
物件名は大事だが・・
今回はアパート・マンションの物件名について書いてみようと思います。
中古物件を新たに購入し、キレイなお部屋に仕上げて、さあ入居者募集だ!その時に物件名が例えば
「内田荘」だったら
うーん、オシャレにキレイにリフォームしても名前がいささか古風です。入居者の反応は微妙なところでしょう。
かといって頑張り過ぎて築年数がかなり経過した物件に例えば
「ヴィニシオスジュニオールUCHIDA」
今度はやり過ぎ感が否めません。
今回は物件名を変える時に気を付けた方がいいことをお伝えしようと思います。
中古なら基本は変えない方がいい

今現在の入居率が良好な場合は基本的には「変更しない」がベストです
なぜなら物件名の変更は入居者にとってはかなりの負担となります。
また、入居率が良いのであれば「シックリきてる物件名」だからですね。
この場合は変更することにメリットがあまり無いのです。
逆にデメリットとしては
- 入居者が免許証など住所変更の負担増
- 事務所など法人が入っている場合、封筒や社判などの変更が必要になる
- 入居者が今の物件名を気に入っているケース
- 物件名の変更で荷物が届かないなどの短期的な苦情
- 館銘板の交換や取外しなどコスト増
など現入居者にとってメリットがありません。
中古物件で高稼働の場合はソッとしておきましょう。
変える時に避けた方がいいこと

では入居率もイマイチ、もしくは「どうしても変えたい」という強い気持ちがあり、変更を決意した場合
それでも避けた方がいい名づけというのをご紹介してみましょう。
発音しにくい

大前提として
物件名を一番使うのは入居者である
ということを考慮して物件名は考えましょう。
物件名を使う時というのは書くことばかりでもありません。
電話口で住所を伝える時などに相手から「え?」と何度も聞き返されるような物件名では入居者が大変です。
特に難しいのが横文字系です。
あまり馴染みのない外国語の単語などは注意が必要です。
よくあるのは「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」は「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」と電話口では変わりません。
多少聞き取り辛い位なら良いのですが、何度も説明が必要なものは避けましょう。
出来れば思いついた物件名を世代の違う人に説明してみることをおススメします。
子どもや高齢者などは聞き取ることや話すことが苦手な単語があるものです。
画数が多い、長い

ちなみに「びゃん」と読むそうです
これも使う人のことを考えてあげましょう。
住所というのはかなりの場所や場面で書くものです。
また、住所の欄というのは無尽蔵に書けるスペースがある訳でもありません。
長すぎたり、画数が多い物件名は避けてあげましょう。
「乾坤一擲ハイツ」とか「薔薇憂鬱荘」という物件名だったらどうなるでしょうか?
途中で心も折れそうですね
名前の途中に「 . 」
これも地味にダメージがあったりします。
英語の物件名で途中に「ドット.」が入るケースです。
これは何が困るかといえば
企業のデータベースに一致しない場合が多い
例えば企業のデータベースではこの「ドット」の扱いがバラバラなのです。
ドットを無視する、半角、全角
などの理由によりデータから入居者の情報が出てこなかったりするらしいのです。
以前入居者に
「物件名からドットを無くしてもらえませんか?」と相談されたこともありました。
また正式名称を求められる企業などではこれだけで訂正させられることもあるそうで入居者からは不評なことが多いものです。
自分や家族の名前

頑張って手に入れた物件 思いを込めた名前にしたい そうだ、愛する家族の名前をつけて大事にしよう!
素晴らしい想いですが、おススメはしません。
なぜなら、物件はいつか人手に渡ることもあります。その時にはあなたの想いを受け継ぐ人ばかりでもありません。
次の所有者さんは名前にゆかりのない方になる訳です。
あなたの愛する人の名が付いた物件を他人に託せますでしょうか?
