこの時点で少し安心しました。 なるほど、自覚はあるのか。と 騒いでいたら誰かが来たという自覚はあるんだと しかし、私はせっかく来たからには解決せねばなりません。 他の業務で忙しいスタッフたちを2人も連れてきて空振りでしたはダメです。 少し音量と声の低さを効かせて呼びかけます 「○○さん、いるのは分かっているので出てきてもらえませんか?」 ドアが空きました。 そこにいたのは、契約者の○○さん本人でした。 「あーあ、やっぱり本人だったか」と思いました。 私はひそかに名義貸しのような状態ではないかと思っておりました。 そうでなければ、入居時に来てくれた大人しそうな子がそんな騒音を出すハズがない。と思いたかったのかもしれません。 私「○○さん、今日来たのは騒音の件です。昨日の夜もすごかったみたいですが」 ○○さん「・・・すみません、気をつけますので・・・」 やっぱりおかしい。 ○○さん本人は蚊の鳴くようなか細い声で、申し訳なさそうです。 こんなことを自らしでかしそうには到底思えません。 私は玄関から室内の様子を伺おうとしました。 私「○○さん、今部屋に誰かいませんか?」 ○○さん「いえ・・・私一人です・・・・」 その瞬間、私は半開きだったドアを手前にグイッと大きく開きました。 ○○さんがビックリしてのけぞった瞬間に玄関から奥の部屋に続くガラス戸が見えました。 ガラス戸は割れており、そこには 靴を履いたままの足が見えました。 もう遠慮はいりません 「おい!奥にいる人全員出なさい!」 すぐには出てきません 「さっさと出てきなさい」 ここで皆さん思いませんでしたでしょうか。 ブチギレてみようと言った割に言葉遣いはそこまでじゃないじゃないか。実際はブチギレてなんかないんじゃないか?と 実は内田はブログだけは威勢がいいが、実際は陰キャなのではないか? 陰キャなのは事実ですし、ブログだけ威勢がいいのも事実かもしれませんが、実際はしっかりと怒っています。 これはですね どんなに怒り心頭に発したとしても敬語やいわゆるタメ口は使ってはいけないからです。 タメ口や変な二人称などを使うと、それは喧嘩です。 またそういった言葉を使ってしまうと、余計な一言を言ってしまいがちです。 こちらは不動産業者という、ただでさえイメージの良くない業界です。 脅迫や名誉棄損、侮辱罪に抵触しないようにする為にも敬語口調は崩さない方がいいですね。 逆に言葉の音量やトーンなどは、個人の主観によるものが大きいと思います。 要は「文字起こしして、文章として見た時に大丈夫か否か?」で判断することは大事ですね。 私が使った言葉はどれにも当てはまらないのではないでしょうかね。 いつでも訴えられても大丈夫な言葉遣いは必須なのです。 これも管理スタッフのブチギレ作法といえるでしょう。 話を戻しましょう。 すると、観念したのでしょうか、奥から5人ほどの若者(男性)がゾロゾロと出てきました。 私「さっさと出ておいでよ、なんで女の子一人を前に出して隠れるようなことするんだ」 男「いや、別に・・・」 私「あなた方が騒いだ結果、追い出されるのは○○さんで責任も○○さんが取ることになる」 男「いや・・・」 私「ここは溜まり場でもなければ、あなた方の酒盛り場でもない」 私「大体、人様の家に来て大騒ぎするってどんな神経してるんだ」 他にも事実確認や、出てきた男の子たちの素性を確認していきました。 そして最後に「下のバイクはあなた達のか?」と聞くと「そうです」とのこと。 「今から下に行ってさっさと片づけしてきて」 そして引率として当社の社員ベンチプレス130kgに付いていってもらいました。 その間に○○さんにも諭します。 「親御さんも心配しているし、何よりここを溜まり場にしてしまった責任はあります」 「これからはしっかりと生活を立て直してください」 ○○さん「はい・・・すみませんでした・・」 恐らくは一人暮らしを始めたタイミングで、そのようなグループとの接点が出来てしまったのかもしれません。 被害者としての側面があったとしても、彼女もまた加害者です。しっかりと責任を感じて欲しいと思います。 そして、下の片付けを終えた子たちが戻ってきました。 最後に 「これから同じことを繰り返したら、その瞬間に私は何度でも来るので、二度とここで大騒ぎをするな」 「そして、次に私が来ることがあったら、警察に通報するか、それ以外の方法を使ってでも、必ずあなた方が後悔するようなことを私はしますよ」 と諭しました。 最後に騒音問題で苦しんでいた方に報告の電話をしました。 「もうしないと思いますが、また騒ぐようなことがあれば連絡ください」と それから数カ月経ちましたが、それ以降連絡はないようですし、周辺の方からも「最近は静かになっているよ」と聞きました。 一件落着です 時には力技も必要かも、但し細心の注意を いかがでしたでしょうか。 賃貸管理では、時に常識が通じない相手というのもあります。 そんな時には少々粗い対応の方がいい場合もあります。 