
トラブルの時に基準となる言葉
今回は、賃貸住宅に住まれる方に知っておいて欲しい「受忍限度」という言葉をご紹介してみようと思います。
この言葉は一般的には馴染みのない言葉ですが、我々賃貸管理を行う会社では常識的な言葉です。
そして、今後皆さんがお住まいになる「集合住宅」と呼ばれるマンション・アパートでトラブルが起こった時にこの言葉が大きな基準として示されるのです。
その割にこの「受忍限度」という言葉の世間への浸透がイマイチだなと感じています。
特に隣人関係でのトラブルではこの受忍限度という言葉が大体基準となるのです。
それではご説明してみましょう
受忍限度とは「多少は我慢しなければいけないよ」ということ

アパートやマンションは「集合住宅」に分類されます。
一つの建物に複数の世帯が住むことを意味します。
そうすると、お隣さんや上下階、あるいはご近所さんなどとトラブルが起こることもあるでしょう。
その時に疑問が出てきます。
どこからが迷惑行為として認められるんだろう?と
騒音問題を例にしましょう。
騒音というのはどこからが騒音なんでしょうか?
例えば物音一つ聞こえても騒音と感じる人もいれば、隣でドラムを叩かれても気にしない人もいます。
これは個人の感覚にもよります。
音に対して敏感な人であれば少しの物音でも不快に感じるかもしれません。
そうした時に、音に敏感な人の基準で生活をしなければならないのでしょうか?
そうであれば苦情を言った者が必ず勝ってしまいますし、場合によっては歩くことやテレビを見ることさえ不可能になる可能性もあります。
もちろん建物自体で遮音性も様々です。
超高級マンションなどになれば、かなりの防音性を備えることもありますが、それでも限度はあるものです。
完全防音マンションなどは理論的にはほぼ不可能ですが、もし可能だとすれば賃料は超高額になることは想像に難くありません。
こういった問題に対して「受忍限度」という言葉があります。
ちなみに受任限度を辞書で調べてみると
社会生活を営むうえで、騒音・振動などの被害の程度が、社会通念上がまんできるとされる範囲。これを超えると加害者が違法とされることがある。
要は
集合住宅に住む以上、ある程度のことは我慢しましょうね
という考え方です。
そしてこの受忍限度は多くの場合
過去の裁判での判例や様々な基準によって作られています。
そうでなければ「苦情を言われたが最後、生活がままならなくなること」だって起こり得るのです。
例えば「ドアの開け閉めの音がうるさい」という苦情があった場合
多くの人が「そこまで気にしなくていいんじゃない」という音だったとしても、苦情を出した方を優先させてばかりいたらドアの開け閉めすらできなくなってしまうのです。
せっかく住んでいるにも関わらず、窮屈で怯える生活しか出来なくなってしまってはいけません。
また同様に騒音を出す方にも「自分は気にならないし、この程度は問題ない」という自分勝手な解釈も同様に迷惑です。
ある程度の基準がなければ、苦情の言い合いやトラブルの深刻化、はたまた凄惨な事件などにも繋がってしまうのです。
住民同士のトラブルは最終的には裁判などで決着するほかありません。
そんな歴史の中でこの「受忍限度」という基準が作られてきたのです。
ですから、皆さんも住民同士でのトラブルなどが発生した場合には
この問題はどの程度が受忍限度とされているんだろう?という基準は知っておいても損はありません。
身近な問題の受忍限度

それでは賃貸住宅における受忍限度とはどんなものがあるのでしょうか?