また万が一物件で事件や事故などが起こった場合、お名前が付いた方に罪はないとはいえ、気分の良いものではないかもしれません。
基本的には避けた方がいいと思っています。
また多くない苗字や名前だった場合、資産があることがバレたりするのも嬉しくないでしょうから。
気持ちは分かるのですが、どうしてもという場合は少しひねってみることをおススメします。
例えば一文字を英語変換してみるとか
頭文字だけにしておくとか
直接的な名前は避けておいた方が何かといいと思います。
次回はおススメの名づけ方について
ここまで避けた方が良い物件名を挙げてみました。
何度も言いますが、基本的に一番使うのは「入居者」であるということを念頭に置いてもらえればいいと思います。
その範囲で素敵な名前だったり、思い入れを表現することは愛着も湧きますし、入居率も向上したりもします。
次回は「変える時のおススメの名づけ方」についてご紹介してみたいと思います。
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「マンションは音に強い」に隠されたウソ・ホント ~マンションで起きる騒音トラブルの実態~
「マンションは音に強い」というのは、不動産業界でよく聞かれる説です。 賃貸営業に配属された方が、入社初日に受ける研修でも「アパート・マンションの違いは?」で学ぶ必須項目といえるでしょう。 確かに、鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)の構造を持つマンションは、一般的に木造や軽量鉄骨造のアパートよりも防音性に優れています。 しかし、「マンションなら音の心配は不要」と思っていると、意外な落とし穴があるかもしれません。 今回は、この「マンションは音に強い」について賃貸管理の現場からリアルをお伝えしようと思います。 みなさんのお部屋探しに役立てば幸いです。 マンションの構造は確かに防音性が高い そもそも、アパートとマンションに明確な定義があるかといえば、実はありません。 諸説あるのが現状です。 ここでは一般的な違いとしましょう。 鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造 3階建以上 共同住宅 これらを満たすものを一般的にはマンションと呼びます。 「鉄骨造はアパートだ」や「1階でもマンションがある」という説はもちろん理解してますが、今回の主題はそこではありませんので割愛します。 マンションの壁や床は厚く、特に隣室との間の壁(戸境壁)や床スラブがしっかりしているため、一般的な話し声やテレビの音などの空気を伝わる音は、アパートに比べて遮断されやすい傾向があります。 また、高級マンションでは二重サッシや防音ドアを採用している物件もあり、外部からの騒音も軽減されることが多いです。 木造や軽量鉄骨造に比べると建物自体が「重い造り」となっているのですね。 基本的には音は分厚いかったり、重い(密度のある)素材を使うことで軽減されますから、構造が変われば音の軽減に役立つことには異論はありません。 「音に強い」というイメージが引き起こす問題 しかし、この「マンションは音に強い」というイメージが逆にトラブルを生むことがあるのです。 音に強いと思い込んで、楽器演奏や大音量での映画視聴をしてしまう住民がいる 子どもが走り回る音や、椅子を引く音などの生活音を気にしない人が増える マンションだからと安心して深夜でも騒ぐ住民がいる これらの行動が原因で、「思っていたよりも音が響く!」と感じる人が増え、結果として騒音トラブルに発展するケースが珍しくありません。 確かに先ほどの理屈上では音に強いのですが、だからといって完全に遮断できるわけではありません。 また、賃貸用のマンションと分譲マンションでは建物に掛かっているコストが正直違います。 分譲マンションでは比較的かなりのコストを構造に掛けていますが、賃貸用では分譲マンション程のコストを構造に掛けることは一般的ではありません。 その為、一口にマンションといっても築年数や構造の差もあるので、同じマンションでも「音に強い」「弱い」は起こり得るのです。 マンションでも足音や重低音は響く 実は同じ音量でも、その音の質によって騒音となる可能性が違ってきます。 一般的には「高い音は遮断しやすく、低い音は対策が難しい」というのが定説です。 例えとしては「街中で大音量で音楽を流している車」をイメージしていただけると分かりやすいと思います。 窓を閉めていると車外には「ズンズン」という重低音部分が聞こえたりしますが、肝心の歌声や楽器音などは外に漏れにくいものです。 これは住宅でも同様です。 話し声やテレビの音などは、床や天井などにより低減されやすいのです。 マンションは一般的な生活音には強いですが、足音やドスンとした衝撃音(重低音)は構造的に伝わりやすいです。