
管理会社はオーナーではない
管理会社のスタッフというのは、仲介役です。
入居者さんとオーナーさんを繋ぐ役割であることは周知の事実かと思います。
通常の管理委託契約を結んでいる形態であるならば、あくまで決定権や方針は物件の所有者であるオーナーさんにあります。
よく入居者さんが勘違いしているのですが、管理会社が権限を持っているという風に思われています。
もちろん、多少の権限はあるのですが、大きな変更や多額の支出を伴う工事などの権限は持っていません。
時には「こんなのすぐ返事出来るんじゃないの?」といったことでも返事までにお時間を頂いたりするのは、その為です。
今回はそんな管理会社の管理スタッフが備えておくべき能力
管理スタッフは「ポンコツ翻訳家」であるべきについてお話しようと思います。
なんでも伝えりゃいいってもんじゃない

まずは大前提として
入居者とオーナーの感覚は違うことが多い
オーナーさんは本当の意味での入居者さんの気持ちが分からないことが多くあります。
それは仕方のないことと思います。
実際に住んで生活する入居者と、収益性の為に事業として行うオーナーには、時には対立構造のようになってしまう問題が起こってしまうのです。
お金を払っている以上求めたい入居者 VS 十分やっているつもりなのに過大な要求だと思ってしまうオーナー
これはあくまで一例ですが、こういった意識の乖離の間に立つのが管理会社のスタッフとなります。
そんな時に例えば入居者さんとオーナーさん、直接双方の言い分をやり取りした場合、どうでしょう。
高確率で揉めることは容易に想像できます。
そもそも、そういった対応をしなくてもいいように管理会社というのがあるのですからね。
問題はここからです。
入居者とオーナーのどちらも異論の無い事柄はいいのです。例えばお部屋の設備で水漏れがあった場合などで、対応を渋るオーナーなどはいないことでしょう。こういったことではトラブルにはなりません。
しかし、入居者とオーナーの意見が対立するような事柄の時に管理会社スタッフは板挟みとなってしまいます。
そんな時でも管理会社スタッフというのは解決へ歩みを進めるべきです。
その中で必要になる能力というのが「ポンコツ翻訳家」なのです。
要は入居者もオーナーも言い分があるはずです。しかし
言い分をありのまま、直接伝えたのでは上手くいくはずがない
そんな時に解決へ導くため、ポンコツ翻訳家の出番です。
人間は感情の生き物である

人間というのは感情の生き物です。
時には理屈や損得を超える決断すら感情のままにしてしまうことが多くあります。
そういった部分を知らずにオーナー、入居者の言い分をありのままに直接ぶつけてしまったとしたら、どうなるでしょうか?
高確率で双方の目的は達成されないでしょう
そもそも、法律や契約上でしなければならないことは論点になりません。決められた義務はオーナー、入居者共にお互い果たすしかありませんからね。
しかし、問題が起きている時は大体、契約や法律でグレーな部分で起こるのです。
そうでなければ基本的には揉めることはないのですから。
そんな状態で双方にとって良い状態に持ち込む為にはどうしたらいいのでしょうか。
いよいよ「ポンコツ翻訳家」の出番です。
ポンコツ翻訳家とは「お互いの言い分を感情に左右されないように翻訳して相手に伝える」という能力です
言い分をオブラートやフィルターを駆使して、相手に伝えるのです。
相手の言い方や感情のもつれを「わざと正確に伝えない」という意味でのポンコツ翻訳能力です。
そうすることで、問題をスムーズに解決することを目指すのです。
有能な通常の翻訳家ではオブラートも何もありません。
相手からの言葉をそのまま伝えたのでは、気分を害してしまうような内容すらも、ポンコツ翻訳家を通すことで聞けるようになります。
相手の要求が飲めないということは多々あるでしょうが、多くの場合、「言い方」が悪かったり、心象を損なって聞いてもらえない。のように、もそも交渉のスタートに立てないこともあるのです。
そういった感情の行き違いを無くしてあげることが管理会社の立場として大事だと思っています。
その為にお互いの感情を整理して、事実をベースに物事を解決していかねばならない訳です。
事実を曲げてはいけない

とはいえ、注意点もあります。それは
結果や本質を変えてはいけない
フィルターやオブラートまではいいのかもしれませんが、相手の返答そのものを捏造してしまって、結果を変えてはいけません。
例えば修繕についてオーナーはNOと言ったのに、相手にYESと伝えることはあってはいけません。
それは最早「嘘」ですからね。
