
まずは冷静に
私は不動産業界に身を置いて十数年、その前にも接客業を長らくしておりました。
その為、いわゆるクレーム処理というのはそれなりに行ってきました。
ちなみに私はクレーム処理は正直上手な部類に入ると思います。
部下にも「どうしても厳しいクレームなどが発生したら私に持ってこい」と言ってあります。
ここでいうクレームとは
正当なものであったとしても過大な要求、もしくは理不尽な要求、または難癖に近いもの と定義しましょう。
クレーム処理を行っていると一定数当たるこの文言
訴えてやる!
こういった強い言葉についての対応方法や返答方法を私なりに書いてみようと思います。
どちらかというと真面目な人ほど、こういった文言を言われた時に
「会社に迷惑を掛けてしまうかも」とか「訴えられたら嫌だ」と思い、プレッシャーに感じてしまうものです。
でも、こういった言葉は冷静に考えてみると実は「どっちでもいい」問題なのです。
今回は私が行っている対応方法をご紹介しようと思います。
バリエーションは様々

この手の言葉は他にもたくさんあります。
- 消費者庁に告発するぞ
- 宅建協会や国土交通省に言うぞ
- 市役所に連絡するぞ
- 地元の怖い人に連絡するぞ
- 法テラスに相談しに行こうかな
- 警察に電話するぞ
などなど、様々なバリエーションがありますが、要は一緒ですね。
関係機関や法律に訴え出るぞ!もしくは相談するぞ!と言っている訳ですね。
クレーム対応している方からすれば気になるのはこういったところでしょうか。
- 自分の対応で問題が大きくなって会社に迷惑を掛ける
- 自分自身へ法的な問題が降りかかる
- 上司などから自分の評価が下がる
- 正当な対応をしているつもりだけど、どうしてよいか分からない
かくいう私も当初はこんな気持ちでした。
訴えるぞ!という言葉に非日常の出来事が襲ってくるような感覚となり、電話などが終わってからも、こういった言葉や問題が頭を離れることがなく、大きなストレスとなりました。
また、自分自身は一生懸命仕事をしており、「間違ったことは言ってないはずなのに・・」というやるせない気持ちにもなってしまいます。
では、こういった言葉にはどう対応すればよいのでしょうか?
大前提「自分にはどうしようもない」

結論から言いましょう
こういった言葉を使われた時に私が言うのはいつも変わりません。
相手「訴えるぞ」
私「そうですか、訴えるのはお客様の権利ですから、ご自由になさってください」
これです。強気だと思いますでしょうか。
大前提として考えてみましょう。
「訴えるぞ」と言われて嫌な気持ちは分かりますが、その後はどうするのでしょうか?
訴えられたくないから要求を飲むのでしょうか?→飲める要求なら先に飲んでおけばいいですね。
「訴えないでください」とお願いするのでしょうか?→今後の主導権は相手にお任せですね。
訴えられると困ることをしているのでしょうか?→それなら自業自得なので仕方ないですね。
そう、そうなのです。
訴えられて困るようなことはしてはいけないですし、過大な要求はどちらにしても飲めないのです。
「お願いします、訴えないでください」と言ったところで相手が本気なら訴えられるでしょう。
そして、自分や会社が法に触れていたり、誤っていた対応をしていたら指導や罰を受けるしかありませんよね。
そもそも相手側もなぜ黙って訴えればいいものを相手に伝えるのでしょうか?
相手は交渉だったり叶えたかった希望が叶わないので、そういった意思を表明して、あなたの譲歩や謝罪を要求している段階なのかもしれません。
しかし、自分自身や会社が出来る限りの対応や謝罪などを行っているにも関わらず、このようなことを言われたら覚悟を決めましょう。
「訴える、訴えないは相手の権利」であり、本来あなたの意思とは関係ないのですから
訴えられたくなくて、相手の言い分に屈して謝罪や対応をしてしまうのもいいかもしれませんが、大体そういったことがあれば、次から次へと止まりませんからね。そのたびに「訴えるぞ」を聞きながら対応しますか?
