
同業者のグチ

ある日のこと、他社の管理担当さんと雑談をしていたところ
「最近、部屋を決めろ決めろと一人のオーナーからのプレッシャーがきつくてさ」
あるオーナーからのプレッシャーを掛けられているその担当さんは辛そうでした。
現状としては以下のようでした。
- 掲載や清掃なども一定の水準までは頑張っているつもり
- 近隣相場なども伝えているが中々理解してもらえない
- 提案もしているが飲んでもらえない
- 要求が高く、スタッフへのプレッシャーも強い
- 他のスタッフが段々とこのオーナーの物件に消極的になっている
- それも原因で決まらずに負のスパイラルになっている
なるほど、管理会社あるあるです。
管理会社のレベルや管理にどの程度力を入れているかは別として、この手の話はよくあります。
「管理会社にもっとしっかりして欲しいオーナー」と「やれることはやっているつもりの管理会社」の対立
本来、お互いの目的は「良好な賃貸経営」で一致しているはずです。
ですが、そこには「もっと求めたいオーナー」と「もっと評価して欲しい管理業者」で食い違います。
この場合、足りていない管理会社、求めすぎるオーナー、どちらも多くあるので、ここでは一概にどちらが正しいとは言えません。
しかし、このグチをこぼした管理会社の担当さんは私から見れば普段から合格点は十分に出せる位の管理会社と思えます。
そういった意味では負のスパイラルに陥っている今回のオーナーさんのプレッシャーは「失敗」といえます。
じゃあ管理会社へプレッシャーは掛けない方がいいのか?と言われたら、私は管理会社へのプレッシャーは「必要」だと思っています。
正確にいえば「適度な緊張感」は有った方がいい。
この適度な緊張感は管理業者に「気が抜けない」と思わせますが、「あのオーナーと関わり合いたくない」にはなりません。
そして、この適度な緊張感がある状態こそが最高のパフォーマンスが発揮できる状態なのです。
スポーツでも仕事でも「自由に何でも大丈夫・適当でもOK」というNOプレッシャー状態では油断・慢心などが起こりやすいものです。
「そんなことない、俺たちは自由にさせてくれた方がいい」という管理会社は胸に手を当ててみてください。
本当は「怒られたくない」「プレッシャーを受けたくない」だけでしょう?
でも賃貸経営の上手なオーナーさんを思い浮かべてみてください。「マズい結果は見せられない」という意識が少しあるでしょう?
だからといって苦手だとか、出来れば話したくないとは思わせない方々ではなく、むしろ良好な関係ではありませんか?
そう、賃貸経営の上手なオーナーさんは管理会社へのプレッシャーや緊張感の持たせ方が上手なのです。
適度な緊張感や良いプレッシャーは与えるけど嫌われない、むしろ良い結果と良い関係を作る!
そして管理会社にとっても適度な緊張感と良いプレッシャーというのは、オーナーとの対話の機会だったりもして、良い管理状態を作れるチャンスなのです。
「適度な緊張感はあるが、とても良好な関係」これこそが本来あるべき管理会社・オーナーの理想形だと思っています。
今回はこの管理業者へ適度な緊張感をもたらす「良いプレッシャー」と、管理業者に敬遠されたり、時には嫌われ、パフォーマンスが上がるどころか下がってしまう「悪いプレッシャー」を賃貸経営の上手なオーナー、いわゆる「名将」の事例などをご紹介しつつ、みなさんの賃貸経営に活かせる方法をご紹介してみようと思います。
オーナーとのパワーバランス

前提として、管理会社にとって一番最優先するお客さんは誰か?といえば「管理物件を預けてくれるオーナー」となります。
こんなことを書くと「おいおい、入居者はどうした」と言われるかもしれませんが、少しお待ちください。
管理会社の基本的な仕事というのは、どう取り繕っても
「オーナーの収益を最大限化すること」なんです。
じゃあ「入居者はどうでもいいってことか?」というとそうではありません。
「だからこそ、家賃を払っていただける入居者さんが大切なのです」
どうです?矛盾はしないでしょ?オーナーにとっても入居者さんというのは「家賃を払っていただけるお客様」な訳です。
オーナーが大事だからこそ、入居者さんを大切にしなければならない!ご理解いただけたことでしょう。
しかし、管理物件がなければお話にもならない訳ですから、やはりオーナーとの関係というのは管理会社は気になるものです。
そして、そういったオーナーさんと管理会社の関係というのは絶妙なパワーバランスが存在します。
もちろん、オーナー様様という場合もあれば、強気な管理会社も存在しており、あるいはオーナーさんによっても個別に違いがあります。
そういった立場も踏まえて本題に入っていきましょう。
大前提として
まず、これからの前提として「管理会社がある程度のことはしてくれている」という前提になります。
「それは怒っても仕方ないよね」というミスや無気力で怠慢ばかりの管理会社だった場合は別です。
そんな管理会社であれば「管理会社変更」一択です。プレッシャーを掛ける必要もないでしょう。
それなりのことはしてくれていると思うが「もっと良くしたい、パフォーマンスを上げて欲しい」という想いがある場合に限ります。
あくまで「管理会社と良い関係を築く」「もっと自分の物件で良い結果を出したい」という前提です。
そういった前向きなプレッシャーや緊張感の為の方法だということを前提に進めていきます。
悪いプレッシャーと負のスパイラル

まずは「悪いプレッシャー」とはどういったものでしょうか?