そうではなくて、双方の言い分だけをしっかりと伝えるだけでいいのです。
例えばですが、こんな入居者がいたとしましょう。
入居者「トイレから水が漏れてきた。こんなボロ物件に住んでやっているのに、こんなことまであるなんて最悪な物件だ」
ここまでヒドイ言い方をする人はいないでしょうけどね。
当然ながら上記のような言われ方をされた場合、多くの人は気分は良くないでしょう。
ポンコツ翻訳家を通してみましょう。オーナーさんへの報告ですね (本当は水漏れなら早急に対応しますが、例として)
ポンコツ翻訳家「入居者さんからの連絡でトイレから水漏れが起っているそうです、お困りのようなので修繕しても良いでしょうか」
となるでしょう。
水漏れの不満を解決して欲しい。という部分以外はいらない情報ですから伝える必要はないでしょう。水漏れで困っているのも事実ですから。
基本的には相手の感情の部分は抑えて伝えることが基本となるでしょう。
感情だけは当人の価値観に大きく左右されてしまいます。
あくまでも冷静に事実としての問題解決に徹するべきです。
特に悪意ある言動については、取扱は注意です。
発した本人も普段はそんなことはしないのに、トラブルなどで頭に血が上って口走ってしまったりするものです。
根っからの筋違いなものでなければ、問題にすることもないでしょう。わざわざ伝えるまでもないでしょう。
先ほどの例でいえば、「水漏れを早急に直して欲しい」という点以外は入居者自身もオーナーに伝えたい訳ではないでしょう。
そうであれば、ポンコツ翻訳家はその部分を削除しても良い訳ですね。
ポンコツ翻訳家を通して言葉を聞いたオーナーは「それは大変だ、すぐに対応してください」となるでしょう。
そして問題解決へ進む。
それでいいのだと思います。
管理会社のスタッフは時に強い言葉を受けてしまい、まるで自らを責められているかのように思うことも多々あります。
しかし、そんな時でも「ポンコツ翻訳家」としての能力を発揮させねばなりません。
自分の怒りにまかせて物事を伝えたとしても誰も幸せにはなりません。
管理会社で働く同志のみなさん、今年も一年お疲れ様でした。
この言葉はそのまま受け取ってください。
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事故物件と幽霊について
不動産屋さんを怖がらせないで 「オバケの出る物件ってあるの?」私が不動産屋で働いていると話すと結構な確率で聞かれることがあります。まず大前提として私に霊感はありません。これまでの人生において幽霊や妖怪その他怪奇現象といった類の経験をしたことはありません。その為、幽霊の存在は信じてはおりません。原則としてしかし、だから怖くないか?と言われたら別です。ホラー映画を見れば怖いですし、怪談を聞けば背筋を凍らせてビビッてしまいます。そうです、体験したことがないから「いない」と信じていますが、もし体験してしまったら怖くてイヤだという普通の感覚です。ですから夜中の空き部屋管理などで恐怖を感じることも少ないですし、そんなことを言っていたら仕事になりません。しかし昨今TVで「本当にあった怖い話」系ではいわゆる「事故物件にまつわる幽霊話」などを多く目にします。そういったTVが多いせいか冒頭の「オバケの出る物件ってあるの?」をよく聞かれます。これについて実際のいち不動産屋として答えるなら「オバケが出るといわれる物件は確かにある」という程度しか言いようがありません。私は東京都で不動産業をスタートして十数年東京近郊におりましたので、その間は非常に多くの噂や有名な物件を見聞きしてきました。なぜか鹿児島県に戻ってきてからはそのような噂や有名な物件などは少ない印象です。地域性なのかそもそも鹿児島県が幽霊が少ないのかはわかりませんがとにかく鹿児島では圧倒的に少ないと思います。鹿児島では全くないとは言いませんが、東京にいた時はそこかしこで同業者や同僚などから聞いていたものです。「〇〇マンションの○○号室」とか「○○アパートの階段」とか様々です。いつか機会があればそのような物件でお話なども書いてみたいものですが、いかんせん自分に霊感がなく体験していないので、あくまで噂や見たという人の話になるので、信憑性もないですからあまり面白いものにはならなそうです。しかし、経験上なのですが、いわゆるお化けの出ると言われるお部屋や物件の多くがなぜか「事故物件ではない」ことが多いような気がします。これはどういうことかというと、よくTVなどでは「この部屋に住んでいた人が亡くなったことが後に判明した」というオチが多いのですが、実際に幽霊が出ると言われるお部屋は不動産の記録などからも事故物件であることが少ないと思います。