その前にですが
受忍限度といえど絶対ではない
という真実もあるのです。
受忍限度とはあくまで目安、個別の事情や状況によっても変動するのです。
「じゃあ意味ないじゃん」と思わずに・・・
大体、我々の住む社会は善悪もハッキリしていないですよね、10:0でどちらかが正しいということは余程のことが無い限りありません。
とはいえ、この基準を大きく上回っていたりすると、裁判までいった時には勝つ可能性が高く、「被害」として認められるというような基準であることも同時に必要です。
一つ一つはいつか解説することもあるでしょうから、今回は解説は省きます。
もしご興味があればぜひ調べてみてください。
- 騒音の基準は45㏈~70㏈以上 ※環境省 環境基準より
- ベランダでのタバコの喫煙は規約等で禁止されていなければ 一日数本程度 ※最近変わった健康増進法でも禁止はされていない、但し頻度や本数により損害賠償の対象となるケースもあるので配慮は絶対必要
- 日当たりは日影規制(斜線制限など)による部分が大きい
- 建物の傾きは「3/1,000以内」、中古住宅なら「6/1,000以内」
他にも悪臭や水質など様々なものがありますが、判定は微妙なものも多いものです。
しかも、基準を超えたら即ダメかといえば「頻度」「環境」など複雑な要素が絡んできます。
ある一時だけ超えてもダメで恒常的になどの要件もあります。
意識の高まりと他者への厳しさ

昨今、地域や社会との繋がりは昔に比べると希薄になってきました。
昔は地域や顔馴染みなどで「お互い様」という精神が強かったものです。
現在は個人の尊厳や多様性の重要さがフォーカスされることにより、価値観も様々になってきました。
現在はどんな問題でも「勝ち負け」や「白黒」をハッキリとつけたがる風潮により、他者への厳しさが強くなってきたように思います。
その為「私が不快に思うのだからやめさせろ」と「私の自由だから」という相反する価値観のぶつかり合いが増えてきているのかもしれません。
本来、共同住宅では互いに配慮しつつ、皆で快適に暮らそう。というものです。
自分勝手にふるまってもいけませんし、自分の価値観だけを絶対と思い過ぎてもいけません。
お互いに配慮しつつ、それでもお互いの尊厳を尊重しあうことが本当の「多様性」ではないでしょうか。
そんな「個人の感覚」に頼らない為に、解決法や基準としての「受忍限度」という考え方があるのです。
本来はこの受忍限度という考え方すら必要としない方がいいのでしょうけれど、社会は後戻りは出来ないでしょう。
国や法律でもっと厳格な受忍限度を策定して欲しいな とすら管理会社の立場では思うようになりました。
一方、私個人としては、生活の仕方や時間までがんじがらめになっていく社会は息苦しそうだなと思いますが、仕方のないことなんでしょうかね
管理会社の代表者としては厳格な基準を欲し、個人としては曖昧な余白を求めている
こんな相反する感情を持つのが人間なのにな・・・と思ったりします。
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不動産投資と喜ばせ合戦
人は感情の生き物です。もちろん良い意味でも悪い意味でも 「さすが内田さん」の一声 つい先日のこと、新たに仲介させていただくお部屋がございました。入居者の方が望む要望が少し多く、オーナーさん(Aさんとしましょう)の負担が重くなりすぎるのでは?とのことで営業マンから私に話しがきました。特段珍しいことではありませんが、このまま全要望を受けてしまうとAさんの負担は重くなってしまうことでしょう。その為、途中から入居者さんとの窓口を私に代わってもらい、ゴチャゴチャしていた双方の要望の交通整理を行いました。ある程度Aさんと入居者さんの負担も公平になったところで、Aさんへ電話で報告しました。すると 「ありがとうございます。さすが内田さんですね、お見事です。それでお願いします」 あら、とっても心地良い。そう、このAさんは上手なのです。いつも私の心をくすぐってくるのです。こういった一言一言がとても嬉しいのです。私たちの仕事は当然ながら依頼者であるオーナーに収益をもたらすことです。その為にも入居者さんに快適に過ごしてもらうことなのです。仕事ですから当然ですね。でも、こういった一言をナチュラルに言われると内心 「へへっ!」 と嬉しくなってしまいます。こういった一言が無くても仕事ですから頑張るのですが、あると馬力が上がるような気がします。そして、こういったことをしてくれるオーナーさんは大体不動産投資が上手なのです。