
そもそも特約とは?
私たちの日常というのは「契約」でありふれております。
例としてはコンビニでガムを買うのですら売買契約ですし、保険や携帯電話など支払うお金についてはほぼ全てでしょうし、皆さんが働いてお給料をもらうのも契約です。
本来、契約というのはお互いに合意できれば自由に設定していいのです(契約自由の原則)
そんな中でも不動産の契約というのは特殊です。
それは「2つとして同じ物がない」ということも大きな要因であります。
その為、いわゆる一般の契約より個別の事情や貸主の意向など含めて「特別の条件を伴った契約」=特約というのが多く交わされます。
通常の契約書に追加で特約が付いてくるというイメージでOKです。
ちなみにザックリと不動産の特約というのは一般的にはこんな特徴があります。
- 元の契約条項と特約条項がぶつかる場合は特約が優先される
- 公序良俗(ざっくりといえば常識や道徳)に反しない限りは特約は自由に設定できる
- 契約を結んだら特約を了承したということ
- 「特約」だけ解約することは出来るが、「特約」だけ残すことはできない
不動産賃貸契約でも特約というのは大なり小なり「ほぼ必ず」入っていることでしょう。
それは例えば「ハウスクリーニング費は借主負担」「ペットを飼う場合の原状回復の範囲」「家賃が遅れた場合の罰則」など私たち不動産業者が見慣れたものから「ある特定の物件だけのマイルール」的な変わった特約まで
これからお部屋を借りたいと思っている方はこの「特約」については「特に注意して見た方がいい条項」だと思っておいて損はないと思います。
そんな「特約」ですが、昨今では法律の規制や慣習でメチャクチャなものは殆ど無くなっていきましたが、ほんの少し前までは「これはナンだ?」という特約がたくさんありました。
今回は私が見たり、聞いたことのある「変わった特約」をご紹介してみようと思います。
今では違法だったり、やり過ぎだ、変わってる!などの思い出ですので、肩肘張らず気楽に見てください。
①転職したら退去

これは東京で賃貸営業として働いている時に出会いました。
この物件は東京23区の中でも地下鉄の駅から徒歩2分の好立地にあるマンションでしたが、まず家賃設定が激安!
近隣相場からすると賃料で10,000円~15,000円位安い物件でした。
何でそんなに安いかと言えば
審査と特約が最強レベルに厳しいから
ちなみにザッとこんな条件でした。
- 本人の勤め先は公務員か上場企業勤務
- 連帯保証人は親以外NGで親の勤め先も本人と同等
- エアコンは故障したら「自腹」だけど退去する時は置いていかないといけない
- 家賃滞納はうっかり忘れてても1か月で退去
- 契約者以外は部屋に上がるのもNG
どうです?厳しいでしょう?
私も一度申し込もうとした際の契約者の勤め先は、世界的な企業であるアメリカの大手ヘルスケア企業「ジョン●ン エンド ジョンソ●」で全く問題ないと思ったのですが、審査はNGでした。「なぜですか?」と詰め寄る私にオーナーの一言
「私はそんな会社知らないから」
OH!ファンキー!
とまあこんな始末なんですが、その中でも異彩を放つ特約というのが
転職したら退去
オーナーの言い分としては「入居審査では職場を信用して貸すのに、勝手に辞めるのは契約違反だ」とのこと
ちなみに「転職する前に相談して再審査はOKですか?」と聞いたところ
「審査はするけど転職する人は信用できないから、9割方ダメ」とのことでした。
そんなクセありオーナーだった為、マンションは常に空室だらけでした。しかしオーナーは意に介さず「分かる人だけ住めばいい」という振り切ったオーナーでした。
まあ、その分破格な家賃設定ですから仕方ないのかもしれません。
ところが困ったことに、この物件はインターネットに募集を出すと反響が多いもんだから対応に苦労する訳です。
ほとんどの方は審査NGか「そもそもそんな条件ならこっちから願い下げだ」ですからね。
この物件を目当てにご来店頂く方は多かったのですが、諸条件を伝えると可哀想な目に遭うだけなので、いつからかネットには掲載しなくなりましたね。
あの物件、今でも同じ条件なんでしょうか?気になります
②家賃滞納したら所持品売られる

泥棒もビックリ!
特約にはこう書いてありました。
・家賃を1か月滞納した場合、貸主が委託する業者に家財処分を依頼し、その費用を賃料弁済に充てることとする
ということは、私が家賃を滞納してしまった場合、プレイステーションなどは勝手に売られても文句は言えないんでしょうね。
なかなかスゴイ特約だと思いませんか?
住居侵入罪から窃盗など触れる法律は一つや二つではありませんよね。
管理会社に問い合わせたところ「今まで実際にやったことはないそうです・・・」との返答ではありましたが、家賃滞納を許さないという強い意思を感じます。
しかし、当然ながらバッチバチに違法であることは間違いなく、仮に本当に実行した場合は訴えられた貸主は負けることでしょう。
③作文を書かないといけない

これは読んで字のごとくですが
1年に1回自分の「夢」に対する想いを作文にすること
という特約でした。
この物件がいわゆる「若者の町」にあるのですが、オーナーも実業家として夢を叶えた人で
「自分も何も無いところから這い上がったので、若者にも成功して欲しい」「夢はついつい忘れてしまうので、1年に1回作文にして思い出してほしい」
という混じりっ気なしの善意で導入されたそうです。
しかし、当の借主たちからは大不評だったそうで適当に書いた作文を提出されたり、そもそも書かない人も多数だったようで、あっけなく終了したそうです。
私も同業者から聞いた程度だったので、実際の契約書を見たわけではありませんが、どんな文言で書いてあったのでしょうか?
