
同業者のグチ

ある日のこと、他社の管理担当さんと雑談をしていたところ
「最近、部屋を決めろ決めろと一人のオーナーからのプレッシャーがきつくてさ」
あるオーナーからのプレッシャーを掛けられているその担当さんは辛そうでした。
現状としては以下のようでした。
- 掲載や清掃なども一定の水準までは頑張っているつもり
- 近隣相場なども伝えているが中々理解してもらえない
- 提案もしているが飲んでもらえない
- 要求が高く、スタッフへのプレッシャーも強い
- 他のスタッフが段々とこのオーナーの物件に消極的になっている
- それも原因で決まらずに負のスパイラルになっている
なるほど、管理会社あるあるです。
管理会社のレベルや管理にどの程度力を入れているかは別として、この手の話はよくあります。
「管理会社にもっとしっかりして欲しいオーナー」と「やれることはやっているつもりの管理会社」の対立
本来、お互いの目的は「良好な賃貸経営」で一致しているはずです。
ですが、そこには「もっと求めたいオーナー」と「もっと評価して欲しい管理業者」で食い違います。
この場合、足りていない管理会社、求めすぎるオーナー、どちらも多くあるので、ここでは一概にどちらが正しいとは言えません。
しかし、このグチをこぼした管理会社の担当さんは私から見れば普段から合格点は十分に出せる位の管理会社と思えます。
そういった意味では負のスパイラルに陥っている今回のオーナーさんのプレッシャーは「失敗」といえます。
じゃあ管理会社へプレッシャーは掛けない方がいいのか?と言われたら、私は管理会社へのプレッシャーは「必要」だと思っています。
正確にいえば「適度な緊張感」は有った方がいい。
この適度な緊張感は管理業者に「気が抜けない」と思わせますが、「あのオーナーと関わり合いたくない」にはなりません。
そして、この適度な緊張感がある状態こそが最高のパフォーマンスが発揮できる状態なのです。
スポーツでも仕事でも「自由に何でも大丈夫・適当でもOK」というNOプレッシャー状態では油断・慢心などが起こりやすいものです。
「そんなことない、俺たちは自由にさせてくれた方がいい」という管理会社は胸に手を当ててみてください。
本当は「怒られたくない」「プレッシャーを受けたくない」だけでしょう?
でも賃貸経営の上手なオーナーさんを思い浮かべてみてください。「マズい結果は見せられない」という意識が少しあるでしょう?
だからといって苦手だとか、出来れば話したくないとは思わせない方々ではなく、むしろ良好な関係ではありませんか?
そう、賃貸経営の上手なオーナーさんは管理会社へのプレッシャーや緊張感の持たせ方が上手なのです。
適度な緊張感や良いプレッシャーは与えるけど嫌われない、むしろ良い結果と良い関係を作る!
そして管理会社にとっても適度な緊張感と良いプレッシャーというのは、オーナーとの対話の機会だったりもして、良い管理状態を作れるチャンスなのです。
「適度な緊張感はあるが、とても良好な関係」これこそが本来あるべき管理会社・オーナーの理想形だと思っています。
今回はこの管理業者へ適度な緊張感をもたらす「良いプレッシャー」と、管理業者に敬遠されたり、時には嫌われ、パフォーマンスが上がるどころか下がってしまう「悪いプレッシャー」を賃貸経営の上手なオーナー、いわゆる「名将」の事例などをご紹介しつつ、みなさんの賃貸経営に活かせる方法をご紹介してみようと思います。
オーナーとのパワーバランス

前提として、管理会社にとって一番最優先するお客さんは誰か?といえば「管理物件を預けてくれるオーナー」となります。
こんなことを書くと「おいおい、入居者はどうした」と言われるかもしれませんが、少しお待ちください。
管理会社の基本的な仕事というのは、どう取り繕っても
「オーナーの収益を最大限化すること」なんです。
じゃあ「入居者はどうでもいいってことか?」というとそうではありません。
「だからこそ、家賃を払っていただける入居者さんが大切なのです」
どうです?矛盾はしないでしょ?オーナーにとっても入居者さんというのは「家賃を払っていただけるお客様」な訳です。
オーナーが大事だからこそ、入居者さんを大切にしなければならない!ご理解いただけたことでしょう。
しかし、管理物件がなければお話にもならない訳ですから、やはりオーナーとの関係というのは管理会社は気になるものです。
そして、そういったオーナーさんと管理会社の関係というのは絶妙なパワーバランスが存在します。
もちろん、オーナー様様という場合もあれば、強気な管理会社も存在しており、あるいはオーナーさんによっても個別に違いがあります。
そういった立場も踏まえて本題に入っていきましょう。
大前提として
まず、これからの前提として「管理会社がある程度のことはしてくれている」という前提になります。
「それは怒っても仕方ないよね」というミスや無気力で怠慢ばかりの管理会社だった場合は別です。
そんな管理会社であれば「管理会社変更」一択です。プレッシャーを掛ける必要もないでしょう。
それなりのことはしてくれていると思うが「もっと良くしたい、パフォーマンスを上げて欲しい」という想いがある場合に限ります。
あくまで「管理会社と良い関係を築く」「もっと自分の物件で良い結果を出したい」という前提です。
そういった前向きなプレッシャーや緊張感の為の方法だということを前提に進めていきます。
悪いプレッシャーと負のスパイラル

まずは「悪いプレッシャー」とはどういったものでしょうか?