単純に言えば管理会社や担当者が委縮したりプレッシャーを受けて何も言えなくなるだけの状態にすることです。
この状態では事態が好転するどころか、冒頭のオーナーのように負のスパイラルに陥ることが珍しくありません。
そして、この状態の最大のデメリットがあります。それは
管理会社や担当が次の手を提案出来なくなることです。
これはどういうことかと言いますと、ある程度の管理会社や担当であれば当然空室の長期化に対して対策を提案するハズです。
この時に残念ながら効果が出なかった場合に管理会社はこう思うのです。
「前回聞いてもらって結果が出なかったのに、更に提案するのは図々しいかな?」
ましてやオーナーからの過度なプレッシャーが掛かっている状態では提案しても「前もそう言って埋まらなかったじゃないか?」「じゃあ最初からそうすれば良かったんじゃないか?」と言われてしまうことを恐れて提案が出来なくなってしまう場合があります。
オーナー側からすると「空室が長期化しているのに何も提案もない」となってしまい、オーナーとしては更に不満の溜まる状態になってしまい、更にプレッシャーを掛けざるを得ない状態になってしまいます。
これが負のスパイラルの正体になっているケースは多く見られます。
これは空室の問題だけでなく、他の問題でも大体はこんな経緯を辿ってしまい、オーナー、管理会社ともに苦しい状態になってしまいます。
冒頭のオーナーさんも正にこの状態に陥ってしまったのです。
「管理会社がそんな状態ではオーナーではどうしようもないじゃないか?」
お気持ちは分かります。不動産投資を志されたのですから、やはり物件のパフォーマンスは上げていきたいものです。
では、ここからは私が今まで見てきた賃貸経営の上手なオーナー=名将を事例に管理会社から見る「良いプレッシャーの掛け方、適度な緊張感を持たせ方」をご紹介してみましょう。
良い時のコミュニケーション

悪いプレッシャーを掛けてしまうタイプのオーナーに共通して多いのが
悪い時だけコミュニケーション過多
もちろん、問題点があるのですから当然管理会社や担当とコミュニケーションを取ることが必要なのですが、物件の状態が良い時には連絡やコミュニケーションは一切無いという方が多いものです。
対して名将たちは
良い時にコミュニケーションを取っておく
反対ですね。
物件の入居状況なども含めて良好な状態の時に管理会社や担当とコミュニケーションを計る方が多いのです。
用件としては「今入居も安定しているのでお礼に来ました」という内容だったりするのですが、そこで話すのは「次空室が出たらどうしていきましょうか?」や「これから問題が出そうなこととかあります?」などの話に繋がります。
そこでは、現在の状況が良いのも手伝って前向きで建設的な話し合いとなります。
良好な状態の管理会社からは「次回空いたら、最近のトレンドでこんな方法がありまして」とか「この状態であれば家賃を上げることも視野に」「そろそろメンテナンスの時期ですが、計画的に進めましょう」なども聞けるでしょう。管理会社も自信を持ってオーナーと話せるタイミングですから、基本的には前向きな意見が多く出ることでしょう。
また管理会社にとっては「お礼を言ってくれる律儀な方」とか「既に次の対策を見ている意識の高いオーナーさんだな」「日々の物件状況をしっかりと把握している方」という風なプラスの印象を持たせることが出来ます。
こういった良好なタイミングを狙って管理会社とのコミュニケーションを取ることで「建設的な意見交換」「お礼を伝えて好感を持ってもらう」「物件を把握しているという意識」という一石三鳥の結果を名将たちは無意識なのか意識的なのかを別として管理会社に与えるのです。
これらは「物件状況を把握している方にマズい所は見せられないな」という適度な緊張感に繋がっていきます。
