
突然届く手紙
管理会社には日々様々な手紙や問い合わせが来たりします。
今回は税務署から来る「照会書」についてご説明してみようと思います。
一定数の戸数を管理していると、たまーに来るこの調査依頼。
初めて見る担当者は困惑することもあります。
大体の疑問としては
- 何のために調査されているのか?
- そもそも答える義務があるのか?
- 答えることで個人情報保護法に触れないか?
- どこまでの範囲で答えるのか?
- 答えた結果、何が起こるのか?
これらについて私が知る範囲でご紹介してみようと思います。
ちなみに私の個人的見解なども入っているので、迷ったら専門家に相談してください。
あくまで私のこれまでの経験と税務署の方に聞いた範囲などになりますので、その点は悪しからず。
税金を滞納している方の調査

まずは何の為に調査しているかですが
税金を滞納している人の調査です
冒頭の画像でいうと「調査対象者」に記入されている方が所得税や住民税などの税金を滞納している状態です。
そして、多くの場合「調査対象者」と連絡がつかず、税務署が差し押さえなどを検討している段階という訳です。
そこで、現住所の確認や敷金の有無などを管理会社に確認している訳です。
ちなみに調査対象者が勤めている場合は、勤め先の会社にこの「照会書」が届くこともあります。
これも同様に「現在勤めているか?」「給与などを差し押さえることが可能か?」などを調査している訳です。
では、この照会書が届いたら管理会社は回答する義務はあるのでしょうか?
回答はしないといけない

なんとなく、書式の感じからするとアンケート的な雰囲気があるのですが、これはれっきとした法律によるものです。
照会書に小さく書いてある「国税徴収法第141条 質問検査権」が根拠となっています。
ちなみに141条はこんな内容です
(徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権)
第百四十一条 徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次に掲げる者に質問し、その者の財産に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。第百四十六条の二(事業者等への協力要請)及び第百八十八条第三号(罰則)において同じ。)その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
一 滞納者
二 滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者
三 滞納者に対し債権若しくは債務があつた、若しくはあると認めるに足りる相当の理由がある者又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者
四 滞納者が株主又は出資者である法人
国税徴収法より
この条文でいうと物件オーナーや管理会社は滞納者に対し、家賃という「債権」を持っているという形になります。
その為、この条文の範囲に入ってしまうのです。
そしてこの国税徴収法ですが正当な理由なく回答を拒否したり、虚偽の内容を回答したりすると
罰則があります
第百八十八条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第百四十一条(徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権)の規定による徴収職員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をしたとき。
二 第百四十一条の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
三 第百四十一条の規定による物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出したとき。
国税徴収法より
一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処する。
「なんだコレ?回答しなくてもいいか」はダメです。回答は必ずしましょう。
次は気になる個人情報保護法との兼ね合いです。
開示しても大丈夫

そもそもですが、個人情報保護法には例外規定があります。