借主は1年毎に自己の目標への想いを400字詰原稿3枚以上に記し、貸主へ交付しなければならない
こんな感じだったのでしょうか・・・
④月1で家主の部屋チェックがある

これもそのままですが家主の言い分としては
「キレイに使っているかどうかチェックするのは当たり前のこと」だそうです。
過去に退去したお部屋がかなり汚かったことでショックを受けるとともに、国土交通省のガイドラインに抵触することが多く、思った通りの原状回復費を貰えなかったことから発動したそうです。
「退去してからは借主が強いなら、借りてる間にチェックしよう」という歪んだ発想でした。
そんな特約を入れようとするもんだから、元の管理会社には管理を打ち切られ自主管理に
客付けを依頼する為に各不動産会社を周るものの、この特約でお客さんを紹介してくれる不動産会社は中々現れず、本人も憤っていました。
確かに運悪く、良くない入居者に当たってしまったことは同情するのですが、賃貸経営をやっていると一定数このような人に当たってしまいます。それをケアする為に普段から備えておく必要があるのですが、それはご理解いただけなかったようです。
当然私が勤めていた会社も「あてはまる方がいれば紹介しますねー」と言いながら店長は図面をゴミ箱へ捨てていました。
最終的には地域の顔役的な不動産会社の社長に
「あんたは不動産のオーナーに向いてない」と一括されたそうです。
その後の動向は知りませんが、売却して見切りをつけたのか、はたまた方針を転換したのか、その後見ることはありませんでした。
⑤貸主の庭掃除をすること

タイトルだけ見ると「何様なんじゃい?」というような特約ですが、これには理由がありまして
オーナーは近くに住むお年寄りのおばあさんでした。
息子夫婦も遠方に住んでおり、お母さんが心配だ!
そこで何かいい方法がないか?ということで
「家賃を安くする代わりにお庭掃除兼おばあちゃんの安否確認をして欲しい」というからくりでした。
週に1日、20分程度の簡単な作業だそうで、その代わりに家賃が激安という仕組みでした。
都心に近い場所ということもあり、地方からの真面目な学生さんや夢を持った若者に人気だったそうで、退去する時などは先輩が後輩を紹介したりと和気あいあいとしたものだったそうです。
しばらくしておばあちゃんが施設に入ることになり、この人気の特約は無くなってしまいましたが、タイトルとは裏腹に人情にあふれた特約だったのです。
もちろん、今同じことをしようとしてもトラブルの種になりそうなのでおススメはしませんが、当時の時代が許した奇跡のようなマッチングだったのでしょう。
今では健全になってきたが・・
いかがでしたでしょうか?
このような変わった特約が多く見られたのも、平成の中盤頃まででした。
その後は特約といえど無制限でもなく、法律の普及や裁判などで変わった特約は消えていきました。
有名なものでいえば「滞納したら鍵を変える」などの鍵ロックなども多くの人が「違法でやっちゃダメ」と認識してからは脅しにもなりません。
昨今は大体の特約は違法性もなくなり、健全なものがほとんどになりました。
しかし、契約というのは一旦結んでしまえば「有効」になりますから、みなさんはご自身の契約ではしっかりと契約書の内容と特約を確認してくださいね。
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同じ日本でこんなに違う?不動産売買の「関東vs関西」ルールと、気になる鹿児島はどっち?