とはいえ、全員におススメはしません。 私は比較的大柄な男性ですし、今回の相手はまだ年端もいかない若い青年たちでした。 だからこそ、このような結果になっただけという結果論かもしれません。 それでも、このエピソードは管理スタッフのトラブル対応の基本があると思います。 それは どんなに感情が昂ったとしても敬語を崩さないようにする(音量は多少OK) 一人で対応しない(出来れば上司と対応する) 相手を追い詰める時はしっかりと証拠を揃えておく このポイントが言いたいだけです。 実際は感情的にブチギレることは、百害あって一利なしです。 今回私も「ブチギレた」というものの、実際にはそのように見えるように「振舞った」だけです。 相手によっては、管理会社から怒りの表現を見せることが有効な時もあると思っています。 だからといって私のとった対応がベストだとは思っていません。 もっと上手なスタッフなら、こんな方法を取らずに解決できたことでしょう。 まだまだ精進が足りませんね、いつか言葉や論理だけで解決できるようになりたいものです。
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賃貸管理の原理原則|なぜ当社は「オーナーファースト」を貫くのか
誤解を招きやすい言葉だから説明したい この記事を書いているのは2025年参議院選挙の前日です。 今回の選挙では「日本ファースト」という言葉が頻繫に飛び交っていますね。 少し前ですとアメリカ合衆国でも「アメリカファースト」を掲げたトランプ大統領が当選しましたし、東京都議会選挙では「都民ファースト」が旋風を巻き起こしました。 さて、この「○○ファースト」ですが、我々賃貸管理会社にも命題となる問いがあります。 オーナーと入居者、どちらを優先すべきか? 我々、賃貸管理会社で働く人間は常にこの間に立たされます。 このオーナーと入居者は頻繁に相反関係になりやすいものです。 例えば家賃一つとってもそうでしょう、入居者さんは出来る限り安い方がありがたいですし、オーナーさんは高い方がありがたい。 では、その間に立つ管理会社は「○○ファースト」はどこに置くべきなのか? これに対する私の答えは 賃貸管理会社は「オーナーファーストであるべき」 正直、これ以外の答えはないと思っています。 管理会社の使命とは何か?「オーナーファースト」の真の意味 賃貸管理会社の存在意義は、突き詰めると「物件オーナーの資産を守り、育てること」に尽きます。 物件の維持管理、入居者対応、家賃管理、リフォーム提案——その全ての根底にあるのは、「物件オーナーの収益を守る」という視点です。 ここまで読むと「ケッ!金持ちの犬が!」と思われるかもしれませんが、そうではありません。 なぜこれほどまでに「オーナーファースト」が大事なのでしょうか? 理由は非常にシンプルです。 オーナーの収益が守られなければ、賃貸物件そのものが市場から消えてしまうからです。 みなさんはご存じでしょうか? 全国的に公営住宅が次々と減少しているということを? そう、この人口減少社会と公営住宅の維持が負担となっており、各市町村からどんどんと公営住宅は減ってきています。 国としても住まいの確保は民間の力が無ければ維持していけないのです。 そういった状況で仮に賃貸物件を所有する方の収益がなければ、どうなるでしょうか? 入居者様がどれだけその物件を気に入っていても、収益が立たない物件を維持し続けることは不可能です。 物件が消えれば住まいも消え、入居者様の「安心して暮らせる場」もなくなってしまいます。 つまり、賃貸物件はどう取り繕っても、所有者の収益を守ることが大前提となるのです。 入居者を軽視してよいという話ではない ここで誤解されがちなのは、「オーナーファースト=入居者軽視」ではないということです。 むしろ、オーナーを大切にするからこそ、入居者も大切にするべきなのです。 なぜなら、オーナーにとっての一番のリスクは「空室」です。 空室は収益を失うだけでなく、物件価値そのものを下げる要因にもなります。 だからこそ、私たち管理会社は「入居者様に選ばれ続ける物件」であるよう、清掃・修繕・苦情対応に全力を注ぎます。 良い入居者様が長く住んでくれれば、それが一番オーナー様の利益になりますし、同時に入居者様にとっても「安心・快適な暮らし」が実現します。 例えば間違った「オーナーファースト」を掲げて、入居者軽視をした場合、短期的にはオーナーが助かるかもしれませんが、そんな横暴なことをしてしまっては入居者さんはその物件に見切りをつけて、引っ越してしまい、結局はオーナーファーストを守ることは出来ないでしょう。 つまり、本当にオーナーファーストを貫くためには、入居者様を大切にしなければならないのです。 だからこそ、時には入居者軽視に流されそうになるオーナーさんを諌めたり、入居者の住環境維持や満足度向上を絶えずオーナーさんへ提案するのです。 