適度な「貸し」を作っておく

管理会社というのは正直「板挟み」の連続です。
他人の所有物を他人に貸すお手伝いというもので、基本的に自分達の権限で何かできるという部分は少ないものです。
そういった中で管理会社に対して適度な「貸し」を作れるチャンスというのは随所にあるものです。
先日のこと、ある物件で退去した入居者がいました。
このお部屋では入居者の過失によりお部屋が傷んでおりました。
その為、入居者の方に当該箇所の原状回復費をご請求しましたが、払わないのです。国土交通省のガイドラインに照らし合わせても明らかな部分と請求額であるにも関わらずです。
しかも入居者の過失は明らかであるにも関わらず、かなり争う姿勢を出していました。
揉めそうなことを含めてオーナーに相談したところ、あっさりと「その部分はいいですよ、大丈夫です」と言ってもらったそうです。
管理担当も対応に苦慮していただけに大変助かったそうです。
このオーナーさんは我々と同じく不動産業の方で当社に管理を任せてくれていますが、普段からこういった困ったタイミングでは何かと融通を聞いてもらっています。
そういった「恩」もあり、入居やその他の点で挽回しようという意識が働いているのか、当社に預けている全物件が良好な状態です。
もちろん、この方から「今回は貸しですよ」などとは聞いたことがありませんが、こういった細かい部分の恩というのが色々な部分で効いてきます。
だからといって「何でも飲まないといけない」「融通をいつでも聞かないといけない」という訳ではありません。
何でも聞いてしまうと無理難題ばかり降ってくるようになってしまいます。
あくまでも「適度に」というのと、相手が困っているなど「感謝や恩」と思えるかどうか?の見極めが大事です。
あまり打算的になりすぎると良くないのかもしれませんが、こういった「適度な貸し」は必ずプラスになって返ってくるものです。
これも管理会社や担当としては「あの時助けてもらっているしな」という意識や「恩返ししたい」という前向きな動機になるのは間違いありませんからね。
私自身、今思い起こしても「名将」達への「借り」はいまだに返せていません。
常に借りが残っていますが、現状は良好な状態であることが名将たちの名将たる所以なのかもしれません。
感じる他社の影

当社によくお越しいただくオーナーさんがおります。
この方とは毎回楽しい話題だったり、私が勉強になるような話を聞かせてくれます。
個人的にも好きなオーナーさんなのですが、当社のエリアとは別の都道府県にも物件を所有しています。
そちらの物件の様子や首都圏の最近のトレンドなどもオーナーさんから聞くのですが、そういった会話からも
「そうだよな、他の管理会社ともお付き合いあるんだもんな」と実感するのも事実です。
その方から「他の管理会社はこうなんだから」とか「他の管理会社に変えようかなー」というプレッシャーを掛けられたこともありません。
ご本人にもそのような意識は感じられません。毎度お会いする度に感謝を伝えらえれ、次回の方針などを話して建設的な会話ばかりです。
それでもそういった「他社の影」というのはやはり意識するものです。
ですが、これはさじ加減が大変重要だと思っています。
あくまで「匂わせる」程度で十分だと思います。
ニュアンス的には「いつもありがとう、本当に信用しているよ」という感情を相手に持たせていながらも「私は他社だったり、不動産業界のことも分かっているよ」が伝わる程度で十分です。
「私が他社で持っている物件ではー」とか「他社ならこんなことないのに」とばかり言ってしまうと過度なプレッシャーになってしまうこともあります。
私が出会ってきた名将たちも「いくつかの不動産会社」と取引があることは分かりながらも、脅しはしない。
勝手に管理会社が他社に負けじとパフォーマンスを上げている!