不動産の世界には、法律や教科書には載っていない「地域の掟」のようなものが存在します。 同じ日本国内、しかも同じ「不動産売買」という行為なのに、境界線を一歩またぐだけで、それまでの常識が通用しなくなる。 これを知らずに県外の物件に手を出したり、あるいは県外の買い手と交渉を進めたりすると、決済当日になって「そんな費用、聞いてない!」と顔を真っ赤にして揉めることになります。 土壇場になって大きな金額でトラブルになるのは、売主も買主も同様でしょう。 であれば、最初からトラブルの芽を摘んでおくのが一番の合理的な解決策です。 今日は、特に関西と関東で大きく分かれる「3つの商慣習」について、簡単にご説明しようと思います。 ちなみに私は不動産業を始めたのが、東京だったので、賃貸では「礼金あり」「契約更新料1カ月」に慣れ親しんでいました。 鹿児島に帰ってきてからは基本的に「礼金なし」「契約更新は〇万円」に違和感がありましたね。 「関東方式」と「関西方式」の簡単な説明と、では鹿児島ではどうなの?というところをご紹介したいと思います。 「敷金・保証金」 まず、収益物件を扱う上で避けて通れないのが「敷金・保証金」の扱いです。 賃貸マンションなどを1棟丸ごと売買する場合、売主は入居者から「敷金」を預かっていますよね。 この敷金、退去時には入居者に返さなければならない「債務」です。 所有権が移れば、この返還義務も新しいオーナー(買主)に引き継がれます。 これについては、最高裁判決でも示されている通り、全国共通のルールです。 物件に住んでいる人たちからすれば、知らない間に所有者が変わったからといって、自分たちが預けた敷金が勝手に無くなったというのは、たしかに無理筋な気がしますから、ここは当然だと思います。 問題は、その「現金」をどう動かすか、です。 この問題について、「関東」と「関西」はハッキリ違います。 関東方式では、売買代金から敷金の総額を差し引いて決済します。 例えば、1億円の物件で敷金が2,000万円預けられているなら、買主は売主に8,000万円だけ払えばいい。 手元に2,000万円のキャッシュが残るから、急な退去があっても安心です。 ところが、関西方式は違います。 「敷金の持ち回り」といって、敷金分の現金は一切渡されません。 1億円の物件なら、1億円を丸々支払います。 「えっ、じゃあ入居者が退去する時の敷金返還は?」というと、買主が自分のポケットマネーから出すんです。 関東の人からすれば「二重払いじゃないか!」と叫びたくなるような話ですが、関西では「その返還リスクも含めて、最初から安く値付けしているんでしょ?」という理屈なんです。 どちらも「買主が敷金返還債務を引き継ぐ」のは一緒なのですが、関東方式の「売買代金から後で引く」のか関西方式の「もうすでに売買代金から引いている」という認識の違いなのです。 この感覚のズレですが、契約直前に発覚すると、まず間違いなくトラブルになります。 そして当の本人たちは、この違いを知らない限り、自分たちの今までの「常識」があるため、中々途中からは受け入れにくいものでしょうね。 「固定資産税の精算日」 次に、固定資産税・都市計画税の精算日です。 これが実は、実務上もっとも「え、そんなに違うの?」と揉めやすいポイントです。固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に1年分が課税されます。年度の途中で売買する場合、引渡しの日を境にして、それ以降の分を買主が売主に支払って精算するのが通例です。 問題は、その1年を「いつからいつまで」と捉えるか、です。 関東方式は、1月1日を起算日とします。つまり、1月1日から12月31日までを「1年」と考えます。対して関西方式は、4月1日を起算日とします。役所から納税通知書が届く「年度」のサイクルに合わせ、4月1日から翌年3月31日までを「1年」と考えるわけです。 これがどう影響するか、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。例えば、年間の固定資産税が36万5,000円(1日あたり1,000円)の物件を、「3月1日」に決済するとします。 関東方式(1/1起算)の場合売主の負担:1月1日〜2月28日(59日間)= 5万9,000円買主の負担:3月1日〜12月31日(306日間)= 30万6,000円 関西方式(4/1起算)の場合この場合、精算対象は「前年度の残り(3月分)」になります。売主の負担:前年4月1日〜2月末日(334日間)買主の負担:3月1日〜3月31日(31日間)= 3万1,000円 結構違いますね。見ての通り、3月1日に決済をするなら、買主としては「関西方式」の方が、その場で売主に支払う精算金が圧倒的に少なくて済みます。 逆に、売主からすれば「関東方式」で精算したほうが、手元に残るお金が増えるわけです。 たった3ヶ月の起算日の違いで、この例なら27万円以上の差が出ます。 これが1棟マンションなどの大きな取引になれば、差額はさらに膨らみます。 さらに、関西方式(4月1日起算)を選んだ場合に、実務上で最も神経を使うケースがあります。 それが「1月1日から3月31日の間に決済を行う」というシチュエーションです。 ここには、非常に厄介な問題が潜んでいます。 固定資産税というのは、その年の1月1日時点の所有者に課税されます。 たとえ3月1日に名義を変えたとしても、春先に役所から納税通知書が届くのは「元売主」のところなんです。 