(4ページ目)STOP!満室詐欺 ~地面師ならぬ空室師に引っかからないように~

空 室 師 た ち

満室詐欺の見破り方PARTⅡ

収益用不動産を購入しようとする時に一定確率で見かける「満室詐欺」

実態は空室であるにも関わらず、満室を装って売却する手口として前回ご紹介しました。

前回のブログはこちら

そんなの詐欺じゃないか?

前回も書いたのですが、騙していることは間違いないでしょうが、それを詐欺として立件できるかどうかは別問題です。

また、オレオレ詐欺などの一般人をターゲットにした詐欺行為に対しては、法制度や警察の捜査の力の入れようなどはかなりのものです。

一方、不動産投資にまつわる詐欺などは、巧妙かつ収益の為ということもあり、警察の力は限定的になってしまうのが、現実です。

不動産投資を志すものは「事業者」として見られますので、一般消費者よりも深い「注意」が要求されてしまうのです。

先日も元セクシー男優のしみけんさんが、購入予定物件で、直前での賃借人の大量解約騒動として記憶に新しいところです。

この件については、世間では「満室詐欺だ!」とされておりましたが、私からすると結論は「分からない」としかいいようがありません。

どのような経緯であったか、どういった物件か、事前のやり取りなども見えておりませんので、この件が満室詐欺かどうか判断できないのです。

実際に繁忙期であれば、運悪く大量の解約が重なることも、なくはない話ですから、一方的に「これは満室詐欺だ!不動産業界はやはり信用できない」とは言えないと思います。続報をまつしかありませんね。

しかし、実際の満室詐欺に遭ってしまった場合は、被害は甚大です。

おさらいになりますが、満室詐欺の被害とは

  • 実際の相場とかけ離れた想定利回り
  • 原状回復やリフォームが適切に行われず放置された物件
  • 架空の家賃を元に設定した売却価格

それによる

  • 収益性の低下
  • 多額の原状回復・リフォーム費用
  • 適正家賃への変更

などを満室詐欺に遭ったと認めて、実行していかなければなりません。

多くの方は、最初は受け止めきれず「想定の家賃で貸せるハズ」という確証バイアスをはたらかせてしまいます。

ようやく受け止めて再起を図ろうとしますが、やはり大きな痛みを伴います。

皆一様に自分が騙されたというのを受け止めるのは、簡単なことではありません。

そんな被害の大きい「満室詐欺」を仕掛ける業者や売主を「地面師」ならぬ「空室師」として

よくある手口や、怪しいポイントなどをお伝えしていこうと思います。

あくまで「確率が高まる」という程度ですので、該当するからといって「満室詐欺」という訳ではありません。

そんなに簡単に断定できないからこそ恐いのです。

それでも幾つかの手段を知っていれば想定することが出来ます。

今回は購入前の段階での「資料」等から浮かび上がる可能性のある内容をお伝えしてみようと思います。

法人契約

民間住宅を社宅や寮として法人が借り上げる「法人契約」

これは一般的なものであり、なんら怪しいものではありません。

当社でも法人契約は受け付けますし、法人契約そのものには善悪もありません。

但し、購入検討する段階での資料から浮かび上がることもあります。

それは「レントロール」です。

ちなみにレントロールというのは賃貸物件の入居者に関する契約条件や情報を一覧表にしたものです。家賃明細表とも呼ばれます

購入段階で売主、もしくは売主側の仲介業者から示されることでしょう。

このレントロールに以下のようなものがあった場合は注意してもよいでしょう。

  1. 同時期に複数の部屋を同時に借り上げている
    ・法人が借り上げるタイミングで複数の部屋が空いていたという証拠
  2. 売主に近い関係先法人が借りている
    ・売却へ向けて状態の悪い部屋を借りてもらう、空室数を減らす狙いの疑い
  3. 使用目的が「倉庫」である
    ・状態が悪い部屋である可能性がある
  4. 周辺で一時的に部屋を借りる予定があっただけで短期解約の可能性

このように予測することも出来るわけです。

特に同じ法人が多数のお部屋を借りている場合などは注意が必要です。

そもそもの売却理由も「近々、法人契約がなくなる可能性を知ったから」という可能性も浮上してきます。

そうすると、所有者変更が終わったタイミングで大量の解約予告ということもありえます。

他にも法人契約が満室詐欺に使われやすい点としては「個人契約の場合、本人確認書類などが大量に必要になる」などの理由があります。

個人契約で満室詐欺に加担する目的で身分証などを提供した場合、ハッキリと詐欺の片棒を担いだとなり、最悪は逮捕もあり得るでしょうから、提供する人も少ないことでしょう。

