
前回の記事はこちら
前回に引き続き「良い情報が来るためには?」というテーマに基づいてお話してみようと思います。
今回は逆に売買を行う業者さんが「こういう人にはいい情報を持っていけない、言いづらい」という話をご紹介しましょう。
あくまで私が売買系営業マンから聞いた範囲ですから、不動産屋の勝手な都合と思われるかもしれませんが、最前線に立つ彼等の本音ですから、聞いておいて損はないかと思います。
よく勘違いされている部分もあります、その一つは「大金持ちにだけ情報が先に回る」
確かに現金一括で買えるというのは魅力です。
しかし、現実には大金持ちにだけ情報が周るかといえば、そうとも限りません。
彼らの本音を考察して、みなさんは「良い情報が早く来る」ためには何が必要か?の参考になれば嬉しいです。
感謝しない人

かなりの割合でこれを言う営業マンが多い印象です。
この後出てくる「価格交渉」や「仲介手数料の値下げ」よりも割合としては多い気がします。
お金さえ入れば不動産屋はなんでもいいんでしょ!と思われがちですが、不動産業というのは意外と
義理人情浪花節 が強い業界なのです。
もちろんお金が大事であることは言うまでもないのですが、「お金がある」というだけで皆が言うことを聞く業界かと言われたらハッキリと「NO」と言えるでしょう。
不動産というのは大きな金額の買い物です。
買うにはかなりの労力や信用、そして大きな出費や借金であることは間違いありません。
その為、買うという行為で尊大な態度を取ってしまう方もいるのです。
要は「こんなに大きな金額で買ってあげてる」という感覚に陥るのです。
そうすると買主だけがリスクを負って売主にお金を「払ってあげてる」という態度になり、仲介に入る不動産業者にも「仲介料を払ってあげてる」という態度を取ってしまいがちなのです。
もちろん、買主さんがいなければ売主も困りますし、仲介業者も収益になりません。
ですが裏を返せば「売主がいなければ買えないし、仲介業者がいなければ買えない」のです。
先日地元の不動産業者の社長さんにお会いして雑談していたところ、こんなエピソードを聞きました。
Aさんという売主が高齢の為、いくつかあるアパートマンションを順番に手放すことにしたそうです。
社長さんはあるBさんというオーナーに小さなアパートを売却することにしたそうです。そのアパート自体はまあまあの条件であったとのことです。
しかし、社長さんは売買契約時や決済などのBさんの態度や物言いがとても不快に感じたそうです。
売主と買主が顔を合わせる契約時にも「こんな金額ですけど、買ってあげますから」と言ってみたり、「これからは若い人でないと賃貸経営は難しいから、僕に売って良かったですね」などと失礼な対応を取ってしまったようです。
また当の社長さんにも「この物件が売れて社長も儲かったんですから、私を大事にした方がいいですよ」などと言ってしまったようです。
社長さん自身も「そんな対応をしそうな人とは思わなかったんだけどね・・」と後悔したそうです。
これに大変立腹した社長さんはAさんの残りの物件で更に条件が良い物件がまだまだあったそうですが、Bさんへ紹介したかというと・・・・・
このケースはいささか極端すぎるエピソードではありますが、不快な態度や物言いをして敬遠されるというのは思いのほかダメージが大きいものです。
下手に出る必要まではありませんが、せっかくご縁有ってのものです。
売主や仲介業者に対しての感謝というのはお金が掛かる訳ではありません。
言葉や態度だけで良いのですから。
感謝というのはしておいて損はありません。
仮に今回のBさんが素敵な対応をしていれば、Aさんの残りの物件もきっと紹介されたハズでしょうからね。
お金があるから尊大に振る舞うという人には良い物件情報というのは来ないものですよ。
過度な価格交渉

収益用の不動産である以上、安く買えればそれだけで収益性は違います。
当たり前ですが「買主は出来るだけ安く買いたい、売主は出来るだけ高く売りたい」のです。
たまに見かけるのは「自分が買う時は凄い価格交渉をするが、自分が売る時はびた一文下げない」という剛の者もいますね。
物件の価値というのは様々な要因の組み合わせですし、不動産という2つとして同じ物が無い物である以上、適正価格というのが測りづらいものです。
価格交渉も不動産投資の醍醐味の一つであるのも事実ですからね。
売主も売ろうという決断をした以上、売れてほしいのも事実ですから「この位ならいいかな?」と両者が合意すればいいのですから、価格交渉それ自体が悪いことではありません。
しかし、例えば先ほどから出ている「良い物件情報」が来たときに価格交渉を過度にしすぎるとどうでしょうか?