いい意味での「人たらし」というものでしょうか。 事実、Aさんがお持ちの物件は入居率も好調です、入居者へのサービスも上手なのです。 そんなAさんを取り巻く状況は? ちなみにAさん、私だけにこういったことをしてくれるわけではありません。私たち管理会社を喜ばせ、入居者を喜ばせ、売買情報を持ってくる人を喜ばせ、施工業者を喜ばせ、みんなを喜ばせているこのAさん当然かもしれませんが、このオーナーの周りにはたくさんの業者が集まってきます。ここまで読まれた方で 「どうせそのオーナーは金払いがいいからそういっているんだ」「要は業者の言うことをハイハイ聞いて文句言わずに金払えってこと?」 「不動産会社に厳しく当たるなってこと?」 そうじゃないんです。もちろん、お金をたくさん払えば喜ばせることは出来るかもしれませんが、それはある一時だけです。正直全てをハイハイ聞いて金を払い続けていたら「カモ」と認定されるかもしれません。ちなみにAさんが買う物件も払う工事費も決して高くありません、なんなら安い位です。しかし、Aさんの周りの業者や不動産会社は Aさんが得する話しを次から次へ持っていくのです。みなこぞってAさんを喜ばせようと骨や手間を折っても仕事をするのです。なぜなんでしょうか? この世は「喜ばせ合戦」 私の知り合いに腕利きの売買仲介業者が居ます。この方はかなりの実力者です。売買情報はこの業者さんを素通りすることはなく、「どっからそんな情報が?」とビックリさせられる程です。その売買業者さんの元には物件を買いたいオーナーが列をなしている印象です。しかしこの業者さんもAさんの周りの業者の一人です。 その方と話している時に印象的だったのが 「やっぱりいい物件売るなら感謝してくれる人に売りたいですよね」 そう、私たち働く者にとってお金は大事です。異論はあろうかと思いますが、まずはその為に皆さん働いている訳でもあります。とはいえ、それだけでもないんですよね。 時にはAさんより高く買う人がいる物件でもAさんに売ることもあるそうです。 不思議なものですよね。Aさんの周りには「他の業者よりサービスを良くしよう」「Aさんに選ばれよう」と各社が競っている始末です。 そしてAさんは値下げ要求や要望を自ら伝える必要もなく、「他より良いサービス」が受けられるのです。 ちなみにAさんですが、知識や相場の感覚はかなりのものです。欺こうとしても簡単ではないでしょう。 Aさんを騙せる人がいたら見てみたいレベルでもあります。 ではAさんだけ得するのはなぜでしょうか? そう、結局この世は「喜ばせ合戦」なのです。 Aさんは周りを喜ばせている→嬉しい周りはAさんに気に入られようとする→Aさん得する→先頭に戻る 正のサイクルに入ったのです。 もちろん、不動産投資というのは収益を上げる為に行うものです。無駄な出費はしてはいけませんし、単価にも厳しくあるべきです。不動産会社の言うことを鵜呑みにしてもいけません。ハイハイ全部を聞いていたら間違った方向へ進む可能性もあります。周りから「カモ」と見なされたら大変な目に遭ってしまうでしょう。厳しい目で運営状況を見ておく必要があります。異論はありません。しかし、それと相手を喜ばせることは両立できるはずです。お金で喜ばせなくてもいいじゃないですか、相手への敬意や感謝を示すだけでも随分と違うものです。文字で書けば簡単なのですが、中々難しいものです。かくいう私も全然出来ていません。 人は感情の生き物です、良くも悪くもそんな中でAさんの正のサイクルは私も見習いたいものです。今回は精神論になってしまいましたが、なぜか上手くいっているオーナーはこの点が上手なのです。生まれ持っての心根なのか、努めてそう振る舞っているのかは分かりません。しかし、人を喜ばせると返ってくるという昔からの教えは不動産投資においてもあながち間違いではないと断言できます。
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世界は誰かの仕事でできている ~今頑張っているあなたへ~