もし、関西方式で2月1日に決済をしたとしましょう。 この時、精算するのは「前年4月1日から、今年の3月31日まで」の残り期間分だけです。 これでお互いスッキリ……とはいきません。 問題は、4月1日から始まる「新しい年度」の税金です。 この分は、当然ながら新オーナー(買主)が負担すべきもの。 しかし、4月以降に届く納付書の宛名は「元売主」のままです。 ここで何も手を打たずに決済を終わらせてしまうとどうなるか。 数ヶ月後、新しい年度の税額が確定したタイミングで、元売主が「通知書が届いたから、あなたの負担分を払ってください」と買主に連絡し、そこからまたお金のやり取りをしなければなりません。 一度終わったはずの取引で、また相手と連絡を取り合う。 これは、お互いにとって非常にストレスですし、連絡が取れなくなれば即トラブルに発展します。 一番避けたい「終わらない仕事」の典型です。 だからこそ、「次年度の精算」も同時に行っておくのがおススメです。 「新しい年度の税額はまだ確定していませんが、去年の金額をベースにして、次年度分も今ここで精算してしまいましょう」 つまり、新しい年度の1年分(またはその相当額)を、決済時にあらかじめ「予納」のような形で精算してしまうのです。 税額が多少前後したとしても、後から追いかける手間やリスクを考えれば、その場で「お互いこれ以上はなし」と決めてしまう方が、よほど合理的でスッキリします。 教科書には「税額が確定してから再精算する」と書いてあるかもしれません。 でも、そんな正論は現場では通用しません。 後からお金の話をするのは、誰だって嫌なものです。 「あの時、キッチリ終わらせておいてよかった」 そう思ってもらえるように、今のうちに次年度の分まで計算機を叩く。 そういった背景もあってか、精算の方法として分かりやすいのは1/1を起算日とした「関東方式」かもしれませんね。 司法書士への「売渡費用(報酬)」 最後にお話しするのが、登記の専門家である「司法書士」に支払う費用の負担についてです。 不動産の売買が決まると、法務局にある「登記簿」の内容を書き換える必要があります。 この手続きは、通常以下の4つのステップで進みます。 1.売主の「住所変更登記」 (今の住所と、登記簿上の住所が違う場合に行います) 2.売主の「抵当権抹消登記」 (売主がローンを完済した証として、銀行の権利を消します) 3.売主から買主への「所有権移転登記」 (これが売買のメイン。名義を正式に切り替えます) 4.買主の「抵当権設定登記」 (買主がローンを組む場合、銀行の権利を新しく付けます) この4つのうち、誰がどの費用を出すのか。 ここでも、関東と関西で明確な「作法」の違いがあるんです。 関東方式は、非常にシンプルです。 「自分のためにやる手続きは、自分で払う」という考え方です。 1と2(売主の準備)は売主が払い、3と4(買主の権利)は買主が払います。 つまり、売主の住所が変わっておらず、ローンもなければ、売主が司法書士に支払う報酬は「ゼロ」になることも珍しくありません。 ところが、関西方式はここでも独特の商慣習が顔を出します。 なんと、メインイベントである「3.所有権移転」の費用を、さらに細かく二つに分けるんです。 一つは、名義を移すための「登録免許税(税金)」や、実務的な手続き費用。 これは買主が負担します。 そしてもう一つが、「売渡(うりわたし)費用」と呼ばれるものです。 これは、司法書士が売主の本人確認をしたり、権利証を確認したり、登記に必要な書類を作成したりするための「売主側の手間賃」のようなものです。金額にしておよそ3万円から5万円程度。 関西では、この「売渡費用」を売主が負担するのが一般的です。 関東の感覚でいる売主さんに、「関西の物件だから、売渡費用として数万円払ってください」と伝えると、十中八九「なぜ名義を変えるのは買主なのに、私がそんなものを払うんだ?」と不審に思われます。 逆に、関西の感覚でいる買主さんが関東方式の物件を買うと、「売主が売渡費用を払わないなんて、不親切な業者だ」と感じてしまうかもしれません。 また、関西方式の特徴としては、司法書士が売主側と買主側で別々になることが多いのです。 双方ともに自分のことだけを行う司法書士に依頼する訳ですね。 関東方式では、一人の司法書士にお願いすることが多くなるのです。 じゃあ鹿児島はどっちなのさ? ここまで関東方式と関西方式の不動産売買の慣習について説明してみました。 他にも各地域では、独特の習慣や方式があるようです。 さて、私たちが活動している鹿児島はどうなっているかというと、現在は基本的に「関東方式」が主流です。 敷金は差し引きますし、固定資産税は1月1日起算、司法書士さんもお一人にお願いするのが一般的です。 ただ、ここで大切なのは「どちらの方式が正しいか、優れているか」ではありません。 不動産というのは、その土地に根ざした、動かすことのできない資産です。 だからこそ「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、その土地の作法を尊重することが、一番のトラブル防止になります。 大事な取引だからこそ、思い込みで進めるのではなく、一つひとつ丁寧に「今回のルール」を確認してほしい。と思っています。 その小さな確認の積み重ねが、大きなトラブルを未然に防ぎ、皆さんを守ることに繋がるからです。 せっかくの不動産との出会いが、最後まで良い思い出になりますように。 皆さんが安心して取引を終えられることを、心から願っています。 ちなみに、賃貸でも全国各地で習慣が変わっていたりします。 またどこかで「賃貸編」も書いてみましょうかね。 ではまた
