(32ページ目)事故物件からの再生 ~家賃回復編~

最近は同業者さんからのQ&Aも増えてきました。お力になるならお答えしますよ。

事故物件の家賃下落

今回は事故物件後の家賃設定から家賃を回復する方法や仕組みについてお話していこうと思います。

前回の記事で「事故物件とは?」という定義や告知義務については書きました。

最新の告知義務についてはこちら

では「いざ事故物件が発生してしまったら?」の中でも「家賃をどう回復させるか?」についてお話していこうと思います。

今回の記事では事故物件を無事リフォームや清掃などが終わった段階で募集をするという部分にフォーカスを当ててみましょう。

家賃はどの位下げる?

値下げ幅は?期間は?どうしたらいいのか?

まずは金額ですが、色々なサイトには20%~30%ダウンと書いてあります。

しかし、私はこう思うのです。

徐々に下げるのもアリ

というのは、事故物件で大幅にリフォームが必要だった場合などは前の状態よりグレードアップしていることもある訳です。

そうすると一律に値下げをしなくても、前と同じ家賃でグレードアップしていれば充分と考える入居者もいるのです。

私の感覚ですが

昔より事故物件に嫌悪感がある人は減っている

私が不動産会社に勤めだした十数年前はやはり事故物件は3割ダウンとか半額などもありました。

しかし、最近はグレードアップした(水周りの交換や壁紙床の張替え)などのお部屋で家賃そのままで決まるケースも増えてきました。

もちろん事故物件である告知はしますよ。

借りる人の言い分としては「キレイなお部屋で割安だから全然気にしない」という方もいるのです。

もちろん、損傷などが少なくリフォームなども大きくしなくていい場合などは下げないと価値はありませんが・・

個人的には損傷が少なくても生活感のある壁紙や床などは替えてしまった方が家賃下落率に歯止めが掛けられる印象です。

急いで決まらないと資金繰りが厳しいなどの場合には思い切って下げなければいけませんが、多額の出費があったお部屋については出来る限り家賃が入ってこないと苦しいものです。

その為、徐々に下げるもありだと思っています。

どの位まで待てるか?になりますが、2週間毎に家賃を下げていってもいいのかと思っています。

下げる期間は?

告知義務の3年が上限でしょうね

これは間違いなく3年目で回復させたいですね。

もちろん国土交通省のガイドラインに寄っているということもありますが、3年というのは思ったより長いものです。

3年前の事故でその後、普通に人が住んでいたとなると余程の事件でない限り嫌悪感も薄れてしまいます。

告知義務の範囲で家賃は平準化するように家賃設定をしていけばいいと思います。

契約内容はどうすれば良いか?

面倒ですが、普通賃貸借契約はおススメしません

家賃を下げることにしたなら、契約内容をしっかりしましょう。

通常、賃貸借契約では「普通賃貸借契約」という一般的な契約で行います。

これは全国的には最初の2年間を契約期間とし、その後は更新を設けて2年毎に更新するという内容です。

事故物件になってしまい、家賃を下げた状態で普通賃貸借契約を何の特約も無しに結んでしまうと

ずーっと家賃が低いまま貸さないといけない

という事態も起こり得ます。

事故物件であることを気にしない、許容できる人が相場より安い家賃で入居できる為、入居が長引くこともあるのです。

当然ですよね、事故物件を気にしない方であれば「相場よりかなり安くで住める」のですから周辺でお引越しを検討しても周りの物件は「割高」に映ることでしょう。

中には契約書の中に「更新時には家賃を協議して決定するものとする」とかという特約を入れたりするケースもありますが、「普通賃貸借契約」では協議が整わない場合=入居者が承諾しない場合は元の契約で続行となる扱いを受けたりもします。

もちろん、設定した家賃でずーっと借りていただいても構わないという場合は普通賃貸借契約でOKです。

しかし、「いつかはまとまな家賃が欲しい」と考えるのであれば契約内容は注意しましょう。

面倒だけれど「定期借家契約」はおススメ

期限を決めて我慢しましょう

もう一つの方法は「定期借家契約」を使うという方法です。

皆さんもこれを見ているからには「定期借家契約」というのはご存じですね。

更新が無く、期限の到来とともに終了する賃貸借契約です。

普通賃貸借契約では更新が整わない場合は「契約続行」ですが、定期借家契約では条件が整っても整わなくても一旦契約は「終了」します。

その後、同じ入居者さんが住みたい場合でも「更新」ではなく「再契約」となります。

その為、期間限定の家賃を設定することが出来ます。

告知期間や嫌悪感が薄れたタイミングで家賃を元の水準に戻すことが出来るのです。

例えば期間を1年ずつにして1年目は○○円ダウン 2年目は少し上げて○○円ダウン 3年目は○○円ダウンなどと自由に設定することも出来ます。

面倒な場合は3年間は更新無しで家賃○○円として、3年以降は普通賃貸借契約へ変更でもいいと思います。

入居者からすると、更新が無い為、入居を躊躇するかもしれませんが、それでも3年間はお得に過ごせると思って好評だったりもします。

特に転勤や在学などで期間がある程度決まっている方にとってはお得に映ったりもします。

ちなみに私は定期借家契約を設定する場合は、契約書に再契約(更新みたいなものです)の条件を記載したりもします。

具体的には

「再契約を希望する場合は入居より1年間は○万円 2年目は○万〇千円 3年目は〇万円」と条件を先に提示しておくのです。

本当はもう少し固い文章で書くのですが、予め2年目3年目の家賃を提示し、希望があれば3年以上も住めることは出来ることを提示しておきます。

家賃が割安な内だけ住むことも出来ますし、その後気に入って長く住みたい場合は普通の家賃を支払うことで住み続けることも出来ますよ。という訳です。

3年経って住み続けたい場合は「普通賃貸借契約」に切り替えてもいいと思います。

しかも意外と3年経って普通の家賃に戻っても、環境が落ち着いてそのまま住み続ける方は多いですよ。

しかし、それも最初に2年目3年目のことが分からないと不安で入居出来ませんからね。1年だけ住みたいという人はかなり少数でしょうからね。

もちろん、気にする人は気にする「事故物件」ですが、気にしない方からすると同じ家賃で「割安」に住める物件であることは間違いありません。

しかし、計画を持って設定しないと事故物件による精神ダメージだけでなく、金銭的なダメージも背負い続けてしまいます。

今回は残念ながら事故物件となってしまった物件の家賃再生編を書いてみました。

最近は本当に気にしない方が増えてきています。

当たり前ですが、事故物件と分かって住んでいる方に住み心地を聞いても「全然気に入ってます」と明るく返答してくれますからね。

古い価値観になりつつあるんでしょうかね?

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