私もこれまで不動産業に従事する中で事故物件と呼ばれる、お部屋で亡くなってしまった事例は何度も経験がありますが、不思議とそこに入る時などは怖さを感じたことはありません。それは、今まで生きていた方を感じられるからなのでしょう。入居中も特に問題などない良い方が亡くなって急にオバケになるとは思えませんし、事故物件の後片付けなどを行っている私たちを恨むはずもないだろう。と強く確信しています。これが当たっているから事故物件ではそのようなことがあまり無いように思います。事故物件に入る時は特定の信心はありませんが、自然と手を合わせ故人のご冥福を祈っております。人は必ずいつか亡くなるものですし、それは自然なことですから。話は戻りますが、今まで入居中の方や退去される方から幽霊などが出た等は聞くこともあるのですが、あったとしても1度だけ体験したとか、前の入居者もその後の入居者も1回もそのようなことがなかったケースがほとんどです。オバケがいるという前提なら「たまたま見た」とか「お部屋にいる訳ではない」という感じなのでしょう。しかし、特に有名な物件やお部屋というのはなぜか「誰が入居しても言う」「なぜか入居が長続きしない」など霊感の無い私でも「さすがにこれは本当なんじゃないか?」と思ってしまいます。そしてそのほとんどが「事故物件ではない」ことが多いと思います。できれば人生の中でそのような経験はせずに済んできましたので、オバケの方々には私を見逃していただけるように切にお願いしたいものです。
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滞納督促の極意「正論は役立たず」
家賃滞納では「相手をやっつける」ことに意味はありません 賃貸管理を行う上で、最も深刻かつ労力のいる作業それが「滞納督促」本来払うべき家賃を期日までに支払わないこと。つまり家賃滞納ですが、非常に深刻な問題です。物件のオーナーさんはよほどの資産がある場合を除き、一般的には銀行などから融資を受けて物件を購入されます。家賃が入ってこないからといって返済は待ってもらえません。そうすると最悪の場合手出しということも起こり得ます。また、物件を管理する管理会社にとっても深刻です。様々な管理報酬の形態がありますが、多くの管理会社が採用している報酬が「月額回収家賃の〇%」ということは家賃が回収されない以上、そのお部屋からの報酬も0となります。このように深刻な家賃滞納ですが、最近はほとんど家賃保証会社加入が契約条件として必須になってきており、その対応件数は年々減ってきております。家賃保証会社の皆様本当にありがとうございます。感謝してもしきれません。今では家賃が期日までに支払われない場合、システム等で家賃保証会社が自動的に立て替えていただけます。最近では滞納督促などを行ったことのないオーナーさん、管理会社社員も増えてきたのではないでしょうか? しかし、昔からの入居者で家賃保証会社に加入していない方など、未だに当社でも家賃滞納がチラホラとあるのも現実です。そこで今回は滞納督促に強い私が行っている督促についての感覚や極意を少しご紹介いたします。まず、滞納督促での実績についてですが、私はこれまで延べ数千件もの滞納督促を行ってきました。そして法的対応まで至ったケースは現在まで0件です!そうです、最終的には弁護士に依頼し、裁判所で判決をもらい、最悪の場合「強制執行」にてお部屋の明け渡しをしてもらうという法的対応今までただの1件もありません。一般的な滞納への対応は以下の通りです①電話や書面での督促 ②訪問で督促 ③法的対応ざっくりとこのような流れになります。詳しくはまた今後お話しすることもあるので、ここでは割愛いたします。言うまでもありませんが、家賃滞納は初期対応が全てです。1か月程度の遅れであればすぐに回復することもできますが、正直3か月程度となると「長期滞納」という分類となり、難易度はグッと上がってしまいます。今回はそんないわゆる「長期滞納」の対応についてここでは滞納者という言葉を使いますが、ここでは・うっかり引落しを忘れていた・今月支払えなかったがなんとか翌月間に合った などの方は含まずに「本来払うべきことを理解しており、しかも3カ月以上滞っている方」と定義してお話しします。この家賃3か月以上の滞納は民法や様々な管理会社の契約では、基本的には回収が難しく、弁護士などに依頼して法的な対応への移行となります。要は「この位家賃滞納するということは事情などがあるにせよ、多少の悪意があり、家主との信頼関係はもう無いと判断する」ということです。この状態では当社でも本来は法的対応に移行するとの契約となっておりますが、一旦法的対応へ移行すると物件のオーナーさんは2重苦、3重苦が待っています。