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前の住人の郵便物が届く!勝手に捨てると犯罪?郵便局公認の「正しい止め方」を解説
さて、お引越しを無事に終えて、新生活のスタートを切ったみなさん、お疲れ様です。 荷解きも一段落して、ようやく自分らしい暮らしが始まった頃、あなたにやってくる「面倒ごと」があります。 ふとポストを開けて少しだけモヤッとする瞬間です。 自分の名前に混じって届いている、見ず知らずの誰か宛ての手紙。 そう、前に住んでいた方宛ての郵便物です。 「せっかくの新生活なのに」 「これ、いつまで届くんだろう」 そんな風に戸惑ってしまうお気持ち、よく分かります。 今回は、この「前の住人宛てに届く郵便物」への対象方法をご紹介したいと思います。 気持ちよく新生活をスタートさせる為に、早めに終わらせておくことをおススメします。 勝手に捨てたり、開けたりは なぜこんなことが起こるのでしょうか? お引越しのバタバタでうっかり「転居届」を出し忘れていたり、手続きはしたけれど郵便局側の処理に少しだけタイムラグがあったり。 いずれにしても、郵便局側からすると「とにかく住所と名前が合っているから届ける」という状態です。 でも、受け取る側としてはやっぱり困りますよね。 「放っておけばそのうち止まるかな」と思っても、次から次へと届くダイレクトメールや重要そうな封筒。 つい「もう捨てちゃってもいいかな」という気持ちが芽生えることもあるかもしれませんが、ダメです、犯罪です 実は、自分宛てではない郵便物を勝手に捨てたり、中身を見たりすることは、法律で禁止されています。 「信書開封罪」「信書隠匿罪」という難しい名前のルールがあるのですが、要するに「他人の信書を勝手に開けたり、処分してはいけない」ということですね。 またこんな法律もあるのです。 郵便法第42条(誤配達郵便物の処理)郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ、又はその旨を会社に通知しなければならない。 「間違えたり、手続きしてない方が悪いのに、なんで自分が!」 そう思うのも無理はありません。 引っ越したばかりの皆さんには何の非もないのは事実ですから、お気持ちは分かります。 ですが、万が一その手紙がとても重要な通知だった場合、後から前の住人さんとトラブルに発展してしまう可能性があります。 せっかくの新生活が、そんないらぬトラブルに巻き込まれるのも嫌でしょう。 では、どうしたらいいのでしょうか。 メモを張ってポストにポイ 一番確実で、それでいて驚くほど簡単な解決法をお伝えします。 それは、郵便局の公式ルールにそのまま乗っかることです。 用意するのは、小さな付箋かメモ用紙、そしてセロハンテープor輪ゴムだけ。 投函された郵便物にメモや付箋で「転居済み(受取人不在)」と一言だけ書いて、郵便物の表面に貼ってください。 もし何通かあるのであれば、輪ゴムでまとめて、一番上にだけメモやふせんを張ります。 あとはそれを、お散歩やお買い物のついでに、近所のポストにポイっと投函するだけです。 もちろん、切手を貼る必要も、郵便局の窓口まで行く必要もありません。 これだけで、郵便局側で「あ、この人はもうここには住んでいないんだな」と正しく認識され、次からは届かなくなります。 え?そんなことしていいの?と思われるかもしれません。 ですが、この方法は郵便局が公式で出している方法なので、むしろ正しい対処法なんです。 意外と簡単ですよね。 注意点としては、この方法はあくまで郵便局が取り扱う「郵便物」には有効なのですが、メール便などの運送会社が独自で行っているサービスには適用外になってしまいます。 自分のために 「他人のミスなのに、なんで私がそんな手間を」 そう感じることもあるでしょう。 ですが、これは前の住人さんのためというより、あなたのポストを「自分のものだけ」にするための、最後のお掃除のようなものだと考えてみてください。 一回の手間で、明日からのポストチェックがずっと気持ちの良いものに変わります。 モヤモヤをポストに残したままにせず、スッキリとさせてしまいましょう。 新生活が誰にも邪魔されない、あなただけの素敵な時間になることを心から願っています。
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お引越しの挨拶 いる?いらない?【2026年最新版】