単純に言えば管理会社や担当者が委縮したりプレッシャーを受けて何も言えなくなるだけの状態にすることです。
この状態では事態が好転するどころか、冒頭のオーナーのように負のスパイラルに陥ることが珍しくありません。
そして、この状態の最大のデメリットがあります。それは
管理会社や担当が次の手を提案出来なくなることです。
これはどういうことかと言いますと、ある程度の管理会社や担当であれば当然空室の長期化に対して対策を提案するハズです。
この時に残念ながら効果が出なかった場合に管理会社はこう思うのです。
「前回聞いてもらって結果が出なかったのに、更に提案するのは図々しいかな?」
ましてやオーナーからの過度なプレッシャーが掛かっている状態では提案しても「前もそう言って埋まらなかったじゃないか?」「じゃあ最初からそうすれば良かったんじゃないか?」と言われてしまうことを恐れて提案が出来なくなってしまう場合があります。
オーナー側からすると「空室が長期化しているのに何も提案もない」となってしまい、オーナーとしては更に不満の溜まる状態になってしまい、更にプレッシャーを掛けざるを得ない状態になってしまいます。
これが負のスパイラルの正体になっているケースは多く見られます。
これは空室の問題だけでなく、他の問題でも大体はこんな経緯を辿ってしまい、オーナー、管理会社ともに苦しい状態になってしまいます。
冒頭のオーナーさんも正にこの状態に陥ってしまったのです。
「管理会社がそんな状態ではオーナーではどうしようもないじゃないか?」
お気持ちは分かります。不動産投資を志されたのですから、やはり物件のパフォーマンスは上げていきたいものです。
では、ここからは私が今まで見てきた賃貸経営の上手なオーナー=名将を事例に管理会社から見る「良いプレッシャーの掛け方、適度な緊張感を持たせ方」をご紹介してみましょう。
良い時のコミュニケーション

悪いプレッシャーを掛けてしまうタイプのオーナーに共通して多いのが
悪い時だけコミュニケーション過多
もちろん、問題点があるのですから当然管理会社や担当とコミュニケーションを取ることが必要なのですが、物件の状態が良い時には連絡やコミュニケーションは一切無いという方が多いものです。
対して名将たちは
良い時にコミュニケーションを取っておく
反対ですね。
物件の入居状況なども含めて良好な状態の時に管理会社や担当とコミュニケーションを計る方が多いのです。
用件としては「今入居も安定しているのでお礼に来ました」という内容だったりするのですが、そこで話すのは「次空室が出たらどうしていきましょうか?」や「これから問題が出そうなこととかあります?」などの話に繋がります。
そこでは、現在の状況が良いのも手伝って前向きで建設的な話し合いとなります。
良好な状態の管理会社からは「次回空いたら、最近のトレンドでこんな方法がありまして」とか「この状態であれば家賃を上げることも視野に」「そろそろメンテナンスの時期ですが、計画的に進めましょう」なども聞けるでしょう。管理会社も自信を持ってオーナーと話せるタイミングですから、基本的には前向きな意見が多く出ることでしょう。
また管理会社にとっては「お礼を言ってくれる律儀な方」とか「既に次の対策を見ている意識の高いオーナーさんだな」「日々の物件状況をしっかりと把握している方」という風なプラスの印象を持たせることが出来ます。
こういった良好なタイミングを狙って管理会社とのコミュニケーションを取ることで「建設的な意見交換」「お礼を伝えて好感を持ってもらう」「物件を把握しているという意識」という一石三鳥の結果を名将たちは無意識なのか意識的なのかを別として管理会社に与えるのです。
これらは「物件状況を把握している方にマズい所は見せられないな」という適度な緊張感に繋がっていきます。
適度な「貸し」を作っておく

管理会社というのは正直「板挟み」の連続です。
他人の所有物を他人に貸すお手伝いというもので、基本的に自分達の権限で何かできるという部分は少ないものです。
そういった中で管理会社に対して適度な「貸し」を作れるチャンスというのは随所にあるものです。
先日のこと、ある物件で退去した入居者がいました。
このお部屋では入居者の過失によりお部屋が傷んでおりました。
その為、入居者の方に当該箇所の原状回復費をご請求しましたが、払わないのです。国土交通省のガイドラインに照らし合わせても明らかな部分と請求額であるにも関わらずです。
しかも入居者の過失は明らかであるにも関わらず、かなり争う姿勢を出していました。
揉めそうなことを含めてオーナーに相談したところ、あっさりと「その部分はいいですよ、大丈夫です」と言ってもらったそうです。
管理担当も対応に苦慮していただけに大変助かったそうです。
このオーナーさんは我々と同じく不動産業の方で当社に管理を任せてくれていますが、普段からこういった困ったタイミングでは何かと融通を聞いてもらっています。
そういった「恩」もあり、入居やその他の点で挽回しようという意識が働いているのか、当社に預けている全物件が良好な状態です。
もちろん、この方から「今回は貸しですよ」などとは聞いたことがありませんが、こういった細かい部分の恩というのが色々な部分で効いてきます。
だからといって「何でも飲まないといけない」「融通をいつでも聞かないといけない」という訳ではありません。
何でも聞いてしまうと無理難題ばかり降ってくるようになってしまいます。
あくまでも「適度に」というのと、相手が困っているなど「感謝や恩」と思えるかどうか?の見極めが大事です。
あまり打算的になりすぎると良くないのかもしれませんが、こういった「適度な貸し」は必ずプラスになって返ってくるものです。
これも管理会社や担当としては「あの時助けてもらっているしな」という意識や「恩返ししたい」という前向きな動機になるのは間違いありませんからね。
私自身、今思い起こしても「名将」達への「借り」はいまだに返せていません。
常に借りが残っていますが、現状は良好な状態であることが名将たちの名将たる所以なのかもしれません。
感じる他社の影

当社によくお越しいただくオーナーさんがおります。
この方とは毎回楽しい話題だったり、私が勉強になるような話を聞かせてくれます。
個人的にも好きなオーナーさんなのですが、当社のエリアとは別の都道府県にも物件を所有しています。
そちらの物件の様子や首都圏の最近のトレンドなどもオーナーさんから聞くのですが、そういった会話からも
「そうだよな、他の管理会社ともお付き合いあるんだもんな」と実感するのも事実です。
その方から「他の管理会社はこうなんだから」とか「他の管理会社に変えようかなー」というプレッシャーを掛けられたこともありません。
ご本人にもそのような意識は感じられません。毎度お会いする度に感謝を伝えらえれ、次回の方針などを話して建設的な会話ばかりです。
それでもそういった「他社の影」というのはやはり意識するものです。
ですが、これはさじ加減が大変重要だと思っています。
あくまで「匂わせる」程度で十分だと思います。
ニュアンス的には「いつもありがとう、本当に信用しているよ」という感情を相手に持たせていながらも「私は他社だったり、不動産業界のことも分かっているよ」が伝わる程度で十分です。
「私が他社で持っている物件ではー」とか「他社ならこんなことないのに」とばかり言ってしまうと過度なプレッシャーになってしまうこともあります。
私が出会ってきた名将たちも「いくつかの不動産会社」と取引があることは分かりながらも、脅しはしない。
勝手に管理会社が他社に負けじとパフォーマンスを上げている!