あまり良い対応だとは思えませんし、「訴えるぞ」の度に疲弊していくだけですね。
ちなみに私は上記の言葉に続けてこんな風に続けることもあります。
私「そうですか、それはお客様の権利ですから、ご自由になさってください」
私「訴えるのは〇〇様の権利ですから、私がどうこういうものでもないです。会社や私も裁判での判決や関係機関からの指導などが下ればその通り従うだけですから」
どうでしょうか?よくよく聞けば当たり前のことしか言ってませんね。
そうです。判決や指摘、勧告など形は違えど、決定されたら従うしかありませんからね。
訴えるぞについては、こちらは何も言うべきことなどありません。出来ることといえば、実際に訴えられてから対応していくしかありません。
今思い悩んでもやることは今はありません。心配しないでください。
じゃあ実際の効果は?

私は接客業の時からこの「訴えるぞ」的な言葉を何度言われたか覚えていません。
冒頭に申し上げた通り、昔は怯えたり、気に病んでいました。
しかし、この思考になって上記の対応にしてからというものトラブル解決までのスピードや気持ちの持ち方も段違いです。
「訴えるぞ」を「脅し」として使っていた人達への対応が格段に楽になりました。
「訴えるぞ」という言葉は強い言葉です。大体の方はひるんでしまうのでしょう。使う方は頻繁に使うものです。
しかし、その相手が「お好きにどうぞ」となってしまうと相手は交渉方法が無くなってしまいます。
大体、脅しで使う人は論理的にお話出来ないから「脅し」を使う訳です。
何度も言いますが、本当に訴える人は何を言っても「訴訟」を実行することでしょう。
その場合、あえて相手に告知する必要はありませんし、わざわざ伝えない方が多数でしょう。
その為、この「脅し」として使う人は、相手に対して無効であることが分かるとトーンもダウンして、冷静に話せるようになる印象です。
逆に「俺も熱くなって訴えるとか言ったけど、困ってるだけなんだよ」などとなるケースも珍しくありません。
だからといって
「訴えられるもんなら訴えてみろ!」とまで言ってしまってはダメですよ。
人には損得勘定以外にも「面子をつぶされた」という理由で炎を燃やすタイプもいますからね。
「そこまで言うなら、トコトンやってやるよ」という結果を招きかねません。
こちらから火を大きくすることもないでしょう。
とはいえ、実際に訴えられたい訳でもありません。そんなに強気に出てもいいのでしょうか?
事実として、実際にこういった言葉を使う方の多くが実行に移しません
私が分からないだけで、実際には行動を起こしているのかもしれませんが、相談先で「これは無理だよ」と逆に言われたりして断念しているのか、私には知る由もありません。
私は何度も言われていますが、実際に行動に移す方の割合は1000人に1人位じゃないでしょうか。
そして実際に行動に移されたとしても、しっかりと法律や原理原則に則った対応をしていれば問題になることなどほぼ無いことでしょう。
いかがでしたでしょうか。
今こういった言葉を使われて悩んでいる方も、よくよく考えてみてください。
「あなたには止める権利はないこと」ですから心配しないでください。
あなたが気に病んでいること自体が相手の思う壺かもしれませんよ。
当たり前のことを当たり前のように
私の好きな言葉です。
しっかりとした対応をしているのであれば、問題はありません。
頑張ってください、応援しています。
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解約予告はお部屋を決めてから!その理由と正しい進め方
お部屋探しを始めようと思ったとき、まず浮かぶ疑問の一つが「今住んでいる物件の解約予告はいつすればいいのか?」ということではないでしょうか。 結論としては、絶対にお部屋を決めてから解約予告をするべきです。 この記事では、その理由や解約予告を行う際のポイントを詳しく解説します。 まずは現在の状況を確認!解約予告期間のチェックが第一歩 お部屋探しを始める前に、まず確認してほしいのが「今住んでいるお部屋の賃貸借契約書」です。この中に記載されている「解約予告期間」を必ず確認しましょう。 解約予告期間とは、「解約を申し出てから、実際に退去するまでに発生する家賃の支払い期間」のことです。