名将たちはこんな印象を持ちます。
管理会社というのは得意な部分が様々です。
大手には大手の良さが、中小には中小の良さが、時には担当レベルでも変わります。
しかし、こういった「勝手に管理会社が張り切る」緊張感は相互にいい影響をもたらすこともあるといえます。
同じオーナーさんを管理している他社さんと話していても、名将たちの物件は不思議とお互いに良好な状態であることが多いものです。
これは複数の管理会社と付き合った方がいいというよりは「不動産業界のこともある程度把握しているよ」という無言のメッセージが「適度な緊張感」に繋がっているのだと思っています。
やっぱりコミュニケーション力
いかがでしたでしょうか。
どれにも共通しているのがコミュニケーションの取り方ということです。
プレッシャーもコミュニケーションの一つではありますが、やはり前向きで建設的な関係を築くことが最良であることは疑いようがありません。
もちろん、ハッキリと言わねばならない場合などもありますが、根底にはお互いに良好な状態を作っていこうという信頼関係を築いていく作業なのだと思います。
管理会社はもちろん慢心・油断をしてはいけませんし、プロとして最良の提案をしていくことが責務になります。
そういったお互いの信頼関係を築く為にも、やはり「適度な緊張感」というのは必要だと管理会社の立場からも思います。
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【再発防止】二度と滞納しなくなる魔法の一言
もう帰ってきてはダメですよ! 滞納を繰り返させない 私は何度も言いますが、滞納解決についてはかなりのものです。 今までの滞納督促で弁護士などの法的対応に至ったケースはありません(保証会社は別ですよ) もう一つ、得意なことがあります。 それは 滞納を解消した後に再発させないことです そう、一度滞納してしまった方というのはクセになってしまうこともあります。 溜まった家賃を分割で何とか弁済しても、しばらくするとまた繰り返す人。 今回はこういった方に効く魔法の一言というテーマでお話しようと思います。 ねぎらいと評価 人は褒めるに限る 結論から言いましょう 滞納が解消したら「頑張りましたね、ありがとうございました」と連絡をするのです 一旦とはいえ、滞納が解消したら私は連絡をします。 滞納者は最初ムッとした感じで電話に出ます。 この時点では「払ってないと思ってるんだろ!」という感じがほとんどです。 私の第一声は大体 「〇〇さん、今日のご入金で滞納が全て解消しました。長くに亘って大変だったことでしょう。でも、お約束を守ってくれてありがとうございました。」 と声を掛けるのです。 すると、まさかお礼を言われると思っていなかった入居者さんは一転して「こちらこそご迷惑をお掛けしました」とか「良かったです、ホッとしました」とか色々なパターンがありますが、一様に安心した声色になります。 この連絡をした方はほぼ間違いなく以降は滞納をしません。 たまに金銭的に苦しい状況に陥ったとしても、事前に連絡をくれます。 「すみません、どうしても今月間に合わないのですが、〇〇日には必ず振込みます」等の連絡がきますし、約束を守ってくれるのです。 裏切りたくないという心理 完済まで至ったのです、そこは感謝してもいいのです まさか滞納していたにも関わらずお礼やねぎらいの言葉が来るとは思っていないのです。 そこに感謝の連絡が来ると、滞納が解消したという事実とも相まって、嬉しい気持ちになるのでしょう。 そしてそう思って欲しいのです。 滞納する方というのは「成功体験」が少ない気がします。 これまでの人生の中で「何かを達成して褒められた」という経験を久しく感じていない方がほとんどのように思えます。 せめて我々だけでも、滞納を解消したという事実と頑張りにねぎらいと感謝という「成功体験」を与えてもいいのではないか?と考えています。 すると「もうこういった思いはしたくない」とか「自分を信じ、評価してくれる、こんな人を裏切りたくない」という心理が働くのでしょう。 以降の滞納はほぼ無くなることでしょう。 私は以前から滞納については 「脅しや正論では解決できない」と再三再四申し上げております。 それで済むなら一番楽ですからね。でもなぜかそれではダメなのです。 「なんで滞納された側が感謝やねぎらいをしなければいけないんだ」という正論も分かります。 本来は当たり前のことですからね。 でも、それでもあなたが達成したいことはなんでしょうか? 滞納者に正論を言って論破することでしょうか? それとも「今後はこの人を困らせたくないな」と思ってもらって毎月家賃を払っていただく人になることでしょうか? 私は自分の為にも後者を選びます。 そして、あんなに自分勝手だった人が優しく変わっていく姿というのも、この仕事の醍醐味なのです。 そんな瞬間にまた人間が好きになっていくので、私は当面続けていこうと思います。
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入居してから退去まで一度も話したことのない人 ~最高の瞬間~
どうか次の場所でもお幸せに 最高の管理 タイトルにある通りですが、入居してから退去の立ち会いの日まで一度も連絡が来たことがなく、電話もなかった入居者さん 退去の日に 「何か不具合や住みづらかった点とかありましたか?」と必ず聞くのですが 「うーん、何にもなかったですね」 と言われた瞬間 私は心の底から「良かった」と思っております。 入居してから退去するまでに管理会社に一度も連絡するような事態が起きなかった。 これこそが最高の管理だと思っています。 管理会社に連絡する時というのは何かしら困ったことが起こった時であることがほとんどです。 みなさんもそうでしょうが、わざわざ「何にも起きていません、ありがとうございます」という連絡はしないものです。 だからこそ、一度も連絡をせずに済んだ方に会うと少し嬉しいのです。 みなさんが連絡をせずに済むように今後も励んでいこうと思います。 もちろん、不具合があった時にはすぐにご連絡ください。 早期に解決できるように全力を尽くします。
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事故物件の内側から飛び出してきたモノとは?
