
トラブルの時に基準となる言葉
今回は、賃貸住宅に住まれる方に知っておいて欲しい「受忍限度」という言葉をご紹介してみようと思います。
この言葉は一般的には馴染みのない言葉ですが、我々賃貸管理を行う会社では常識的な言葉です。
そして、今後皆さんがお住まいになる「集合住宅」と呼ばれるマンション・アパートでトラブルが起こった時にこの言葉が大きな基準として示されるのです。
その割にこの「受忍限度」という言葉の世間への浸透がイマイチだなと感じています。
特に隣人関係でのトラブルではこの受忍限度という言葉が大体基準となるのです。
それではご説明してみましょう
受忍限度とは「多少は我慢しなければいけないよ」ということ

アパートやマンションは「集合住宅」に分類されます。
一つの建物に複数の世帯が住むことを意味します。
そうすると、お隣さんや上下階、あるいはご近所さんなどとトラブルが起こることもあるでしょう。
その時に疑問が出てきます。
どこからが迷惑行為として認められるんだろう?と
騒音問題を例にしましょう。
騒音というのはどこからが騒音なんでしょうか?
例えば物音一つ聞こえても騒音と感じる人もいれば、隣でドラムを叩かれても気にしない人もいます。
これは個人の感覚にもよります。
音に対して敏感な人であれば少しの物音でも不快に感じるかもしれません。
そうした時に、音に敏感な人の基準で生活をしなければならないのでしょうか?
そうであれば苦情を言った者が必ず勝ってしまいますし、場合によっては歩くことやテレビを見ることさえ不可能になる可能性もあります。
もちろん建物自体で遮音性も様々です。
超高級マンションなどになれば、かなりの防音性を備えることもありますが、それでも限度はあるものです。
完全防音マンションなどは理論的にはほぼ不可能ですが、もし可能だとすれば賃料は超高額になることは想像に難くありません。
こういった問題に対して「受忍限度」という言葉があります。
ちなみに受任限度を辞書で調べてみると
社会生活を営むうえで、騒音・振動などの被害の程度が、社会通念上がまんできるとされる範囲。これを超えると加害者が違法とされることがある。
要は
集合住宅に住む以上、ある程度のことは我慢しましょうね
という考え方です。
そしてこの受忍限度は多くの場合
過去の裁判での判例や様々な基準によって作られています。
そうでなければ「苦情を言われたが最後、生活がままならなくなること」だって起こり得るのです。
例えば「ドアの開け閉めの音がうるさい」という苦情があった場合
多くの人が「そこまで気にしなくていいんじゃない」という音だったとしても、苦情を出した方を優先させてばかりいたらドアの開け閉めすらできなくなってしまうのです。
せっかく住んでいるにも関わらず、窮屈で怯える生活しか出来なくなってしまってはいけません。
また同様に騒音を出す方にも「自分は気にならないし、この程度は問題ない」という自分勝手な解釈も同様に迷惑です。
ある程度の基準がなければ、苦情の言い合いやトラブルの深刻化、はたまた凄惨な事件などにも繋がってしまうのです。
住民同士のトラブルは最終的には裁判などで決着するほかありません。
そんな歴史の中でこの「受忍限度」という基準が作られてきたのです。
ですから、皆さんも住民同士でのトラブルなどが発生した場合には
この問題はどの程度が受忍限度とされているんだろう?という基準は知っておいても損はありません。
身近な問題の受忍限度

それでは賃貸住宅における受忍限度とはどんなものがあるのでしょうか?