(第三者提供の制限)
第23条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
一 法令に基づく場合
個人情報の保護に関する法律より
このように法令に基づいて開示を求められているものには適用されない訳です。
先ほどもご紹介した通り、この照会書は「国税徴収法第141条」を根拠としている訳ですから、開示したことで問題にはなりません。
もちろん、調査対象者の同意も必要はありません。
ただ、だからといって無条件に何でも回答すれば良いか?というと、私はそうは思いません。
ここからは私が回答する時に気を付けていることや、実際の回答方法についてご説明しようと思います。
管理会社が回答する場合の注意点

ここからは実際の回答方法についてご紹介しましょう。
実際の回答は「回答書」で返答します。
この照会書と一緒に「回答書」と「返信用封筒」が同封されており、この回答書と賃貸借契約書の写しをセットにして送付します。
ちなみにこんな感じになっています。

先ほどの照会書と書式はほぼほぼ一緒ですが、まずは回答者の住所氏名連絡先や記入日付を書きましょう。
住所や氏名は会社の住所や担当部署、担当者名でいいでしょう。
その他は質問事項を賃貸借契約書の記載事項を記入していけば良いだけです。
最後に賃貸借契約書のコピーを同封して返送すれば大丈夫です。
しかし、注意することもあります。
私が気を付けている点は
- 関係の無い方の個人情報は守る
- 対応が難しい場合には担当者に確認する
の2点です。
どういうことかというと
よくあるのが「調査対象者」が賃貸借契約書に記載されていない場合です。
どういうことかというと
例になりますが、調査対象者が (仮)山田 太郎 という名前だったとしましょう。
しかし、賃貸借契約書の名義には(仮)山田 花子 とあった場合です。
この場合、恐らくは山田太郎と山田花子は血縁関係などの関係はありそうな気がします。
ですが、山田太郎という人が賃貸借契約書の同居人にも記載が無い場合、本当に関係があるのかは立証しづらいですよね。
こうなると、問題は複雑です。
恐らくは家族や夫婦などの関係であると推測はされますが、賃貸借契約書上は記載が無いにも関わらず、この賃貸借契約書を開示してしまっても良いのだろうか?という疑問が残るのです。
例えば(仮)山田太郎という方が以前住んでいたかもしれないが、現在は同じ苗字の山田花子さんは他人だったら?と思ってしまいます。
先ほども申し上げた通り、この照会書を元に情報を開示しても個人情報保護法には当たらないのですが、万一、別人の情報を開示してしまったとしたらどうなるでしょうか?
その為、私はこういった状況の時はこうしています。
税務署の担当者に電話する
照会書も回答書も下の部分に担当部署と担当者の記載があります。
迷った時はこちらの担当者に電話しましょう。
先ほども書いた通り、わざと回答を拒否したり、虚偽の内容を回答したりすると罰則はありますが、担当者に確認すればそういった恐れはありません。
ちなみに先ほどの例の場合はこんな回答でした。
私「(仮)山田太郎が賃貸借契約書上に名義でも同居人でも記載がないんです」
税務署の担当者(以下 税)「現在の方ってどなたになるんでしょうか?」
私「それは言えないんですが、名前をお伝えしていいか判断がつきません」
税「あぁ、そうですよね、ちなみに(仮)山田太郎さんの名前は入居申込書等にもありませんか?」
私「どこにも記載がないんですよね」
税「そうですか、それであれば賃貸借契約書の有無の欄に無と記載して返送してもらえますか」
こんな感じでした。
こちらとしては協力したいが、開示していいものか迷う部分は確認しても良いと思います。
最後に、私はこういった公的なお問合せでも対応として決めていることがあります。
聞かれたこと以上の話はしない
仮に私が調査対象になっている入居者さんのことで知っていることが有ったとしても、聞かれていないことを自分から話すことはありません。
例えば電話口で聞かれてもいないのに「(仮)山田太郎さん、車は○○に乗ってますよ」とか「たしかお勤め先が〇〇に変わってましたよね」などとは話しませんし、管理会社としては話すべきではない気がしています。
もちろん、そういった質問が正式に聞かれたなら知っている範囲では答えます。
しかし、事実かどうか分からない内容や聞かれてもいない内容については話すことはありません。