名将たちはこんな印象を持ちます。
管理会社というのは得意な部分が様々です。
大手には大手の良さが、中小には中小の良さが、時には担当レベルでも変わります。
しかし、こういった「勝手に管理会社が張り切る」緊張感は相互にいい影響をもたらすこともあるといえます。
同じオーナーさんを管理している他社さんと話していても、名将たちの物件は不思議とお互いに良好な状態であることが多いものです。
これは複数の管理会社と付き合った方がいいというよりは「不動産業界のこともある程度把握しているよ」という無言のメッセージが「適度な緊張感」に繋がっているのだと思っています。
やっぱりコミュニケーション力
いかがでしたでしょうか。
どれにも共通しているのがコミュニケーションの取り方ということです。
プレッシャーもコミュニケーションの一つではありますが、やはり前向きで建設的な関係を築くことが最良であることは疑いようがありません。
もちろん、ハッキリと言わねばならない場合などもありますが、根底にはお互いに良好な状態を作っていこうという信頼関係を築いていく作業なのだと思います。
管理会社はもちろん慢心・油断をしてはいけませんし、プロとして最良の提案をしていくことが責務になります。
そういったお互いの信頼関係を築く為にも、やはり「適度な緊張感」というのは必要だと管理会社の立場からも思います。
お問い合わせ
-

賃貸で入居者負担になるものは? ~網戸は?電球は?~
お部屋の設備はどこまでが大家負担? さて、今回は久しぶりにお部屋探しをしている方向けの記事です。 お好みのお部屋が見つかり、いざ引っ越し。 快適な生活を過ごしていたある日、ふと窓を見ると 「網戸が破れている」 これに気付いたみなさんが取るべき行動はどうでしょうか? 1.大家さんに替えてもらう為に管理会社へ電話 2.自分で負担しなければいけないので、網戸を張り替える どちらでしょうか? 今回は、このような日常の住まいで発生する「誰が負担するのか?」という項目を分かりやすくお伝えしてみようと思います。 基本は「契約書」に書いてある まずは基本ですが、お部屋の外の設備は基本的には全て大家さん負担です。 例えば「廊下の電球」「ポストが壊れている」などこういった物の負担は基本的には大家さん負担となることが一般的です。 しかし、お部屋の内側にある設備はどうでしょうか? このジャッジはどう見分ければいいのでしょうか? これは基本的には 「契約時の賃貸借契約書に書いてある」 契約した時の契約書に負担がどちらかというのが書いてあります。 契約書には「大家が負担すべきもの」という書き方ではなく この項目は「入居者負担」という書き方になっていますので、逆にいえば「書かれていないものは大家さん負担の可能性が高い」ということですね。 ここからは、一般的には「どちらの負担か」という項目で例を挙げていこうと思います。 それでも基本は「契約書記載」が優先されることが多いので、まずはご自身の契約書を確認しましょう。 大家さん負担が多いもの ここでは、大家さん負担であることが多い設備を挙げています。 エアコン(1台のみの場合) 給湯器 ブレーカー本体 窓ガラスやドアなどの建具(故意過失で壊した場合は除く) なんとなく、印象でいうと「大型なもの」が多いと思います。 また、生活に必需であり、壊れる原因や消耗の原因が入居者さんに発生しにくいものですね。 全国的にもこの辺りは、大家さん負担であることが多いのではないでしょうか。 ちなみにエアコンは1台は設備が多いですが、複数台ある場合は「残置物」といって、設備ではなくサービス品扱いになっていたりすることもありますので、入居時にはしっかりと確認しておいた方がいい項目になります。 「残置物」だった場合は、故障時は自己負担となることが多いですからね。 くどいようですが、絶対ではありませんからね。 お手元の契約書や重要事項説明書で確認してください。 それでも、ここで挙げた項目は生活必需であり、大家さん負担であることが一般的な項目です。 50:50 契約書によって変わる ここで挙げる項目は文字通り「契約書によって変わる」項目です。 契約書でどちらかの負担が決まりやすい項目であり、多くは「地域柄」によるものがほとんどです。 都道府県や地域ごとで「これは大家負担が当たり前だよね」というものが多い項目となります。 もちろん、入居者さんの故意過失(わざと うっかり)の場合は100%入居者さん負担です。 畳の表替え 網戸の破れ 障子やふすまの張替え シャワーヘッド(ホース) この辺りは特に「壊れたからといって、直ちに必須な訳ではない」といった項目が並びます。 特に網戸の破れなどは、不便ではありますが、生活出来ないということはありませんからね。 この辺りは特に管理会社にもお問合せが多い項目となります。 地域の商習慣や物件によっても異なる場合もありますので、要確認です。 ほぼ入居者さん負担 さて、最後は「ほぼ入居者さん負担」の項目です。 この辺りはほとんど全国的にも「入居者さん負担」であることが濃厚です。 電球 各種リモコンの電池 水栓のパッキン ブレーカーのヒューズ こうしてみると共通しているのは「費用がそこまで高額でないもの」がほとんどですね。 電球などは結構お問合せもあるのですが、これは入居者さん負担となります。 また、エアコンのリモコンの電池などは大体1年~2年くらいで交換になります。 あとは意外なのが、水栓関係のパッキンですね。 水栓の根元などからジワーッと漏れる水漏れなどの場合は、基本的には水栓のパッキンが劣化していることがほとんどです。 ブレーカーのヒューズは昔は多かったのですが、今はほとんどヒューズが切れるというタイプが減っており、今ではほとんど無いことでしょう。 こちらの項目に関しては、管理会社に連絡しなくてもいいんじゃないかな?と思う位、入居者さん負担で間違いないと思います。 迷ったら管理会社に聞いてみよう いかがでしょうか。 意外な項目があったかもしれませんが、ポイントは2つです。 まずは手元の賃貸借契約書を確認する 分からない場合は管理会社に聞いてみる 困ったら管理会社に聞いてみるのも近道かもしれませんね。 また、「費用負担は分かったけど、自分で交換が出来ない」「交換のハードルが高い」と感じた時も管理会社に聞いてみてもいいと思います。 特に高所にある電球交換は危なくて怖いということもあるでしょう。 そういった場合には、管理会社に連絡をすると有償にはなりますが、信頼できる業者さんなどを紹介してくれることもあります。 一見さんで業者さんに頼むよりは少しリーズナブルになる可能性があります。 また、もう一つ大事なこととして 入居してすぐにチェックすることも重要です。 例えば網戸の張替えが自己負担だとしても「最初から破れている場合」などもあります。 流石に最初から破れているものを自己負担させられるのは、酷な気がします。 契約書にも「入居から○週間以降は自己負担」と書いてあることが多いと思います。 まずは入居した日に各設備のチェックをして、初期不良だった場合は管理会社に相談してみましょう。
-

なぜ不動産屋はツーブロックが多いのか?