心臓が止まるかと思いました 異変あり とある夏の暑い日に一本の電話がありました。 「窓ガラス越しに人が倒れているように見える」 ある物件からの連絡でした。 急いで駆けつけると、たしかに窓ガラス越しに人が横たわっているのが確認できます。 私はその時点で警察へ連絡しました。 なぜなら曇りガラス越しに既に変色しているのが分かったからです。 しかも、恐らく体液のようなものまで見えたため、残念ながら既に手遅れであろうことが分かりました。 数分後に警察官が来てくれました。 しかし、一つ問題がありました。 この物件にお住まいの方は私たちが管理を受ける前からお住まいの方で、この住戸の鍵は私たちも受け取っていないのです。 その為、鍵を開錠して室内に入るということが出来ないのでした。 いざ突入 一刻も早く出してあげたいのです 警察官も外から眺めて、最早手遅れであることを確認しました。 そうすると、警察の方が取る手は2つです。 鍵屋さんに開けてもらうか、窓ガラスを破るかの2択です。 時間は既に夜になり、馴染みの鍵屋さんは丁度別件ですぐには来れないとのこと。 しかし、私たちも一刻も早く出してあげたいものです。 幸い角部屋であったこと、1階であったことから居室の横の小さい窓を割って入ってもらうことにしました。 ちなみにこういった時には手順があります。 壊す箇所の前での写真撮影です。 警察としても了解のうえで壊すという証拠の為に、壊す前のガラスの前で私が指をさしている写真を取らねばなりません。 要は「管理会社の確認を取ってこの窓ガラスを割るよ」という写真になります。 交通事故の時なども損傷している箇所を指さして写真を撮りますが、似たような感じです。 既にオーナーさんには連絡済みだった為、オーナーさんの了解も得ています。 私は警察官の指示に従い、窓ガラスの前に立ち、建物に背を向けた状態で窓ガラスを指さします。 さあ、シャッターを切ろうとした、その瞬間でした。 ドン!! 背後のガラスを叩く音がしました。 私は心臓が止まる思いがしました。 まさか、と思いました。 私はあまりの驚きで声が出ませんでした。 警察官も「うぉっ」と声をあげました。 私はただ、写真を撮る警察官の方へ後ずさりするだけでした。 窓ガラスを叩いた正体は? 私は後ずさりして窓ガラスを見ました。 すると、ガラス越しに何かがいるのが分かりました。 その正体は入居者さんが飼っていた「犬」でした。 確かにペット可の物件でしたから予想は出来たかもしれませんが、すっかり失念していました。 一刻も早く出してあげねばとばかり思い、予想の範囲から消えておりました。 そこからは、あっという間でした。 ガラスを破壊し、警察官が中へ入ると1匹の小型犬を抱いて出てきました。 その後、やはり亡くなっていた入居者さんを無事運び出してくれました。 後日、検死で病気による突然死だったとのことを伺いました。 犬は一旦警察署で預かったのちに、ご遺族に引き渡されたとのことも報告を受けました。 警察の方に聞いたところ、ガラスを割って入った時にワンちゃんは既にこと切れた飼い主さんの近くに駆け寄り、近づく警察官を威嚇し、かなり吠えたようです。 恐らく最後まで飼い主を守ろうとしていたのではないか。とのことでした。 私は飼い主さんのことを考えていました。 警察官の方に聞いたところによると、亡くなった入居者さんは家族とも疎遠で、友人づきあいも希薄だったようです。 しかし、唯一の家族であるワンちゃんはしっかりと可愛がっていたのでしょう。 亡くなった時のことは知る由もありませんが、最後の瞬間に一人でなかったこと、誰よりも自分を大切に思ってくれる命がそばにいたことが故人の幸せだったらいいなと、とりとめのないことを思っていました。
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季節ごとの「旬な苦情」~管理会社あるある~