これは個人情報の観点という面もあるのですが、縁あって管理物件に住んでいただいた入居者さんに関係の無い事項で、管理会社が追い打ちを掛けるようなことを気分的にしたくない。という個人的な感情だと思います。
いずれにしても、聞かれたことに真摯に対応するだけで十分責務は果たしていますので、無用なトラブルを避ける為にも「聞かれた範囲で答える」で正解だと思います。追加の質問が必要なら聞いてくることでしょうから。
いかがでしたでしょうか。
要は分からない点については「税務署の担当者に聞けばいい」ということなんです。
まだ対応したことのない方に役立つ内容であれば嬉しいです。
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賃貸管理の原理原則|なぜ当社は「オーナーファースト」を貫くのか
誤解を招きやすい言葉だから説明したい この記事を書いているのは2025年参議院選挙の前日です。 今回の選挙では「日本ファースト」という言葉が頻繫に飛び交っていますね。 少し前ですとアメリカ合衆国でも「アメリカファースト」を掲げたトランプ大統領が当選しましたし、東京都議会選挙では「都民ファースト」が旋風を巻き起こしました。 さて、この「○○ファースト」ですが、我々賃貸管理会社にも命題となる問いがあります。 オーナーと入居者、どちらを優先すべきか? 我々、賃貸管理会社で働く人間は常にこの間に立たされます。 このオーナーと入居者は頻繁に相反関係になりやすいものです。 例えば家賃一つとってもそうでしょう、入居者さんは出来る限り安い方がありがたいですし、オーナーさんは高い方がありがたい。 では、その間に立つ管理会社は「○○ファースト」はどこに置くべきなのか? これに対する私の答えは 賃貸管理会社は「オーナーファーストであるべき」 正直、これ以外の答えはないと思っています。 管理会社の使命とは何か?「オーナーファースト」の真の意味 賃貸管理会社の存在意義は、突き詰めると「物件オーナーの資産を守り、育てること」に尽きます。 物件の維持管理、入居者対応、家賃管理、リフォーム提案——その全ての根底にあるのは、「物件オーナーの収益を守る」という視点です。 ここまで読むと「ケッ!金持ちの犬が!」と思われるかもしれませんが、そうではありません。 なぜこれほどまでに「オーナーファースト」が大事なのでしょうか? 理由は非常にシンプルです。 オーナーの収益が守られなければ、賃貸物件そのものが市場から消えてしまうからです。 みなさんはご存じでしょうか? 全国的に公営住宅が次々と減少しているということを? そう、この人口減少社会と公営住宅の維持が負担となっており、各市町村からどんどんと公営住宅は減ってきています。 国としても住まいの確保は民間の力が無ければ維持していけないのです。 そういった状況で仮に賃貸物件を所有する方の収益がなければ、どうなるでしょうか? 入居者様がどれだけその物件を気に入っていても、収益が立たない物件を維持し続けることは不可能です。 物件が消えれば住まいも消え、入居者様の「安心して暮らせる場」もなくなってしまいます。 つまり、賃貸物件はどう取り繕っても、所有者の収益を守ることが大前提となるのです。 入居者を軽視してよいという話ではない ここで誤解されがちなのは、「オーナーファースト=入居者軽視」ではないということです。 むしろ、オーナーを大切にするからこそ、入居者も大切にするべきなのです。 なぜなら、オーナーにとっての一番のリスクは「空室」です。 空室は収益を失うだけでなく、物件価値そのものを下げる要因にもなります。 だからこそ、私たち管理会社は「入居者様に選ばれ続ける物件」であるよう、清掃・修繕・苦情対応に全力を注ぎます。 良い入居者様が長く住んでくれれば、それが一番オーナー様の利益になりますし、同時に入居者様にとっても「安心・快適な暮らし」が実現します。 例えば間違った「オーナーファースト」を掲げて、入居者軽視をした場合、短期的にはオーナーが助かるかもしれませんが、そんな横暴なことをしてしまっては入居者さんはその物件に見切りをつけて、引っ越してしまい、結局はオーナーファーストを守ることは出来ないでしょう。 つまり、本当にオーナーファーストを貫くためには、入居者様を大切にしなければならないのです。 だからこそ、時には入居者軽視に流されそうになるオーナーさんを諌めたり、入居者の住環境維持や満足度向上を絶えずオーナーさんへ提案するのです。 