
まずはこちらをどうぞ
管理会社としての立場
私はいつも書いている通り、管理を任せてもらっているオーナーの味方です。
こんなことを書くと「入居者を食い物にする悪徳不動産」と思われますが違います。
いつも通り申し上げることですが、「だからこそ入居者を大切にする」という姿勢です。
賃貸物件を持っているオーナーの収益を守るのが仕事です。だからこそ、家賃を支払っていただく入居者を大切にしなければいけません。
理屈として当たり前のことですよね?おかしなことを言っていないことはご理解いただけたと思います。
という前提の元、最近の原状回復について警鐘を一つ鳴らしたいのです。
原状回復0円になる未来がいいと思っている
私は管理会社としても、不動産業界の為にも入居者に落ち度が無ければ、原状回復費が0円になる未来がいいと思っています。
本来そうあるべきなのです。入居者からいただく家賃で壁紙の張替えやハウスクリーニングを行う。入居者からはもらわない。
それでいいと思っています。
当社では退去時の原状回復に関しては「ほぼ」国土交通省のガイドライン通りです。
冒頭のTwitterの表などは気まずいものでもありません。当社の契約書に添付しても良い位です。
冷蔵庫などの電化製品による壁紙の黒ずみ通称「電気ヤケ」、家具による床材の凹み、経年劣化による壁紙の変色、壁に刺した押しピンの跡、窓ガラスの熱割れ、入居者が生活していたら当然に劣化する設備。これは入居者に請求すべきものではありません。
他方、ご請求しているのは落書きや壁に何かを当ててしまい穴を開けたなどの「故意・過失」という物やタバコなどの嗜好品によるヤニ汚れ、知っていながら放置してしまい被害が拡大した「善管注意義務違反」になるものはご請求しています。
これは簡単にいえば「落ち度があった、もしくは注意していれば防げたこと」ですね。これは仕方ないですね。
このことを当社のオーナーさん達は理解をしてくださっています。ありがたい。
だからこそ、当社では原状回復についてのトラブルはほとんどありません。訴訟沙汰なども一度も経験がありません。
しかし、先ほど「ほぼ」ガイドライン通りというからには例外もあります。正直に申し上げます。
現在のところ、当社では退去時のハウスクリーニング(エアコン含む)、和室の畳の表替えは特約として例外的に定めてあります。
※畳は表替えを自分でする、現状のままで大丈夫という場合はもちろん請求しません。
もちろん、これは違法ではありません。今のところ鹿児島県内では退去時のハウスクリーニング費用は後精算が一般的であります。
一部では先にハウスクリーニング費用を貰っておくという業者さんもありますね。
そして、ガイドラインを巡る裁判の判例でもざっくりと言えば「不当に高額でない」「しっかりと契約書で明示して合意しておく必要」「その他の項目については自然損耗はオーナー負担である」という要件があればハウスクリーニングやエアコンクリーニングを負担していただくのは賃借人にとって一方的に不利であるとは言えないとなっております。
もちろん当社の賃貸借契約書にもしっかりと明記されています。見落としが無いようにその部分だけ赤文字で記入しています。国土交通省のガイドラインを抜粋したものを契約書にも挟んでおります。そして大体のハウスクリーニング費用の目安も記載するようにしています。契約時にもしっかりと説明しますしね。
ですから当社では原状回復についての揉め事というのがほとんどありません。
でも原状回復費0円が実現しないのはなぜ?