なぜ多いのか?考察してみよう 先日、X(Twitter)を見ていたところ 不動産屋はツーブロックばかりだ!という記事を見ました。 確かに・・・ かくいう私も現在はツーブロックです・・・ 画像のように厳つい顔つきなどもしていませんが、確かに身の回りでも圧倒的に多い印象です。 今回は「なぜ不動産はツーブロックが多いのか?」について考察してみましょう。 実は昔から短髪が多い 実は不動産業界でツーブロックが多いのは、ここ数年の流れです。 しかし、昔から不動産業界の男性、特に営業マンは短髪が多かったものです。 一般的に考えられる要因を挙げてみましょう 1. 信頼感と清潔感 短髪は一般的に清潔感があり、信頼感を与えることができます。特に不動産業界では、顧客との対面での接客が重要です。不動産を購入する、あるいは賃貸契約を結ぶ際、顧客は営業担当者に信頼感を持つことが必要不可欠です。清潔で整った外見は、その第一歩とされています。 2. プロフェッショナルなイメージ 短髪はビジネスにおいて「きちんとした」「プロフェッショナルな」イメージを持たせます。特に日本では、伝統的に短髪が社会的に「信頼できる」「責任感がある」といった印象を与えるとされています。不動産業は高額な取引が多く、営業マンの信頼性や責任感が重要視されるため、短髪のスタイルが好まれる傾向があります。 3. 活動的で機動性が高い印象 不動産業界では、外回りでの物件案内や、現場視察など、機動力が求められるシーンが多いものです。短髪は、そうした活動的な業務にも適しており、動きやすさやさっぱりした印象を与えます。 4. 業界内の文化や慣習 日本の不動産業界には、長年にわたって形成された文化や慣習があります。営業職が多くの顧客と直接接する職業であることから、会社内で「短髪にするべき」という暗黙の了解が広まっていることも考えられます。これは、特にベテランの社員や上司の影響を受けていることが多いです。昔はカッコいい先輩営業マンがいると、先輩営業マンの髪型を真似ることも多かったですからね。 5. 効率性と手入れの簡便さ 短髪は手入れが簡単で、長時間働く営業職にとってはスタイルの維持が容易です。不動産業では、早朝から深夜まで忙しいスケジュールをこなすこともあり、髪型の手入れに時間をかける余裕がない場合も多いです。 ざっと考えるとしたらやはり、こんな感じでしょうかね。 どうしても、信用されにくい印象がある不動産業界ですから、努めて胡散臭さを失くす為にやはり短髪が好まれてきたということはあるでしょうね。 そして外回りや飲み会などの付き合いも多く、長時間に及ぶ時間でも崩れにくいセットとなると短髪になってきます。 雨に濡れた後に乾かしてセットして・・・やってる時間はありませんからね。 だって、仕事が出来るといっても こんな感じだとどうでしょう? 確かにカッコいいですが、この方たちから不動産を買ったり出来るか自信がありません・・・ これからは変わるのかな ちなみにもっと昔の不動産営業マンなどになると、もっとガチっとしたスポーツ刈りやパンチパーマみたいな方も多くいましたね。 それでもやはり、おでこを出した髪型ばかりでした。 今でも年配の不動産業界の社長の中には 「男でおでこ(額)を出してない奴は信用できない」と暴論に近いことを言う方もいる位です。 それはやっぱり 高額だったり、大事な住まいを扱う仕事だから、少しでも顔を出して清潔感を出して、お客様に信用して、安心してもらおうとした結果だと思います。 そして、大事なことは私も含めて 短髪という限られた長さでも、カッコつけたい人が多いんでしょうね これは真理だと思います。 現在の風潮では、ビジネスシーンでもいける短髪でカッコいい髪型が「ツーブロック」なのでしょう。 短髪の次の流行が来たら、やっぱり不動産屋さんはみんなその髪型になるんでしょうね。 みなさん、今しばらく次の流行が来るまでは「不動産屋=ツーブロック」にお付き合いください。
-

こんな性格は管理担当に向いている ~細かい人?それともザックリ?~
営業マンは分かりやすいが 今回は賃貸管理というお仕事に向いている性格という内容でお話してみようと思います。 いわゆる営業マン向きの性格や傾向などは語られ尽くしているでしょうから、今回は賃貸管理という仕事内容と共に、どんな性格が有利に働くのかを私の独断と偏見でご紹介してみようと思います。 私は元々不動産の営業マンからスタートして、その後分譲マンションの管理を経て賃貸管理も経験しており、どちらの立場やスタンスも理解しているつもりです。 これから賃貸管理に興味をもって働いてみようかな?と思う方や、今管理担当として悩んでいる人の助けになったりすれば幸いです。 細かい or ざっくり まずは、この極論からですが、私個人としては ザックリ が向いていると思います。 意外じゃありませんか? なんとなく皆さんの賃貸管理スタッフのイメージでいえば、細かい性格の方が向いていそうではありませんか? ザックリしている人だと不安だったりしませんか? これは仕事の性質上なのですが 賃貸管理は100点という仕事がないから というのが一番の理由だと思います。 賃貸管理というのは多種多様な問題が次から次へと出てきます。 その度に細かく100点の仕事をしようとすると上手くいきません。 また100点の仕事を目指すとコストや時間も膨大になってしまいます。 似たような事例でも、毎回原因も違えば、相手の性格も全く違います。 そして経験は大事なのですが、毎日のように 「こんな問題、初めてなんだけど!」という問題にぶち当たります。 これに関しては、営業マンの方が細かい性格が向いていると思っています。 契約や重要事項説明書など、決まり事がハッキリしているので、これらの形式を手順をしっかりと踏んで対応するには細かい性格の方が有利だと思っています。 仕事は 質 or スピード お次の性格はこちらです。 本来はどちらも兼ね備えるべきなのは、百も承知ですが これは圧倒的に スピード これは予想どおりかもしれませんね。 例でいえば雨漏りなどが該当すると思います。 雨漏りの連絡を受けて最初にすべきことは「原因の特定」ではありませんよね。 水が流れてきている時に大事なのは「応急処置」です。 原因など二の次といってもいいでしょう。 まずは原因と思われることを予想して、手当たり次第に対策を取っていくのです。 現場に駆け付けた人が「うーん、あれも考えられるし、この可能性もあるし・・・」などと言っていたらどうでしょう? 「サッサと何とかしてくれよ」と思われることでしょう。 どうせ、すぐには原因など解明できないことでしょうから、まずは出来ることを片っ端からやるのみです。 正直、困難な問題の前では少々の知識より行動あるのみです。 