特に 上階の住人が歩く足音 物を落とす音 スピーカーからの低音の振動 などは、床を通じて下の階に響きやすいのです。 これらの音が予想以上に伝わることがあります。 専門的な話になりますが、話し声などは空気伝播音としての性質が高く、吸収もされやすいのですが、重低音に分類されるものは「固体伝播音」として、柱や床そのものを伝ってしまうため、床や壁が厚く堅牢であったとしても伝わりやすい音になってしまうのです。 そういった音の性質からも、騒音の原因の上位は「足音」や「振動」になってしまうのです。 「音に強い」というイメージで選ぶとギャップに悩むことも ここまでの結論としては「マンションは音に強い」は一定事実なのです。 しかし、この「マンションは音に強い」からこそ、トラブルの元になってしまうことがあります。それは 「マンションだから静かだろう」と思って入居した人ほど、ちょっとした音でも気になりやすい傾向があるのです。 「マンション=静か」という思い込みが、実際の生活とのギャップを生み、ストレスを感じてしまうことがあるのです。 賃貸仲介の営業マンも「音が気になるならマンションですね」などと営業文句を言ってたりしますし、それ自体は根拠もあるのですが、音というのはつまるところ 音の感じ方は個人による としかいいようがないのです。 その為、このイメージによる期待と現実のギャップが騒音トラブルの元にもなってしまうのです。 同じマンションに住む人は、同じような価値観を持っていたりすることが多いのですが、こと音に関してはバラバラです。 例えば 話し声は我慢できるが足音は嫌だ 子供の声が我慢できるが音楽は嫌だ 足音は我慢できるが給排水音は嫌だ など、音の種類によっても不快と思う音量や質は違いが出てきます。 余談ですが、私は話し声や足音などは対して気にならない方なのですが、古い家電などが出す「ブーーーン」という音や蛍光灯から鳴る「ジーーー」という音は嫌いです。苦情を言うような内容ではありませんが、嫌いです。 このように音量、質によっても不快のレベルが違う騒音問題は厄介なのですね。 騒音を気にするなら選び方が重要 騒音という点に絞ったお部屋探しということであれば、マンション=静かとは言い切れないということをご説明しました。 それでは、騒音を気にするならどういった選び方をすればよいのでしょうか? もし騒音を気にせず快適に暮らしたいのであれば、単に「マンションだから静か」と考えるのではなく、次のようなポイントを押さえて物件を選ぶことをおすすめします。 最上階を選ぶ 上の階の足音や物音が気にならないため、ストレスが減ります。 角部屋を選ぶ 隣接する部屋が少なく、横からの騒音が少なくなるため騒音トラブルの確率を下げる。 ファミリー向け物件を選ぶ 単身者向けの物件は夜遅くまで音が響くことがあるため、あえてファミリー向けの物件を選ぶという選択肢です。 間取りで選ぶ ・隣接区画が水周りになっている。寝室が音の影響を受けなそうな配置である。など 騒音が気になる場合は「マンションだから大丈夫」と思い込まず、間取りや設備をしっかり確認して選ぶことが大切です。 静かで快適な住まいを選ぶためにも、「マンション=音に強い」というイメージに振り回されないようにしてみてはいかがでしょうか。 そのうえで、音を気にするお部屋探しでは「自分はどういった音を避けたいのか?」に応じたお部屋探しが重要です。 音の種類や性質により選び方も異なってきます。 参考になれば嬉しいです。
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管理スタッフあるある ~ベテラン・上級者向け~
さあ、あなたは共感できるか? 不動産業界では、勤続年数10年ではまだまだ「ひよっこ」扱いされます。 町の不動産屋さんを見れば、50年は不動産業界にいるという重鎮たちも現役として働いています。 そういう意味では、私なんかも不動産業界では、まだまだケツの青いガキですらあります。 しかし、私もそれなりに分譲マンションの管理や賃貸管理を一生懸命やってきました。 今回は、そんな管理会社勤務の経験の中から 「ベテラン管理スタッフあるある」をご紹介してみようと思います。 新米管理スタッフだったころとは、一味違う「あるある」がそこにはあるのです。 さあ、みなさんは共感できるのでしょうか? それとも私はまだまだ「ひよっこ」なのか? 怒鳴る人より丁寧な人が恐い まずはこの関門を突破することが、ベテランへの第一歩という感じです。 最初のうちは、不動産業界に入って、お客から怒鳴られる経験をすると恐怖を感じたり、強いストレスを受けるものです。 しかし、そのうちに気付くのです。 怒鳴る人というのは、そこまで対応は難しくない と 本当に厄介なのは 丁寧に淡々と対応してくるタイプだ と 私もこれです。 