多くの賃貸契約では1か月前予告が一般的ですが、例外もあります。 一般的なケース:1か月前予告解約の意思を伝えた日から1か月後には契約が終了し、それ以降の家賃は発生しません。 例外ケース:2か月前予告や特別な条件一部の物件では2か月前の予告が必要だったり、その他の条件が記載されている場合があります。契約書の条項をしっかり読みましょう。 日割り精算方法日割りでの家賃精算になる場合もあれば「解約月の家賃は日割り精算をしないものとする」という条項もありますので、「結局いつまでの分の家賃が掛かるのか?」をしっかりと把握しましょう。分かりにくい場合は管理会社に直接尋ねてもよいでしょう。 なぜお部屋を決めてから解約予告をするべきなのか? 解約予告を早まってしまうと、次のような問題が発生する可能性があります。 新しいお部屋が決まらないリスク解約予告を出してしまったのに新居が見つからなければ、退去期限が来てしまい、住む場所がなくなる恐れがあります。 家賃の二重支払いリスク新居が早く決まっても、現在の物件の解約予告期間分の家賃を支払わなければならず、二重の家賃負担が発生する可能性があります。 これらのリスクを避けるために、必ず新しいお部屋を決めて契約を終えてから解約予告を行うのが賢明です。 出来る限り家賃が重なってしまう期間を短くしたいと考えるのは当然ですが、やはりリスクは高くなってしまいます。 最悪のケースですと「住むところが無いけど、荷物は出さないといけない」という事態に陥ってしまいます。 お部屋探しをギャンブルにしてしまってはいけませんからね。 解約予告の手順と注意点 それでは、どのような手順で進めればいいのでしょうか。 現在の賃貸借契約書を確認する解約予告期間を把握し、予告タイミングを計画します。流石に2か月前などの場合は解約予告を先に出すしかありませんが、それでも次のお部屋をしっかり探せる状況か否かは、しっかりと予定を組んで行いましょう。 新しいお部屋を決める入居可能日が現在の物件の解約予告期間と調整できるかを確認します。解約予告期間と次の入居開始日を調整できるか確認します。但し、この入居開始日の調整は各社様々です。 解約予告を出す管理会社や大家さんに連絡し、解約予告の手続きを行います。この際、必要な書類や具体的な退去日を確認してください。ここで大事なことは「入居審査が通過してから解約予告をする」ということです。お部屋の申込だけでは不十分です。繁忙期などの忙しい時期などであれば、解約予告を出した次の日には、あなたのお部屋に次の入居者さんが決まるということもあります。入居審査に落ちたから「今のお部屋に住み続ける」という選択肢を取れなくなる可能性があります。無用なトラブルを防ぐ為にも「入居審査後に解約予告を出す」ことは必須だと思います。 退去準備を進める引越し業者の手配や現状回復の準備を行い、スムーズな退去を目指します。 お部屋探しは、新生活のスタートを切る大切なプロセスです。 計画的に進めることで、ストレスを最小限に抑えられます。まずは現在の契約内容をしっかり確認し、理想の新居が決まったタイミングで解約予告を行いましょう。安心して新しい暮らしを迎えるためにも、解約のタイミングには注意が必要です。
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本年もありがとうございました
来年もよろしくお願いします 今年も残すところ、あと数日ですね みなさんにとって今年はどんな一年でしたでしょうか 私にとって今年は考えさせられる出来事が多い年でした。 ガラにもなく 「地域とは?」「私の使命とは?」「不動産業とは?」などを考えることが多かった気がします。 今年もたくさんの人たちにお世話になりながら、一歩ずつ一歩ずつ前に前進してきたと思います。 本当に今年もお世話になりました。 スタッフを代表してお礼を申し上げます。 来年もみなさんと社会の役に立てるように一生懸命励んでまいります。 皆さまのご多幸と益々の発展を祈念しております。 株式会社ロータスホーム 代表取締役 内田 幸喜
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不動産あるある ~年末は変なクレームが多い~は本当か?