不動産営業マンが苦労して勝ち取ってきた「良い情報」を伝えたとしましょう。そこに過度な価格交渉をすると、どうなるかというと・・・
「この物件の価値が分からないのか・・・」と思われるかもしれませんし、「こんな好条件で売主が出しているのに、流石にここからの価格交渉の話を持っていけない」となるかもしれません。
そうなると、次の人へ紹介されてしまうことでしょう。そして以降、連絡がくることは減るかもしれません。
「じゃあ勧められたら黙ってYESと答えろってことか?」という極論原理主義の方の為にもハッキリといいましょう
「良い情報」かどうかを見極める眼は持ちましょう
今のあなたにとって「良い物件」では無かった場合はお礼を伝え、いい物件であることは認めればいいのではないでしょうか?
出された情報が「良い条件か悪い条件か判断もせず(出来ず)に、とりあえず価格交渉をする」というのがダメなだけです。
みなさんもご自身の仕事などで「特別に良いサービス」や「特別に良い商品」をお客様に勧めた時に過度な値下げ交渉などが来たらどうでしょうか?
仲介手数料の値下げ要求

良い情報にも関わらず仲介手数料の過度な値下げ交渉をする
これはガッカリされるでしょうね。
仮に良い情報だった時には尚更でしょう。
売買をメインとしている会社というのは皆さんが思っているほど「ボロ儲け」という訳ではありません。
よく売買仲介の手数料を知って「こんな簡単に儲かるんだ」とか「ちょっと紹介するだけで何十万、何百万とか楽な仕事」というイメージを持つ方もいますが、売買の仲介というのは簡単なものではありません。
良い情報が来る為には普段からの実績も大事です。
「あの人にお願いすると高く売ってくれるから」 「スムーズに取引してくれる」 「銀行融資も厳しいのに積極的に取り組んでくれて融資を受けられた」など普段のたゆまぬ努力の賜物なのです。
しかも、売買契約に至らなければどんなに調査に時間や労力が掛かったとしても報酬は貰えません。
売買契約自体は期間が短いかもしれませんが、そこに至る為に業者が使った時間や経験なども踏まえての報酬である訳です。
もちろん、買う側から見れば売買価格の3%と額が大きいものですから削りたい気持ちも分かります。
これもお願いするのが全くダメかと言われるとダメではないのですが、同時に業者側に立って見てみると気持ちも分かるかもしれません。
あなたが不動産の営業マンとしましょう。とても良い物件情報を手に入れたとします。
今月のノルマもこの売買を終えれば達成できることでしょう。
そこであなたの頭には興味を持ちそうな2人のオーナーが頭に浮かびました。
あなたはどちらに物件情報を持って行きますか?
Aさん=現金一括で買えるが、仲介手数料を値切ってくる
Bさん=ローンでの購入だが、仲介手数料は普通通り支払ってくれる
現金一括で買えるというのはかなり大きいですよね、銀行の融資は関係ありませんから。
しかし、良い物件情報を苦労して手に入れたあなたはこう考えませんか?
「Bさんに勧めてみて、ダメならAさん」
自分のノルマや歩合などもある場合、仲介手数料の額というのは重要になってきます。
もちろん、売らなければ報酬もありませんが、そこは「良い物件情報」ですからまとまるでしょう。
あとは誰に一番最初に持って行くか?という点で見るとどうでしょう?