疲れた時にはこの言葉 ありがとうジョージア、ありがとう社会のみなさん 「世界は誰かの仕事でできている」 良い言葉ですよね、言わずと知れた缶コーヒー「GEORGIA」のキャッチコピーです。私含め、社会で働いていると時に理不尽なこと、報われないこと、辛いこと たくさんあるでしょう。そんな時にこの言葉が頭をよぎります。誰からもスポットライトが当たらない所で一所懸命に頑張ることが、世界の一部なんだと思うと、もう少しだけ頑張れる気がします。自分がカッコよく見えてきます。自分に酔ってもきます。最終的には人を幸せにしてると陶酔感まで出てきます。ここまで来ると後は仕事は楽です。ヒーロー気分ですから同じような理由で、私は夜景というのが大好きです。夜景を見ると 「あぁ。誰かがこんな時間も頑張ってるんだな」と思えるのです。電気を作る人、明日の為に休んでいる人、皆が休んでいる時に働いている人。街の光が誰かが働いているということを見せてくれている気がします。どこかの誰かがこの時間頑張っているんだから、俺も頑張ろう。と見知らぬ誰かに力を貰っています。そして、自分の仕事も誰かに届いていればいいなと思っています。ありがとう!社会で働く同志のみなさん。 そして どういたしまして、みなさん。 そんな気持ちで働いていきましょう。 一所懸命な姿は誰も見てなくても、誰かの役に立って、私のように誰かが感動しているハズですよ。
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春からキャンペーンの概要と補足
好調なキャンペーンです 春からキャンペーンの概要 現在好評を博しております。「春から入居キャンペーン」ですが、よくお問合せをいただく内容を少しまとめております。 Q お部屋を見て決めた後の手続きの流れは?A お部屋が決まったら正式にお申込をしていただきます。その後、審査の承認が取れましたらご契約書を取り交わします。契約は先に済ませていただきますが、実際に家賃が発生するのは3月以降となります。Q お部屋を決めた後に万が一、不合格になってしまったら?A その場合は契約金含めて全額ご返金のうえ、契約解除となります。その場合にも解約違約金などは発生いたしません。Q 3月より前から少しずつ引越しをしたりお部屋を使ってみたいA 3月より前から使用することもできますが、鍵の引渡し日からの家賃発生となります。Q 家電レンタルプランも合わせて使えるの?A 冷蔵庫・洗濯機・ガスコンロの3点セットでレンタルできるお部屋もたくさんあります。 対象物件でもご自身の家電を使うことも可能です。その場合はレンタル代は掛かりません。Q 対象は学生だけ?A 新たに新社会人となられる方、寮から出てお一人暮らし、新たに霧島市へ転勤で来るなど理由は様々です。年齢制限などもありません。お気軽にお尋ねください。日々物件も入替わり中です。お気軽にご相談ご来店ください。
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原状回復でのトラブルの本質とは?オーナーの利益も考えてみよう!
正直者がバカを見てはいけません まずはこちらをどうぞ https://twitter.com/maakun1988/status/1421261646157078528?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1421261646157078528%7Ctwgr%5E0af6e4a2a9fe96f4c92e9ab52df915dd9f571175%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.rakumachi.jp%2Fnews%2Fcolumn%2F283010 管理会社としての立場 私はいつも書いている通り、管理を任せてもらっているオーナーの味方です。こんなことを書くと「入居者を食い物にする悪徳不動産」と思われますが違います。いつも通り申し上げることですが、「だからこそ入居者を大切にする」という姿勢です。賃貸物件を持っているオーナーの収益を守るのが仕事です。だからこそ、家賃を支払っていただく入居者を大切にしなければいけません。理屈として当たり前のことですよね?おかしなことを言っていないことはご理解いただけたと思います。という前提の元、最近の原状回復について警鐘を一つ鳴らしたいのです。 原状回復0円になる未来がいいと思っている 私は管理会社としても、不動産業界の為にも入居者に落ち度が無ければ、原状回復費が0円になる未来がいいと思っています。本来そうあるべきなのです。入居者からいただく家賃で壁紙の張替えやハウスクリーニングを行う。入居者からはもらわない。それでいいと思っています。当社では退去時の原状回復に関しては「ほぼ」国土交通省のガイドライン通りです。冒頭のTwitterの表などは気まずいものでもありません。当社の契約書に添付しても良い位です。冷蔵庫などの電化製品による壁紙の黒ずみ通称「電気ヤケ」、家具による床材の凹み、経年劣化による壁紙の変色、壁に刺した押しピンの跡、窓ガラスの熱割れ、入居者が生活していたら当然に劣化する設備。