年末は色々と起こる 今回は人気シリーズの不動産あるあるシリーズです。 少しずつ秋のよそおいから冬の気配を感じ始める今日この頃、もう少しするとクリスマスや年末など慌ただしくも、楽しい季節がやってきます。 そんな季節ですが、不動産業界ではよく言われる定説があります。 「年末は変なクレームが増える」 これについては、私も確かにそうだなと思っています。 どんなクレームが増えて、その原因とはなんなのかをお話してみようと思います。 一年の終わりは何もなく、来年へ向けて明るい気持ちを持ちたいものです。 さあ、レッツ年末 ①お酒がらみのトラブルが増える まずはこちらです。 年末になるとお酒を飲む機会が増えます。 忘年会、クリスマスパーティー、大晦日など、みなさんも会食などの機会が増えますよね。 そういった要因でお酒によるトラブルが増加します。 これによるトラブルといえば 共用部分での嘔吐 酔ってぶつけた流血 自宅で友達等と酔って騒音騒ぎ こんな感じでしょうか。 お酒により注意が散漫になったり、気が緩んでしまったりが原因なんでしょうね。 「酒を飲んでも飲まれるな」 ぜひ人に迷惑を掛けないように、そして自分自身のためにも怪我などないように楽しく飲んでください。 最近SNSで読んで「なるほど」と思った一言をご紹介しておきます。 酒が人をアカンようにするのではなく その人が元々アカン人だということを酒が暴く 気を付けましょうね ②間違った大掃除によるトラブル 今年の汚れ 今年のうちに キレイなお部屋で新年を迎えたい そんな真面目で良い心がけで引き起こされるトラブルもあるのです。 以前の記事でも書きましたが https://lotushome.jp/blog/4593/ https://lotushome.jp/blog/4171/ この記事などで書いたのですが、慣れない部分を思い切って掃除しようとした結果 設備を壊してしまう 模様替えの失敗で壁に穴を開けてしまう 指定日外にゴミを出してしまう 夜中までやってしまい騒音苦情 せっかく大掃除をしてスッキリと新年を迎えたいのに、設備を壊してしまったり、他の人に迷惑を掛けてしまっては、明るい年末年始に水を差してしまいます。 ここでおススメなのは YouTubeです 掃除の仕方や注意点、各器具の外し方などは大体のことはYouTubeで紹介されていたりします。 最近はプロがコツなどを惜しげもなく紹介している動画などあります。 私も現場でYouTubeを見ながら対応することも珍しくありません。 いい気分で新年を迎える為にも、準備をしっかりとして臨みましょう。 管理会社としても大掃除をしっかりしていただくような方は大歓迎です。 しっかりと注意して、よい気分で新年をお迎えください。 ③孤独が引き起こす苦情 年末というのは華やかなものです。 クリスマスになれば街はウキウキした人たちであふれ、幸せそうな人たちがいっぱいです。 そうした浮足立つような時期がゆえに生まれる苦情というのもあると思っています。 社会から疎外されたような気分の人からすると、この季節は疎外感が生まれるのです。 何を隠そう、私自身もその昔、そういう時期がありました。 今よりも若い時分に、私は大都会東京にいました。 日々、忙しさに追われ、故郷を離れて、友人たちとも会えない日々、彼女もいません そんな中で街を見ればどこもかしこも楽しそうです。 まるで社会に私という存在がいてもいなくても関係ないかのごとく そんな20代の私は社会から祝福されていないという感覚に陥っていました。 世の中を妬んでいたんでしょうが、そんなことを認められない私はひどく攻撃的な態度を取っていたように思います。 実際にそのような気持ちを人にぶつけたような記憶はありませんが、当時の私はきっと話しかけたいような人ではなかったことでしょう。 世間は自分を軽んじているんじゃないか 世界で不幸なのは自分だけかもしれない 優しくしてほしい だけども素直に飛び込むことが出来ない 誰かと話したい そういった状況になると人の許容範囲というのは途端に狭くなります。 そんな気持ちが、少しの問題を大きく捉えて理不尽とも思える苦情に繋がることもあるんじゃないかな。と思います。 私は東京にいたころから管理会社に勤めていましたので、こういった鬱屈したような感情を持っていると思しき人達に数多く触れてきた気がします。 とてつもない言い分だったり、ひどく攻撃的な物腰はいつしか 「自分は間違っていない」「社会や世間が悪いのだ」「なぜ自分が悪者扱いされるのだ」と熱を帯びてしまいます。 しかし、そこには 「だから私を大事にしてくれ」「私を尊重してくれ」「私は社会にとって価値のある人間だ」 そういった叫びの裏返しに思えるのです。 