(22ページ目)管理スタッフは「ポンコツ翻訳家」であるべき

管理会社はオーナーではない

管理会社のスタッフというのは、仲介役です。

入居者さんとオーナーさんを繋ぐ役割であることは周知の事実かと思います。

通常の管理委託契約を結んでいる形態であるならば、あくまで決定権や方針は物件の所有者であるオーナーさんにあります。

よく入居者さんが勘違いしているのですが、管理会社が権限を持っているという風に思われています。

もちろん、多少の権限はあるのですが、大きな変更や多額の支出を伴う工事などの権限は持っていません。

時には「こんなのすぐ返事出来るんじゃないの?」といったことでも返事までにお時間を頂いたりするのは、その為です。

今回はそんな管理会社の管理スタッフが備えておくべき能力

管理スタッフは「ポンコツ翻訳家」であるべきについてお話しようと思います。

なんでも伝えりゃいいってもんじゃない

まずは大前提として

入居者とオーナーの感覚は違うことが多い

オーナーさんは本当の意味での入居者さんの気持ちが分からないことが多くあります。

それは仕方のないことと思います。

実際に住んで生活する入居者と、収益性の為に事業として行うオーナーには、時には対立構造のようになってしまう問題が起こってしまうのです。

お金を払っている以上求めたい入居者 VS 十分やっているつもりなのに過大な要求だと思ってしまうオーナー

これはあくまで一例ですが、こういった意識の乖離の間に立つのが管理会社のスタッフとなります。

そんな時に例えば入居者さんとオーナーさん、直接双方の言い分をやり取りした場合、どうでしょう。

高確率で揉めることは容易に想像できます。

そもそも、そういった対応をしなくてもいいように管理会社というのがあるのですからね。

問題はここからです。

入居者とオーナーのどちらも異論の無い事柄はいいのです。例えばお部屋の設備で水漏れがあった場合などで、対応を渋るオーナーなどはいないことでしょう。こういったことではトラブルにはなりません。

しかし、入居者とオーナーの意見が対立するような事柄の時に管理会社スタッフは板挟みとなってしまいます。

そんな時でも管理会社スタッフというのは解決へ歩みを進めるべきです。

その中で必要になる能力というのが「ポンコツ翻訳家」なのです。

要は入居者もオーナーも言い分があるはずです。しかし

言い分をありのまま、直接伝えたのでは上手くいくはずがない

そんな時に解決へ導くため、ポンコツ翻訳家の出番です。

人間は感情の生き物である

人間というのは感情の生き物です。

時には理屈や損得を超える決断すら感情のままにしてしまうことが多くあります。

そういった部分を知らずにオーナー、入居者の言い分をありのままに直接ぶつけてしまったとしたら、どうなるでしょうか?

高確率で双方の目的は達成されないでしょう

そもそも、法律や契約上でしなければならないことは論点になりません。決められた義務はオーナー、入居者共にお互い果たすしかありませんからね。

しかし、問題が起きている時は大体、契約や法律でグレーな部分で起こるのです。

そうでなければ基本的には揉めることはないのですから。

そんな状態で双方にとって良い状態に持ち込む為にはどうしたらいいのでしょうか。

いよいよ「ポンコツ翻訳家」の出番です。

ポンコツ翻訳家とは「お互いの言い分を感情に左右されないように翻訳して相手に伝える」という能力です

言い分をオブラートやフィルターを駆使して、相手に伝えるのです。

相手の言い方や感情のもつれを「わざと正確に伝えない」という意味でのポンコツ翻訳能力です。

そうすることで、問題をスムーズに解決することを目指すのです。

有能な通常の翻訳家ではオブラートも何もありません。

相手からの言葉をそのまま伝えたのでは、気分を害してしまうような内容すらも、ポンコツ翻訳家を通すことで聞けるようになります。

相手の要求が飲めないということは多々あるでしょうが、多くの場合、「言い方」が悪かったり、心象を損なって聞いてもらえない。のように、もそも交渉のスタートに立てないこともあるのです。

そういった感情の行き違いを無くしてあげることが管理会社の立場として大事だと思っています。

その為にお互いの感情を整理して、事実をベースに物事を解決していかねばならない訳です。

事実を曲げてはいけない

とはいえ、注意点もあります。それは

結果や本質を変えてはいけない

フィルターやオブラートまではいいのかもしれませんが、相手の返答そのものを捏造してしまって、結果を変えてはいけません。

例えば修繕についてオーナーはNOと言ったのに、相手にYESと伝えることはあってはいけません。

それは最早「嘘」ですからね。

そうではなくて、双方の言い分だけをしっかりと伝えるだけでいいのです。

例えばですが、こんな入居者がいたとしましょう。

入居者「トイレから水が漏れてきた。こんなボロ物件に住んでやっているのに、こんなことまであるなんて最悪な物件だ」

ここまでヒドイ言い方をする人はいないでしょうけどね。

当然ながら上記のような言われ方をされた場合、多くの人は気分は良くないでしょう。

ポンコツ翻訳家を通してみましょう。オーナーさんへの報告ですね (本当は水漏れなら早急に対応しますが、例として)

ポンコツ翻訳家「入居者さんからの連絡でトイレから水漏れが起っているそうです、お困りのようなので修繕しても良いでしょうか」

となるでしょう。

水漏れの不満を解決して欲しい。という部分以外はいらない情報ですから伝える必要はないでしょう。水漏れで困っているのも事実ですから。

基本的には相手の感情の部分は抑えて伝えることが基本となるでしょう

感情だけは当人の価値観に大きく左右されてしまいます。

あくまでも冷静に事実としての問題解決に徹するべきです。

特に悪意ある言動については、取扱は注意です。

発した本人も普段はそんなことはしないのに、トラブルなどで頭に血が上って口走ってしまったりするものです。

根っからの筋違いなものでなければ、問題にすることもないでしょう。わざわざ伝えるまでもないでしょう。

先ほどの例でいえば、「水漏れを早急に直して欲しい」という点以外は入居者自身もオーナーに伝えたい訳ではないでしょう。

そうであれば、ポンコツ翻訳家はその部分を削除しても良い訳ですね。

ポンコツ翻訳家を通して言葉を聞いたオーナーは「それは大変だ、すぐに対応してください」となるでしょう。

そして問題解決へ進む。

それでいいのだと思います。

管理会社のスタッフは時に強い言葉を受けてしまい、まるで自らを責められているかのように思うことも多々あります。

しかし、そんな時でも「ポンコツ翻訳家」としての能力を発揮させねばなりません。

自分の怒りにまかせて物事を伝えたとしても誰も幸せにはなりません。

管理会社で働く同志のみなさん、今年も一年お疲れ様でした。

この言葉はそのまま受け取ってください。

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