これは入居者に請求すべきものではありません。他方、ご請求しているのは落書きや壁に何かを当ててしまい穴を開けたなどの「故意・過失」という物やタバコなどの嗜好品によるヤニ汚れ、知っていながら放置してしまい被害が拡大した「善管注意義務違反」になるものはご請求しています。これは簡単にいえば「落ち度があった、もしくは注意していれば防げたこと」ですね。これは仕方ないですね。このことを当社のオーナーさん達は理解をしてくださっています。ありがたい。だからこそ、当社では原状回復についてのトラブルはほとんどありません。訴訟沙汰なども一度も経験がありません。しかし、先ほど「ほぼ」ガイドライン通りというからには例外もあります。正直に申し上げます。現在のところ、当社では退去時のハウスクリーニング(エアコン含む)、和室の畳の表替えは特約として例外的に定めてあります。※畳は表替えを自分でする、現状のままで大丈夫という場合はもちろん請求しません。もちろん、これは違法ではありません。今のところ鹿児島県内では退去時のハウスクリーニング費用は後精算が一般的であります。一部では先にハウスクリーニング費用を貰っておくという業者さんもありますね。そして、ガイドラインを巡る裁判の判例でもざっくりと言えば「不当に高額でない」「しっかりと契約書で明示して合意しておく必要」「その他の項目については自然損耗はオーナー負担である」という要件があればハウスクリーニングやエアコンクリーニングを負担していただくのは賃借人にとって一方的に不利であるとは言えないとなっております。もちろん当社の賃貸借契約書にもしっかりと明記されています。見落としが無いようにその部分だけ赤文字で記入しています。国土交通省のガイドラインを抜粋したものを契約書にも挟んでおります。そして大体のハウスクリーニング費用の目安も記載するようにしています。契約時にもしっかりと説明しますしね。ですから当社では原状回復についての揉め事というのがほとんどありません。 でも原状回復費0円が実現しないのはなぜ? ハッキリと言えば 未だに原状回復費でボッタくる業者やオーナーがいるから これですね。なぜこれが原因なのかというと 退去費用で高額請求する→だから家賃は低くてもいい→家賃を低く設定する→そうすると周りの相場も下がる→真っ当な収益でやっているオーナーの物件が選ばれない→真っ当なオーナーも家賃を下げるしかない→低い家賃では原状回復をオーナー負担で賄いきれない→入居者に負担してもらわざるを得ない→先頭に戻る こんな負のスパイラルになってしまうんですね。 本来は家賃の中でオーナーが原状回復したり、グレードアップをやりくりするという考えがいいのは当然です。問題が無ければ退去時に0円で退去出来る。この未来がいいのは当たり前ですし、管理会社の私もそう思います。 しかし、それは「原状回復費が0円でもオーナーが収益として十分やっていける家賃額なら」という前提があって初めて成り立つのです。 原状回復費をボッタくるデメリット 他の管理会社の評判などでも「退去時に高額な請求をされた」というような評判がある会社もあります。きっと当初に説明もなく、退去の時になってビックリする金額がきたのでしょう。そして、そういった評判が広まることはその物件のオーナーにとって不利益になることでしょう。このご時世「○○マンションに住んだら退去費用高額になるから止めた方がいいよ」などの口コミは無視できないものです。当社ではありがたいことに、解約する入居者が次の入居者を連れてきて「部屋の引継ぎ」をしたいという申し出が結構な割合であります。これは「自分はお部屋を退去するが、後輩がここに次住みたいと言ってる」という風に紹介付の解約予告が来ます。正直、これは嬉しいですよね。管理会社としても嬉しいです。「知っている人に引き継いでもいいと思える管理が出来たのかな」と思います。そして退去費用でボッタくっていたらこんな紹介はもらえません。そして、それによって空室期間が短縮できるオーナーも嬉しい。最高のスパイラルですね。短期で見るとボッタくる方が儲かるかもしれませんが、それが元で裁判になったり、悪評が広まることの方がよっぽどマイナスになることは間違いありません。 原状回復費0円を共に目指そう、しかし家賃は多少上がるよ では原状回復費0円の未来はどうすればいいのか? 原状回復のガイドラインをもっと厳しくしてボッタくることが出来ないような法整備とセットで原状回復費0円でオーナーがやっていける家賃は払うという意識 これです!