例えば今回だけ買って、これ以降は増やさないというのであれば値下げ交渉もガンガンやってもいいかもしれませんが、今後もその業者さんから鮮度の早い情報や良い情報が欲しければ、過度な交渉は考えてみるのも一つかもしれませんね。
ちなみに私は個人的に付き合いのある不動産業者さんがおりますが、彼から買う場合は同じ不動産業者ですが、仲介手数料の値下げを彼にはお願いしない。という業者さんがあります。
その業者さんは融資関係にも明るく、良い情報を持っております。非常に精力的に活動しています。
そんな彼のファーストチョイスにいられるなら仲介手数料の値下げより私には大きな利益になるだろうと思っています。
決断や返事が遅すぎる人

これもまたよく言われる話です。
良い物件情報だった場合は尚更でしょう。
売主側に1社しか不動産業者がいない場合は多少時間が貰えるかもしれませんが、売主側に複数の不動産業者が入った場合、どこの業者が仲介手数料を貰えるかは
ヨーイ ドン!
と一斉に競走になります。
そうすると、不動産業者が考えることは一つ
「欲しいと言ってくれる人で返事が早い人は誰だ!」
と思う訳です。
ここまで聞くとキョクタン星人の方は
「勧められたらすぐ買えってことか?」「不動産屋に騙されるかもしれないし、慎重になるのは仕方ないじゃないか」と言われるかもしれませんが、ここは難しいかもしれませんが
慎重に早く決断する
これに尽きます。
また「勧められたら買えってことか?」については
買う返事だけでなく、買わないという返事も早くすればいい
これです。
なにも勧められたら全部買えなんていいません。
しかし、一番困るのは
買いそうで買わないまま時間が過ぎること
あなたに良い物件だと思って勧めた以上返事が欲しいのです。
ダメなら次の人に勧めたいのです。
仮に「いいかもな!買おうかな」と思って業者には「検討する」と返事をして時間が経つと、業者は一応待たねばならない状態になります。あなたが決断した時に別の人に勧めていたらどうでしょう?嫌な気分になりませんか?
不動産業者も不義理なことはしたくないのです。
しかし、先ほども話した通り複数社での取り合いになっている場合などは死活問題です。
買うか買わないかハッキリして貰えれば、次の人に当たることも出来る訳ですからね。
これを頻繁にされた場合、ヨーイドン!物件が出た場合にあなたに情報を回すことは難しくなってしまうのは当然かもしれません。
買う時だけでなく、買わない時でも返事は早い人だと皆さん助かるそうですよ。
次回はどういう人になれば良いのか?編です
ここまで書いた事項は営業マン達の意見のうち、私も同意出来るし、筋が通っている内容をまとめてみました。
中には過激な意見もあったのですが、「それは業者のエゴじゃないかな?」と思うものは省きました。
過激な意見も聞きたい方は個人的にお話ししますが、「そんな無茶な」とか「何様だ」と思われるでしょうからおすすめはしません。
今回はNG集でしたが、次回は
「じゃあどういう人になれば情報が早く来るようになるか?」を書いてみたいと思います。
前回も書きましたが、「こうでなくてはダメ」と言いたい訳ではありません。
でも、建前でもない本音がみなさん聞きたいのでは?と思っているので紹介してみます。
お問い合わせ
-

あけましておめでとうございます
蒲生の大楠 近くからでは全体が収まりません。正に御神木 2023年も皆様にとって実り多き年であるように 新年あけましておめでとうございます。2023年が始まり、当社も4日より営業を開始しております。振り返れば2022年は新型コロナウイルスも収束することもなく、ウクライナ侵攻など決して明るいニュースばかりではありませんでした。しかし、そんな中でも私たちに出来ることはたくさんある。という思いで昨年は走ってきました。世界が暗くても「私たちに近い範囲で出来る範囲で」身の回りの人を幸せにするお手伝いは出来ると信じています。目に映る範囲だけでも、自分の力の及ぶ範囲だけでも人の幸せを願っていきたいものです。正直、若い頃は他人の幸せを妬んでしまうことすらありました。お恥ずかしい話しですが最近ようやく目に映る他人の幸せも微笑ましく見ることが出来るようになりました。そして、身の回りの人たちが幸せそうだと自分自身も「いい気分」になるようになれました。我々管理会社というのは、一番過ごす時間の多い「住宅」の管理が主になります。だからこそ、この時間を大事にしていきたいなと思っております。出来ることが限られているからと諦めることなく、誰かの人生の気付かれないかもしれない部分でも、幸せのお手伝いが出来ればなと新年の蒲生八幡神社で願いと決意を祈ってきました。おみくじは「末吉」でした。