隣近所への引越し挨拶はいるのか? さて、ご入居前に聞かれるこの質問 引っ越し時の近隣への挨拶はした方がいいのか?それともいらないのか? 管理会社として見解を出す時が来ました。昔は引っ越してきたら両隣と上下階は挨拶にいくものだ!なにかあった時の為に挨拶にはいった方が良いというのが定説でした。 賃貸の管理会社としてお話しする機会も多くなってきたことですし、管理会社としての見解を皆さんも聞きたいことでしょう。 結論からいきますと 「引っ越し挨拶はしなくてもOKです、ただしお子さんがいる場合はしてもいいかも」 管理会社としての見解はこのようにしています。 わざわざ手土産を買い走る必要も、緊張しながらインターホンを押す必要もありません。 「なんで?した方がいいんじゃないの?」という意見も分かります。もちろん、「するな」という訳ではありません。やはりご挨拶をしておきたいという方はしていただいて大丈夫です。挨拶をするメリットもあります・ご迷惑をお掛けした時に挨拶に行っておいた方が許してもらいやすい・自分に何かあった時の為に助けてもらえるかもしれない確かに、そういった側面はあるかもしれませんね。しかし、このご時世でご挨拶の弊害や不要論もあります。そして、どちらが多数になったかというと「引越し挨拶は、どちらも望んでいない」がほとんどなんです。 今はプライベートな時間を何より大切にする時代です。休日の昼下がりに動画を観てくつろいでいる時や、仕事から疲れて帰ってきて「やっと一人の時間だ」と思っている時そこに突然、見知らぬ人が訪ねてくる。それだけで、少し身構えてしまうのが今の普通です。 「あ、挨拶に来てくれたんだ、丁寧だな」と手放しで喜んでくれる人ばかりではありません。 むしろ「せっかくの時間を邪魔された」と感じる人や、居留守を使いたくなる人だって大勢います。特に女性の一人暮らしなら、なおさら慎重になるべきです。 わざわざ「私はここに一人で住み始めました」と、自分の情報を自分からさらけ出すメリットは一つもありません。 防犯の意味でも、自分の存在をあえて知らせず、静かに暮らし始めるのが一番の安全策だったりします。 それに、対面の挨拶は相手の「その時の機嫌」に左右されるという、なんとも不安定なギャンブルでもあります。 あなたがどれだけ誠実に挨拶をしたとしても、相手がたまたま嫌なことがあってイライラしていたら、それだけで「なんだか面倒な人が来たな」と悪い印象を持たれてしまう。 ちなみに、人間は初対面の印象が9割だとする恐ろしいデータなどもあります。 これから日常生活を長い時間おくる自宅で、第一印象ギャンブルなどはしたくありませんね。 一生懸命に気を使った結果がこれでは、あまりにも報われません。 挨拶しておいた方がいいケースも では、ご挨拶は完全にしない方がよいか?と言われたら1つだけ例外があります。 「小さいお子さんがいて周りへの迷惑が気になる」という方はご挨拶をしておいた方がよいでしょう。 この場合は大体ファミリー向け物件になるため、お互いの感覚も近く、コントロールしづらいお子さんの騒音に対して事前にご説明したほうが良い結果になることが多いと思います。 お子さんの音が聞こえてきたとしても挨拶があったことで「挨拶も来てくれたし、まあいいか」と思ってもらいやすい側面はあると思います。しかし、その場合でもおススメしているのは 「会わずにご挨拶」 これです。 それではご挨拶をする場合のおススメの方法ついてお話していきます。 お引越しの挨拶「するならコレ」 1.ご挨拶の方法基本的にはお引越し当日、もしくは翌日までに両隣と上下階へ物とお手紙を添えてポスト、もしくはドアノブに掛けるなどで会わずにご挨拶現在はコロナウイルスも一定落ち着いてきた様子で、ひと頃よりは来訪者に対する嫌悪感は無いことでしょう。 要は挨拶に来てくれたことが分かれば大丈夫です。 お手紙と粗品があれば「わざわざ来てくれたのだな」と思ってもらえるため、それで十分でしょう。 その後に出かける時などに顔を合わせたタイミングにでも「こんにちは」と挨拶すれば印象は良いはずです。 2.贈り物洗剤やタオルなど食品以外の物で金額は200円~700円程度の物特に多いのは・タオル(紙のし付き)・台所用洗剤 ・サランラップ ・フリーザーバッグなど生活必需品が多く、ネットで「引っ越し挨拶 粗品」とでも検索して出てくるもので十分です。ポストやドアノブでの受け渡しとなるため食品関係は避けた方が無難です。食品は好みやアレルギーなどもありますからね。 金額も高い方がいいという訳でもありません。 ポイントは「誰もが簡単に使うであろう物」です。オシャレな物やこだわりの逸品などではなく「使えば消えてなくなる物」が贈られた側も気を使いませんからね。 ここに金額の多寡は関係ありません。3.お手紙の文面カード程度の大きさで結構です。例文「○○号室に越して参りました。 ご挨拶をお手紙にて失礼いたします。 こちらには小さな子供が2人おり、何かとご迷惑をお掛けすることもあろうかと思います。 注意してご迷惑にならないよう努力いたします。 また、心ばかりではございますが、ご挨拶の品を入れておりますので、お使いいただければ幸いです。 これからお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。」伝えるポイントは ・子供がいること ・こちらとしてもなるべく迷惑にならないよう注意していくこと これがあれば十分だと思います。 名前も記載するのであれば苗字程度でよいでしょう。フルネームだとSNSなどで特定されることも懸念があります。 余程珍しい苗字でなければ苗字程度はいいのではないでしょうか。 但し、苗字も明かしたくない場合は例文の通りでいいと思います。一人暮らしで挨拶をしたいという場合でも、このようにお手紙と粗品でご挨拶すれば良いと思います。あとは、集合住宅ですからお隣や上下階の方へ配慮しながら生活していけば、それが何よりの気遣いになるのです。 いかがでしたでしょうか。よく聞かれるお引越しの時のご挨拶。皆さんも他の方がしているか?不動産屋としてはどのように考えているか?気になるポイントでしょうから、賃貸管理会社の立場と見解として書いてみました。 参考になれば嬉しいです。
