(8ページ目)管理スタッフよ!時にはブチギレてみよう ~深夜のどんちゃん騒ぎを解決してみよう~

夜中に大騒ぎする入居者にブチギレた話

騒音問題というのは非常に難しいものです。

これまで何度も取り上げてきましたが、借地借家法という本来「弱者の味方」であった法律の現在が「好き勝手する人すら守る」悪法ではないかと思うことが多々あります。

大昔は悪徳な大家や不動産業者が横暴なことをしてしまうケースが多かったものです。

そういった大家や不動産業者から入居者を守ることを目的に「借地借家法」は制定されました。

主旨としては「よっぽどのことが無い限り、入居者を大家や不動産業者が追い出せないようにする」という素晴らしいものでした。

しかし、時を積み重ねた結果、何が起こったかというと

ルールを守らない人すらも追い出せない結果、99%の善良な入居者が迷惑する。という事態を頻発させております。

騒音問題だけでなく、家賃滞納、入居者同士のトラブルなど枚挙に暇がありません。

簡単にいえば「深夜に悪意をもって騒音を出す人」ですら、もし解約して退出してもらうには、かなりの時間や費用、裁判上での手続きなど途方もない労力が掛かってしまいます。

その間に周りの善良な入居者は耐え忍ぶ、もしくは泣き寝入りするしかない現状です。

ここまでが前段です。

とあるお部屋からお願いにも似た苦情がありました。

「深夜の2時~3時にも関わらず、大声で歌ったり、大人数で騒いでおり、困っている」

当初はここまでの熱量を掛けるような問題とは認識していませんでした。

深夜の酒盛りと大人しそうな入居者

その入居者さんは大変参っており、当社へ直接お越しいただくことになりました。

そこで録音していたというデータを持ってきていただきました。

あまりにも騒音が酷く、確認の為、ベランダに出てみると確実に隣であると分かったから録音したとのことでした。

そこには

  • ウウェーイというような奇声
  • 一気飲みを煽るようなコール
  • 大声で歌いだす

これは酷い

すぐさま当該入居者に連絡をすることにしました。

しかし、不思議な気もしていました。

たしか、そのお部屋に住んでいるのは大人しそうな女性のお一人暮らしだったハズでは?と・・・

詳細は伏せますが、確か大人しそう、なんなら礼儀正しい内気に見える女性だったと記憶していました。

早速本人に連絡すると電話が繋がりました。

私「最近、騒音のご連絡が来ていますが、お心当たりありますか?」

女性「・・・・いえ、一人で住んでいて、友達も来ていないので・・・・」

私「うーん、でも○月○日に複数のお部屋からお声が寄せられていて、確実に○○さんらしいですが、本当にお心当たりないですか?」

女性「・・・すみません、気をつけるようにします」

このようなやり取りで初日は終えました。

誤解のないように申し上げますが、騒音問題というのは98%位は手紙や電話での注意で解決します。

大体の方は自分が騒音の原因と気づいた場合、その原因の音に注意してくれます。

但し、この98%をくぐり抜けた残り2%に対して、借地借家法が防波堤となり、非常に対応が困難になるのです。

しかし、その為にも初期対応は迅速に丁寧に行う必要があります。

今回もこれで収まってくれれば。と思い、お隣の方に説明して様子を見てもらうこととしました。

しかし、当然この騒音は止まらなかったのです。

お次は連帯保証人さんである親御さんへ協力も依頼しました。

しかし、連帯保証人さんは「うちの子がですか?」「はい、すみません注意しておきます」とのこと。

そう、確かに、この期に及んでもまだ私すらも「あの子が大騒ぎするかな?」と思っており、親御さんもそう思ったことでしょう。

結論からいえば、これでもまだ解決はしませんでした。

そして、お隣の入居者さんから「昨日も酒盛りのような宴会みたいな音がありました、もう限界です」との連絡

また他にも「下の駐輪場にバイクが何台も雑に置かれているので、今もいると思います」とのこと

私は騒音問題というのは、それでも慎重に対応すべきとは思っております。

騒音の範囲というのは人によってかなり違います。

少しの生活音すら許さないというタイプの人もいますが、それで注意されたらお隣の人は普通に過ごすことができません。

管理会社としては、よくよくその状況を見極める必要はあろうかと思います。

今回は状況調査や複数人からの聞き取り、なによりしっかりとした録音の証拠なども揃っておりました。

また生活音ではなく、複数人による酒盛りのような状態です。

再三の注意や諭すような声掛けもなしのつぶて

いざ!直接対峙しましょう

さあ、いざブチギレてみよう

現地に向かうこととしました。

そして、前もって聞いていたことを整理してみます。

  • 恐らく5~8人程度はいそう
  • バイクが何台も雑多に停めてある
  • 声からして20歳前後であろう

ほー、なんだか荒れそうな気もしますね。

念のため、当社の男性スタッフも2人連れていくことにしました。

一人はベンチプレス130kgで身長180超えの猛者です。

そう、その通りです。

私も好戦的な方ではありませんから、保険を掛けまくっているのです。

もちろん、そういった事態にならないことは大前提ですが

現地に着きます

ピンポンを鳴らします。

出てきません・・・

到着時にしていた声も鳴りを潜めています

実はこの時点で少し安心しました。

なるほど、自覚はあるのか。と

騒いでいたら誰かが来たという自覚はあるんだと

しかし、私はせっかく来たからには解決せねばなりません。

他の業務で忙しいスタッフたちを2人も連れてきて空振りでしたはダメです。

少し音量と声の低さを効かせて呼びかけます

「○○さん、いるのは分かっているので出てきてもらえませんか?」

ドアが空きました。