時期によって移ろいゆくものです 季節により変化する「旬」 日本には四季があります。季節の変わり目などには、ウキウキしたり、時にセンチメンタルな気分にさせてくれたりと移ろいゆく季節は素敵なものです。 そして管理会社にも「あぁ、季節の変わり目だなぁ」と感じさせるものがあります。 それが季節特有の苦情やクレームです 季節の変化は住宅にも影響を及ぼします。 今回はそんな管理会社特有の「季節あるある」を3か月ごとに区切ってご紹介してみようと思います。 今回あげるものは決してネガティブなものではなく、来ると「あぁ、もうそんな季節かぁ」と思う程度のものです。 入居者さんは我慢することなく、ご連絡をください。 1月~3月 南国鹿児島でも寒いんです まずは正月から3月です。 この時期に恐れることといえば 水道管の凍結 これですね。 当社は南国鹿児島県に位置していますが、鹿児島県とはいえ、寒さが厳しい時期には水道管は凍結します。 逆に寒さのイメージがない分、凍結するのかもしれません。 水道管なども外壁に露出している部分があったりと、凍結防止の措置はあまり取られていません。 その為、記録的な寒波などがあると時折凍結被害が出てしまいます。 みなさんの地域ではいかがでしょうか? ちなみに凍結は火災保険などでも補償の対象になったりもしますが、正直被害の割に金額が少ないことが多く、被害は深刻ですね。 4月~6月 この時期は2つですね お次は4月~6月です。気候的には穏やかな陽気になる時期なのですが、この時期は2つです 雨漏りと虫 雨漏りはいうまでもなく、梅雨時期ですね。 年々雨量が安定しなく、全国的にも短期間での雨量が記録的になることも多くなってきました。 昔は台風時期に備えておけば良かったのですが、長雨なども増えてきており、雨漏りに繋がることもあります。 もう一つの虫ですが、気温が高くなってくると活発に活動します。 しかし、入居者さんから連絡が来るのはアリがほとんどです。 5月頃になると、シロアリなどの羽をもったアリが活発に活動します。 よくこの時期になると「家の中にシロアリが飛んでいる」という電話をいただくことがあります。 しかし、みなさんから連絡が来るときのほとんどはシロアリではなく「通常のアリの羽アリ」であることがほとんどです。 みなさんは羽アリを見るとシロアリだ!と思ってしまうのですが、黒い通常のアリもこの時期は羽アリとなって飛ぶのです。 しかし、黒いアリが飛ぶイメージがあまり無いせいか、羽アリ=シロアリと思われることが多いのです。 見分け方は簡単にいえば「腰にくびれがない、4つの羽が同じ長さ」の個体がシロアリです。 また、シロアリも数匹程度であれば被害が出ていることは殆どなく、巣を作ろうと彷徨ってきただけのケースがほとんどです。 実際にシロアリの被害は羽アリで気づく場合は、かなり大量に宅内に発生するか、もしくは被害があって発見するというケースが多く、羽アリ数匹程度では無いことが多くあります。 しかし、情報としては貴重な初期発見に繋がるので、ご連絡をいただくことはありがたいものです。 7月~9月 この時期は台風も怖いのですが、ダントツは さて暑い暑い夏です。 この時期は言うまでもないですが台風が一番の恐怖です。 しかし、台風は予測などもあり、多少準備が出来ますし、自然災害ですので人間の力が及ぶのは過ぎ去った後です。 この夏で一番厄介な苦情といえば エアコンの故障 これ一択です。 鹿児島だからということもありますが、エアコンをこの時期にしか稼働させないというお宅が大半なのです。 冬はこたつや他の暖房器具を使うことが多く、冬場はエアコンを使わない方が大半であります。 その為、一年間稼働しておらず、暑くなってきた時期にエアコンを使用しようとすると・・・ 「冷風が出ない」 ということがよくあります。 しかも年々気温が上がっている昨今、エアコンの故障は急を要するのです。 私たちも複数の業者さんと提携しておりますが、この時期は修羅場と化すこともあります。 もちろん、エアコンが無いとストレスも溜まってしまうため、出来るだけ迅速な対応が求められます。 毎年梅雨が明けるタイミングでエアコンの故障の連絡が来ると「夏がきたな」と思ってしまいます。 10月~12月 苦情の少ない時期です さて気温も下がってくる10月~12月、年末の足音も聞こえてくるこの時期ですが 管理会社的には一番穏やかな時期になります。 気温的にも凍結などもありませんし、先ほど申し上げた通りエアコンの稼働も少ない時期になります。 台風や梅雨などの長雨などもなく、本当に穏やかな季節なのです。 入退去もこの時期は活発ではない為、多少穏やかな日々となります。 強いて挙げるなら年末年始のお酒の失敗などでしょうか。 酔った旦那さんがお隣のドアを深夜にガチャガチャやってしまい警察を呼ばれて奥さんに大目玉とか、酔って階段で転倒してケガをしたなど自己責任系のものはありますが、設備などの特有の苦情などは少ない時期です。 