過去の自分も含めて、こういった人たちを見ると痛切に思うことがあります。 世を妬み、人を恨んでもなお、人間というのは社会を拒絶して生きていくことは出来ないんだろうと 現在はSNSなどで簡単に人と繋がれるようになったハズですが、それが逆に「誰とも繋がれない人」の劣等感を浮き彫りにしてしまっている気さえします。 便利な社会になればなるほど、孤独の言い訳を奪ってしまうんでしょうね。 私はクレーマー対策も書いていたり、多少のトラブルはほとんど対処できるようにもなりました。 そんな私でも、この類の苦情の根本的な解決方法はまだ分かりません。 明るい未来と楽しい日々を 最後はガラにもなく、真面目なことを書いてしまいました。 とはいえ、楽しい年末年始が到来します。 今年も最後まで真摯に仕事に向き合おうと思っております。 そして全国の管理会社の同志のみなさん 大変な中お疲れ様です。 あなたが頑張っていることを想像して私たちも頑張ろうと思えます。 無事仕事納めを乗り切って楽しい年末年始を私たちも過ごしましょう。 そしてオーナーさんも入居者さんも、お酒や大掃除は注意して良い年をお迎えください。
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大家になろう② ~はじめの一棟 世帯数は?入居率は?~
https://lotushome.jp/blog/4909/ この記事では「大家になろう」をテーマに管理会社目線で見た不動産投資についてご紹介しております。 前回は、多くのみなさんが悩む「最初の一棟」についておススメしてみました。 こういったテーマですと抽象的なものが多いのですが、前回の記事では 築年数12年~25年 鉄筋コンクリート造のマンションではなくアパートで 利回りは地域の平均程度~少し上ならラッキー 現在の入居率は8割以上程度 世帯数は6戸以上~できれば10戸 こんな条件でした。 改めて見てみると「普通じゃない?」と思われるでしょう。それどころか 「もっと儲かるって聞いてるよ」「高く売りつけたいから平均的な物を目安にしているんだ」「もっと高利回りな物件がいい」というお声が聞こえてきそうです。 前回の記事でも書きましたが、この条件を挙げているのは 最初の一棟で回復不能なダメージを負わない為です 私は以前からの記事でも書いておりますが、不動産投資というのは真面目に取り組み、しっかりとした物件を購入することが出来ればという前提では 自己破産などに至るほどの失敗というのは、極めて珍しいと思っております。 大家さんで自己破産レベルに至る人というのは、全くいない訳ではありませんが、かなり少数です。 また仮に至るとしても、その理由は別の事業での負債、ギャンブル、金遣いの粗さ、など不動産投資そのものに起因するケースは稀です。 その証拠の一つとして「競売物件」が挙げられると思います。 みなさんもお住まいの所在地を管轄する不動産競売サイトをご覧になってみてください。 毎週のように一戸建てや区分マンション、工場、土地などが競売に掛かっていますが、不動産投資に繋がるような「アパート・マンション」といった「収益用不動産」が競売に掛かっていることは割と珍しいのです。 但し、だからといって「アパート、マンション投資はそんなに恐くないから飛びつけ」とは言えません。 それほど簡単に収益が生まれるほど、簡単ではないのもまた事実です。 今回は、その補足を申し上げていこうと思います。 なぜマンションではなく、アパートか これは管理会社目線でお話するなら一言です。 トラブルの規模が段違い これです。 いわゆる鉄筋コンクリート造の世帯数が多い「マンション」と木造や軽量鉄骨造の「アパート」では発生するトラブルに対するコストが「段違い」です。 マンションには規模にもよりますが以下のような設備が入っていたりします。 水道用ポンプやタンク エレベーター オートロック設備 機械ものが数多く使われています。 一方、私があげた世帯数が10戸程度のアパートであれば上記のような設備は基本ありません。 最近のアパートであればオートロックが入っていたりしますが、それも割と大掛かりなものでなく、簡易的な物が多いものです。 このような機械もののトラブルは修繕や交換などが発生するとあっという間に○百万円単位となることがあります。 最初の一棟で発生するとダメージは中々のものです。 しかも、お部屋のリフォームなどとは違い、対処は「せざるを得ない」ものです。 水がでない エレベーターが使えない オートロックが開かない は住んでいる居住者さんにとっては一刻を争います。 「費用が無いから」との言い分は通用しないのです。 一方、アパートは水道などは基本的には水道管から直結で宅内へ行きますし、エレベーターなどもついていませんので、機械もののトラブルというのは極めて少ないものです。 