そこにいたのは、契約者の○○さん本人でした。

「あーあ、やっぱり本人だったか」と思いました。

私はひそかに名義貸しのような状態ではないかと思っておりました。

そうでなければ、入居時に来てくれた大人しそうな子がそんな騒音を出すハズがない。と思いたかったのかもしれません。

私「○○さん、今日来たのは騒音の件です。昨日の夜もすごかったみたいですが」

○○さん「・・・すみません、気をつけますので・・・」

やっぱりおかしい。

○○さん本人は蚊の鳴くようなか細い声で、申し訳なさそうです。

こんなことを自らしでかしそうには到底思えません。

私は玄関から室内の様子を伺おうとしました。

私「○○さん、今部屋に誰かいませんか?」

○○さん「いえ・・・私一人です・・・・」

その瞬間、私は半開きだったドアを手前にグイッと大きく開きました。

○○さんがビックリしてのけぞった瞬間に玄関から奥の部屋に続くガラス戸が見えました。

ガラス戸は割れており、そこには

靴を履いたままの足が見えました。

もう遠慮はいりません

「おい!奥にいる人全員出なさい!」

すぐには出てきません

「さっさと出てきなさい」

ここで皆さん思いませんでしたでしょうか。

ブチギレてみようと言った割に言葉遣いはそこまでじゃないじゃないか。実際はブチギレてなんかないんじゃないか?と

実は内田はブログだけは威勢がいいが、実際は陰キャなのではないか?

陰キャなのは事実ですし、ブログだけ威勢がいいのも事実かもしれませんが、実際はしっかりと怒っています。

これはですね

どんなに怒り心頭に発したとしても敬語やいわゆるタメ口は使ってはいけないからです。

タメ口や変な二人称などを使うと、それは喧嘩です。

またそういった言葉を使ってしまうと、余計な一言を言ってしまいがちです。

こちらは不動産業者という、ただでさえイメージの良くない業界です。

脅迫や名誉棄損、侮辱罪に抵触しないようにする為にも敬語口調は崩さない方がいいですね。

逆に言葉の音量やトーンなどは、個人の主観によるものが大きいと思います。

要は「文字起こしして、文章として見た時に大丈夫か否か?」で判断することは大事ですね。

私が使った言葉はどれにも当てはまらないのではないでしょうかね。

いつでも訴えられても大丈夫な言葉遣いは必須なのです。

これも管理スタッフのブチギレ作法といえるでしょう。

話を戻しましょう。

すると、観念したのでしょうか、奥から5人ほどの若者(男性)がゾロゾロと出てきました。

私「さっさと出ておいでよ、なんで女の子一人を前に出して隠れるようなことするんだ」

男「いや、別に・・・」

私「あなた方が騒いだ結果、追い出されるのは○○さんで責任も○○さんが取ることになる」

男「いや・・・」

私「ここは溜まり場でもなければ、あなた方の酒盛り場でもない」

私「大体、人様の家に来て大騒ぎするってどんな神経してるんだ」

他にも事実確認や、出てきた男の子たちの素性を確認していきました。

そして最後に「下のバイクはあなた達のか?」と聞くと「そうです」とのこと。

「今から下に行ってさっさと片づけしてきて」

そして引率として当社の社員ベンチプレス130kgに付いていってもらいました。

その間に○○さんにも諭します。

「親御さんも心配しているし、何よりここを溜まり場にしてしまった責任はあります」

「これからはしっかりと生活を立て直してください」

○○さん「はい・・・すみませんでした・・」

恐らくは一人暮らしを始めたタイミングで、そのようなグループとの接点が出来てしまったのかもしれません。

被害者としての側面があったとしても、彼女もまた加害者です。しっかりと責任を感じて欲しいと思います。

そして、下の片付けを終えた子たちが戻ってきました。

最後に

「これから同じことを繰り返したら、その瞬間に私は何度でも来るので、二度とここで大騒ぎをするな」

「そして、次に私が来ることがあったら、警察に通報するか、それ以外の方法を使ってでも、必ずあなた方が後悔するようなことを私はしますよ」

と諭しました。

最後に騒音問題で苦しんでいた方に報告の電話をしました。

「もうしないと思いますが、また騒ぐようなことがあれば連絡ください」と

それから数カ月経ちましたが、それ以降連絡はないようですし、周辺の方からも「最近は静かになっているよ」と聞きました。

一件落着です

時には力技も必要かも、但し細心の注意を

いかがでしたでしょうか。

賃貸管理では、時に常識が通じない相手というのもあります。

そんな時には少々粗い対応の方がいい場合もあります。

とはいえ、全員におススメはしません。

私は比較的大柄な男性ですし、今回の相手はまだ年端もいかない若い青年たちでした。

だからこそ、このような結果になっただけという結果論かもしれません。

それでも、このエピソードは管理スタッフのトラブル対応の基本があると思います。

それは

  • どんなに感情が昂ったとしても敬語を崩さないようにする(音量は多少OK)
  • 一人で対応しない(出来れば上司と対応する)
  • 相手を追い詰める時はしっかりと証拠を揃えておく

このポイントが言いたいだけです。

実際は感情的にブチギレることは、百害あって一利なしです。

今回私も「ブチギレた」というものの、実際にはそのように見えるように「振舞った」だけです。

相手によっては、管理会社から怒りの表現を見せることが有効な時もあると思っています。

だからといって私のとった対応がベストだとは思っていません。

もっと上手なスタッフなら、こんな方法を取らずに解決できたことでしょう。

まだまだ精進が足りませんね、いつか言葉や論理だけで解決できるようになりたいものです。

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