民間の賃貸住宅は必要です。仮に公営住宅だけにするとなったら税金も爆上がりでしょうから。そしてオーナーが原状回復費0円でも運営できる程度の利益は必要不可欠です。そうでなければ賃貸住宅など無くなってしまいます。賃貸住宅が全然儲からない、マイナスになるのであれば賃貸住宅など持つ人はいないでしょう。当たり前ですがそして賃貸住宅が減れば家賃は上がります。希少な物になってしまいますから。そうではなく、統一したルールの中でオーナー、入居者双方がバランスの取れた適正な「おたがいさま」の実現が不可欠なのです。入居者の側も適正な家賃を払うことで全員が原状回復費0円になる程度の家賃は負担してあげましょう。そしてオーナーも貰う家賃の中で上手く運営し、グレードアップなどを行えばいいのです。そうすると今より多少家賃の相場は上がるかもしれませんが、不当にボッタくられることのない未来であればあくまで「適正」の範囲内で限定的だとも思います。 当初のTwitterで思うこと 当初のTwitterの投稿についての感想は「良かったですね」と本気で思っています。しかし、反面「理解のあるオーナーだけ損してしまうのは嫌だな」という気持ちがあるのです。このTwitterのオーナーさんがどちらかは分かりませんがね、ひょっとしたら不当にボッタくるタイプかもしれませんし、そんな気持ちはなく、やむを得ない位安価に提供していた場合だったら少し同情します。誰だって安い方がいいのは当然です。しかし「正直者ばかり損させられる社会」は嫌なのです。それはもちろん入居者もオーナーもです。だからこそ、ルールがもっと厳格になってボッタくることが出来ない業界になり、更にオーナーにも正当な利益が出る範囲での家賃競争という入居者に取っても利益となる業界になってほしいのです。 原状回復費という揉めやすい、まだフワフワとしたルールが残る問題をしっかりと解決できればと思います。ですから今回は「オーナー側の立場も知ってほしい」という正直な気持ちで書きました。その上でも当社は基本的にガイドライン通りやっていますし、退去時に揉めることはない会社であり続けたいと思います。 その為にも当社は事前にしっかりと退去時にご請求させていただく項目は事前説明し、契約書にもハッキリと書きます。そしてボッタくる業者やオーナーは壊滅すればいいのに・・と思っています。でもきっといつか原状回復費0円の世の中になるでしょうし、そうなって欲しいものです。その上で入居者もオーナーも双方に思いやりのある人だけが得する社会になればいいですね。
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VSゴミ屋敷 番外編 経験談からの考察 ゴミ屋敷のメカニズムと傾向
前回までは事例 今回は不動産に関する経験談です 前回までの記事はこちら https://lotushome.jp/?p=3425 https://lotushome.jp/blog/3458/ ゴミ屋敷の住人の誤解 前回まで実際の事例としての解決方法やリフォーム事例などをお伝えしました。今回は今までの経験のお話しをしてみます。私も不動産業界、特に管理会社として何例もゴミ屋敷を見てきたり経験してきました。今回はゴミ屋敷と呼ばれる人たちの傾向やメカニズムを私の個人的見解として、お伝えしてみようと思います。よくゴミ屋敷の住人は心理的に何か問題を抱えている。とか色々精神科医的な記事はたくさんありますが、実際の生活を見ることの多い不動産屋目線で話してみたいと思います。あくまで私個人の感想だったり実体験に基づいたものになるので、誤解を招くようなことがあるかもしれません。 部屋は汚いが外着はまとも 皆さんはゴミ屋敷の住人のイメージはどんな感じでしょうか?なんとなくホームレスのような感じや清潔感の無い恰好をイメージする方が多いと思いますが、私の経験上では半数以上の人が普段の身なりはまともであることが多いのです。当初は意外でした。普段会う人の恰好から想像つかないような汚い家。なぜ身なりに気を遣えるのに部屋には無頓着なのだろうと不思議に思います。仕事もしっかりしてる、人としての会話も普通。しかし部屋はゴミ屋敷。そんな人も多いのです。ちなみに前回までの記事のゴミ屋敷の住人さんも外着はまともでしたよ。 ゴミ屋敷の発生割合は女性の方が多い これは書こうか非常に迷いました。昨今の女性の権利向上などの風潮がある中で、誤解を招きそうだからです。当たり前ですが、男性と女性は平等であるべきですし、性別による決めつけなどは良くないというのも重々承知しています。