
先日、ご紹介経由で弊社の管理物件になることが決まったとある商業ビル。
実は元々の管理会社である業者さんが高齢により引退されるとのことでした。元々の管理会社は社長が一人でやっている昔ながらの地域の不動産会社です。以前はたくさんの社員さんを抱えて新築や土地の売買含めたくさんの事業をされていましたが、お歳とともに少しずつ事業を縮小しながらやっていたそうですが、この度管理業も辞めるという決断になったそうです。
その後釜として、ありがたいことに御指名をいただきました。
引継ぎに行くとご高齢ながら見事な管理でした。
現在の物件が抱える問題点とアプローチの仕方など、本当に丁寧で物件が良くなるように提案を作り上げてきていたんだなと実感させられました。
宅建業者としても更新回数が10回を超え(更新は5年ごと)ていますので、宅建業者として50年を超えています。
「最近は借主の権利も強くなってきたし、守らないといけない法律も増えてきて、あなた達若い人たちは大変だね」とおっしゃっていましたが、書式が手書きなどの部分を除けば本当に貸主と借主の間に入った良好な管理業者です。
そんな超ベテラン社長との雑談の中で「長くやってきたけど、上手くいくオーナーは共通点があるよね。失敗も共通点はあるけど」
という興味深い話しが出ましたので、聞いてみました。確かに、上手くいくオーナーや失敗するオーナーに共通点はありますが、業界歴50年以上の大先輩が見てきた共通点とは何なのでしょうか?
資産を増やし続けるオーナーと上手くいかないオーナーの違いを話されていたので、今回はそのお話しをします。
成功するオーナーは業者を大切にする
先に断っておきますが、今回の話で言いたいことは「業者の言う事を疑うな、業者の言う通りにしろ」では断じてありません。むしろ逆です。
その不動産業者の社長さんをA社長としましょう。
A社長いわく「成功するオーナーは業者を大切にする」とのことでした。
ここでいう業者とは、修繕や清掃などを請け負ってくれる業者です。不動産業者ではありません。
「色んなオーナー見てきたけど、業者を軽んじる人たちは上手くいかない人がほとんどだった、業者を大切にできる人は上手くいく」
「目先の安さや言葉に捉われて、結局損するんだよね、残念だよ」
「どこにコストが掛かっているのかを考えておかないと、結局は損する」
「払っていいコストと悪いコストの区別を付けておかないと」
これは何を表しているのでしょうか?
A社長の経験談

以前、管理を任されていたオーナーの話しをしてくれました。
そのオーナーは事あるごとに「自分のお抱え業者がいるから大丈夫」「見積りだけ取ってくれ、実際の仕事はこちらでやるから」が口癖だったそうです。
ある時、そのオーナーの物件で小さな修繕が必要な事態になりました。
A社長は地元で営んでいるA社長が懇意にしている業者に見積りをお願いし、オーナーに提出しました。その時の金額は1万円程度の修繕で、相場より少し安く、良心的な金額だと私も思いました。
そして、それを伝えたところオーナーからは「あと2社に見積りをさせて比較してくれ、自分の業者にも見に行かせるから、どうせ見積りは無料でしょ」とのことでした。
オーナー側の業者というのは物件から30km以上離れた場所にある会社でした。
結局はその業者も来たものの、「こんなに離れている所に何度か来ることを考えたら、その金額ではできない」との結論だったそうです。
しかしオーナーはその後も「別の業者との相見積の結果でもっと安くしてくれ、大した工事じゃないはず」と言い続け、ついには現地でもそのような言動をしてしまい、当初の良心的な見積りを出してくれて業者さんの怒りも買ってしまいました。
良心的な工事と値段で請けてくれる業者でしたが、その後そのオーナーの物件ではその業者さんは使えなくなりました。
また、そのような業者さんを軽んじるような発言ばかりをしてしまった結果、そのオーナーはA社長いわく
「口や対応だけ上手く、金だけもっていく業者」が入り込み、工事はずさん、入居者からの評判も悪い、空室が決まりもしない物件になっていったそうです。
この話の教訓とは?

「見積りは迷惑だってこと?」「業者の言う事を聞けってこと?」
違います。
このA社長の話しの中で大事なのは
自分が望むものとコストのバランスを把握しておくこと
です。
先ほどのオーナーの話しでは、オーナー側の意向は理解できます。
相見積を取って適正な金額かを確かめたい、少しでもコストを掛けないように。これは当然ですし、理解できます。
無駄なコストは払ってはいけませんよね、しっかりと工事内容を把握したい。これも当然です。
しかし、それによって余計に掛かるコストや時間、人の気持ちを理解、許容できなかったことが失敗だったのです。
例えば、大手の工務店やリフォーム会社というのは見積りの書式からプレゼン資料など、とても分かりやすくなっていたりします。カラフルな図面やパースなど発注する側からすると大変助かります。専用の営業担当者が付き、レスポンスなども早くなるでしょう。しかし、その反面コストは高くなります。
一方、個人事業主や小規模な事業者だとどうでしょう。見積りは職人さん自らが行くことも珍しくありません、すぐすぐに対応してはもらえないかもしれません。プレゼン資料などを作成する暇はなく、現場で手を動かしていることでしょう。しかし、その反面コストは安くなります。
結局、オーナーがどの部分を許容していくかの決断となる訳です。
そして、それに正解はありません。コスト、スピード、分かりやすさなど、どの部分を許容していくかということです。
全てを取ろうとした結果、先ほどのオーナーはバランスを崩して失敗してしまったのでしょう。
線引きをしましょう
では、どうしたら良いのかといえば
自分でどこまでするのか?を線引きしましょう。
例えば、どんなに小さな工事でも勉強して、現地に立ち会って学ぶというのも一つかもしれませんが、時間の制約や手間など果てしない時間が必要になります。
そうではなく、人にどこまでを任せるか?そして任せるなら誰に任せるか?を探すことがいいと思います。
その為に専門業者がいるのですから、しっかりと信用できる業者探しをした方が成長スピードも上がります。
それが管理会社であることもあれば、ご自身で見つけた業者さんかもしれません。
信用できる人探しこそ一番難しいのですが・・・