まずは事態を落ち着かせることを最優先にして、落ち着いてから原因などは探しましょう。 責任感は 強い or 弱い 仕事上の責任感ですが、これは前提があります。 「仕事なんてどうでもいい」という救いようのないレベルの話ではありません。社会人としての最低限の責任感は当然持っていなければいけません。 そのうえでの責任感の強弱でいえば 責任感は弱い方がいい と思っています。 こんなことを言うと 「責任感の弱い社員がいい」なんて最低な会社だ!と反応されるかもしれませんが、まあ待ってください。 これには理由があります。 責任感の強さは時に、感情移入による視野を狭くしてしまうからです。 特に賃貸管理であたる問題というのは、人間関係も含まれたりします。 そんな時に責任感が強すぎる人だと、ストレスを強く感じすぎてしまうことがあるのです。 誤解を恐れずにいえば 「自分のせいではないしな・・」という位の距離感で丁度良かったりします。 あまりに自分事のように捉えすぎると、プロとしての冷静な判断が出来なかったりします。 それでは困っている人の為のベストパフォーマンスを発揮できないのです。 熱血漢なタイプの人が親族などのトラブルに感情的に首を突っ込むことで、却って混乱させる様に似ています。 問題を放置していたのなら別ですが、問題が起きるのは管理スタッフのせいでは無かったりします。 割とドライに問題だけに着目して、淡々と解決へ向かう方が向いていると思っています。 そういう意味では「仕事は仕事だからな」というタイプが向いていると思っています。 逆に感情的なタイプの人は営業マンとしては優秀なケースが多いものです。 感情移入が豊かであれば「共感してもらえた」という部分でお客様も喜んでもらえたりしますからね。 逆に管理に向いている人というのは、少し距離を置く位が丁度いいかもしれませんね。 あなたの住まいで問題が起きた時に不動産屋から「辛いですよね・・・よく分かります・・・」という共感よりも「アレとコレを手配しますので安心してください」と言われた方がいいでしょうからね。 営業マンだけが不動産業ではない いかがでしたでしょうか。 今現在、営業マンとして活動している方の中に「自分は営業マンとして向いていないんじゃないか?」と思われている方や 不動産業に入ってみたいけど「営業マン」は何となく向いてない気がする。 そんなアナタはひょっとすると「管理スタッフ」向きなのかもしれませんよ。 感情表現やエモーショナルな部分がプラスに働く「営業」という仕事とは別で 淡々と仕事をこなすことがプラスに働く「管理」 不動産業というのは実はどんな性格の方でも、活かせる業種がある業界なのです。 以前、人見知りは不動産業としてプラスになるという記事も書きましたが https://lotushome.jp/blog/4301/ これを読んでいるあなたもひょっとしたら 管理スタッフとして「天下を取れる逸材」かもしれませんよ! そして営業から管理スタッフになった私が言えることでいえば 賃貸管理の仕事はめっちゃ楽しいですよ! ぜひ一人でも多くの人に伝えたい部分です。 また今度は「知られざる賃貸管理の仕事の魅力」なども書いてみたいと思います。
-

台風の飛来物で車に傷がついたら? ~修理代は誰に請求すればいい?~ 自然災害の責任の所在について
責任の所在は誰に? さて、台風シーズン真っ盛りになりました。 このブログを書いているのは2024年の台風10号の直後です。 今回の台風は「特別警報」が発令され、昭和に死者5000人を出した伊勢湾台風以来の勢力と呼ばれました。 今日現在でも被害の全容は見えておりませんが、やはり台風だけに強風による被害はたくさんございました。 そこで今回は、この強風による被害の責任についてご説明してみようと思います。 台風による被害は結局、誰の責任なのでしょう? 例えば、アパートの瓦が飛んできて、あなたの車のフロントガラスを突き破った場合はどうでしょうか? 被害は「台風のせい」 先ほどの例の回答です。 アパートの屋根や駐輪場の屋根などが飛んできて、あなたの車にキズをつけたり、破損した場合の責任は誰にあるのでしょう? そして、修理代はオーナーや管理会社に請求できるのでしょうか? あなたに落ち度がない以上、負担したくはありませんよね。 結論から申し上げます。 責任は所有者(オーナー)や管理会社にはありませんし、修理費用は自己負担となります。 分かります、あなたは悪くありません。 管理会社や物件オーナーに対して請求をしたい気持ちは痛い程よく分かります。 私も逆の立場ならそう言うことでしょう。 それでも法律上や保険上の話でいえば 台風による被害は「台風のせい」なのです 納得するのは難しいかもしれません このようなお話をすると 「管理会社やオーナーが責任を取りたくないからそう言っているんだ」と思われるかもしれません。 その為、ここからはなぜ「台風などの天災」は損害賠償できないのか?について少し説明いたします。 損害賠償とは?自然災害には? まずはこのような事例の時に聞く「損害賠償」です。 このような目にあった場合、その「損害」を「賠償」して欲しいと考えるのは当然です。 「実際に損害があるのだから、賠償は当然ではないか?」と思われることでしょう。 しかし、この法的な損害賠償というのは要件があるのです。 それが 「債務者の責めに帰すべき事由があること」といい、簡単にいえば、物件所有者や管理者に「故意(わざと)」 又は 「過失(不注意、うっかり)」 があることが要件なのです。 そして、天災(台風)というのは予測が極めて困難であり、その発生や被害は誰の責任でもないのです。 自然災害は、誰かが故意や過失により引き起こすものではありません。 その被害自体も、管理者や所有者も望んでおりません、当然ながら。 その為、台風などの天災や自然災害の責任は物件の所有者や管理者にはないのです。 もう一つ、このように自然災害による損害を個人に請求できるようにした場合 到底、一人の人生で賄えるものではなくなる可能性があるのです 現在も、失火責任法という法律があります。 これは火事を起こしてしまった人の責任を限定するものです。 こちらも「故意か重過失(かなりの不注意)」が無い限りは、失火による延焼などの責任は負わない。という考え方です。 火災ともなれば、場合によってはかなりの面積や建物を焼いてしまうこともあり、多大な損害となります。 このような大災害について、厳しく責任を問うことになった場合、その責任を負った方の人生は正直終わりになることでしょう。 被害者から見れば「当然だ」と思うかもしれませんが、逆の立場になってみることも大事です。 少しの責任で一生では償えない罪を負わせるのは酷というものです。 自己破産などでは済まないことでしょう。 