短期的にはオーナーさんも出費になり辛いかもしれませんが、長期的にみた収益を守る為に提言するのです。 その順番をはき違えず、感情に流されずに、正しいバランスで立ち回ることこそが、管理会社としての使命だと私は考えます。 哲学がブレない組織であるために では、なぜそんな誤解を招きそうなことを表明するのか?という問いには 当社のスタッフが迷いなく行動が出来る為です。 冒頭に書いたように、我々賃貸管理会社というのは本当に様々な問題が発生します。 答えが一つでない問題を前にした時の為に、価値判断基準を設けておくことが必要なのです。 「オーナーのために」——この軸さえブレなければ、日々の判断や行動に迷いはなくなります。 そしてその延長線上には、必ず入居者さんの満足、ひいては地域全体の暮らしの質の向上があると信じています。 「原理原則」と「オーナーファースト」は当社において大事な価値判断基準になっています。 今回の選挙もどういった結果になるのかは分かりません。 世の中には多様性や自由を求める声も多く、本来は歓迎されることと思います。 しかし、その多様性や自由は時に判断を難しく、また結果責任が伴います。 当社では私が最終的な責任を取る立場にある以上、この価値判断基準を掲げています。 スタッフが現場で迷いなく判断できるように 物件のオーナーさんと入居者さんが共に満足いただけるように そんな理想を追い求めながら今日も頑張っていこうと思うのです。
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【エリアの見分け方】その地域、ファミリー需要があるのか?「ケーキ屋」で見る街の実力
不動産投資や物件購入を考える際、エリア選びは非常に重要な要素です。 家賃相場や駅からの距離、治安や学校の評判など、さまざまな視点から検討されると思いますが、今回は少しユニークな “エリアの見極め方” をご紹介します。 もちろん、そのエリアを確認する場合には、賃貸ポータルサイトや路線価、その他様々なデータを分析することは当然のことと思います。 しかし、そういった数字のデータ以外にも重視すべき視点の一つとしてご紹介してみようと思います。 これは特にファミリー需要を調査する時に参考にするのです。 それは―― 「その地域にケーキ屋(お菓子屋)があるかどうか」を見る という方法です。 どういうことなんでしょう。 ケーキ屋は“生活水準”のヒントになる そもそも、ケーキ屋さんは、日常生活に必ずしも必要な施設ではありません。 ドラッグストアやスーパーと違い、嗜好品に分類されるお店です。 それでもなお、その地域でケーキ屋が成立しているということは、そこに“少しの余裕”のようなものがあることを示しています。 ケーキ屋に行く時というのは、どういう時でしょうか? 手土産としてお菓子を買う 自分や家族へのちょっとしたご褒美にスイーツを楽しむ 来訪者へのお茶菓子 もちろん、お子さんへの誕生日ケーキなどの習慣も含まれますが、その地域に根差しているケーキ屋(お菓子屋)というのは、基本的には近くの方の上記のような習慣で成り立っていることが多いのです。 逆にいえば、そのようなお店がある場合は 「この地域の人は上記のような習慣を持ち、それなりの所得水準であろう」という推論が成り立つわけです。 そうした「消費のゆとり」がある地域には、一定の所得水準・文化的関心・住民の安定した生活が見られることが多いのです。 もちろん万能であるはずもないが さて、ここまで読んだ方の中には 「私の住んでいる地域にはケーキ屋がないが、安定した地域だ」「ケーキ屋の有無で決めつけるな」というご意見があろうかと思います。 当然ですね、ケーキ屋がなければダメなエリアかという訳ではありません。 単に用途地域の関係でケーキ屋が法律上作れないエリアはかなりありますし、ケーキ屋の有無で全てが分かるほど万能ではありません。 これは、地域の賃貸需要、エリアの調査を数多く行ってきた私の経験則から出た一種の「あるある」です。 私自身、エリアを見る時には「近隣の商業施設」を確認します。 その地域が住みやすいか否かは、地域の商業施設の数や種類にも左右されますからね。 その中で「このエリアは賃貸需要高いな・・」と思うエリアの多くにケーキ屋があることが多かったのです。 また、その理由を考えた時には上記のような理屈があるんだろうな。という帰結です。 なのでケーキ屋は判断材料の一つと捉える程度です。 ケーキ屋チェックの活用法 では、その調査方法ですが、簡単です。 Googleマップで「ケーキ屋」「洋菓子」で検索してみる 個人経営のお店が複数あるかを確認(大手チェーンよりもローカルが◎) 周辺の飲食・小売店舗とのバランスを見る できれば長年やっているお店があれば高評価 もちろん、これだけで全てが判断できるわけではありませんが、複合的な指標のひとつとしては非常に有効です。 街の“余白”を読む 「ケーキ屋がある=豊かで良い街」と断言はできませんが、 “余裕のある消費”が日常に存在する街は、投資先としても住環境としても安定している可能性が高いです。 実は私の持論は他にもあるのですが、文章でお伝えするのが難しい感覚や、一部の人にとっては不快な表現になってしまう可能性もありますので、ご興味がある方は、お会いする機会などがあればお伝えしたいと思います。 路線価や用途地域などのデータや数字以外にも、不動産の目利きにはたくさんの見方があると思っています。 そういった視点をもつことで、他の人には見えない需要を掴むチャンスが増えるかもしれませんからね。