短期的にはオーナーさんも出費になり辛いかもしれませんが、長期的にみた収益を守る為に提言するのです。 その順番をはき違えず、感情に流されずに、正しいバランスで立ち回ることこそが、管理会社としての使命だと私は考えます。 哲学がブレない組織であるために では、なぜそんな誤解を招きそうなことを表明するのか?という問いには 当社のスタッフが迷いなく行動が出来る為です。 冒頭に書いたように、我々賃貸管理会社というのは本当に様々な問題が発生します。 答えが一つでない問題を前にした時の為に、価値判断基準を設けておくことが必要なのです。 「オーナーのために」——この軸さえブレなければ、日々の判断や行動に迷いはなくなります。 そしてその延長線上には、必ず入居者さんの満足、ひいては地域全体の暮らしの質の向上があると信じています。 「原理原則」と「オーナーファースト」は当社において大事な価値判断基準になっています。 今回の選挙もどういった結果になるのかは分かりません。 世の中には多様性や自由を求める声も多く、本来は歓迎されることと思います。 しかし、その多様性や自由は時に判断を難しく、また結果責任が伴います。 当社では私が最終的な責任を取る立場にある以上、この価値判断基準を掲げています。 スタッフが現場で迷いなく判断できるように 物件のオーナーさんと入居者さんが共に満足いただけるように そんな理想を追い求めながら今日も頑張っていこうと思うのです。
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地域の発展なくして、不動産の発展なし 〜賃貸需要は「人」と「仕事」が生む〜
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【リニューアルオープン】「湯治の宿 妙見館」~心と体の湯治体験を~
新館完成 × 既存客室フルリニューアル 霧島の自然豊かな地に佇む宿「湯治の宿 妙見館」が、ついに2025年、新館の建設とともに大規模リニューアルを実施し、新たなスタートを切りました。 そんな話を聞きつけた温泉好きな私は居ても立っても居られません、レッツゴー 今回はおススメの景観も含めて、素晴らしい妙見温泉の魅力も含めてご紹介したいと思います。 湯治の湯として有名【妙見温泉とは】 まずは妙見館のある妙見(みょうけん)温泉のご紹介です。 鹿児島県霧島市は県内でも有数の温泉地です。 平安時代には、すでに温泉が湧いていたと伝えられていますが、現在の源泉は明治28年に妙見神社の旧跡から発見されたことにより「妙見温泉」と呼ばれ、多くの人に愛されております。 歌人である斎藤茂吉は「日当山 妙見 安楽 塩浸 湯は湧きいでて くすしき国ぞ」という歌を残しています。 また、妙見温泉は「湯治の湯」として有名です。ちなみに「湯治(とうじ)」とは、古くから日本で行われてきた温泉療養のことです。 数日〜数週間、温泉地に滞在して、温泉に繰り返し入ることで体の不調を改善するとされており、現代風にいえばストレス解消やデトックスに通じる文化ですね。 周辺にはたくさんの温泉宿が立ち並んでいます。 心と体に優しい温泉だそうですが、なにがそんなにいいのだろう? そう思いながら向かいました。 【アクセス】圧倒的な森と水が癒してくれる さあ、向かいましょう。 妙見館の地図はこちらです。 霧島市街地からだと、日当山駅方面から国道223号を北上します。 道中は天降川(あもりがわ)を眺めながら、川に沿って北上します。すでに眺めがいいです。 夏は窓を開けて走ると、清流のひんやりとした心地いい空気を感じられます。 しばらく走ると画像のように、一気に温泉宿が集中するエリアになります。 ここが妙見温泉です。 この交差点を右へ曲がると妙見館への橋になります。 宿の名前に「湯治」が入っているんですね、楽しみです。 この橋を渡るのですが、この橋が異世界感を出してくれており、ワクワクしました。 橋の上から見ると二つの川が合流する場所です。写真では分かりづらいですが、水の透明度は高く、エメラルドグリーンのような色です。 恐らく温泉の成分などが影響しているのでしょうか、写真左側の天降川の方が緑の発色が強い気がしました。 橋を渡り左側に進むと、妙見館の駐車場があります。 ちなみにバスなどで行く場合は、歩行者専用の橋があります。 