そもそも法律的な損害賠償というのは全てが自己破産で免責になる訳でもありませんからね。 今回被害に遭われた皆さんも、いつかは逆の立場になるのかもしれません。 ましてや自然災害となれば、その責任は誰にあるのか? こういった観点からも自然災害や台風による損害は自己負担となってしまうのです。 まとめ それでは、このような事態にならない為にはどのようにすれば良いのでしょうか? まずは「保険」となります。 ご自身の財産は、自分自身で守るしかないのです。 その為には大切な物には保険などでしっかりとカバーしておくことも重要です。 他にも損害を出来る限り予測し、安全な場所に移動するなどの「自衛」も大切となります。 また、先ほど「故意過失」が無ければ損害賠償というのは発生しません。 と書きましたが、逆にいうと相手方に「故意過失」があった場合は賠償責任は発生します。 但し、自然災害の中での故意過失というのは余程のことが無い限り認められづらいものですが、相手方に故意過失があれば請求は可能となる訳です。 自然災害の多い日本という国で生活する以上、備えを普段から心掛けておくことは不可欠となっています。 管理会社としては、こういった自然災害の度に必死に対応をしていくのは言うまでもないことなのですが、このような残酷にも見えるルールが社会で浸透していないため、毎度毎度、みなさんに苦しい説明と決断になってしまうことを皆さんにお伝えしたかったのです。 被害に遭われた方々に落ち度はないことなので、このような仕組みをご説明しても、中々ご理解をいただくことは難しいでしょう。 皆さんの憤りについては痛い程よく分かりますし、何とかしてあげたいのも山々なのですが、こういった法律上の仕組みである以上、火災保険なども適用されないのです。 その為、ご自身での保険や自衛をすることが必要になってくるのです。 台風が過ぎ去った今、普段からの備えをもう一度、何も起きていない日常から心掛けていきたいものです。 今回の台風で被害に遭われた皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
-

不動産で起こる「カリフォルニアから来た娘症候群」の事例とメカニズム、対応の基本は? ~愛情からの心配?外野の横やり?~
親族は本来は味方のハズだが・・・ 全国の不動産業界で働くみなさん、こんにちは。 今回は不動産に携わっている方なら一度は経験したことのある。 当事者(売主、買主、貸主、借主)の親族との対応について、そのメカニズムや対応の仕方について個人的な見解をお話してみようと思います。 みなさんは「カリフォルニアから来た娘 症候群」という言葉をご存じでしょうか? 詳しくはリンクなどから見てもらえればよいのですが、この言葉は医療業界にある言葉だそうです。 元の定義としては 医療現場では患者の終末期に過度な医療を避けるため、患者や身近な家族と医療チームが話し合い、最期の過ごし方を決める過程があるそうです。 辛い延命治療ではなく、穏やかな最期を目指すことを患者本人が希望し、医師や看護師と充分に協議して決定します。 しかし、遠方に住む家族(例:カリフォルニアから来た娘)が突然現れ、これまでの計画を覆し、延命治療を強く要求することがあります。また医師や看護師に対して面会を要求したり、治療方針への反対を示し、この現象は、患者の意志や身近な家族の同意を無視して、過剰な延命治療が行われる結果を招きます。 ほぉー、そんな現象があるんですね・・・・ ここまで読んでいただいた不動産業界の方も思うでしょう。 不動産業界にもあるじゃないか そうなのです。このカリフォルニアから来た娘症候群は不動産業界では多く見られます。 事例 親族のいとこ 当社での事例を一つ挙げましょう 当社の管理物件で賃貸一戸建てをお預かりしておりました。 所有者さんは遠方におり、物件自体はかなりの築年数が経過しておりました。賃借人さんも住んでいただいています。 そんな中、所有者さんより連絡がありました。 「もうあの物件を手放したい」 この物件ですが、賃借人さんはいるものの、老朽化も激しく、これからの修繕などを考えれば無理からぬこと。 私は所有者さんと話しあいました。 肝心の物件はこんな状態でした。 道路の接道がない「再建築不可物件」、道路の持ち分は以前(先祖代々)の経緯から貰えなそう 雨漏りや排水不良による不備多数 修繕提案などもしてきたが、資金不足などにより修繕できず なんとか当社で応急処置を繰り返してきた 土地の値段もそこまで高価なエリアではない 所有者さんの意思としては、これから来る大きな修繕や固定資産税などの負担を免れたい。 十分これまでの収益もあったので、売値はさして期待していない。 これらを踏まえて出した結論は 「一般ユーザーへの販売では瑕疵や修繕費用を計算すると売りにくいので、不動産会社などに買ってもらおう」でした。 これは修繕の費用に大きな部分がありました。 この物件はDIY程度では解決できない瑕疵があり、一般のユーザーが修繕しようとすると多額の費用が掛かりすぎる為、修繕を生業とする業者に買ってもらい、再販の道or接道をクリアし、土地として整備する。 これがベストであろうと所有者さんと方針を固めました。 もちろん、万全の状態であれば一般ユーザーへ高く買ってもらうことが最善でしたが、状態や再建築不可となれば価値は多く見込めません。 業者が取り組む為には、売値は多少下げなければ利益が無く、やはり買い手はつきません。 その時に所有者さんから「社長のところで買ってもらうことはできませんか?」との申し出がありました。 私は計算して考えられる限りの高値を提示しました、もちろん当社も利益が出るギリギリのラインで これまで管理をさせていただいた恩義もありますからね。 こちらからの提示金額は、所有者さんが思ったより高いものだったそうで、前向きに検討します。とのことでした そこで現れるのです。 カリフォルニアから来た娘が・・・ ある日のこと、会社の電話が鳴りました。 A「お宅の社長と話したいんだが・・・」 私「私ですが、ご用件は?」 A「あの貸家だが、不当に買い叩いているじゃないか」 電話の主Aは所有者さんの従兄弟と名乗る人物でした。 曰く あの物件は先祖代々の土地である 近隣相場を見たが、到底聞いた値段と離れている 遠方に住んでいる人と思って嘗めているんだろう 自分も多少不動産を知っているが、価値は少なくとも5倍~6倍だ 突然の電話でしたが、私を詐欺師呼ばわりでした。 そもそも、まだ当社に売るという返事もないし、当社で買ってくれませんか?に対しての提示です。しかも値段は相場でいえば 一般ユーザーが買うであろう場合の相場<提示金額 のハズです。 その後も「地方の不動産屋はボッタくる」「都市部なら考えられない」などの発言連続です。 