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引越し当日に「Amazon・楽天・メルカリ」の住所変更を最優先すべきこれだけの理由
新生活のスタート、おめでとうございます。 引越し当日というのは、一種のトランス状態です。 山積みになった段ボール、慣れない鍵の操作、挨拶回り。 やるべきことが多すぎて、脳のメモリーがパンパンになりますよね。 そんな中で、私が「お祝いムードをぶち壊してでも」皆さんに伝えたいことがあります。 それは、役所の手続きよりも、ライフラインの手続きよりも、ある意味で「今の時代、最も取り返しがつかないミス」についてです。 Amazonや楽天、メルカリといった「ネット通販の住所変更」です。 「そんなの、後でやればいいでしょ」 「届かなかったら配送業者が連絡くれるよ」 もし今、あなたがそう思っているなら、その甘い考えは今すぐ霧島連山の彼方へ投げ捨ててください。 管理会社の代表として、そして一人の通販ユーザーとして、あえて厳しい現実をお話しします。 「善意」では解決できない、誤配送の現実 引越し当日に新居で使うために、新しい家具や日用品をネットでポチる。 これは今の時代のスタンダードです。 でも、その発送先、本当に「今の家」になっていますか? 一番怖いのは、アプリに登録されている「デフォルトの配送先」が前の住所のままになっているケースです。 注文確定ボタンを押した瞬間、あなたの荷物は、あなたがもう住んでいない「過去の場所」へと旅立ちます。 ここで皆さんはこう思うはずです。 「管理会社に言えば、前の部屋を開けて取ってきてくれるよね?」 結論から言います。 無理です。 というか、できません。 なぜなら、あなたが退去した瞬間に、その部屋はもう「あなたの場所」ではないからです。 もし次の入居者が決まっていれば、それは他人の住居への不法侵入になります。 空室だったとしても、私たち管理会社が勝手に部屋を開けて荷物を回収し、それを転送する法的根拠はありません。 「ちょっとくらい融通利かせてよ」 そのお気持ちは痛いほど分かります。 でも、プロとして言わせてもらえば、その「ちょっとした融通」が、後で大きなトラブル……例えば紛失や破損の責任問題に発展したとき、誰もあなたを救えなくなるんです。 あとは、残念ながらどんなに一生懸命対応しても、荷物の回収率は決して高くないですよ・・・・ 最も恐ろしい「デジタルライフライン」の遮断 次に皆さんが頼るのは配送業者さんでしょう。 「住所を間違えたから、こっちに転送して!」 これも、最近は非常に厳しくなっています。 昨今の物流業界の負担増もあり、転送には追加料金がかかるのは当たり前。 さらに、代引きや特定の配送サービスでは転送自体が不可能なケースも増えています。 荷物が前の住人の手に渡ってしまったら? もしその方が「あ、前の人のだ」と親切に保管してくれればいいですが、中にはそのまま放置されたり、最悪の場合、勝手に開封されたりすることだってあり得ます。 「人としておかしいでしょ!」 そう叫びたくなる気持ちも分かりますが、きっかけを作ったのは、設定一つを怠った自分自身。 最近は皆さんクレジットカードによる事前決済の普及や「置き配」の普及により、ビックリする位簡単に配送されてしまいます。 昔の代引きや手渡しであれば、多少は誤配送は避けられるのですが、現在は多少の大きさの荷物であれば大抵不在でも届いてしまいます。 また、もう一つの懸念も あなたが住所変更を忘れて、何度も配送センターに「宛先不明」として荷物が戻ってしまった場合、通販サイト側ではこう思われる可能性があります。 「架空の住所に配送させるイタズラだ」 その結果行われるのが アカウントの停止です 最近のアカウントはSMS認証などで電話番号と紐づいているため、アカウントの停止はメールアドレス程度の変更では復旧出来ない可能性があるのです。 このご時世、通販アカウントを奪われるのは、ライフラインを一つ潰されるのと同義です。。 なんて恐いんでしょう。 面倒だけど住所変更は一気に 引越し当日にやるべき「ネット住所変更」の優先順位を整理しましょう。 「注文する前」にアプリを開く 引越しが決まったら、まずスマホに入っている全ての通販アプリの住所設定を「新住所」に更新してください。注文時ではなく、「今」です。 「注文履歴」を血眼でチェックする 注文した後に「あ!」と思ったら、発送準備に入る前にキャンセルするか、即座に配送先に連絡すること。数時間の遅れが命取りになります。 郵便局の「転送届」を過信しない 郵便局の転送サービスは強力ですが、Amazonなどの独自配送網には一切無効です。ここを勘違いしている方が意外と多い。 「引越しの挨拶」や「役所の手続き」は、忘れても誰かが教えてくれます。 でも、ネット通販の住所設定ミスを指摘してくれる人は誰もいません。 荷物が届かない。 問い合わせても「前の住所に配達完了しています」と言われる。 せっかくの新生活、その最初の一歩が「荷物の捜索」から始まるなんて、悲しすぎませんか。 たかが住所変更 されど住所変更。 このボタン一つを押すかどうかが、あなたの新生活の「トラブルを終わらせる」ための第一歩なんです。 新居での生活が、余計なイライラに邪魔されることなく、穏やかで楽しいものになることを心から願っています。 みなさんの新生活、応援しています!
