(21ページ目)賃貸物件でペットを飼う資格は「お金」である ~ペットに掛かるお金の話~

ペットには「あなた」しかいない

新型コロナウイルスでステイホームが叫ばれるころに増加したペット需要。

生活に癒しや張りを与えてくれるペット。飼っている方からすれば家族同然であることでしょう。

昨今の賃貸物件でもペットの需要を取り込むべく、ペットの飼育可という物件やペット飼育に特化した賃貸物件なども増えてきました。

その一方で無責任な飼い主によるひどい扱いを受けるペットのニュースなども多く報じられるようになってきました。

今回はそんな家族ともいえるペットの飼育について、賃貸管理を行う者の立場から飼い主の責任や覚悟というものをデータなどをもとに書いてみたいと思います。

今回は賃貸物件でペット飼う時に掛かるお金の話です

ペットはかけがえのない家族であることは間違いありません。

しかし、ペットにとっては頼るべき人は「あなた」しかいないのです。

昨今、ペットの飼育にまつわる悲しいニュースや無責任な飼い方をする人も多く聞きます。

私も動物は好きです。幼少時には犬も猫も熱帯魚も飼っていました。

そんな中でペットにまつわる「お金」の話をあまり理解せずに飼ってしまっている方を見かけることがあります。

今回はペットを飼う「心構え」ではなく、現実として掛かる、掛かる可能性がある「お金」の話です。

ペットを大切にするという「気持ち」はもちろんですが、飼主として果たさなければいけない「お金」の責任もしっかりと理解しておきましょう。

ぜひ賃貸物件でペットを飼うにあたって、一度はご覧になっていただきたいと思います。

賃貸物件でペットに掛かる費用とは?

まずは心構えの部分です。

広島市の公式ホームページに良いものがありました。

  • ポイント1 あなたの住まいはペットを飼える住居ですか?転居や転勤の予定はありませんか?
  • ポイント2 あなたの飼いたいペットは、あなたのライフスタイルに合っていますか?
  • ポイント3 あなたの家族は全員動物を飼うことに賛成していますか?
  • ポイント4 家族に動物に対するアレルギーを持っている人はいませんか?
  • ポイント5 毎日欠かさず世話に時間と手間をかけられますか?
  • ポイント6 あなたの体力で世話ができるペットですか?
  • ポイント7 近隣に迷惑を掛けないように配慮できますか?
  • ポイント8 ペットの一生にかかる費用を考えてみましたか?
  • ポイント9 生涯にわたる計画を立ててみましたか?
  • ポイント10 万が一、飼えなくなった時のことを考えていますか?