怒鳴る人といのは、良くも悪くも感情がハッキリと分かります。 分かり過ぎると言ってもいいくらいです。 求めているものや解決までのラインも、ハッキリと見えますので、あとは「飲めるのか飲めないのか」を判断して、粛々と対応をしていくだけです。 しかし、物腰だけが丁寧な人というのは 「どこまでをゴールとして見ているか分からない」という不気味さがあるのです。 映画でも真の悪役などは、意外に丁寧な口調だったり、紳士的だったりするじゃないですか? あんな感じです。 相手の感情が全く読めないというのは、対応を間違えられないな!というプレッシャーがありますね。 他人事のような態度 ベテラン管理スタッフになると、問題の当事者であるのにも関わらず、他人事のような態度を取っている人が多く見られます。 はたから見ると「真剣さが足りない」「自責の念が感じられない」「自分には関係ないと思っている」などと映ったりすることもあります。 しかし、多くの優秀な管理スタッフほど、「他人事のような態度」は強い傾向があります。 なぜこのような態度に映るのでしょうか? それは複数の要因があります。 今まで同じようなトラブルを経験している 慌てても解決しないことが分かっている 感情に流されると判断を間違う 頭の中で既に解決策を考えている 管理スタッフの仕事は、多くの場面で「冷静」であることが求められます。 オーナーと入居者、入居者と入居者、管理会社と入居者 対立軸になりそうな局面に、中立であるべき存在として立たされます。 そんな中で共感し過ぎたり、慌てて対応したりすると、却って自体を難しくしてしまうものです。 他にも単純に「この手のトラブルを何度か経験がある」となると、冷静にもなるものです。 落ち着いて対応しようとする。 その佇まいなどから「他人事」感が出るのかもしれません。 もちろん、完全に他人事として放置したりするのは論外ですが、仕事の出来る管理スタッフはどこか「冷たく」見える人が多いのも事実です。 私はそんな対応が出来る人を見ると「プロだな・・・」と憧れたりします。 謝罪がオーバー 謝って済むなら警察はいらない みなさんも小さな頃から聞いたこの言葉 確かにそうかもしれませんね。 ただ 意外と世の中では「謝るだけで済むこと」って多いんです。 それを肌感で理解しているスタッフも多いのです。 人間というのは感情の生き物だったりします。 その為、優秀な管理スタッフは謝罪すべき時には「これでもか」という位謝罪がオーバーだったりします。 そもそも、入居者さんの怒り等は本来、管理スタッフの「せい」でないことがほとんどです。 しかし、そんなことを言っても事態や感情は解決しません。 だからこそ、謝罪が有効な場面では謝罪をハッキリとすることで、相手方にも冷静になってもらうことも必要なんです。 逆に「謝罪してはいけない」場面の時には、テコでも動かぬ頑固さを発揮します。 問題解決の為にプライドを捨てるその仕草は、大人のカッコよさが漂います。 頂は遠い いかがでしたでしょうか。 私はまだ10数年の業界歴ですから、当初にあげた例の重鎮たちからすれば、初心者に毛の生えた程度かもしれません。 私自身もそう思っています。 なぜなら10数年経った今でも なにこれ?どうやって対応すればいいの? といった事例が毎日のように起きるのが管理会社です。 そして、それこそが魅力だったりします。 私は飽き性なのですが、この仕事は適度に刺激的な毎日で飽きないです。 経験が蓄積するごとに問題解決も楽になり、自分の成長を実感しやすい点も好きですね。 まだまだ青二才であることを自覚しつつ、真のベテラン管理スタッフになるべく、今日も精進していきます。
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「家賃を下げる」も空室対策の一つ ~管理会社が知る意外なメリットとは?~
負の側面だけではない 多くの大家さんが「家賃を下げる」という選択肢に対して否定的なのはよく理解できます。 家賃の値下げは、収益を直撃する決断だからこそ、慎重にならざるを得ないものです。 しかし、家賃の値下げが必ずしも「損だけ」になるとは限りません。 もちろん、管理会社としても賃料は上がった方が助かります。 出来る限り高い家賃を目指しているのも事実です。そこに異論はありません。 今回は、管理会社として長年の経験を通じて得た知見をもとに、家賃を下げることで得られる意外なメリットをお伝えします。 特に物価高による修繕コストやリフォームコストが上がった昨今だからこそ、この禁断とも呼べる手段は考慮するに価するのです。 家賃を維持・上昇させるためのコストを考える まずは、家賃を維持または上昇させるためには、物件の魅力を高める必要があります。 物価高になり、賃金上昇の局面に入ったとはいえ、それでも現状は実質賃金がマイナスという状態です。 