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「捨てなさい」は禁句!空き家相談専門士が教える、実家の荷物が自然と片付く「魔法の言葉」
「内田さん、実家が物だらけで……。『捨てて!』と言うと、すぐに親と喧嘩になってしまうんです」 先日、事務所でそんなご相談を受けました。 当社は日本空き家サポートの空き家管理を行っている関係と、「空き家相談専門士」として、日々多くの空き家管理やご相談に対応しています。 その中でよく挙がるのが、冒頭の「実家の荷物多すぎ問題」です。 現在、日本全体で問題化している「空き家問題」ですが、その一つにこの「荷物多すぎ問題」があるのです。 相続したり、管理を任されるようになったが、荷物が多すぎて管理が出来ない。 片付けるにしても、働きながら少しずつやっていたのでは、いくら時間があっても足りない。 かと言って処分業者にお願いすると数十万~百万円単位を請求されそう。 しかし、いざ自分の親に片付けを切り出すとなると、法律や税金の話よりもずっと高いハードルが立ちはだかります。 それは「親のプライド」と「思い出への執着」です。 今日は、数々の現場を見てきた専門家として、そして一人の息子としての経験から、親御さんと揉めずに実家をスッキリさせる「内田流のコツ」をお伝えします。 なぜ、親は「捨てられない」のか? そもそも、なぜ実家には物が多いのでしょうか? 「捨てる体力がないから?」「もったいない精神が強い世代だから?」確かに、そういった側面もあるでしょうが、一番ではないと思います。 一番は親世代にとっては物こそ「生きた証(あかし)」 だからなのだと思います。 私たち世代にとっての「不用品」でも、 そこにあるのは単なる「物」への執着ではなく、家族と過ごした「時間」への愛着なんですよね。 それを頭ごなしに「汚いから捨ててよ!」と正論(ロジック)で攻めても、人の心は動きません。 むしろ「私の人生を否定された」と心を閉ざしてしまいます。 正しさだけでは人は動いてくれないのです。 着なくなった衣類や、読まない本、五月人形や北海道土産の熊の置物、私たちにとっては不要な物、それら全てが長く生きてきた親世代の人生の「縮図」なんですね。 このポイントを理解しておかないと、荷物を減らす=私の人生の否定か!となってしまうので、前に進みません。 とはいえ、そのままでは、冒頭に挙げたように自分たちに不用品の山がやってきます。 魔法の言葉変換 では、どうすれば頑固な親心が動くのでしょうか。 まずは言葉を変えてみましょう。 「捨てる」という言葉は、今日から禁止です。代わりに使うのは「減らす」。 「捨てる」は喪失ですが、「減らす」は調整です。 この言葉の変換だけで、親御さんの心理的なガードはずいぶん下がります。 え?そんなことで?と思われるかもしれません。 実は、荷物が多いというのは実は親御さん自体も分かってはいるのです。 長く使っていない物があることも、いつかは処分しなければならないのも分かっているんです。 ただ、きっかけがない。 きっかけという名でやってきたのは、息子娘の「捨ててよ!」という姥捨て山扱いでは、反発するのも理解できませんか? そして、その理由付けも大事です。 親御さん自身が「確かに、それなら減らした方がいいな!」と前向きに思ってもらう必要があります。 ここからは、おススメの方法をご教示します。 ① 「安全のために」と伝える 「片付けて」ではなく、「床に物があると、転んだ時に危ないから、少し道を広げよう」「地震で荷物が崩れたら」「火事の時に逃げ遅れるとまずいから」と伝えます。 これなら、親御さんも「私の体を心配してくれているんだ」と、優しさとして受け取ってくれます。 ② 「まず自分の荷物」から片付ける 実家に、学生時代の教科書やCDを置きっぱなしにしていませんか? 親御さんは、みなさんの痕跡を簡単に捨てられません。 それに甘えて実家にGLAYのベストアルバムやミニ四駆、学生時代弾いていたギター、部活のユニフォームなどを置いていませんか? 「人のことはいいから、まずあんたの物をどうにかしなさい!」と言われないよう、まずは自分の荷物を処分する姿を見せる。 「母さん、僕もこれだけ減らしたから、部屋がスッキリしたよ」と背中で語るのが一番の近道です。 ③ 「大切なものが、ゴミ扱いされないために」と話す これが意外と重要な視点です。 もし将来、業者に片付けを依頼することになった場合、彼らは「思い出の品」と「不用品」の区別がつきません。 すべてまとめて処分されてしまう可能性があります。 「お母さんが大切にしている着物やアルバムが、間違って捨てられたら悲しいよね。だから元気なうちに、本当に大事なものだけは分けておこう」 そう伝えると、親御さんは「自分の大切な物を守るため」に動き出してくれます。 そうコツは、簡単な言葉の「言い換え」だけだったりするんですよ。 思い出は大事 実家の片付けは、泥臭くて根気のいる作業です。 埃にはまみれるし、時には意見がぶつかることもあるでしょう。 でも、そのプロセスこそが、親子のこれからの関係を作る大切な時間なのだと思います。 「完璧」を目指す必要はありません。 住む人と家族が笑顔でいられる「最善」のバランスを目指して、少しずつ進めていきましょう。 もし、「自分たちだけでは手が付けられない」「何から手を付けていいか分からない」とお悩みでしたら、私、内田にお声がけください。 地域に根差した不動産屋として、皆様の想いに寄り添った解決策を一緒に考えさせていただきます。 正直、手に負えない時は下手に片付けるより、プロに任せるというのも手ではあります。 まとめとしては 人間というのは、正論による「説教」は大嫌いです。 みなさんだって、そうでしょう。 「私は褒められて伸びるタイプなんです!」という人はたくさん見てきましたが、「自分はガシガシ怒られて伸びたいんです!」という人はほとんど見かけません。 人間は自分のしてきたことを否定されてまで動ける人って中々いないですよ。 ましてや、親御さんにとっては、いい歳になったあなた方も、実家の写真の中では生まれてすぐの可愛い息子や娘の面影があるのですからね。 そんな子供たちも、今では実家を離れて暮らしている。 一緒に暮らすことは出来ない代わりに、いつでもみなさんを感じる物を残しておく。 そんな気持ち位は尊重してあげましょうね。 親御さんも、みなさんに迷惑を掛けたい訳でもないと思うんです。 きっと分かってくれますよ