その前にですが
受忍限度といえど絶対ではない
という真実もあるのです。
受忍限度とはあくまで目安、個別の事情や状況によっても変動するのです。
「じゃあ意味ないじゃん」と思わずに・・・
大体、我々の住む社会は善悪もハッキリしていないですよね、10:0でどちらかが正しいということは余程のことが無い限りありません。
とはいえ、この基準を大きく上回っていたりすると、裁判までいった時には勝つ可能性が高く、「被害」として認められるというような基準であることも同時に必要です。
一つ一つはいつか解説することもあるでしょうから、今回は解説は省きます。
もしご興味があればぜひ調べてみてください。
- 騒音の基準は45㏈~70㏈以上 ※環境省 環境基準より
- ベランダでのタバコの喫煙は規約等で禁止されていなければ 一日数本程度 ※最近変わった健康増進法でも禁止はされていない、但し頻度や本数により損害賠償の対象となるケースもあるので配慮は絶対必要
- 日当たりは日影規制(斜線制限など)による部分が大きい
- 建物の傾きは「3/1,000以内」、中古住宅なら「6/1,000以内」
他にも悪臭や水質など様々なものがありますが、判定は微妙なものも多いものです。
しかも、基準を超えたら即ダメかといえば「頻度」「環境」など複雑な要素が絡んできます。
ある一時だけ超えてもダメで恒常的になどの要件もあります。
意識の高まりと他者への厳しさ

昨今、地域や社会との繋がりは昔に比べると希薄になってきました。
昔は地域や顔馴染みなどで「お互い様」という精神が強かったものです。
現在は個人の尊厳や多様性の重要さがフォーカスされることにより、価値観も様々になってきました。
現在はどんな問題でも「勝ち負け」や「白黒」をハッキリとつけたがる風潮により、他者への厳しさが強くなってきたように思います。
その為「私が不快に思うのだからやめさせろ」と「私の自由だから」という相反する価値観のぶつかり合いが増えてきているのかもしれません。
本来、共同住宅では互いに配慮しつつ、皆で快適に暮らそう。というものです。
自分勝手にふるまってもいけませんし、自分の価値観だけを絶対と思い過ぎてもいけません。
お互いに配慮しつつ、それでもお互いの尊厳を尊重しあうことが本当の「多様性」ではないでしょうか。
そんな「個人の感覚」に頼らない為に、解決法や基準としての「受忍限度」という考え方があるのです。
本来はこの受忍限度という考え方すら必要としない方がいいのでしょうけれど、社会は後戻りは出来ないでしょう。
国や法律でもっと厳格な受忍限度を策定して欲しいな とすら管理会社の立場では思うようになりました。
一方、私個人としては、生活の仕方や時間までがんじがらめになっていく社会は息苦しそうだなと思いますが、仕方のないことなんでしょうかね
管理会社の代表者としては厳格な基準を欲し、個人としては曖昧な余白を求めている
こんな相反する感情を持つのが人間なのにな・・・と思ったりします。
お問い合わせ
-

社長やオーナーに聞いた「幸福論」 ~結婚は貧乏なうちにしよう編~
数多くの社長に聞いた幸福論をみなさんに 私は仕事柄、社長さんやオーナーさんに数多くお会いします。 そういった方たちに会うと、私は人生観や教訓のようなお話を聞きたくなり、たくさんお話を聞かせていただきます。 私が出会った方のうち、幸せそうな方にお話を聞くと、不思議と共通していることというのが、浮かび上がってくるのです。 今回は現役の社長さんやオーナーさんに聞いた中で、これも幸福のコツなのではないか?と思うものをご紹介してみようと思います。 もちろん 社長やオーナー=幸福 という訳ではありません。 また、「お金があれば幸福だ」とも言えないような気がしています。 それでも私が見て「幸せそうだな」と思った方に共通する事項ですので、何かしらの教訓があると思っています。 お金と幸せの関係とは?実りある人生とは?人間にとっての幸せとは? 私自身も追い求めている永遠の課題「幸せとは?」です。 気が向いた時に「幸福論」シリーズを書いていこうかなと思います。 多くの幸せな人は成功する「前」に結婚している 私はたまに人生相談をされることがあります。 その中で特に男性から相談されるのが「結婚のタイミング」です。 「もう少し頑張って生活に余裕が出来たら」「昇進したら」「独立して成功したら」など、ある程度成功してからという方が多い気がします。 結婚してからの生活の不安があるのかもしれません。 結婚するからには、妻や産まれてくる子供たちに不自由な生活をさせたくない。 責任ある立場として自分自身がしっかりとしてから。 気持ちはよく分かります。 そんな時に私が助言するのは 今から苦労するであろう、今の内がいいと思う です。 