-

一年の感謝をみなさまに
本当にありがとうございました。来年もみなさまの幸せのお手伝いを目指して頑張ります。 感謝 早いもので、2022年ももう少しです。みなさまの2022年はいかがでしたでしょうか?我々ロータスホームは前身のマルトクエステート霧島店から一新し、2022年1月より株式会社ロータスホームに生まれ変わりました。新型コロナウイルスも以前猛威を振るってる中、新しい会社としてとにかく激動の一年でございました。少し前進したかと思えばまた後退の繰り返しをしながら、スタッフと共に一所懸命に取り組んでまいりました。時にはみなさまにご迷惑をお掛けし、お𠮟りを受けることもありました。しかし、2022年の終わりに差し掛かり、振り返ってみると、たくさんのオーナーさん、業者さん、入居者さん、たくさんの方から温かい言葉をいただきました。たくさんの方々に応援、ご支援をいただけたおかげだと思っております。とても嬉しかったです。正直、不安や迷いも抱えながらの一年でした。「どうやったら喜ばれるのか?」頭の中はこればかりでした。そんな中でいつも励みになっていたのは、みなさまからの ありがとう この言葉でした。何者でもない私たちに期待と応援をくださった全ての皆様に感謝申し上げます。そして来年は今年より更に成長し、もっと皆様のお役に立てるように精進してまいります。 拙い私と一緒に頑張ってくれたスタッフ、腕の良い業者さん達、同じ不動産業界に身を置く同業者さん、当社の管理物件にお住まいの入居者さん、私たちを信頼し物件を預けてくださっているオーナーさん、そしてロータスホームにお越しいただく全てのお客様、皆様に感謝を申し上げます。まだまだ至らない点もたくさんあろうかと思いますが、今後ともスタッフ一同よろしくお願い申し上げます。 皆さまにとって実り多き2023年になるよう願っております。 株式会社ロータスホーム 代表取締役 内田 幸喜
-

満室経営とは誰のおかげなのか?
管理会社のおかげでしょうか? 入居率UPのお礼を受けて返す一言 オーナーさんとお会いした折に、このようなことを言われることがあります。 「ロータスホームで入居率が上がりました、ありがとうございます」このようにお褒めの言葉をいただくのですが、私はこの言葉をいただくと必ず 「いえ、こちらのご提案を受けてくださったおかげです、こちらこそありがとうございます」 と返します。そう、管理会社にとって入居率を上げることはとても大事な仕事の一つです。しかし、入居率が上がったら全て管理会社の手柄だとは思えません。なぜなら、管理会社がいかに優秀だとしても、その提案をオーナーさんが飲んでいただけないことにはどうしようもありません。私たち管理会社は物件の決定権は持っていません。あくまで決定するのはオーナーさんですから。不動産を持っているオーナーさんにとっては、賃貸経営というのは楽しい提案ばかりではないのです。時に費用を支出したり、意見を交わしたり、時間を使ったりと、頭も心も体も使いながら決断していくのです。そんな中で、私たち管理会社からの提案を飲んで、ある種信用して任せてくれるのです。全ての策や提案が当たればいいのですが、そう上手くいかないこともあります。それでも二の矢、三の矢と一緒に進んでいくと、自ずと良い結果になっていきます。 ですから、本心で入居率のUPは「オーナーさんのおかげ」と思っています。もちろん、管理会社の言う事を全て聞けとは思いません、各オーナーさん毎に進め方も違ってきます。投資スタイルや規模、将来へのビジョンなどで良好な経営方法はいくつも枝分かれしていきます。万人に成功する方法など無いと言ってもいいでしょう。それでもイメージを共有し、一緒に満室経営を目指していく過程は楽しいものです。何だか、年末に差し掛かりたくさんのオーナーさんがお越しいただいたり、お会いする機会が多いこの季節、そんなことを改めて考えておりました。そして、提案を飲んでいただいたら結果を出さねばならない!という良いプレッシャーもまた醍醐味の一つでもあります。
