警察から入居者のことを尋ねられたら?~捜査関係事項照会書と個人情報のバランス編~

まずは落ち着いて対応しましょう!

警察からの電話

犯罪?入居者が容疑者?そうとは限りません

「もしもし、○○署の○○課の○○ですが、○○マンション○○号室の方について教えて欲しいのですが」

嫌な電話です。

それなりの管理戸数があると、一定の確率で警察からこのような電話が掛かってくることがあります。

その場合に入居者の個人情報を開示して良いかどうか。これが争点となります。

昨今、個人情報保護法などもあり、その取扱いに慎重にならなければなりません。この場合、どのように対応すればよいかをご説明したいと思います。



捜査の中で必要だから電話している

まずこの電話は「現在捜査中の事件や事故について、入居者が関係している可能性がある」ということです。

しかし、この段階では該当する方が容疑者かどうかは実は分かりません。

警察の方に「この方が何かしたんですか?」と訪ねても「捜査中なので」と言って教えて貰えません。当然ですよね。一般人に捜査中の内容をペラペラしゃべるはずもありませんから。

ただ、この段階では容疑者ではなく、単に容疑者の知り合いなどの可能性もあるのです。他には、本人は全く無実だが、親族が容疑者の場合などもあり、一概には言えません。

その為、慌てて該当している方を容疑者扱いしたり、危険人物と思う必要はこの段階ではありません。

ではどうやって対応すればいいのでしょうか?

自分を守る為に「捜査関係事項照会書」をもらおう

犯罪や事故を解決する為に協力しましょう

入居者の個人情報を他の機関や個人に開示することは基本的にはありませんし、してはいけません。

例えば親族だという理由だけで「そこに住んでいるか」などの質問には答えられません。大体、親族であれば本人に聞けばいい訳ですから。勝手に開示してしまい、入居者がトラブルに巻き込まれてしまうことを避けねばなりません。

とはいえ、警察の捜査には協力せねばなりません。犯罪や事故の捜査を行っていることは間違いありませんから。

しかし、個人情報を開示したことで入居者から訴えられえたり、個人情報開示の責任追及を受けることも避けねばなりません。

また、今電話してきている人が警察かどうかの確認もせねばなりません。警察になりすまして個人情報を取ろうとする個人や団体も非常に多くいますからね。

よく「末尾の電話番号が0110だったら警察だよ」と断言する方もいますが、一般電話でも末尾0110はあります。
何ならその思い込みを元に0110末尾の番号で詐欺などを働く輩もいるそうです。嘆かわしい

ではどうすればいいのか?

自分自身(管理会社)を守るためにも警察から個人情報の提供要請があった場合は「捜査関係事項照会書」を警察に貰ってください。

大体、電話が掛かってきた段階で「照会書(ショウカイショ)をいただけませんか?」と話せば大丈夫です。

警察も「じゃあ伺った時にお渡ししますね」とか「先にFAXで送っておきましょうか?」と言ってもらえます。

警察としても開示した先が個人情報保護で問い詰められないように「証拠として欲しいんだな」というのは理解していますから。

ちなみに、気になる個人情報保護法ですが、ガイドラインでは開示する要件の一つがこのようになっています。

法令に基づく場合(法第16条第3項第1号関係)

法令に基づく場合は、法第16条第1項又は第2項の適用を受けず、あらかじめ本人の同意を得ることなく、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことができる。
事例1)警察の捜査関係事項照会に対応する場合(刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第197条第2項)

個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

このように個人情報保護法の運用ガイドラインでも捜査関係事項照会には応じてもよいことになっています。
※一部弁護士さんの見解では、それでもプライバシー保護はするべきとの意見もありますが、実務では拒否することは特段ありません。

しかし、それでも当社が追加しているのは、プライバシー保護の観点で

「照会書に記載のない事項や入居者の生活ぶりなどは開示しないようにする」

この1点だけですね、照会書に記載されている事項はもちろん協力いたします。

しかし、それ以上の例えば帰宅時間や生活態度、クレーム履歴などはこちらからは提供しないようにしています。

これはせめてもの入居者のプライバシー保護と思っている点です。要は「聞かれた範囲以上のことで、管理会社として話さなくてもいいことは喋らない」

そして、聞かれたことに嘘はついてはいけませんが、聞かれたこと以上のことを話す必要もない。位の心構えで良いと思います。

捜査関係事項照会書はこんな書類

捜査関係事項照会書の様式です。各県警によって多少変わるような気がします。

こんな書類で出してもらえますので、原本は保管しておきましょう。

これがあれば、後は警察の求めに応じて関係書類を閲覧してもらいましょう。たまにコピーをいただけませんか?と言ってこられますが、当社ではご協力しています。

ちなみに捜査関係事項照会書は強制ではありません、あくまで任意の協力という点も大事です。拒否したことで罰則などもありません。

しかし、だからといって無闇に拒否するのも得策ではありません。本当に大事な情報で警察が必要とするもので拒否した場合、警察は捜索差押令状なるもので強制的に行うことも出来ます。無闇に拒否して会社やオーナーの自宅に警察に令状を持って来させるのも不毛な行動ともいえます。

入居者の為になるのだから

基本的には協力しましょう

対応としては以上になります。

ちなみに「任意だから協力する義務はない」との意見も分かります。

しかし、該当する方が仮に容疑者だったなら。他の入居者の為にも罪を償っていただいた方がいいですよね。

また、無実だとしても警察の捜査で必要なら協力すべきでしょう。なぜなら警察が動いている以上、「誰かが被害に遭っているのでしょうから」
そして、無実なら早めに疑いも晴れた方がいいでしょうしね。

いずれにしても、他の入居者にも当の本人の為にも管理会社としては出来る限り協力していいと思います。

ちなみに事件の解決後に警察の方がお菓子を持ってきていただくことがあります。

聞いたところ、事件解決にご協力いただいたお礼ですと渡すこともあるそうです。絶対ではないですが、その際はありがたくいただいております。

ちなみに受け取ったことでの証言の強制、罰則や贈収賄的なこともありませんよ、あくまで協力のお礼だそうです。



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