私が言いたいのは「男性は女性よりきれい好き」とか「実は女性の方がだらしない」ということが言いたい訳ではありません。私の実体験として女性の割合が本当に多いのです。そして、今までの数多くの退去時のお部屋の状況から私の考察を話してみたいのです。ちなみに私が経験した割合でいうと6:4位で女性が多かったのです。そして、数々の退去時の傾向から考えると一つ仮説のような傾向があります。 女性は男性に比べるとキレイな状態で退去する割合が高い女性は「BEST」と「WORST」の両極端の割合が男性に比べると高い こういった傾向があります。とてもキレイに引き渡してもらえるのも女性が多く、反面ゴミ屋敷のような状態になるのも女性の割合が高いのです。 この傾向はデータとしてハッキリした物はないようですが、ゴミ屋敷を処理する業者さんに今まで伺ったところでは女性の方が依頼者として多いとのことでした。ある業者さんでは7:3とのお話しもありました。 もう一つ男女差の話しでするとゴミ屋敷の住民の年齢層なのですが、 男性は50~になるしたがって割合が増加し、女性は30~50代の割合が高い これは仕事が要因になっていると思います。女性の場合、お勤め中の方が割合としては多く、男性は仕事を退職した後という傾向が高いようです。私はこの点については「孤独感をいつ感じるか?」だと思っています。様々なゴミ屋敷発生要因の中でも孤独感というキーワードが出てきます。要は孤独感を埋める為に物を買うことや身の回りに置いて孤独の埋め合わせとしてゴミを溜めてしまうという理屈です。男性の場合は女性に比べて友達や社会との繋がりが「仕事」メインになっており、退職後は上手くコミュニケーションを取れなくなり、孤独を感じてしまうのではないでしょうか。反面女性は仕事が激務などで十分なプライベートな時間などが取れない場合、孤独感を感じてしまうのが要因な気がするのです。仕事が落ち着いたり、退職した後は女性は社会や友人などとのコミュニケーションも男性に比べると上手くいくことが多いのです。そう考えるとこの年齢についての考察は案外的を射てるのではないかと思います。 意外と新品が多い 未開封新品 なぜ買った?使わないのに ゴミ屋敷と呼ばれる位ですから、かなりのゴミがあるのは間違いありません。しかし、ゴミ屋敷と呼ばれる状態の部屋にいくと、かなりの割合で新品の物が多いのです。特に新品未開封、あとは通販などで買ったはいいが段ボールのまま開封すらしていない物も多くあります。また、新品の物でも特定の物が多くあることもあります。ある人はもう十分あるにも関わらず、醤油の未開封が合計で20本位出てきたり、スポンジだけが何パックも出てきたり、生活用品で偏っていることが多いのです。中には現金が散乱しているお部屋もありました。全てかき集めたところ、10万円を超えていたこともあります。 悲しい事情でゴミ屋敷を作ることも 悲しい理由のゴミ屋敷 また、親しい親族の方が亡くなったことを期にゴミ屋敷を作ることが多々見られます。それまでは、社会常識もあり、人柄も良かった方が身内の不幸によりゴミを溜めていくのです。恐ろしいのは、会うと普段通りだったり、ふさぎ込んだりなどしていないケースもあり、外側から見て分かることが少ないものです。これも心の問題なのでしょうが、他人のサポートや言葉も届きづらいケースではあります。 なぜか生活圏だけはルールがあったりする 不思議な物で、そこかしこにゴミが積み上がり食べ残しやゴミが散乱していても一角だけキレイな場所が残っていることもあります。人によりですが、トイレだったりベッドの上だったり限定的ではありますが、一部だけキレイな場合もあります。他にも一部屋だけゴミが積み重なったいたり、衣類だけはキレイになっていたり。通常の感覚では「なんでそこだけ?」となるのですが、当人たちにしか分からないこだわりがあるのです。 単純に片付けが苦手、出来ないという人は割と楽 他にも単純に片付けが出来ない、苦手という人もいます。これは発達障害的な要素でもあるそうなのですが、こういった自他ともに認めている人というのは対応策もシンプルで解決も早いものです。ある方に至っては本当に片付けが出来ないということで、毎月2度専門の業者さんを呼んで片付けを代行してもらう決断をした方もいました。心の問題以外であれば解決方法はたくさんあります、当人に解決する気力体力があるのですからね。自分では解決できない、解決する気力体力がない方は出来るだけ早く、病院でも公的機関でも相談して欲しいものです。しかし、それが出来れば苦労しないというのが本当のところでしょうが・・・