また、それ以外にも水道管の工事や電気関係の配線工事なども堅牢なコンクリートの中を走っているマンションに比べるとアパートは、壁を少し壊せば対応が出来ることなどから、修繕のリスクも段違いになるのです。 もちろん、収益性や売却での収益などはマンションの方が大規模になる分、高収益になるのは当然なのですが、投資の初期段階で潤沢な資産が無い段階ではマンションのリスクは中々重たいものとなるでしょう。 世帯数が6~10前後はなぜか? こちらの理由は 世帯数が少ないと空室リスクが高い 多すぎると物件価格が高すぎる これだけです。 世帯数が少ないとリスクという点については実際に例を出してみましょう。 物件価格3000万円 利回り9% 年間想定家賃270万円(22.5万円/月) 融資金額は3000万円 ローン年数は17年 金利2.5%で毎月返済額は18万円 築年数は今回は度外視しましょう。エリアによっては「こんな物件ない」になったり、「これはダメ物件」となるので 融資などもあくまで想定でいきます。とにかくこんな条件の物件でシミュレーションしてみましょう。 この場合、同じ想定収入だとしても世帯数に応じてリスクは異なります。 まずはこの物件が4世帯だった場合ですが 一世帯の家賃は56,250円 となります。 全体の収入が225,000円ですから、例えば一部屋空室が出たとすると 225,000円-56,250円=168,750円 となり、毎月の返済額18万円を下回ってしまいます。 もちろん、電気代や管理費なども掛かる訳ですから、返済額との差額以上に赤字となってしまいます。 一方、同じ条件でも10世帯あるとどうでしょう。 一世帯の家賃は22,500円 そうすると、単純に一部屋空きが出たとしても225,000円-22,500円=202,500円 となりますので、毎月返済額の18万円という返済額は賄えます。 2部屋空いたらトントンになります。 少し極端にはなりますが、世帯数というのは同じ返済額や利回りであっても、その影響を大きくするのか小さくするのか、という点においては初期は気を遣う必要があるでしょう。 そして、多すぎると物件価格が高いというのは、本当にそのままです。 最初の一棟でかなりの規模になると、仮に想定通りの賃貸運営が出来ない物件だった場合、軌道修正が難しい局面に陥ってしまいます。 最初は6戸~10戸前後のアパートというのは、そういった意味でも損失は限定的になってくるわけです。 入居率8割越えはなぜか? 私は個人的な格言があります。それは 利回りはリスクの度合い です。 利回りが高い物件というのは、それなりのリスクがあるからだという意味ですね。 余程の事情がない限りこれは当然です。 高利回りの物件というのはえてして 築年数がかなり経過している 入居率が著しく低い 問題のある入居者がいる 家賃設定が高すぎる こういった理由により利回りを高く(価格を下げて)している訳ですね。 大家としてある程度の知識や経験、対応できる資産を持ったベテラン大家さんなどは、こういった状況を正しく理解したうえで「あえて」こういった高利回り物件にチャレンジすることはあります。 そして、知見や資産などを活用し、市場よりも高い利回りを維持することが可能になり、大幅な収益UPを獲得する場合があります。 しかし、まだ経験や知識などが十分でない段階でこのような物件を購入することは得策ではありません。 その為にも、現在の段階でもある程度入居が見込めている物件をおススメします。 こういった物件であっても日々の細かい修繕やトラブルなどが必ず起こるのですが、こういった経験をすることで大家としての経験を積んでいくのです。 よく投資サイトなどで見る「全空アパートを再生して利回り○○%を達成」というのは、それなりの力量が求められます。 初期では無理をせずに「不動産投資とはどうやって成り立つのか?」や実際運営することによるコストなどをしっかり経験していくことが重要だと思います。 そういった意味でも現況の入居率が8割以上という物件であれば、対応策は「家賃の見直し」「適切なリフォームや修繕」などで十分に対応することが可能な物件が多いものです。 あまりに空室が多いと、こちらも同様にリフォームのコストが同時多発的にかかってしまうのも大変ですからね。 ここで注意なのは、いわゆる「満室詐欺物件」です。 満室詐欺については https://lotushome.jp/blog/4057/ こちらの記事でも触れておりますが、私たちが一般的に思うことを逆手にとって「入居率好調物件」と偽って売却する手法です。 