この橋は妙見館直結のような感じで、橋の名前が「虹のつり橋」だそうです、ロマンチック そして、こちらがリニューアルされた「妙見館」です。 左側に見える4階建に見える建物が、今回新たに新築された「新館」だそうです。 虹のつり橋からロビーへ直結しています。 圧巻の湯量と芯から温まるお湯 妙見館は当然宿泊もありますが、立ち寄り湯もあります。 温泉だけ入る場合はフロントにある箱に大人500円 中学生以下300円を入れればOKです。 おぉ、なんて人を信頼したシステムだ!と思いましたが、ちゃんと入口にはカメラがありました。 しかし、温泉に来るような人にそんな悪い人はいませんよね。と思いました。 脱衣所はリニューアルされ、かなりキレイになっています。 トイレなどもキレイですね なんだこのお湯は?いつまでも持続する温かさ さあ、温泉に入ります。 ちなみに温泉は2か所あります。 本館の上階にあるお湯がこちらです。 入った第一印象は スゴい湯量だ! 絶えず大量の温泉が湯舟に流れています。 それもそのはず、妙見館は毎分300ℓの湧出量をほこる源泉を、かけ流しで注ぎ続けているそうです。 もうね、音が違います。 常に循環し続けるお湯が最高でした。 泉質は 泉質ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(低張性・中性・高温泉)泉温源泉49.3度効能きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症、筋肉若しくは慢性的な痛みまたはこわばり、胃腸機能の低下、軽傷高血圧、疲労回復、健康増進 などだそうです 入った瞬間 あぁぁぁぁあ~ と声が漏れる位いいです。 この辺りの温泉は鉄分を多く含んでいるそうで、お湯の色は黄色に近いんでしょうかね。 本当に体の芯からポカポカして気持ちいいんです。 先ほど書いた通り、絶えず大量のかけ流しがありますので、お湯が私を通り抜けていくような肌触りがとても気持ちよくて、何だか心も体の内部も洗い流されていく感覚がありました。 とても不思議な感覚でしたね。 こちらが下の階のお湯です。ほぼ川と同じ高さで窓を開けると川が見えて気持ち良かったです。 但し、こちらの温泉は先ほどのつり橋から見える位置にありますので、ご注意を はぁー、さっぱりした!とお湯を出た私に、妙見館のオーナーさんが 「どうぞ、お水をたくさん飲んでくださいね」とお水をいただきました。 お礼を述べて、一杯いただくと 「もっと飲んでおいてもいいと思います」とのこと 私は「そんなに水飲まなくても大丈夫だけど・・・」と頭の上に?が浮かんだその時 この妙見館がなぜ「湯治の宿」と呼ばれているかを初めて知ることになりました。 なんと お湯を出てからも汗が出続けていたのです。 本当に体の芯の芯まで温まった結果、うっすらと汗が出ていました。 オーナーも「ここのお湯に入ると芯から温まった結果、入ってる間も、出てからも発汗作用があるんですよ」とのことでした。 なるほど、このように体の表面だけではなく、内臓や体の芯まで温めるこのお湯が正に「湯治の宿」と呼ばれる所以なんだろうと実感しました。 しかも、自分から流れる汗は、普段のべたべたするような汗ではなく、サラッとした心地のよい汗で、しばらくすると肌がいつもより、ツヤが出てきました。 大したスキンケアなどをしない、40を超えた私の肌でも実感が沸くのですから、美容の湯としても有名というのは、こういうところなんだろうな!と感動しました。 リニューアルされたキレイな客室 続いて、今回リニューアルで生まれ変わった客室をご紹介いたします。 こちらが今回新築された新館、こちらの客室はなんと、各お部屋でも温泉が楽しめるようになったとのことです。 それでは室内の写真をご紹介します。 室内は当然ながらピカピカで、全体的に和モダンの落ち着いた造りです。 そして、私が思う新館の推しポイントが この天降川と2つのつり橋と、目の前に広がる、渓谷の緑を望む眺望です。 正直、最高です。 ボーっと眺めているだけで、普段のストレスが飛んでいく気がします。いや飛びました。 しかも、もっと最高なのが 客室のタイプによっては、客室バルコニーが露天風呂になっているんですね。 「え?外から見えるんじゃないの?」とご心配のあなた 心配ありません。 この柵はレバーをクルクル回すことで、閉じることも出来ます。 今回新たに生まれた新館は、この絶景を一人占めできるような感覚になります。 