私たちも来年の繁忙期に備えて色々な準備をしたりなどと本当に穏やかな時期となります。 気候的には1年中この時期でもいいと思える位です。 遠慮なく連絡ください さて、今回は1年の季節ごとの苦情を挙げてみました。 今回はこんな苦情がありますよ。というものを挙げてみましたが、入居者の皆さんにおかれましては些細なことでも気兼ねなくご連絡をください。 大したことでないことも、何かの初期症状だったりもします。 「こんなことで連絡して悪いな」とは思わずにお困りごとがありましたら連絡してみてください。 ほとんどは業者さんを手配するか電話だけで済むことがほとんどです。 気候変動が叫ばれる昨今、対処が難しくなってきているのは事実ですが、それでも皆さんの住みよい住環境を守るのも管理会社の役目ですからね。 今回は以上です。
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大家の会に参加する時に注意すること
前回はメリット、今回は注意すべきこと https://lotushome.jp/?p=4259 大家の会の負の側面 不動産投資を行う人や業者が立ち上げて、情報交換などを行う「大家の会」 前回は大家の会に所属するメリットをご紹介しました。 今回は前回に引き続き、「注意すること」編です。 「前回がメリットなら今回はデメリットでは?」と思われそうですが、前回も申し上げた通り、私は「良い大家の会なら参加するのは賛成」という立場ですからデメリットというのは本来あまり無いかなと思っています。 そこで今回は大家の会に参加するうえでの「注意点」をご紹介してみようと思います。 どんなに素晴らしいコミュニティでも自身の考えや使い方によっては為になるどころか、大きな痛手を負うことにも繋がってしまいます。 みなさんにとって実りの多いお付き合いになるように、不動産会社目線での注意点をご紹介してみようと思います。 ちなみに私も参加させてもらえる大家の会がありますが、そこではざっくばらんに最近のトレンドや融資の情勢など全国各地のオーナーさんから聞けたり、私も鹿児島の不動産情勢やトレンド、苦情の対応方法などを提供し、とても刺激になっています。 注意①あくまで一意見である 参考にするのはいいが、鵜呑みにしない方がいい まずは一点目ですが、各大家の会というのはカラーというか特色があります。 例えば物件一つとっても「新築がベスト」「地方RCがいい」「ボロ戸建て投資がいい」とか、各大家の会によって不動産投資の方針やあるべき姿などに強いこだわりがあるケースもあります。 私は個人的には不動産投資には「絶対」は無いと思っています。 新築が勝る部分もあれば、築古が勝る部分もあるでしょう。 融資を使うのも良し、現金買いも良し。 不動産投資は個人が「どうなりたいか」と「何が得意、性に合ってるか」が重要で、その方針の中で「どうあるべきか」はあると思いますが、基本的には「この手法だけがベスト」は無いと思っています。 しかし、まだ実戦経験も少ない初期の段階では、規模の大きな大家さんなどが取っている方針などが「唯一でありベスト」という錯覚をしてしまうケースなどがあります。 もちろん上手くいけばいいのですが、その手法に自分自身の資産や考え方、リスクの取り方などご自身の投資方針に本当に合っているかを冷静に判断しましょう。 大家の会に参加することで「投資方針がブレる」という現象に注意しましょう もちろん考えを改めることが「ブレる」という訳ではありませんが、本当に方針や考え方含めてご自身に合っているのかは冷静に判断した方が良いでしょう。 身の丈に合わない投資などでダメージを負ったとしても責任は自分自身しか取れないのです。 どんな意見も「あくまで一意見である」という点を念頭に置いて、自分自身の投資方針や達成したいことなどと冷静に取捨選択していきましょう。 注意②大家の会の目的が何か? 単にお金を失うことを避けましょう 大家の会というのは単なる名称です。 「〇〇塾」や「〇〇会」など活動の名称は様々ですが、その会の目的をしっかりと見定めましょう。 ちなみに大家の会のほとんどは無料か年会費や月額会費などがあったとしても1,000円~10,000円程度がほとんどです。 会費があるからダメとは一概にいえません。 