-

なぜ騒音問題は解決しづらいのか?③ マンションなら大丈夫という幻想他 まとめ
音に強いという過度の幻想はやめておきましょう https://lotushome.jp/blog/3289/ 前回の記事はこちら 7 マンションなら大丈夫という幻想 次にあげるのが、音の問題を避ける為にマンションという選択肢への「過度な幻想」です。そしてこの過度な幻想こそが騒音トラブルを発生させてしまうという内容です。これは、事実の部分と期待の部分がズレるという話しです。まず、音に対して「アパート」と「マンション」ならどっちが強いか?といえば「マンション」であるのは間違いありません。これは構造の差によりますが、大体そうでしょう。しかし、音のトラブルは「アパート」「マンション」どっちが少ないか?といえば必ずしも「マンションの勝ち」とはなりません。なぜでしょう? 音の問題は「期待」と「感覚」にも関わるから そう、音の問題は感覚の違いによるものと話してきましたが、マンション=音に強い というイメージから過度の期待によるトラブルも多いのです。要は「マンションに住んだのに音が聞こえる」という主旨です。皆さんにハッキリと言っておきたいのですが、例え分譲マンションであったとしても共同住宅である以上、「音はします」にもかかわらず、マンション=音がしない という期待を持った方からすると「許せない」という感情を持ってしまいます。体感になりますが、マンションタイプの方が騒音トラブルは多い印象です。これは以下の側面があると思っています。 マンションだから音に強いと思って「音を出す側」が気を遣わない人がいるマンションだから聞こえないと思って「音を受ける側」が期待しすぎるアパートはそもそも「聞こえる」という前提の人が住みやすい音に対して意識の高い(過敏な)人が住みやすい マンションという物への過度の信頼や期待が却って騒音問題に繋がってしまうケースですね。一般的にアパートタイプというのは「音にそこまで強くない」という前提がありますから、選択する方は音に対する期待値がそこまで大きくないのです。他方マンションというのは強いのですが、それでも全くしないという訳でもありませんから、音に無頓着な方が近くにいれば聞こえてしまいます。しかしマンションへの過度の期待値がある方は「音に悩みたくないからマンションにしたのに」という感情も出てしまうのです。その為、騒音に対する苦情というのはアパート>マンションとはならないのです。そしてマンションの方が音の苦情はこじれるケースは多い印象です。やはりマンションに対する期待値というものが働いているのかもしれませんね。 8 救われない専門家や訴訟 訴訟や専門家を活用することも解決の一つではありますが、容易ではありません。これまで申し上げた通り、「騒音」と認定するだけでも高いハードルです。しかもその後弁護士などを使い訴訟などに移行しても変わりません、やはり守りの堅い「借地借家法」、損害賠償を求めても被害とのバランスを欠いた金額、そもそも訴訟費用などが高い現状など本当の意味で救われることが少ないのです。騒音と認定する為の費用から弁護士費用、裁判まで持ち込む労力。これらは並大抵のものではありません。被害者側に立つとあまりに膨大な労力!解決への道はこれでは困難です。 9 管理会社は「人の管理」はできない 借りていただく入居者の行動や宅内での生活スタイル、昨今ライフスタイルの変化や個人個人の新しい価値観などの多様化も叫ばれております。管理会社はあくまで「建物の管理」であり、「人の管理」ではありません。私権を制限するようなことは出来ませんし、すべきでもありません。昔の古い時代のようにお部屋を無断で開けて見る、などはもってのほかです。解決をしたい管理会社ですが、同時に入居者の自由は尊重したい。誰かに制限を課す為にはしっかりとした「基準」が必要です。大多数が納得できる「基準」ですが、現状これはありません。我々管理会社の最大の弱点である「人の自由」とのバランス。個人的には国や法律しかこの部分は触れないのです。せめて基準などが示されるだけでも随分と解決しやすいのですが・・・ まとめ 変革の時では?