このお湯に入りながら、川のせせらぎを聞きながら、渓谷の山々を眺めるのは最高ですね。 内湯になっているお部屋もあるみたいですね .写真を撮り忘れてしまいましたが、洗濯機が室内にあり、着てきた衣服を洗濯して次の日はキレイな状態で持って帰れます。 充実の共用スペース オーナーさんは旅行が好きで、アフリカや各国を旅してきた方で、みんなが使える共用スペースには、各地の情報誌もたくさん置いてあります。 ちなみにオーナーさんは英語対応可です。 外国から来られる方とのコミュニケーションも大好きだそうで、和やかで気さくな方なので、お時間あればお話しをしてみてください。 特にアフリカの話はめちゃくちゃ面白かったです。 こちらは自炊スペースです。 素泊まりを選択して、周辺で買ってきた物で自炊が可能です。 長期滞在すると掛かるコストを低減して、ながーく楽しめる宿にしたいとのお話でした。 調理器具も充実してます 他にも本館の方には、今回のリニューアルを機に様々なタイプのお部屋が誕生しました。 画像の2段になった客室は、下のフロアではプロジェクターでシアタールームにもなるという変わり種。 やはりお子さんに大人気だそうで、秘密基地感がありますね。 その他にもシングルの長期ステイに向く、シンプルイズベストなタイプのお部屋もあり、各お部屋にそれぞれ特徴のある個性的なお宿になっています。 上段も下段も布団がありますが、下はシアタールームになっています。 こちらはシングルルームのシンプルなお部屋です。このクオリティで宿泊価格はビックリの格安でした。 周辺の景色 写真だと分かりづらいのですが、目の前の山はかなりの高さで、緑に圧倒されます。 心地よい音の天降川(あもりがわ)です。 下の川では鮎釣りをしている方も 清流の証ですね。 妙見館一階では川を目の前にすることもできます。 ちなみにこの空きスペースは今後、みんなが楽しめる物を作る計画があるそうです。 楽しみですね。 周辺は散策するのに、良いコースで、穏やかな表情で散歩している方を見かけました。 虹のつり橋からの妙見館 こんな大自然の中を芯から温まった体で歩くのは気分が良かったです。 こちらはcafeすが商店 妙見館に泊まる時はこちらで朝食付きプランもあるそうです。 妙見館からは、虹のつり橋を渡った対岸すぐにあります。 ここで食べられるソフトクリームは、まじで美味しいですよ。 こちらはご夫婦で営まれています。 コーヒーも絶品です。 私が「コーヒー美味しいですね」と言うと 「この辺りは水がとてもいいので、コーヒーも引き立つのよ」 とのこと、確かにこの大自然が育んだ水は美味しいだろうなと思いました。 「でも、一番は私たちの腕かな」と笑っていらっしゃいました。 気さくなご夫婦で、幸せな気分になりました。 しかもこちらの喫茶店、夜になると地下にあるカラオケスペースが開店します。 本格的な音響設備とステージがありました。 正直、このステージで熱唱してみたいと思いました。 今だからこそ「湯治」という文化を 昔は今ほど医療や薬が発展していませんでした。 だからこそ、心身の不調を身近にあるものや自然から得られるもので回復していたのです。 医療や薬が発達した現代では、昔でいう湯治という役割は少しずつ変わってきているのでしょう。 しかし、今回私が「湯治の宿 妙見館」で体験した結論としては 現代だからこそ、「湯治」が必要なんじゃないかな? と思いました。 現代社会では、確かに病気などは医学で治せるものが増えてきています。 ですが、複雑になった社会で我々の心と体は疲れ切っています。 今私たちに必要なのは 心と体を芯から温めて、雄大な大自然を見ながら散歩して、何も考えない時間 そしてそれを提供できるのは 昔ながらの「湯治」という文化なのかもなぁ。と思いました。 初めて来た場所なのに、なぜか懐かしさを感じて 何もしない贅沢さを実感しました。 今日もお疲れのみなさん、あなたがすべきことは 「湯治」かもしれませんよ ご予約やお問合せはこちらから https://www.yado-sagashi.net/yoyaku/plan/index2.jsp?beg&all&yid=91629652182847 館名湯治の宿 妙見館住所〒899-6507 鹿児島県霧島市牧園町宿窪田4235電話番号0995-77-2211妙見館ホームページhttps://myokenkan.com/インスタグラムhttps://www.instagram.com/myokenkan/