私も当初は丁寧に根拠や相場などをご説明しておりました。 しかし、最後には 「そんな値段なら自分が買うよ、仲介手数料も払わなくて済むし」 との言葉でした。 そして電話をガチャ切りされました。 その後、所有者さんから連絡がありました。 所有者さん「すみません、ついつい不動産に詳しいという従兄弟と会ったので近況報告を話したところ、熱くなってしまいました」 とのこと とはいえ、「熱くなってしまい、年上でもある従兄弟だけに、無下には出来ないんです」ということ 私としても絶対買い取りたいとは思ってもいませんし、なにより詐欺師呼ばわりされてまで協力も出来ません。 私はこれまでのご恩と感謝を所有者さんに告げ、この件から手を引くことにしました。 そして、しばしの月日が流れたある日のこと 所有者さんから連絡が来ました。 「内田さん、やっぱり助けてもらえませんか?」と 聞けばその従兄弟が下記のようなことをしたようです。 隣地の方へ直接連絡し、「道路持ち分をよこせ」と横柄な対応をして隣地と揉めた 現在住んでいる賃借人に「○○万円で買い取らないか?」と高値で持ち掛け、逆に賃借人から「これまでの不備をしっかり直せ」「直さないなら損害賠償する」と言われた 賃借人も出ていくと話している あーあ・・・・・ こうなっては台無しです。 最早、揉め事のオンパレードになってしまいました。 これまで上記のようなことにならないように、丁寧に対応していたものが一瞬で崩れ去りました。 「一旦、考えさせてください」と伝え、電話を終えました。 うーん、どうしようかな・・・この事態になってしまっては・・・ 思案しているとまた電話が鳴りました。取ると従兄弟Aでした。 A「所有者から話は聞いただろう」 私「伺いました、大変な状態だそうですね」 A「所有者も隣地も賃借人も全員、素人だから困る」 A「ついては、一旦自分(A)があの土地を買い受けるので、以前の提示額でそちらに買って欲しい」 私「は?」 つまりは、こういうことのようです。 最初に所有者さんから聞いた金額は安すぎるので、Aが所有者から買って再建築不可をどうにすれば儲かる ↓ 隣地に話して道路持ち分を貰おうとする→失敗 ↓ ならば、賃借人に売って儲けよう→失敗 ↓ ならば買取業者に高くで売って(以下略)→失敗 ↓ 最終的に私の提示額より低く直接所有者から買って、私に提示額で買い取ってもらえば利益が出る そんな馬鹿な! 私はゆっくりと説明しました。 あの金額はこれまでの管理の恩も含めての提示だった その後のAの行為で事態は悪化し、最早当時の価値より下がった 所有者さんとの取引ならまだしも、私を詐欺師呼ばわりする方と取引などは出来ない としっかりとお断りしました。 その後もAから「じゃあどうするんだ?」とか「無責任な不動産業者だ」など言われましたが、丁重にお断りしました。 所有者さんからも謝罪を受けましたが、それでも「親戚づきあいもあり、従兄弟の介入を断れない」とのことでしたので、当社としてもこれ以上のお手伝いが出来ないことをお伝えし、最後にこれまでのご愛顧に感謝を申し上げて終了しました。 その後、詳細は追っていませんが、最後に聞いた話ですと、未だに空き家として残り続けているようです。 この事例では、途中までは所有者さんの目的と、少なからずの売った利益が残る予定でした。 しかし、Aの介入により収入源であった賃借人は出ていき、今まで好意的だった隣地との仲も悪くなる、結果資産価値は下落するのみとなってしまいました。 心配とお節介の境界 この事例では若干というより、かなりの悪意がありましたので、カリフォルニアから来た娘症候群と少し相違することもありました。 しかし、こういった事例は不動産会社では多いものです。 こんな場面でよく見かけます。 不要になった実家を売却する時 高齢の父母のお部屋探しが決まり、契約前に 収益物件を買う時 商売を始めようとしてテナントを借りる こういった場面で、本人と充分協議し終えて、いよいよ物事が動きだすという段階で介入してきて、混乱を生じさせるのが「カリフォルニアから来た娘」です。 いずれも、娘(女性)に限らず息子(男性)や両親、親戚や近しい友達などのケースもありますので、「カリフォルニアから来た娘」と定義されていますが、男女の性別や年齢層に限る話ではありません。 事例として共通するのは 普段は疎遠にしている人が急に介入してくる 日頃から、各種の問題に寄り添いながら時間を共有している親族ではこういった混乱は起きません。 なにせ、当初から一緒に物事を理解し、順序立てて事態を把握していますから、本人の決断の経緯も知っていますし、本人の希望も当然知っている訳です。 この「カリフォルニアから来た娘」は日頃はこういった問題には関与していないにも関わらず、事態がいよいよ動く段階で急に発動するのです。 これは不動産業者だけが困る事態ではありません。 なにより本人や普段から親身になっている身近な親族が一番の困難な事態へ陥ることが最大のデメリットです。 今まで苦労して問題に対応してきた身近な親族や本人の努力、積み重ねを一気に崩壊させかねません。 また病院同様、親身になってくれていた周りの協力者たちを遠ざける可能性もあるのです。 なにせカリフォルニアから来た娘たちは 日頃から手(労力)やお金は出さないのに、たまに来たかと思えば口だけ出すのですから そして、一生懸命近くでサポートしてきた人を飛び越えて、あるいはそのサポートしてきた人達にすら牙を剥きながら 私だけが、本人の味方で正しいことをしている。と妄信して各方面へ悪意をばら撒きます。 「カリフォルニアから来た娘」の被害は、医療関係者に限ったお話ではありません。 リフォーム業者、税理士、弁護士など相手はその時々で変わるのでしょうが、一定確率でいらっしゃるのです。 そしてカリフォルニアから来た娘たちは、期間が過ぎるとカリフォルニア(普段住んでいる場所)へ帰っていきます。 残されるのは 日頃から協力してくれていた業者と一生懸命サポートしていた身近な人の疲弊、場合によっては本人との断絶です。 一生懸命やっていたにも関わらず、ぽっと出の人から罵倒されたり、命令されたのではたまったものではありません。 そして、そのツケは本人に降りかかる。 もちろん、悪い業者や不誠実な人が一定いるのも事実ですから、まったく介入することを否定する訳ではありません。 カリフォルニアから来た娘はなぜ発動する? ここまでカリフォルニアから来た娘の実害や被害想定は、ご理解いただけたと思います。 ここからは、その発動のメカニズムと対応についてご紹介できればと思います。 まず大切なことが、カリフォルニアから来た娘というのは 100%の善意であることがほとんどです 「離れて暮らす父母が騙されていないのか?」