これは、数多くの人を見てきた中でそう思っているからです。 私がお会いする方はほとんどが男性の経営者や物件オーナーが多い為、バイアスがあるのですが 幸せそうな方は大体家族への愛情が強い傾向が高いものです。 私自身が家庭を大事にしている方を「幸せそうだ」と思うので、この価値観が難しいという方は、今回の記事は飛ばして結構です。 いずれにしても「家庭円満」というのは人生において大事なことと思います。 話を戻しましょう。 独立開業した社長さんや今では規模が大きく拡大したオーナーのうち、今現在幸せそうな方は大体 辛く苦しい時期には、既に結婚していることが大半です。 これは当然かもしれませんね。 なんにも持っていないアナタを選んだ人 成功してから結婚するのが悪いという意味ではありません。 なにも「しなくていい苦労」をさせなければ、それに越したことはありません。 しかし、成功してからのアナタというのは付加価値が付いてしまっています。 そんな状態で出会ったアナタというのは「成功者としてのアナタ」である訳です。 仮に今後、苦難が訪れてその価値を失ってしまったとしたらどうでしょう? 一つの価値を失った状態のアナタをパートナーは受け入れてくれるのでしょうか? もちろん、内面のみを見ていただけたのであれば問題はないでしょう。 経済的な魅力を抜きにして好きになってもらえたなら、訪れた苦難を一緒に乗り越えてくれることでしょう。 でも、「成功した」という魅力が多くを占めていたとしたなら・・・・ 多くの幸せな方たちが私に話してくれるエピソードはどれも似通っています。 昔はとてつもない苦労を掛けた 苦労を一緒に歩んでくれた 貧しいけど幸せな日々を過ごせた どんな時も味方でいてくれた そんな人だからこそ、今となってはその苦労を取り戻すように、それはそれは大切になさっています。 何者でもない自分を信じて一緒に歩んでくれた人 これほど嬉しいことはありませんね。 そうやって生活が安定した今、家族へ還元して幸せな生活をするというのはある種当然かもしれません。 そういった方が身近にいればきっと「自分の価値は・・・」などと悩む必要もなく、安定した心でいられるかもしれません。 また一緒に苦労を乗り越えたという経験こそが、家族の繋がりをより強いものにしたのかもしれませんね。 お金がなくても幸せだからこそ、お金も輝く 「幸せにお金は関係ない」「お金さえあれば幸せになれる」 両極端な意見ですが、私はどちらもなんだかしっくりきません。 どちらの意見も「幸せ」と「お金」を結び付けようとし過ぎなのではないでしょうか。 現代においてお金というのは切っても切り離せません。 人生において金なんて関係ないんだ!とまで私は言えません。 同様に 金さえあれば何でもいいんだ も暴論に思えます。 そもそも、お金自体に人の幸せをどうこうする力は本来ないのかもしれません。 書いていて自分でもよく分からなくなってきました。 それでも幸せそうな方の多くが「成功する前に結婚している」という事実はあるのです。 そこには、人生においての幸せの法則のようなものが隠れている気がします。 毒にも薬にもならぬこのブログらしい、ぼんやりとした結論でしたね。 注意点を最後に一つ 今回のブログでは成功する前に結婚した方がいいと書いてありますが、これは「あんまり考えずに結婚しなさい」ではありませんからね。 男女問わず「何者でもないアナタを選んだ人を一生懸命に幸せにする」という覚悟は必要だと思います。 そんな2人なら苦労も成功も正しく扱える気がしています。 みなさん、お幸せに
-

不動産業界で使われるビジネス英語を紹介 ~グロス・グリップ・バルク・他 ~日本語じゃダメ?~
ついていくのが大変・・・ 今回は不動産取引の中で最近耳にするカタカナ用語について、ご紹介していきたいと思います。 今に始まったことではありませんが、不動産業界に限らずカタカナのビジネス用語は年々増えてきています。 必ずしもカタカナのビジネス用語は絶対ダメとは思っておりません。 元々日本語では言い表せないような、丁度いいものであれば定着し、一般化していきます。 例えば「アポ(アポイントメント)」などは使い勝手がよく、一般化してきたように思います。 日本語でいえば「面談や会合の約束」と言えるでしょうが、日程に限定した約束という意味では使いやすいですよね。 他にも「リスク」「トラブル」など最早カタカナの方が使いやすい言葉が増えてきています。 しかし、こういったカタカナ用語は注意が必要です。 使われる言葉を双方が正しく、同じ意味として認識していない場合、後々になって火種となってしまう可能性があります。 