法人の場合、複数部屋を一括で借り上げる行為自体は実際にも多くありますし、必要書類が少なくて済む為だとも言われています。

だからといって法人契約=悪という訳ではありません。

実際にはそんなことは無いかもしれませんが、精査したり、聞き取りをしっかりとしておいて損はないでしょう。

売主が知人・親戚へ貸している

これも多くみられます。

「〇〇〇号室は売主の親戚が住んでいます」だったり「知人に貸している」などのパターンです。

このケースでは

売却後、高確率で解約となることでしょう。

そもそも、知り合いに借りるというのは、よほどのことが無い限りは不自然なものなのです。

解約後にお部屋へ行くと状態が悪かったり、不相当に高い家賃設定をしている場合などもあります。

また知り合いがゆえに原状回復も免除だったり、変な特約などがついた契約書だったりもします。

しかし、このケースで稀にあるのは

本当に知り合いへ安く貸していて、退去したら家賃を上げることが出来た

というパターンもあります。私自身も何度か経験があります。

似た状況で辛いのは

本当に安く貸しているがゆえに退去しない。という場合もあります。これはこれで「嬉しいような悲しいような・・」となってしまいますね。

いずれにしても「売主の知り合い・親戚」は、注意して確認してもいいでしょう。

以下の項目を確認してもいいでしょう。

  • 売却後も住み続けるのか?
  • 解約後の原状回復の扱いは?
  • お部屋の状態はどのような状態か?

この辺りは気になりますね。

もちろん知り合いや親戚に貸すこと自体は、売主の自由ですし、それ自体は善悪もありません。

ただ、買い手側がしっかりと把握すべき事項であるだけです。

昔からの入居者

最後にご紹介するのは「昔からの入居者」です。

正直、これは「満室詐欺」にはあたりませんが、満室想定利回りに影響を及ぼす為、ご紹介いたします。

みなさんご承知の通り、物件というのは基本的には築年数を経るにつれて、賃料は下がっていくことが一般的です。

経年劣化や設備の老朽化、陳腐化により少しずつ価値を下げていきます。

これは当然の流れなのですが、ここに一石を投じる存在が「昔からの入居者」なのです。

築年数が浅い時期に入居し、これまでお住まいいただいている貸主側からすると天使のような存在です。

恐らく家賃が下落した状況でも、周りの入居者さんよりも高い水準で家賃を払っていただいている状況かもしれません。

そういった貴重な方の家賃設定により、全体の利回りが変わっている可能性もしっかりと考慮しましょう。

家賃というのは年代ごとに変化していくものです。

「今だったら総賃料はいくら位になるんだろう」

現在の相場を元にしっかりと把握しておきましょう。

天使のような長期入居者さんも、いつ退去がくるかは分かりません。

また、長期間ご入居いただいたのであれば、原状回復の費用なども他の部屋より多く見込んでおかねばなりません。

感謝しつつも、リスクケアは忘れてはいけませんね。

収益用不動産の購入はプロとしての自覚も

私は収益用不動産を購入するということは「事業者」になるということだと思っています。

また様々な面でも「事業者」として見られます。

それは税制などだけではありません。

もちろん騙す側の行為が悪いというのは当然です。

悪意をもって騙そうとする売主も関与する業者も許してはいけません。

しかし、それを嘆いても事態は好転することはありません。

まずは自分自身をプロであると自負して、しっかりと調査や見極める力をつけていきましょう。

もちろん、専門的なこと全てを網羅する必要はありません。

その為に私たちのような不動産会社があるのですから

但し、その不動産会社も玉石混交です。良い業者、信頼できる業者を見抜く目も同時に必要となります。

自分だけが得する為には、他人がどうなっても構わないという「空室師たち」の被害に遭わない為にも

みなさんの良い旅路の為に、今回の記事が役に立てばうれしいです。

お問い合わせ

    姓名 フリガナ

    メールアドレス 電話番号

    個人情報の取り扱いについてご確認いただき、同意されましたら「同意して送信する」をクリックしてください。