ハッキリと言えば
未だに原状回復費でボッタくる業者やオーナーがいるから
これですね。
なぜこれが原因なのかというと
退去費用で高額請求する→だから家賃は低くてもいい→家賃を低く設定する→そうすると周りの相場も下がる→真っ当な収益でやっているオーナーの物件が選ばれない→真っ当なオーナーも家賃を下げるしかない→低い家賃では原状回復をオーナー負担で賄いきれない→入居者に負担してもらわざるを得ない→先頭に戻る
こんな負のスパイラルになってしまうんですね。
本来は家賃の中でオーナーが原状回復したり、グレードアップをやりくりするという考えがいいのは当然です。
問題が無ければ退去時に0円で退去出来る。
この未来がいいのは当たり前ですし、管理会社の私もそう思います。
しかし、それは「原状回復費が0円でもオーナーが収益として十分やっていける家賃額なら」という前提があって初めて成り立つのです。
原状回復費をボッタくるデメリット
他の管理会社の評判などでも「退去時に高額な請求をされた」というような評判がある会社もあります。
きっと当初に説明もなく、退去の時になってビックリする金額がきたのでしょう。
そして、そういった評判が広まることはその物件のオーナーにとって不利益になることでしょう。
このご時世「○○マンションに住んだら退去費用高額になるから止めた方がいいよ」などの口コミは無視できないものです。
当社ではありがたいことに、解約する入居者が次の入居者を連れてきて「部屋の引継ぎ」をしたいという申し出が結構な割合であります。
これは「自分はお部屋を退去するが、後輩がここに次住みたいと言ってる」という風に紹介付の解約予告が来ます。
正直、これは嬉しいですよね。管理会社としても嬉しいです。「知っている人に引き継いでもいいと思える管理が出来たのかな」と思います。
そして退去費用でボッタくっていたらこんな紹介はもらえません。そして、それによって空室期間が短縮できるオーナーも嬉しい。最高のスパイラルですね。
短期で見るとボッタくる方が儲かるかもしれませんが、それが元で裁判になったり、悪評が広まることの方がよっぽどマイナスになることは間違いありません。
原状回復費0円を共に目指そう、しかし家賃は多少上がるよ
では原状回復費0円の未来はどうすればいいのか?
原状回復のガイドラインをもっと厳しくしてボッタくることが出来ないような法整備
とセットで
原状回復費0円でオーナーがやっていける家賃は払うという意識
これです!
民間の賃貸住宅は必要です。仮に公営住宅だけにするとなったら税金も爆上がりでしょうから。
そしてオーナーが原状回復費0円でも運営できる程度の利益は必要不可欠です。そうでなければ賃貸住宅など無くなってしまいます。
賃貸住宅が全然儲からない、マイナスになるのであれば賃貸住宅など持つ人はいないでしょう。当たり前ですが
そして賃貸住宅が減れば家賃は上がります。希少な物になってしまいますから。
そうではなく、統一したルールの中でオーナー、入居者双方がバランスの取れた適正な「おたがいさま」の実現が不可欠なのです。
入居者の側も適正な家賃を払うことで全員が原状回復費0円になる程度の家賃は負担してあげましょう。
そしてオーナーも貰う家賃の中で上手く運営し、グレードアップなどを行えばいいのです。
そうすると今より多少家賃の相場は上がるかもしれませんが、不当にボッタくられることのない未来であればあくまで「適正」の範囲内で限定的だとも思います。
当初のTwitterで思うこと
当初のTwitterの投稿についての感想は「良かったですね」と本気で思っています。
しかし、反面「理解のあるオーナーだけ損してしまうのは嫌だな」という気持ちがあるのです。このTwitterのオーナーさんがどちらかは分かりませんがね、ひょっとしたら不当にボッタくるタイプかもしれませんし、そんな気持ちはなく、やむを得ない位安価に提供していた場合だったら少し同情します。
誰だって安い方がいいのは当然です。しかし「正直者ばかり損させられる社会」は嫌なのです。
それはもちろん入居者もオーナーもです。
だからこそ、ルールがもっと厳格になってボッタくることが出来ない業界になり、更にオーナーにも正当な利益が出る範囲での家賃競争という入居者に取っても利益となる業界になってほしいのです。
原状回復費という揉めやすい、まだフワフワとしたルールが残る問題をしっかりと解決できればと思います。
ですから今回は「オーナー側の立場も知ってほしい」という正直な気持ちで書きました。
その上でも当社は基本的にガイドライン通りやっていますし、退去時に揉めることはない会社であり続けたいと思います。
その為にも当社は事前にしっかりと退去時にご請求させていただく項目は事前説明し、契約書にもハッキリと書きます。
そしてボッタくる業者やオーナーは壊滅すればいいのに・・と思っています。
でもきっといつか原状回復費0円の世の中になるでしょうし、そうなって欲しいものです。
その上で入居者もオーナーも双方に思いやりのある人だけが得する社会になればいいですね。