特に金額も高額な不動産の取引の場で、言葉の定義などが、お互いの認識にズレが生じたりすると大やけどを負ってしまう可能性があります。 今回は、特に私自身がよく聞くようになった言葉をご紹介してみようと思います。 今後、不動産業界でお話するときに「あぁ、こういう意味か」と参考になればと思います。 不動産業界は特に多い気がします。 不動産業界の人は、カッコいいカタカナ用語好きな人が多いんですよ・・・・ やっぱり賢そうに見えるじゃないですか・・・ 私も覚えた単語は使ってみたくなるんですよね・・・・ 本当に頭がいい人というのは誰にでも分かりやすく伝えることが出来る人 分かっているつもりなんですけどね・・・ グロス まずは「グロス」です。最近増えた気がします。 使用例としては 「こちらの物件はグロスで○%ですね」 もうお分かりかもしれませんが「表面利回り」を指すことが一般的です。 元々はGross(全体の、総量、差引なし)から来ています。 不動産投資の場合の利回りを表すことばとして使われます。 ちなみにこの文脈で「実質利回り」を指すことばとして「ネット(Net)」という言葉もセットで使われます。 こちらはNet(正味、実質)ですから確かに正確なものかもしれません。 これは直訳した「表面利回り」「実質利回り」との違いはほぼないと思います。 グリップ お次は「グリップ」です。 まずは使用例からいきましょうか。 「この案件はしっかり売主のグリップ握ってます」 「この買付ってグリップ効いてます?」 ほぉ、なんでしょうかね? これは直訳するのが難しいのですが要は 「お客様の信頼や情報をガッチリ得ていますよ!」という意味です。 物件情報というのは、結構不安定なものだったりします。 売主と直接話す立場にない業者が持ってきた案件と、直接売主から依頼された業者では、その情報の精度や感覚は大きく違うことがあります。 値段交渉や買付の順番、はたまた売買の話自体があやふやな状態という話も珍しくはありません。 そんな中で「ちゃんと意思決定できる人と繋がっており、信頼関係築いているよ」という言葉を「グリップ」と呼んでいるのです。 本来は「Grip(握る)」という意味ですから、転じて お客様の心をしっかりつかんでいるよ という意味です。 「グリップ握れていない(効いてない)」という状態だと「買おうと思ったら売却自体取りやめになった」とか「値段交渉いけると思ったら無理だった」「買付を出したけど、契約日前日に買主がキャンセルきた」など不確定な状況を生み出してしまいます。 この言葉自体は不動産業界特有で、他の業界ビジネス用語にはあんまり無いような気がしています。 それくらい、不動産の売買というのは不安定であるという証拠な気がしています。 バルク 次は「バルク」です。 こちらも使用例からいきましょう。 「バルクで○件分なんですが、いかがでしょうか」 「今回はバルクなのでご了承お願いします」 不動産業界における「バルク(Bulk)」とは、複数の不動産物件を一括で取引することを指します。 一般的な取引であれば、ビルやアパート、住宅などを単体で売買していきますが、複数の物件をまとめてパッケージとして販売または購入する形態です。 元々は「Bulk(大きさ、容量、大半)」という意味から転じて「まとめ売り」として不動産業界では使われます。 ちなみにこのバルクですが、なぜまとめ売りするのかと言えば、様々な要因があるのですが、一例として 早急にまとまった資金が要るので、個別に売っていては届かないから 不動産投資を止めるので、何個か売れずに残ると困る 売却しにくい資産(山林など)があるので、売却しやすいものとセットで資産整理 何度も契約したり、打合せしたりが手間である 色々な都合があるのですが、まとめ売りというだけあって、基本的には個別で購入するよりは割安に設定されることがほとんどです。 そうでなければバルクであるメリットが買主側にありませんからね。 その代わりに手間だったり、時間だったりを削減することが可能ということです。 収益用不動産のポータルサイトなどでも見ることのある文言になってきました。 もちろん買う側は慎重に見極めないと、かえって割高になってしまったな・・・という事態も起こり得ます。 エンド 最後は「エンド」です。 これは「エンドユーザー」の略称ですね。 使用例としては 「エンドに売却する想定なら○○○万円くらいだと思います」 「この物件はややこしいからエンド向けじゃないね」 意味としては、「エンドユーザー」として、不動産を実際に利用したり、購入する人を意味します。 自己利用目的で購入する人(例えば、マイホームとして住むために物件を購入する人)を指したり、単に業者ではなく投資する人を指したりします。 