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不動産相続で人生を狂わせる子どもたち ~「欲しい」人ほど失敗し、「要らない」人が育てる~
不動産投資をしている大家さんの多くが、「この物件や資産をいずれは子供に遺したい」と考えています。 その気持ちは非常によく分かります。 自分が長年かけて築いてきた資産を、次の世代に引き継ぎたいというのは、親として自然な想いでしょう。 しかし、私たち不動産業者として現場を見ていると、「資産を遺すこと=幸せを遺すこと」には必ずしもならない現実があります。 今回は、不動産や資産を遺す前に「本当に託してよいのか?また、託すためにはどうするのか?」というテーマを書いてみたいと思います。 遺したい「親」が見ることが出来ない、不動産を遺した未来と現実をご紹介してみましょう。 子供に遺した結果、逆効果となるケース まずは、資産を残されたことが本人の為にならないケースです。 親の資産に依存してしまい、定職に就かず、浪費を繰り返し、結果として物件を次々と売却。 その資金も消費や借金返済に消えていくという、非常に悲しいですが、これは定番事例でもあります。 私たち不動産業者はこのようなケースをたくさん見てきました。 「親御さんが今の姿を見たらどんなに悲しむことだろう」とやるせない気持ちになります。 資産があるという甘えから、自分の人生に対する真剣さが薄れているのでしょう。 将来の見通しが甘くなり、地に足のついた計画を立てる力を失ってしまうのです。 他には、親の遺した資産を元手に、十分な準備や経験がないまま安易に起業や独立をしてしまう人もいます。 一見、志のある行動のように見えても、実際には経営の厳しさや責任を理解しておらず、結果として失敗することが少なくありません。 親の遺したものが、かえって子供の人生を狂わせる。 時に「この人は親御さんからの資産さえ無ければ、真面目で真っ当な人だったのかもしれないな・・・」とやるせない気持ちになることがあります。 せっかくの愛情が、自分のいない世界で、子供の生きる力を奪ってしまう。という悲しい現実です。 成功する相続には教育が欠かせない 一方で、しっかりと時間をかけて資産形成や不動産経営について教育してきた大家さんの子供たちは、むしろ「資産は自分で作りたい」「親の物件は必要ない」と言うことがあります。 まったく親御さんの資産をあてにしていないのです。 それでも、いざ相続するときには冷静に事業を引き継ぎ、むしろ改善・成長させていく力を持っています。 皮肉なことに、資産を「欲しい」と言っていた人よりも、「いらない」と言っていた人の方が、成功する傾向にあるのです。 この矛盾の背景には、“資産を持つ覚悟”と“自立心”の差があります。 不動産経営は、決して楽なことばかりではありません。 入居者対応、資金繰り、税務管理、修繕計画など、実務は多岐にわたります。 しかし、そういった試練や知識なども親御さんから受け継いでいた結果、残された資産を浪費することもなく、実り多い物として受け継いでくれるのです。 また、これは不動産に限ったことではなく、現金や株なども含めて全ての資産に共通することですが「扱えない人には時に毒にすらなる」という視点は大切かもしれませんね。 前段ではネガティブな事例を挙げましたが、大多数はこのパターンです。 そもそも、資産を遺したいという愛情をもって育てる過程で、このように資産を扱う教育というものを重視しているのでしょう。 遺すのは「資産」だけでなく「生きる力」も ドラマや映画などでは「相続」はドロドロしたり、骨肉の争いのように描かれることが多いものです。 しかし、現実には遺された資産により救われていたり、親御さんへ感謝している場面がほとんどです。 ドラマのような事態にならない為には、受け取る側の「生きる力」や「自立心」のような物が必要なのでしょう。 私も子供がいますが、子供たちには「生きる力」を身に付けておいて欲しいと切に願います。 私は今のところ渡せるような「資産」は持ち合わせていないので、揉めることもなさそうですけどね・・・ いずれにしても、あなたが大切に思っているお子さんに最初に遺すべきは、あなたの「人生を生き抜いてきた経験や力を教えること」であることは間違いないようです。





