
「せっかく空室になったんだから、次なる入居者さんの為に思い切ってリフォームだ!」 そう意気込んでプランを練っている大家さん、ちょっとだけ立ち止まってみませんか?
実は私自身、過去に「オシャレを狙いすぎて大失敗」した経験があります。
デザイナーズ物件を意識しすぎて、かなり奇抜な内装の部屋を作ってしまったんです。結果はどうだったかというと……。
「……誰も住んでくれない。」
内見には来るけれど、決まらない。
そんな状態で空室が長期化してしまいました。 その時痛感したのは、「最高(最良)を目指すことが、必ずしも入居者にとっての一番(最善)ではない」ということです。
今回は、コストを抑えつつ「決まる部屋」にするために、あえてリフォームで「省いていいこと」を3つに絞ってお伝えします。
多機能すぎる設備

最新のシステムキッチンや、ボタンが山ほどついた高機能な給湯器、美容や衛生面にも強い新機能
きっと便利な設備は入居者さんも欲しい設備に違いない!
残念ながら、賃貸物件においてはオーバースペックかもしれません。
まず大前提として、そういった高機能なものは本来「使いたい」人が導入するものです。
しかし、賃貸物件に住む方というのは、そういった高機能な物を最初から想定すらしていません。
内見に来た時にやっと、営業マンから説明を受けて「あぁ、そうなんだラッキーなのかな・・・・」と思われる程度がほとんどです。
また多機能な設備は、それだけ故障のリスクが高まります。
ボタンの数やレバーの多さなど複雑なものは故障頻度が高まります。
修理費用も高額になりがちで、結果的に大家さんの首を絞めることになりかねません。
ご自身がお住まいになる持ち家などの場合は、暮らしの質を高めることになりますが、そもそもそういった機能を知らないし、望んでいない人にとっては無用の長物になってしまいます。
もう一つリスクとしては、ハウスクリーニングでの清掃不足などに繋がることもあります。
レバーや細かい部分が多く、十分に清掃ができない。清掃スタッフがどんな機能かが分からず、清掃していいのか戸惑う。
結果、ハウスクリーニング不足となり、かえって問題を引き起こしたり、清掃が行き届いていない印象を与える。
設備の極意は
シンプルイズベスト
誰でも使い方が分かり、しっかりと清掃されている清潔感こそが最善です。
個性が強すぎる壁紙・床

「部屋のアクセントに」と、ついつい派手な色や柄の壁紙を選びたくなりますよね。
でも、これは要注意です。
壁紙の主張が強すぎると、入居者様が持ち込む家具とケンカしてしまいます。
人間、自分の持ち物や好みに囲まれて暮らしたいもの。
部屋側に強い個性がありすぎると、自分の暮らしをイメージできなくなってしまうんです。
見ていてオシャレなお部屋と、住みたい部屋は必ずしも一致しません。
「他にはないオシャレなお部屋を」という意気込みは大切ですが
ここで一旦考えていただきたいのが
なぜ他ではないのか?他は失敗したからないのではないか?
そう、基本的にはオリジナルの壁紙というのは無い訳で、多くはメーカーが出しています。
その中で見たことが無いということは「他の人は採用しなかった」という証です。
もし、どうしても個性的な柄を使いたいなら、以下の2点がコツです。
・脱衣所やトイレなど、面積が狭い箇所で使う。
・主張の強いデザインは「1面のみ」にする。
これです。
個性的なガラなどの場合は、脱衣所やトイレなど狭い箇所だと、そんなに違和感が出なかったりします。
狭い場所はそもそも面積がないので、割とどんなガラを使っても受け入れやすいのです。
一方リビングなどの広い箇所に使うと、視覚的にうるさすぎて敬遠されてしまいがちです。
もう一つのコツである1面のみも同様です。
床材にヘリンボーンなどの個性的なものを選んだ場合には、壁紙は1種類で統一するなど、バランスを取って欲しいものです。
そうすることで、個性的なデザインが引き立ち、調和を取ってくれます。
主役はお部屋ではなく、お住まいになる「入居者さん」ですからね。
オシャレすぎる照明(デザイン照明)

カフェにあるようなペンダントライトや、複雑な形のシャンデリア。
内見時のインパクトは抜群ですが、住む側の視点に立つと評価が変わります。
ザイン性の高い照明は、意外と掃除が大変です。
また、特殊な電球を使っていると、切れた時の交換も一苦労。
毎日の暮らしの中で「照明の電球を替えるのが面倒」というのは、小さなストレスとして蓄積されます。
そして以外と気づかないデザイン照明の欠点は
暗い(暗く見える)
オシャレな照明は基本、明るさを第一としていません。いくつもの電球を違う方向へ向けていたりするので、明るさが拡散されてムーディな雰囲気を出したりします。
その為、賃貸で採用すると暗い印象を与えてしまい、内見時に足を引っ張ってしまうことも・・・
基本的には明るい印象を持ってもらうことが王道であり、最善だと思います。
個人的には通常のシーリングライトがおススメですね。
シンプルイズベスト
リフォームの打ち合わせをしていると、つい「あれもこれも」と付け足したくなります。
しかし、お金をかけすぎてコストを上げることは、巡り巡って家賃の上昇や、修繕費の負担増という形で、自分にも入居者様にも跳ね返ってきます。
「それ、本当に住む人の毎日を助けるもの?」
この視点を持つだけで、無駄なこだわりをバッサリ捨てられるようになります。
「最良(スペック)」を追うのではなく、等身大の暮らしに馴染む「最善(バランス)」を。
シンプルで清潔、そして使いやすい。
そんな部屋作りが、結局は大家さんにとっても、入居者さんにとっても、一番いい結果を生むのだと私は信じています。