決して褒められた手法ではありませんが、詐欺として立証するのは極めて困難な方法になりますので、記事にあるような手法などで出来る限り検証しておきましょう。 とにかく不動産投資では「最初の一棟で詰んでしまう」こういった状態にならないように細心の注意を払ってほしいと思います。 あんまり収益はよくないの・・・?そうではない 現在の不動産市況では物件は以前、高値で推移しています。 昔のように高利回りがいくつかあった。という市況ではありません。 それでもそれを嘆いていては進みません。 時折でてくる良好物件、そして前述したような「少し訳アリ」物件に対応する力を付ける等で対応していくのです。 また融資情勢では「最初の一棟」のハードルはすごく高いのですが、実績を積んでいった方たちはその後は融資情勢は悪くありません。 大事なのは「地道にしっかりと結果を出すこと」です。 そういって積み重ねた信頼が次の一棟や高収益物件へのチャレンジを可能としていくのです。 何も「高い物件を買ってください」ではありません。 まずは最初の一棟で大失敗をしてほしくないのです。 株や貴金属、仮想通過などの投資に比べると不動産投資は「融資が使える」「自分のやる気次第で収益が変わる」という性質を持った珍しい投資であるのは事実です。 テスラの株価やビットコインの金額を上げることは自分には出来ませんが、あなたの頑張りや勉強次第では不動産は輝きを放つことがあります。 私はそんな不動産が好きですね。 とはいえ、不動産投資は慎重にというのは間違いありません。 それでも、その為に管理会社というのはありますので、信頼できる管理会社とタッグを組んで、みなさんの実り多い前途を願っています。
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【お願い】退去で「エルボ(洗濯機排水トラップ)」を持っていかないでください
請求されてしまいますので・・ さて、今回はお引越し時によくある事例の紹介です。 みなさんは写真の部分をご存じでしょうか。 そう、洗濯機の排水ホースをつなぐ部分です。 その時に直接排水口にホースを入れないで、写真の白いL字型の部品につなぐ役目をする部品があります。 これが通称「エルボ」といい、商品名は正式には「洗濯機用排水トラップ」というそうです。 実はこの部品 お引越し時に持っていかれる設備 No1です 当社を含め、多くの管理会社や大家さんではこのエルボを設備として、最初から置いておくケースが多いことと思います。 この部品自体は「無いと洗濯機が使えないのか?」というと、そんなことはなく、排水口に直接排水ホースを入れれば使えたりもします。 それでも、洗濯パンなどが付いている物件ではつけることでスムーズに排水できたり、排水管の匂いが逆流するのを防いでくれる部品です。 入居時に大家さん側で提供している場合は、退去する時にお部屋に残しておかなくてはなりません。 ここまで読めば「当然じゃない」と思われるのですが、それでもかなりの件数無くなってしまっているのが実情です。 但し、持っていく方のほとんど全員が悪意は無く、元々自分が買った洗濯機の部品の一部と思われています。 誤って持って行ってしまった場合は、速やかに返却をするか、退去時に請求されてしまいます。 持って行っても使えない可能性が大 ちなみにこのエルボですが、仮に持って行っても次の洗濯機置場で使えるかどうかは運次第です。 このエルボは本来、排水口側につける部品のため、洗濯機には繋げたとしても、排水口に取り付けられるかどうかは保証できません。 洗濯パンがある物件などは、洗濯パンとエルボがセットになっていたりして、メーカーが違えば接続できない物もあるからです。 そうすると、お引越し先では使えずに結局ゴミになってしまいます。 また、お引越し先で用意されていた場合も同様です。 画像で見るとどれも同じに見えるのですが、細かい部分が違っていたりするのです。 心配な場合は管理会社に確認を このエルボですが、基本的にはお部屋についていることがほとんどだと思います。 前述したように、エルボ自体は洗濯機の使用には必須ではなかったりしますので、無いお部屋もありますし、「賃借人が自己負担でつける」というのも違法でもなんでもありません。 その為、「自分で買ったかどうかハッキリ覚えていない」ということもあるでしょう。 その場合は管理会社に確認してみましょう。 入居前の写真や当時の経緯なども含めて、管理会社の判断を聞いてみましょう。 無断で持って行った場合、部品代と取り付けの手数料などを請求される可能性もあります。 悪意の無い方がほとんどであるため、今回は周知と広報になります。 我々管理会社としても、最後になって余計なご請求をしたくはないものですから、ご協力をお願いいたします。