大切なことですね、どれ一つ欠けても飼う資格はないと思えます。

ほとんどは心構えですが、今回はポイント8の費用にフォーカスしてみましょう。

まず賃貸物件で飼う場合は本当に大変です。

昨今増えてきたとはいえ、全ての賃貸物件の中でのペット可の割合は、各種データにより変動はありますが

4%~16%前後となっています。

このバラツキは地域性によります。首都圏や大都市圏では高い比率になりますが、地方になればなるほどペット可の割合は少なくなります。

これはペットに対して地方が理解が無い。という訳ではなく、地方であれば戸建てを所有し飼っており、大都市圏ではそもそも賃貸という選択肢が多いだけの話と思われます。

首都圏でも地方でもペットが好きな割合はそう大きく変わりはしないでしょうからね。

いずれにしても、データから言えることは

ペットを飼うならお部屋探しはペット優先になってしまう ということです。

細かい立地や間取りなど、ペットを飼わない人に比べると選択肢は自ずと少なくなってしまうことでしょう。

もう一つ見逃せないのは

ペット可の物件は家賃も割高という現実です。

これは仕方のない部分です。

理由は2つです。

  • ペット可物件の維持管理コストが掛かる
  • 件数が少ない為、割高でも決まる

ペット可になると、共用部分に毛が落ちたりなどの維持管理コストは当然上がります、また市場で希少な物は値段が高くなるのも皆さんご承知の通りとなります。

ちなみにこちらもデータでみるとペット不可の物件と比較すると

10~20%程度高い

となっています。単身者向けで約10%程度でファミリー向けだと10%後半台といったところでしょうか。

またペットを飼育する時は契約金も高額になるケースが多く、ペット飼育不可の物件であれば敷金が1か月の物件でも

ペット飼育時は敷金を2か月~3か月預けること などいわゆる「敷金の積み増し」を求められることも珍しくはありません。

このようにペットを飼うということは金銭的にも

自分よりもペット優先の生活をしなければならない ということになるんですね。

人間だけなら・相場の家賃で・立地も選べて・各種設備や築年数なども選べますが、ペット可となるとペット可の中から「消去法」で選ばざるを得ません。

このように、まずお部屋を探して住むというだけでも費用が通常より掛かってしまうのです。

そして、お部屋が用意できてペットを迎えてからも出費は止まりません。

毎月発生する餌代や病院に関する費用などです。

これもペット保険を取り扱う保険会社が調査した年間支出調査があります。

こちらのデータによると

1年間にかける費用は、犬は36万円、猫は16万円 1月に換算すると犬で3万円 猫で1.35万という計算になります

思ったより高いと思った方が多いかもしれません。

内訳でいくと約半分を占めているのが「餌代」と「病院代」です。その他にもトリミングや首輪、意外と見落としがちなペットの為の光熱費というのも含まれています。

例えば人間だけで生活しているなら、日中仕事で不在の間などはエアコンを止めておきますが、ペットがいる場合に真夏の室内に放置は出来ないでしょうから、一日中エアコンが稼働していることも珍しくはありませんよね。

医療も特別です。ペットには人間のような健康保険のような仕組みはありません。全額自己負担となります。

もちろん、このデータはペット保険に加入している方を対象としていますので、そういった意味では「ペットを文字通りの家族」として飼っているような方が対象になっているため、しっかりと飼うのであれば、やはりこの水準が掛かってくるということでしょう。

いかがでしょう。

家賃を最高で2割も割高で借り、毎月1.5万~3万円を費やし、お散歩や遊んであげる労力・時間を兼ね備えておかねばならないのです。

支出はまだ止まりません。

お部屋を出る時の原状回復です。

賃貸物件に住んでいれば、ライフステージの変化などによりお引越しもあることでしょう。

その際に発生してくるのがお部屋の原状回復です。

もちろん、通常の賃貸であれば国土交通省のガイドラインにより「生活による自然損耗や経年劣化」というのは貸主負担というのは周知の通りとなってきました。

また裁判でも賃借人有利となる判例はたくさん出てきております。

しかし、この「自然損耗や経年劣化」にはペットによる損傷は入っていません。

壁紙の自然な変色などはペットの飼育の有無は関係ありませんが、

ペットを飼ったことによる匂いや損傷は自己負担です

ここでも築年数やリフォーム後なのかにより負担割合は個別に変化したりもしますが、裁判での判例は軒並み「ペットを飼う責任」に厳しい判決といえるでしょう。

判例では「ペットを飼ったのであれば匂いや損傷によるものは飼主の責任」という判決が多くみられます。

ペットというのは飼主から見ると「無くてはならない」のかもしれないですが、一般的には「生活に必須」とはいえない訳です。

法的な立場からみると「本来飼わなくてもいいペットを好きで飼ってるのだから、迷惑を掛けた分は自己負担するのが当たり前でしょう」という感覚です。

ちなみにペット可ということで特別に家賃が高い場合などは一部「損傷も家賃に含まれており、自然損耗といえる」という判例もありますが、少数となっております。相場よりも明らかに高いという基準をどう示すかとなると確かに難しいでしょうからね。

いずれにしても損傷や匂いを残さない為の予防は当然ながら、もしもの為の費用というのは覚悟しておかねばなりません。

愛する家族ならお金の責任も背負って

いかがでしたでしょうか

「そんなにお金お金と言って、ペットを飼うな」とでも言いたいのか

そう思われたなら申し訳ございません。

ですが、今回挙げたようなお金の問題をクリアできないと思われる方には正直「それならペットを飼うのは止めておきましょう」とハッキリ申し上げます。

なぜなら冒頭にも書いた通り

ペットにはあなたしかいないのです

ペットも動物です。時には体調を崩したりすることもあるでしょう。

そんな時に飼い主が「お金がないから」という理由で病院に連れていってあげられなかったら?

去勢手術などを適切に行わず、無理な繁殖をしてしまったら?

転居する時に家賃の問題でペット可物件を選択できなかったら?

それはペットにとって不幸な結果をもたらすことになるでしょう。

極論「あなたが飼わなければ幸せになれたかもしれない命」にしてしまいます。

私は今現在ペットを飼いたいのですが飼わないのも同様の理由です。

今の私はペットに対する責任が取れるか分からないから飼わないのです。

今回の記事を見ても「私はクリアできるし大丈夫」と胸を張っていえる方でしたら、飼われるペットも幸せでいられることでしょう。

ペットを飼うにはまずは飼い主である自分自身がペットを飼える時間や労力、そしてお金の余裕が必要なんです。

それは家族同然であるペットの為にも必須なんだと思います。

気分を害してしまったなら申し訳ないのですが、それでも不幸な結末を見るよりはずっとマシです。

そして、これを読んで充分理解してくださったうえで、ペットを飼って幸せにしてくれる方は歓迎されることでしょう。

そんなあなたをこれから飼われる運命のペット達も待ってくれているハズですからね。

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