「借地借家法」 最近の賃貸住宅を取り巻く問題は「借地借家法」の「強さ」が変に作用している印象です。一昔前は横暴な大家や悪徳不動産が横行した経緯もあり、入居者の権利が弱いものでした。そこで登場した「借地借家法」は多くの人を救いました。それに異論はありません。入居者と大家というのは対等であるべきです。しかし、ライフスタイルなども変わった昨今、本当にこのままで良いのでしょうか?最近の借地借家法は「弱者救済を強く打ち出し過ぎて、逆に多くの普通の人を苦しめている」印象があります。音の問題もしかりです、悪質に騒音を出す場合でも「借地借家法」は守ります。簡単に追い出すことはおろか、調査さえも管理会社やオーナーは簡単にできません。こんな状態では誰が助けてあげられるのでしょうか?国や裁判に訴えたとて、明確な基準はなく、実際に実効性のある判決は期待薄です。普通に心穏やかに過ごしたい大多数の人を守れないのです。私は何も「管理会社やオーナー目線の法律になれ」「入居者を簡単に追い出せるようにしろ」とまでは言いません。しかし、「かなりのレアケースに備えようとして、99%以上の普通の入居者が困ってしまう」現状には警鐘を鳴らしたいのです。社会的弱者を守る為の法律が「好き勝手放題する人」も同時に守り、そして悪用されている現状には異を唱えたいのです。社会的弱者を守ることは第一ですが、だからといって99%の大多数を蔑ろにすることはいいのでしょうか?両立する道はあるハズです。
-

なぜ騒音問題は解決しづらいのか?② ~強力過ぎる?借地借家法~
騒音問題!マンションだろうがアパートだろうが発生しますね。 https://lotushome.jp/blog/3233/ 前回の記事はこちら 実は9割以上の騒音は解決する 前回から騒音問題解決の難しさや、何が解決の障害となっているかを書いてきました。しかし、この「騒音問題」ですが、体感では9割以上はすぐに解決します。 騒音問題での一般的な解決としては、音の苦情が寄せられた場合 ①書面で全体もしくは該当住戸への注意喚起②書面で収まらない場合、該当住戸への直接連絡③解約を見据えて該当住戸への警告 だいたいこんなプロセスを踏んでいきます。 しかし、①の書面による注意で大体90%位は収まります。「そうか、自分が出した音がうるさかったんだな、注意しよう」 こんな感じなのでしょう、これで大体収まります。みなさん、普通の入居審査を経ているので①で大体90%以上、②までいけば98%位は解決します。しかし、これをくぐり抜けた残り2%の騒音問題はかなり厄介なのです。そして、この少数のケースこそ、高い壁に阻まれて解決が困難なのです。 4 強力すぎる「借地借家法」 次にあげる項目が「借地借家法」です。この借地借家法という法律ですが、本来素晴らしいものです。全体の主旨としては 「大家より立場の弱い借主を守ろう」 という法律です、ですから「大家の意向だけでは退去させられない」とか「少々の違反があったとしても、よほど悪くなければ解約してはいけないよ」という法律になっています。要は立場の弱くなりがちな入居者を「大家」や「管理会社」から守ろうとする法律なのです。この素晴らしい「借地借家法」ですが、一度入居者同士の問題になると凄まじい壁となってしまうのです。よく、騒音に悩まされる方から 「こんなに迷惑な音を出す方は追い出した方がいいんじゃない?」と言われます。実際、感覚の違いなどでもなく、上下階などで影響のあるレベルの音を出す入居者というのは稀にいます。そして、一般的な契約書などにも「他の住民に迷惑を及ぼすような騒音、その他の行為~」などが禁止事項として入ってもいます。「じゃあ、それに違反したんだったら契約解除できるでしょう」 そんなに簡単にできないんです!「借地借家法」があるから そう、ここで出てくる借地借家法、入居者の権利というのは非常に強いんです。簡単に住まいを奪われてはいけないから「借地借家法」は出来ているのです。確かにそれはその通りです。しかし、入居者同士になるとお互いに「借地借家法」に守られているため、どちらかを一方的に追い出す権限は「大家」「管理会社」ともに持っていません。そして、契約解除するには、前回書いた通りですが 「受忍限度を超える必要がある」受任限度というのは「音が不愉快なのは分かるが、ここまでは普通のことだから我慢しなさいよ」という基準です。 