会費を設けることでセミナーの講師を招いて積極的に勉強していくということもありますし、会費があることである程度の本気度や会員間の秩序を守るケースもあります。 ですから会費がある=ダメ とは思いませんが、それぞれの大家の会の理念や目的などは把握しておきましょう。 中には不動産業者と主催が結託して、売れ残り物件などを初心者や相場の分からない投資家に高値で売る場と化している大家の会などもあるようです。 他にも「月〇回の会合に連続で不参加の場合は退会処分とする」など細かなルールが設けてある場合もあります。 これは会員間の交流や活動に重きを置いている会なので、参加についてだけは厳しいなど各会によってカラーや特色があります。 自分自身が継続して参加できるような頻度や内容、予算なども把握して参加するようにしましょう。 お互いにとって「こんなハズでは」にならないように注意しておきましょう。 特に会の目的や参加のルール、費用については事前に把握しておきましょう。 注意③人付き合いに慣れよう せっかくですからね、しかし疲れるのもダメですよ 注意3つ目は「人付き合い」です。 大家の会であれば食事をともにしたり、懇親会のような場面があることでしょう。 セミナーでは聞けない、個別の話や有益な情報などもこのタイミングであることがしばしばです。 当初は初対面がほとんどになりますが、この時にあまり尻込みし過ぎるのも考えものです。 セミナーなどを聞くだけで懇親会のような場は行かないというのは少しもったいない気がします。 もちろん人見知りなど人付き合いが得意不得意などあろうかと思いますが、勇気をもって話してみて損はないと思います。 せっかくの機会ですから積極的に色々な人と話してみるといいと思います。 特に大家の会に参加しているような方々であれば、初めましてで話しかけられることに抵抗のある人はほとんどいません。 また、ほとんどの会員の方は新しく入ってきた方と話すことや教えることが好きな方が多いものです。 他の記事にも書きましたが、賃貸経営の上手なオーナーさんというのはコミュニケーション能力が高いことが多く、初対面でも快く接してくれることがほとんどです。 私も先日大家の会に参加させていただきましたが、不動産業者であることを知った初対面のオーナーさんが「こっちにお宅のエリアに物件持っている人いたよ」と別の知り合いのオーナーさんを引き合わせてくれた程でした。 基本的に良い雰囲気の大家の会では、そのように和やかに初対面の人を歓迎することが多いようです。 その為、参加した大家の会では雰囲気をつかむ意味でも積極的に話しかけてみるといいと思います。 とはいえ、注意もあります。 例えば飲み会ばかりであなたにとって有益でないにも関わらず、回数が多いなどの場合は撤退もありかもしれません。 大家の会がストレスになるような人付き合いの仕方になっては本末転倒ですからね。 ちなみにこういった場所で活躍するのが 名刺 です。 不動産投資を始めたばかりや始めるつもりでも、個人的な名刺を作っておくと挨拶しやすいものです。 名刺交換という決まり事のような儀式に参加すると、そこから話が進んだりするものです。 そして時には思わぬ情報なども入ってくる可能性もあるのです。 まずは作ってみても良いと思います。 良い大家の会の見つけ方 これを探すのも大変なんですが このように大家の会と一口にいっても目的や雰囲気など、素晴らしいコミュニティというのは中々見つけるのが難しいものです。 インターネットやSNSでは様々な大家の会が紹介されたりもしています。 もちろん、そういった場所で探し出せることもあるとは思いますが、おススメは 誰かの紹介 まずは自分が知れる範囲で聞いてみましょう。 例えばインターネットで知った大家の会に参加してみて、そこで出会った方などに聞いてみましょう。 大家の会は全部がウェルカムでもありません。 仲の良い、信頼できる人たち同士で集っており、表向きは新規を募集していない大家の会というのは多数あります。 しかし、誰かの紹介だったりすると「まずは来てみたら?」というお誘いがあったりもします。 そういったコミュニティは入るのは難しくても、内部は結構フランクに有益だったりもします。 もちろん、不動産投資は大家の会に入ったから上手くいくというものではありませんが、注意して自分に合うコミュニティが出来れば活力や知識の助けにもなることでしょう。