この状態で空室が発生したからというだけで家賃上昇を目指すのは、簡単なことではありません。 今までの賃料が相場に比べて廉価過ぎた、ということでない限りはリフォームやメンテナンスを実施することも必要でしょう。 たとえば 古くなった設備を交換する(エアコン、給湯器、キッチンなど) 壁紙や床材を新しくする 外壁や共用部の修繕を行う もちろん、最低限貸し出す為の修繕はいかにコスト高とはいえ必須になります。 この修繕・リフォームには数万~ときには百万円単位のコストがかかる場合もあり、費用対効果を考えると必ずしも得策とは言えないケースもあります。 現在の資材高と人件費高の状況では、家賃の上昇幅や維持に関するコストと見合うかは検討が必要です。 対して、家賃を少々下げることで空室がすぐに埋まるなら、リフォーム費用を抑えながら早期に収益化できる可能性があります。 長期入居を促し、安定収益を確保する ここからは家賃の値下げの隠された効果についてご紹介してみようと思います。 その一つが「長期入居の可能性が高まる」です。 家賃を下げると、その分だけ入居者の「コストパフォーマンス満足度」が向上します。 結果として、長期的に住み続ける傾向が高まり、退去リスクを軽減できるのです。 相場の上限ギリギリの家賃設定では、常に「もっと安くて良い物件がないか?」と入居者が考え、他の物件に引っ越す可能性が高まります。 一方で、適正な家賃または少し割安な設定にすることで、以下のような効果がうまれます。 住み替えの動機が生まれにくい 家賃の支払いに対する不満が減る 収入の変動があっても無理なく住み続けられる 入居者が住んでいる間には、ライフステージにより様々な変化が訪れます。 そんな時に頭をよぎる「お引越し」という選択肢 その時に、自分の家賃が「割安」「適正」と考えられるような場合には「お引越し」=「解約」は思い浮かばないことでしょう。 しかし、入居者さんが「割高」と感じた場合は他へ移るという選択肢を取っても不思議ではありません。 一人の入居者が長く住んでいただくことで「空室期間の損失」を防ぐことになります。 私がこれまで経験している物件例でも、相場より賃料が割安な場合、平均居住年数が長引くというのは顕著です。 この手法を意図的に取り入れている大家さんがおりますが、所有物件(12戸)はここ3年間満室で退去は1件も無いという強者もいらっしゃいます。 空室期間の損失を抑える 空室が出ることによる損失は、実際には家賃の1カ月分だけではありません。 広告費 原状回復費用 返済費用 収益用物件はいかに「空室を生まないか」が最重要であるかについては異論はないと思います。 実際の費用だけでなく、業者さんとの打ち合わせなどの手間や時間も掛かってくるわけです。 空室期間が長引くにしたがって、このコストは増大してしまいます。 家賃を下げることで少しでも早く入居者が決まるのであれば、結果的にトータルの収益でのパフォーマンスは家賃向上と比べると、大きな差が生まれないという点も考慮の余地があります。 また②の「長期入居」も居住年数を伸ばすことにより、この「空室損」を発生させないというのは、ある意味「肉を切らせて骨を断つ」に近いものを感じます。 それなりに理にかなった方法でもあるのです。 まとめ 「家賃を下げる」という選択肢は、一見するとマイナスだけのように思えます。 確かにデメリットが数多くある方法の一つではあります。「売却時の利回りが下がる」「入居者層が変わる」「収益性の悪化」こういった副作用があるのは当然です。 しかし、長期的な入居者を獲得し、空室リスクを減らし、無駄なリフォーム費用を抑えるという点で、大きなメリットがあるのもまた事実です。 管理会社としての経験から言えるのは、「家賃を下げる」というのはあくまで、数多くある空室対策の一つの手段であり、それが最適な戦略となるケースもあるということです。 昨今は大家さん側の情報発信が盛んになってきており、大家さん側の意見からすれば「家賃値下げ=悪」と感じられるのは当然だと思います。 事実、大家さん向けの書籍やセミナーでは「家賃UPを目指す」や「家賃値下げは絶対NG」などを多く目にします。 どんな空室対策もメリットとデメリットが表裏一体なのです。 家賃UPを目指すなら長期間の空室リスク、維持修繕コストなども覚悟せねばなりません。 どんな薬も副作用があるかのように、家賃の値下げも空室対策の手段の一つに過ぎません。 正しくリスクを把握して使いこなすのであれば、空室対策として有効な面も持っているのです。 物件の状況や市場の動向を踏まえ、柔軟に空室対策・家賃設定を検討することが、結果的に安定した賃貸経営につながるでしょう。
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家賃を「一括で前払いするから」は交渉材料にならない!その理由とは?