まず、弁護士へ依頼し(お金かかる)、訴訟準備を行い(お金かかる)、裁判する(お金かかる)、当然勝訴します。がしかし、勝訴したから解決ではありません。勝訴してもお部屋を明け渡してもらわないと問題は解決しません。裁判所がここまでやってくれたことは「こんなにひどい家賃滞納があるんだったら、賃貸借契約を解除してもいいよ」とのお墨付き程度なのです。この「お墨付き」をもとに滞納者へ「裁判所がこう言ってるんだからお部屋明け渡してください」と言う権利を得るだけです。それでもお部屋を明け渡してもらえない場合はどうするか?最悪のいわゆる「強制執行」となります。この費用は弁護士費用や強制執行の方の日当など様々ケースバイケースですが、数十万から100万円を超えることも珍しくありません。しかも相手は滞納している方です。本来はそういった費用も相手方に負担させるべきなのですが、家賃が払えない方がそのような費用を払えるはずもなく、多くは泣き寝入りとなってしまいます。それでも、ずっと家賃を滞納されるよりはマシなのですから致し方ありません。それでは、そうならないためにどうすれば良いのか?一度発生してしまった滞納へどのような心構えで臨めば最小限の痛手で済むのかを何度かに分けてご紹介していきます。まず大前提「正論など役立たず」ということです。これをしっかりと心に刻み込んでからがスタートなのです。そもそも、家賃は「支払うべきもの」です。そんなことは誰しも知っており、当の滞納者も知っているのです。それを当たり前のように「支払うべきなんだから払いなさい」といっても解決しないのです。・契約書に書いてあるから ・払わないといけないものだから ・他の皆さん払ってる ・払ってもらわないと困るそんなことは百も承知、それで払うのならここまで家賃滞納などしないのです。ここで多くの管理会社やオーナーさんは心をバッキバキに折られます。のれんに腕押し、ぬかに釘、馬の耳に念仏なのです。こういったケースで最悪な方法が「正論により滞納者を追い詰めるだけ」です。「〇月〇日までに全額払わないと契約解除」 「連帯保証人へ請求する」 「職場へ報告する」 「弁護士へ依頼する」などの対応もあればひどいものになれば「人としておかしい」 「当たり前のことも出来ないんですか」など言葉による圧力などがこれにあたります。お気持ちは分かります。時に無茶苦茶な滞納理由を聞き、開き直る態度を見せられ、あまつさえこちらが悪いとの罵詈雑言を浴びることもあります。しかし、我々のゴールはあくまで「滞納家賃の回収と法的対応への移行阻止」なのです。そして当の滞納者のゴールもまた意外と「滞納家賃の完済と法的対応への移行阻止」なのです。この本当はゴールが一緒であることを滞納者の方へ伝え、協力しながらゴールに向かう姿勢こそがスタートなのです。長くなりましたので、一旦ここまでとします。次回からは「さあまずは状況調査」「家賃滞納者の思考回路」「家賃滞納者が本当に恐れるもの」について少しずつお話できればと思います。
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泣いてたまるか
※写真は私及び社員ではありません ホームページにブログ機能が付いているなぁ・・と思い せっかくならブログをしっかりと書いていこうと思い、最初のタイトルを何にしようか?と思っていたら、私が不動産会社の魅力に気づかされた会社の社長のブログタイトルがまさに「泣いてたまるか」でした。 当時の会社の社長は人間的にも素晴らしく、欠点といえばお酒の席でのジョークが少し古いということ位でした。 もうその社長さんは社長ブログをやめてしまっているようなので、尊敬の意味も込めて最初のタイトルとさせていただきます。 さて、株式会社ロータスホームは2022年1月から始動し、前身の有限会社マルトクエステート霧島店を引継ぎ、更に賃貸管理、仲介を生業として地域に根差した会社でありたいと思っております。 賃貸管理という仕事は一人一人のお客様を身近に感じることが多く、住生活という本当に大事な部分を担っていると実感いたします。 そんな私のこれまでの不動産業は、良いことも悪いことも、喜怒哀楽全ての感情を揺さぶられる出来事ばかりでした。 そして「こんな事案初めてなんだけど・・」ということが今日も明日も起きる波乱万丈の世界です。 そんな私の経験やエピソードなどを少しでも皆さんにお伝えして、失敗を笑ってもらったり、不動産業の魅力なども伝えられたらいいなと思います。 拙い文章になりますが、不動産業は楽しいもので、はまると抜けられない世界ですよ。



