(9ページ目)賃貸リフォームで省いていいこと3選 ~最良は最善ではない~

「せっかく空室になったんだから、次なる入居者さんの為に思い切ってリフォームだ!」 そう意気込んでプランを練っている大家さん、ちょっとだけ立ち止まってみませんか?

実は私自身、過去に「オシャレを狙いすぎて大失敗」した経験があります。

デザイナーズ物件を意識しすぎて、かなり奇抜な内装の部屋を作ってしまったんです。結果はどうだったかというと……。

「……誰も住んでくれない。」

内見には来るけれど、決まらない。

そんな状態で空室が長期化してしまいました。 その時痛感したのは、「最高(最良)を目指すことが、必ずしも入居者にとっての一番(最善)ではない」ということです。

今回は、コストを抑えつつ「決まる部屋」にするために、あえてリフォームで「省いていいこと」を3つに絞ってお伝えします。

多機能すぎる設備

最新のシステムキッチンや、ボタンが山ほどついた高機能な給湯器、美容や衛生面にも強い新機能

きっと便利な設備は入居者さんも欲しい設備に違いない!

残念ながら、賃貸物件においてはオーバースペックかもしれません。

まず大前提として、そういった高機能なものは本来「使いたい」人が導入するものです。

しかし、賃貸物件に住む方というのは、そういった高機能な物を最初から想定すらしていません。

内見に来た時にやっと、営業マンから説明を受けて「あぁ、そうなんだラッキーなのかな・・・・」と思われる程度がほとんどです。

また多機能な設備は、それだけ故障のリスクが高まります。

ボタンの数やレバーの多さなど複雑なものは故障頻度が高まります。

修理費用も高額になりがちで、結果的に大家さんの首を絞めることになりかねません。

ご自身がお住まいになる持ち家などの場合は、暮らしの質を高めることになりますが、そもそもそういった機能を知らないし、望んでいない人にとっては無用の長物になってしまいます。

もう一つリスクとしては、ハウスクリーニングでの清掃不足などに繋がることもあります。

レバーや細かい部分が多く、十分に清掃ができない。清掃スタッフがどんな機能かが分からず、清掃していいのか戸惑う。

結果、ハウスクリーニング不足となり、かえって問題を引き起こしたり、清掃が行き届いていない印象を与える。

設備の極意は

シンプルイズベスト

誰でも使い方が分かり、しっかりと清掃されている清潔感こそが最善です。

個性が強すぎる壁紙・床

「部屋のアクセントに」と、ついつい派手な色や柄の壁紙を選びたくなりますよね。

でも、これは要注意です。

壁紙の主張が強すぎると、入居者様が持ち込む家具とケンカしてしまいます。

人間、自分の持ち物や好みに囲まれて暮らしたいもの。

部屋側に強い個性がありすぎると、自分の暮らしをイメージできなくなってしまうんです。

見ていてオシャレなお部屋と、住みたい部屋は必ずしも一致しません。

「他にはないオシャレなお部屋を」という意気込みは大切ですが

ここで一旦考えていただきたいのが

なぜ他ではないのか?他は失敗したからないのではないか?

そう、基本的にはオリジナルの壁紙というのは無い訳で、多くはメーカーが出しています。

その中で見たことが無いということは「他の人は採用しなかった」という証です。

もし、どうしても個性的な柄を使いたいなら、以下の2点がコツです。

・脱衣所やトイレなど、面積が狭い箇所で使う。

・主張の強いデザインは「1面のみ」にする。

これです。

個性的なガラなどの場合は、脱衣所やトイレなど狭い箇所だと、そんなに違和感が出なかったりします。

狭い場所はそもそも面積がないので、割とどんなガラを使っても受け入れやすいのです。

一方リビングなどの広い箇所に使うと、視覚的にうるさすぎて敬遠されてしまいがちです。

もう一つのコツである1面のみも同様です。

床材にヘリンボーンなどの個性的なものを選んだ場合には、壁紙は1種類で統一するなど、バランスを取って欲しいものです。

そうすることで、個性的なデザインが引き立ち、調和を取ってくれます。

主役はお部屋ではなく、お住まいになる「入居者さん」ですからね。

オシャレすぎる照明(デザイン照明)

カフェにあるようなペンダントライトや、複雑な形のシャンデリア。

内見時のインパクトは抜群ですが、住む側の視点に立つと評価が変わります。

ザイン性の高い照明は、意外と掃除が大変です。

また、特殊な電球を使っていると、切れた時の交換も一苦労。

毎日の暮らしの中で「照明の電球を替えるのが面倒」というのは、小さなストレスとして蓄積されます。

そして以外と気づかないデザイン照明の欠点は

暗い(暗く見える)

オシャレな照明は基本、明るさを第一としていません。いくつもの電球を違う方向へ向けていたりするので、明るさが拡散されてムーディな雰囲気を出したりします。

その為、賃貸で採用すると暗い印象を与えてしまい、内見時に足を引っ張ってしまうことも・・・

基本的には明るい印象を持ってもらうことが王道であり、最善だと思います。

個人的には通常のシーリングライトがおススメですね。

シンプルイズベスト

リフォームの打ち合わせをしていると、つい「あれもこれも」と付け足したくなります。

しかし、お金をかけすぎてコストを上げることは、巡り巡って家賃の上昇や、修繕費の負担増という形で、自分にも入居者様にも跳ね返ってきます。

「それ、本当に住む人の毎日を助けるもの?」

この視点を持つだけで、無駄なこだわりをバッサリ捨てられるようになります。

「最良(スペック)」を追うのではなく、等身大の暮らしに馴染む「最善(バランス)」を。

シンプルで清潔、そして使いやすい。

そんな部屋作りが、結局は大家さんにとっても、入居者さんにとっても、一番いい結果を生むのだと私は信じています。

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