結構いるが・・・ 「家賃を〇年分(カ月)前払いするから」 私も賃貸営業をやっておりましたが、この交渉は幾度も受けたことがあります。 さて、この方法は有効なのでしょうか? よくある交渉なのですが 結論からいえば、正直大家側も管理会社側も実はメリットと感じないでしょう。 その理由をご紹介してみましょう。 大体は交渉事とセットである そもそも「家賃を一括」はなぜ提案としてあるのでしょう。 大体は交渉事とセットで切り出されます。 私が受けたことのある内容でいえば 入居審査に落ちたけど住みたい ペット不可の物件でペットを飼育したい 本来の入居人数を超えて入居したい(ワンルームに2人入居など) 法人契約で入居者の入替えを自由にしたい 短期で借りたい 本来の家のリフォーム期間だけ住みたい こういったケースで多い印象があります。 確かに上記の内容を大家側に飲んでもらうために、交渉の条件として「家賃を一括前払い」は有効に思えます。 ですが、なぜ大家や管理会社はメリットと感じないのでしょうか? ここからは、その理由をご紹介してみましょう。 前払いされても使えないから まずはこれです。 いかに前払いをされたとしても、実は大家側は使うことができません。 もちろん、使ってもいいのでしょうが、途中で解約されたらどうなるでしょう? 家賃というのは前払いがほとんどですが、それは「2月分を1月末までに」という程度のものです。 とすると、先に家賃を払ってもらったとしても、厳密にいえば「その月」が経過するまでは「預かっている」に過ぎないのです。 前払いをしてもらったとしても「今は自分のお金ではない」となると「前払い」はメリットにならないのです。 では「途中で解約しても残金は返さなくていいから」という約束とセットでならどうでしょう? それでも結論は変わらないことでしょう。なぜなら そうは言ってても、土壇場になれば返金を求めるのではないか?そうなった場合、揉めたくない と高確率で思われるでしょう。 そして、高確率でそういった事態を起こされた経験があるからです。 会計処理上面倒である これもまた事実の一つです。 前払いを受けた場合、大変なのが会計上の事務処理になります。 「前払いの残高いくらだっけ?」というのを毎月管理せねばなりません。 昨今、家賃管理はシステムで行っておりますが、個人でやっている大家さんなどになると、これは厄介です。 毎回「最初に払った額」から「経過した家賃」を引いていかねばなりません。 毎月のように決まった振込などがあれば管理は楽ですが、前払いだと引いていく必要があります。 また、結果として 前払い家賃がなくなりそうな場合、こちらから催促しなければなりません 一括して前払いした側はえてして、この「残高管理」をしていない場合がほとんどです。 「無くなりそうになったら、向こうから催促が来るだろう」と思ってしまうのです。 これは、督促の手間が増えてしまい、管理する側はイレギュラーとして覚えておかねばなりません。 システムなどで管理していない大家さんになると、これはデメリットと受け取られるでしょう。 「前払いでもらったと思っていたら、いつの間にか滞納が発生していた」となることもあるのです。 単に恐い これもありますね。 なにかしらの交渉が入るような事例でないと「家賃を一括払い」はないのですが お金で交渉を飲んでもらう という姿勢に嫌悪感を覚える大家さんが多いのも事実です。 もちろん収益の為にやっているのですから、収益は大切なのです。 しかし、交渉の場面でお金でゴリ押しとみられると、引いてしまうのです。 これは「交渉をしてはいけない」という訳ではありません。 「お金を払えばいいんだろう」という姿勢に映らないように注意しなければいけません。 相手方から条件として言われない状態で切るカードとしては「家賃前払い」は少し「恐い」印象を受けてしまいがちです。 交渉したいことがあれば素直に申し出てみましょう。 そのうえで条件として「家賃前払い」が出た場合などは、当然問題ありません。 なぜか「家賃前払い」は一足飛びに初手から切り出されることが多いので、誤解を生じさせてしまいます。 あくまで交渉は人と人との関係です。 初っ端から出すカードとしては、あまり先方に良い印象は持ちづらいのです。 交渉は丁寧に いかがでしたでしょうか。 なにかしらの事情があって交渉になることでしょう。 多くの場合、大家さん側に直接会うことなども難しいことでしょう。 だからこそ、相手にどう映るか?という点を思いながら交渉に臨んでみてはいかがでしょうか。 どうしてもダメなことはダメでしょう。 それでも真摯に対応する姿勢を見せることで活路が開けるかもしれませんよ。 「家賃の前払い」自体が悪い訳ではありません。 今回挙げた内容を考慮したうえで、相手との妥協点が見いだせれば幸いです。