この「受忍限度」ですが、騒音については特に基準があいまいです。音についてもこんな感じです。 騒音がしたとしても 音の具体的な内容(何をして音を発生させてるか)音の性質音の頻度音の発生時間帯音の継続時間音の継続期間周辺環境の状況(閑静な住宅街と賑やかな商店街では違う) これらを超えたものが「受忍限度」を超えるという「騒音」なのです。ハードルが高いのです、基準があるようで曖昧なのです。各サイトなどでは騒音の基準として「○○デシベル以上は騒音」と書いてあったりします。しかし、「受忍限度」というのを超える為には、一時的な音だけでなく、周辺環境など様々なものと組み合わせないといけないのです。ここに騒音問題の難しさがあるのです。 聞こえる「騒音」と法的な「騒音」の違い このように、聞こえる「騒音」と法律が契約解除を認める「騒音」の違いがあるのです。もちろん、聞こえる「騒音」が一番の被害となってしまうのですが、法的な「騒音」まで該当しないと契約解除などは難しいのです。基本的には共同住宅では「受忍限度」という考え方はなければいけません。「どんな物音も少しでも立ててはいけない」となると誰も住めません。どんなに強固な建物でも多少の物音はしますし、みなさんもそこまでのことを求めている訳ではありません。しかし、法的な「騒音」と認められるには期間や周辺環境なども含めて認められる必要があるのです。そして、そこにある基準は絶対的なものではなく、曖昧な基準となってしまっているのです。実は多くのオーナーも「人の迷惑になるような入居者だったら正直、出て行ってほしい」と思っています。なぜならそういった人がいることで「普通の入居者」が多く出ていってしまったら、そちらの方が損害が大きいのです。しかし、本来入居者を守る為の法律が入居者同士の問題では強力に加害者を守ってしまうのです。 5 お互いが感じる被害者意識の調整 音の問題で厄介な問題として「音の感覚」という点をあげてきました。そして、更に厄介なのが「被害者意識」です。これはどういうことかというと、一旦近隣トラブルに発展した場合、苦情を「申し立てた方」と「言われた方」という対立構造が生まれる場合があります。「申し立てた方」からすると、解決を望むのですが、「言われた方」は時に「なんで言われないといけないんだ?」との感情を持ってしまう場合があります。管理会社としては近い距離にお住いの関係ですから、この被害者意識を発生させないことが第一の任務と言ってもいいと思います。その為、「言われた側」が極力「被害者意識」を持たないように慎重な言い回しをしなければなりません。時に騒音を「申し立てた側」からすると、「もっと強く言って欲しい」と思われるかもしれませんが、この「被害者意識」が「申し立てた方」に行かないように慎重に進めなければならないと思っています。それは、管理会社であれば知っている過去の痛ましい事件なども起因するからなのです。 6 過去の悲惨な事件 前述した通り、不動産管理会社をしっかり取り組んで勉強している会社であれば、なおさらですが、騒音問題を語る時に思い起こされる事件というのがいくつかあります。非常に有名な事件でいえば「ピアノ殺人事件」と呼ばれた事件です、これは騒音だけが問題ではなく、他にも加害者の複合的な問題も重なっての事件ですから単に騒音だけが問題とはいえないのですが、その他にも「騒音」問題で起こる最悪な結末というのは少なからず毎年どこかで発生しています。そして、注目すべきは加害者は騒音問題に対して「申し立てた方」と「言われた方」どちらも発生してしまうのです。我慢できなくなった方と「なぜ私が責められないといけない」という方、どちらも感情を爆発させてしまう可能性があるのです。このようにデリケートな対応が必要であることを管理会社は肝に銘じておかねばいけません。どちらかの感情が高まり過ぎているようであれば、警察などの介入をお願いするなど、非常にデリケートに対応していく必要があります。また、申し立てた側と言われた側、双方に発生する可能性がある「相手への敵意」を発生させないように、間を取り持つことも管理会社として必要不可欠であるといえます。要はお互いの熱を直接伝えない「断熱材」のような存在になることです。