「不当な業者によって搾取されていないのか?」「もっと裕福な暮らしをしてほしい」「幸せになってほしい」 という真っすぐな動機がほとんどなのです。 また、対象となる人への愛情も人並みか、なんなら愛情の強さは「強い」とカリフォルニアから来た娘は思っています。 ただ、愛情も正義も暴走すると人を傷つける刃になってしまいます。 通説ではこの「カリフォルニアから来た娘」の原理というのは「罪悪感」と「パニック」が大きいと言われています。 普段は疎遠にしている負い目と、久々に会って事態が急展開(弱っている両親の姿など)への驚きに対しての反射行動と言われています。 日頃は実家のややこしい問題や、両親の介護など出来ない(やらない)こともあり、せめて口や頭脳だけでも力になりたい。と思われるということですね。 そういった「普段役に立てていない」という罪悪感は確かに原動力となっていると思います。 確かに医療業界を主にしたこの通説は理解できます。 不動産業界でもそうでしょう。 でも、私はこれに加えて、原因の一つにこれもあると思っています。 承認欲求 これはどういったことかというと、先ほどの「実家の売却」の例でいうと 年老いた両親のサポートをすることで 「一人前の大人になったな、○○がいてくれて良かった、ありがとう」 この言葉を聞きたいが為の一生懸命という方をよく見かけます。 要は歪んだ親孝行のようなものです。 大好きな両親や息子、娘、親族、友達に認められたい、頼りにされたいという欲求ですね。 また「カリフォルニアから来た娘」の特徴としては 自分のことを知識がある、賢いと思っている方が多いものです。 「私が言っていること、調べたことの方が正しい」と妄信してしまい、専門家や身近な人を否定しがちになってしまいます。 特によくあるケースとして 「私の知り合いの人に聞いた」 もちろん、しっかりとした業者や知り合いに聞いたかもしれませんが、聞かれた方も詳細や状況、ご本人さんの意向などの細かな部分は当然見えないものです。 また、相談するカリフォルニアから来た娘は「これっておかしいですよね?」というテンションでいけば、詳しいことが分からない人は 「まあ、そうかもね」と答える可能性があるのです、それを免罪符に「ほら、他の人はおかしいって言ってるよ」というケースも後を絶ちません。 本来、カリフォルニアから来た娘がすべきことは 当初から積極的にかかわり、手を貸し、一緒に専門家から説明を受け、本人の意向をもとに進める という 面倒で地道な作業をしっかりとすることなのです。 書いててなんですが、それが出来る人はもはや「カリフォルニアから来た娘」ではありませんね。 不動産業者で出来る対応は? ここからは「カリフォルニアから来た娘」の対応方法について、参考になればと思います。 こういってはなんですが、私個人でいえば 「カリフォルニアから来た娘」の対応は得意な方です。 というのも、この「カリフォルニアから来た娘」の前では 正論ほど意味がなく、正論ほど役に立たないものはありません たまにカリフォルニアから来た娘相手にこれまでの経緯や、今の対応がいかにベストかを初手から説明する人もいますが、大体反発を受けて物別れに終わるケースが多数です。 それもそのはず、「カリフォルニアから来た娘」は反発を望んでいるのですから 反発をすればするほど「悪徳業者」であり、やましいことがあるはず!と思っているのです。 なぜなら、自分の方が賢いと思っていますから。 そして、その悪徳業者から救い出す自分こそヒーローなのです。 この時に今まで一緒に苦労してきたお客様(カリフォルニア父母)の援護射撃を期待しても無駄です。 一所懸命になってくれている娘が大暴れするのを、気まずそうな目で見ているだけで、咎めたり、営業マンの立場に立ってくれることはありません。 自分自身の希望があるのは分かっているが、それでも娘や息子が一所懸命やっている姿に何も言えません。 そりゃそうですよ。 ただでさえ、普段疎遠になっているのですから、せっかく帰ってきたタイミングで、娘や息子より「赤の他人を信じる」なんて口が裂けても言えません。 そんなことをしたら、せっかくの娘や息子と断絶してしまうかもしれない。という親心が発動するのです。 そんな親心くらいは汲んであげましょうよ。 では、関わる人はどうすればいいのか? 残念ながら 褒めて褒めて、味方につくまで我慢です 具体的には 口出ししてきたら「よくご存じですね」と褒め 親の前で「頼りになる娘さんや息子さんで安心ですね」と褒め 親がいない所で「〇〇さんが来てくれて私も心強いです」と褒め そうして、暴れる・疑念の目モードが収まってから今までの経緯の説明です 大体、プロとして仕事を真っ当にしていれば、「カリフォルニアから来た娘」が言いそうなことは既に検討済みか、採用しなかった案のはずです。 しかし、そこで素人扱いをせずに、先ほどの承認欲求を業者である私たちが満たしてあげるのです。 親御さんの前で「頼りになる娘さんでいいですねー」と褒めてあげるのです。 プロが親の前で褒めて貰えれば、「カリフォルニアから来た娘」も本望です。 但し、それでも「カリフォルニアから来た娘」の提案を鵜呑みにすることはあってはなりません。 大体「カリフォルニアから来た娘」の提案というのは理想論であり、現実的ではありません。 言いなりになってしまっては当事者の本当の利益は守れないことでしょう。 それでも猛攻が止まない場合は? その時は潔く撤退をおススメします。 目先の利益欲しさに、「カリフォルニアから来た娘」の提案を飲み続けても出口は訪れないでしょう。 時間と労力、そしてプロとしてのプライドを削って、依頼者の本当の利益を損なうことを分かってする仕事はすべきではないと思います。 私自身、何度か誘惑に負けそうになり、お付き合いしてみようとしたことはありますが、ろくな目にはあいませんでした。 私たちに出来ることといえば、親思いの「カリフォルニアから来た娘」が親御さんのために「自分が来てよかった」という満足感を満たしてあげて、更に依頼者である「カリフォルニア父母」の利益をしっかりと守ってあげるという「二刀流」の実現です。 そうすることでカリフォルニア一家全員を幸せにする。 それが出来れば最善ですが、ことはそう簡単ではありません。 私自身の例でも、叶いませんでした・・・ みなさんはどのように対応しているのでしょうか? ぜひお会いする機会があれば対応策を教えて欲しいものです。 そして「カリフォルニアから来た娘」の方々へ あなたがすべきことは、今疎遠にしている方に寄り添って、日頃から話をしてあげることかもしれません。 肝心な時に娘や息子に頼りたいという親は、実は少数だと思います。 それよりも元気なあなたの近況を日頃から聞ければ、それが最大の親孝行かもしれませんよ。