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賃貸契約後すぐ解約したらどうなる? ~知っておきたい費用とリスク~
契約直後の退去どうなる? 賃貸物件を契約したものの、何らかの事情で「やっぱり解約したい」というケースはごくまれに発生します。 しかし、契約後すぐに解約する場合、契約金や違約金が発生する可能性があり、思わぬ出費となることも。 今回は、契約後の早期解約をするとどうなるのか? 契約金は返ってくるのか? ハウスクリーニングや短期解約違約金は請求されるのか? 解説してみましょう。 自己都合での解約 まずは事情により解約という点ですが、どのようなケースがあるのでしょうか。 借主側の事情(自己都合)という場合について解説していきましょう。 この場合、借主が望んだにせよ、望まなかったにせよ自己都合とみなされるケースは以下のような事例でしょうか。 私が今までに経験したり、聞いたことがある内容としては 急な転勤や異動 入居してすぐのトラブル 思ってたのと違う、他の物件にしたい 病気やケガ 親族 その他 「急な転勤や異動」については「異動先が急遽変わった」とか「今年は転勤無いと思って契約したが転勤になった」などでしょうか。 「入居してすぐのトラブル」は「思ったより上階からの騒音がヒドイ」「隣の住人と揉めた」「ストーカー事案の発生」「空き巣などにあって恐い」など人に起因するものが多いと思います。 「思ってたのと違う、他の物件にしたい」はこのままですね「契約後に他の部屋を見つけた」「思ったより日当たりが悪い」「湿気がヒドイ」など 「病気やケガ」は「大病をしてしまい一人暮らしが出来なくなった」「階段が上がれなくなった」「ケガなどで設備が使いづらくなった」などの本人にもどうしようもない理由がほとんどです。 「親族」であることは「成人して自分で部屋を選んだが、親族から反対された」「近くに親族が住むことになり嫌になった」などの家庭に起因するものです。 その他で今までに珍しい事例としては 感動する動物映画を見て急にペットが飼いたくなった 占い師に診てもらったら「その部屋はダメ」と言われた 契約直後にプロポーズされた 霊感のある人が部屋にきて「ここには霊がいる」と言われて怖くなった 妊娠が判明して単身でなく家族用が必要になった 宝くじに当たってグレードアップしたくなった 事例は様々で、「本人の責任ではない」という事情もあったりするのですが、契約上は「自己都合による解約」とみなされることが多いものです。 どこまでが「自己都合」という線引きは難しいんですけどね・・・ 基本的には「貸主(管理会社)の責任ではないこと」以外は自己都合となることが多いものです。 「上階の騒音」や「空き巣」などは貸主の責任ではないか!と思われるかもしれません。 厳しい見方になるのかもしれませんが、それは「騒音を出す人が悪い」「空き巣をする人が悪い」となり、「貸主の責任」かどうかでいえば違ったりするのです。 その他の事例も同様です。「急な転勤」や「病気ケガ」なども本人の責任では無いのでしょうが、かといって貸主の責任ではない訳ですね。 もちろん、全てのケースで貸主の責任が無いとは言えませんので、その判定は個別の事例にそって行われるのです。 賃貸契約の成立タイミングとは? そもそも、賃貸借契約というのはいつ成立するのでしょうか? 法律的な原則でいえば、当事者(借主・貸主)同士が合意した瞬間に賃貸借契約は成立するのです(諾成契約)。 つまり借主が「ここに住みたい」貸主が「いいですよ」と合意した瞬間といえます。 現実的な手順でいえば、入居申込書を記入して渡した瞬間に、賃貸借契約は成立したということになります。 ただし、ここで不動産業者が仲介に入っていると、そう簡単にはいきません! 不動産業者が仲介をする場合には、契約前に重要事項の説明と重要事項説明書の交付を行わなければならないとの定めがあります。 細かい法解釈は別として、現実的には重要事項説明をして 「契約書に署名・捺印をし、貸主(または管理会社)に提出した時点」 で有効と解するのが一般的です。 本来は合意のみで契約は成立するが、別の法律で阻止されるというイメージでしょうか。 つまり、この契約が完了した後に「やっぱりやめます」と伝えても、それは通常の解約手続きと同じ扱いになってしまうということですね。 解約と近い言葉で「キャンセル」という概念があります。 内見などをして「ここがいい」と思って、入居申込をしたものの、一晩考えたら「やっぱり違った」となって翌日などに「すみません、やっぱりやめます」というケースです。 上記の例からすれば、契約書の取り交わし前であれば、申込金などの金銭を支払っていたとしても、「解約」ではなく「キャンセル」はできると解される訳ですね。 但しこの「キャンセル」は「契約前であれば無限に出来る」という訳でもありません。 判例でも「いたずらに引き延ばしたり」「契約の意思があるようにふるまって直前でのキャンセル」などは損害賠償を求められることもありますので、注意が必要です。 一旦契約が有効になった後は、 たとえ入居前であっても契約解除には費用が発生する 可能性が高いため、慎重に判断することが重要です。 解約のお金の話 それでは契約が終わった後に事情はあれど、キャンセル・解約する場合に気になる「お金の話」です。 急な解約となると、契約金や通常の退去時に掛かる原状回復費や違約金、ハウスクリーニングの扱いが気になりますよね。 先ほどの例による「キャンセル」と「解約」の違いは、以下のようになるのが一般的です。 項目契約前のキャンセル契約後の解約契約金返金されることが多い返金されない可能性あり敷金そもそも支払わない一部または全額返金される短期解約違約金発生しない契約内容によって発生するクリーニング費用発生しない入居前なら発生しない可能性あり原状回復費発生しない傷や汚損が無ければ発生しない可能性大 契約前のキャンセル契約書を交わす前の段階であれば、基本的に全額返金されることが一般的です。ただし、申込時の手付金や事務手数料が返金されない場合もあるため、事前に確認が必要です。 契約前でも「〇〇してくれるなら申込みます」など貸主に特別な負担をお願いしていて、貸主がリフォームや特別の負担などに着手していた場合は、その部分について請求される可能性があります。 契約後の解約契約が成立した後の解約は、たとえ未入居であっても 「通常の解約手続き」として扱われる ことが多いです。そのため、 短期解約違約金や契約金の返金不可 などのリスクが伴います。 こうしてみるとキャンセルでは、ほぼ費用が発生しないことになります。 一方、契約後の解約については、返ってこない、もしくは請求される可能性があるものがほとんどです。 ここからは「解約」の場合、個別の費用について解説してみましょう。 先払い家賃 契約金には、当初の家賃を前もって支払うことが一般的です。解約では契約書に従って「解約は〇月前に申し出ること」などと記載されており、実際には住まないとしても、残額の返金となる可能性があります。 仲介手数料 契約成立したことによる、不動産会社の報酬です。これは契約後の解約では返ってこない可能性が高いものです。契約に不備が無い限りは難しいものでしょう。 火災保険料 入居にさいして火災保険などの加入が必須であることでしょう。 実際の契約が開始する前であれば、保険料全額が返金がされるかもしれませんが、一旦契約日を迎えてしまった場合には、解約返戻金として保険会社により定められた返戻率により返ってくることでしょう。 敷金 滞納や退去後の原状回復費の担保となる敷金ですが、こちらは契約直後などの損傷や滞納などがなければ、全額か大半は返ってくる可能性はあります。 ただし、敷金が特約により「償却」となっている場合は直後の解約でも返ってこない可能性がある為、注意しましょう。 短期解約違約金 契約書の特約などにより「〇年以内の解約の場合、賃料の〇月分を違約金として支払う」が設定されていたりします。この場合、契約直後の解約であっても請求される可能性があります。契約書をしっかりと確認しておきましょう。 ハウスクリーニング ハウスクリーニング費用の扱いは非常に難しいものです。未入居の状態であれば、恐らく請求されることはないでしょう。しかし、一日でも使用していた場合には要注意です。特約などに「入居の長短にかかわらず~」などの文言が入っている場合などは、原則として請求される可能性が高いといえます。しかし、余程の短期だった場合などは多少減免があるかもしれません。ここは正直、各管理会社の裁量の範囲かもしれません。 このように、一旦有効に成立してしまった場合には契約の取り消しではなく、「解約」とみなされるようになってしまいます。 「契約」は慎重に いかがでしょうか。 今回ご紹介したのは、あくまで「契約」と「解約」での費用やリスクのお話でした。 現実的には事情を考慮してもらえたりすることもありますが、それはあくまでも「例外」としての扱いです。 もちろん、貸主側に落ち度があって契約が実行されない場合などは、今回のように「解約」ではなくなります。 その場合は借主が損害を被ったということになりますので、逆に貸主へ損害を追及することも可能になります。 いずれにしても「契約」というのは、とても重い行為です。 「契約書の内容をしっかりと把握する」「引っ越しの判断をしっかりする」などの自衛をしっかりと行っておきましょう。 仮にやむを得ない事情で解約をしなければいけない場合は、真摯に事情を話し、冷静に事態に対応していきましょう。