他にも「不動産投資をする人」と「実際に住む人」などを分けて指す場合もあります。 分譲マンションを賃貸として貸している人に対して「収益用不動産として売るのか、エンド向けとして売るのかで価格は変わりますよ」という使い方ですね。 この言葉については、状況や物件などによっても「誰をエンドと呼ぶのか」が変わります。 場合によっては不動産業者を「エンド」とすることもあれば、単に不動産業者でない人を指したりするので、文脈による使い分けかなと思います。 この言葉自体は定義がハッキリある訳ではないでしょうね。 知ったかぶりしない いかがでしたでしょうか。 本来、ビジネスではケース毎にステークホルダーにしっかりとエビデンスを出して、全員のコンセンサスを得ることが最もプライオリティが高いのです。 すみません、やってみたかっただけです。 そう、このような言い回しではなく、取引に関わる全ての人としっかりと意思疎通を行い、お互いの認識を揃えることが必要です。 ふんわりした雰囲気の中でこそ問題は起こってしまうものです。 聞きなれない言葉などが出てきたら、しっかりと意味などを確認しておく必要があります。 その為には知ったかぶりなどはしてはいけませんね。 そして不動産業界に携わる人たちも「しっかり相手に伝わっているかどうか」というのを最優先にしていきましょう。 何も全部日本語でやれ!という訳ではありません、冒頭のように英語の方が最早伝わりやすいものがありますからね。 いずれにしても、賢そうに見せるのは、仕事の中身でしっかりと出していきましょう。 やはり不動産業界はカスタマーとのリレーションシップをトッププライオリティに据え、SDGSでオーガナイズしてガバナンス強化して、マーケットにコミットして・・・・・・ すみません、最後のは悪ふざけでした
-

「家賃の壁」とは?家賃設定の注意点! ~最適な家賃とは?~
家賃設定にはラインがある さて、大家さん向けに家賃設定のお話をしていこうと思います。 アパートマンションを運営していくうえでの家賃は、「高ければ高いほどいい」というのは当然です。 しかし、だからといって高すぎると入居者からは振り向いてはもらえないでしょう。 家賃をいくらに設定するというのは、所有者である大家さんの腕の見せ所だと思っています。 そもそも、大家さんになるということは、規模にかかわらず「経営者になる」ということだと思っています。 「経営の神様」と呼ばれ、京セラ創業者、JALの再建など輝かしい実績の稲盛和夫氏は、値段の設定についてこのような言葉を残しています。 経営の死命を制するのは値決めです。値決めにあたっては、利幅を少なくして大量に売るのか、それとも少量であっても利幅を多く取るのか、その価格設定は無段階でいくらでもあると言えます。 どれほどの利幅を取ったときに、どれだけの量が売れるのか、またどれだけの利益が出るのかということを予測するのは非常に難しいことですが、自分の製品の価値を正確に認識した上で、量と利幅との積が極大値になる一点を求めることです。その点はまた、お客様にとっても京セラにとっても、共にハッピーである値でなければなりません。 この一点を求めて値決めは熟慮を重ねて行われなければならないのです。 このように語っており、「値決めは経営である」という格言として残っています。 これは大家さんも同様であるといえます。 家賃設定一つで、運営の仕方はガラッと変わります。 そして、この家賃設定の時に注意していただきたいポイントがあるのです。 それが「家賃の壁」と私が読んでいるラインなのです。 この「家賃の壁」とはなんなんでしょう。 家賃の壁とは? どういった商品でもこの値段の「壁」というのはあることでしょう。 どんなにいい商品であったとしても市場から見て「高すぎる」と思われたら購入する人はいない、もしくは減るでしょう。 同様に「安すぎる」と思われたなら殺到するでしょうが、確実に売り手側の収益は悪化、もしくは赤字の可能性もあることでしょう。 やはり絶妙なラインを設定することが大事です。 そして不動産という特殊な性質があるため、このラインの設定は困難なものなのです。 この絶妙なラインに位置するのが「家賃の壁」です。 そして「家賃の壁」の特徴は以下の通りです。 限度を超えるとピタッと需要が止む 間違うと永遠に売れない(空室のまま) 競合が多数の「上のカテゴリー」に入ってしまう 時期による思い違い それぞれを少し解説していきます。 限度を超えるとピタッと需要が止む 家賃の壁というのは、不動産特有の不思議な性質があります。 他の商品のように、徐々に値上げすると、段々と売れる数が減っていく現象があろうかと思います。 不動産では、ハッキリとしています。 家賃の壁を越えた瞬間、問合せや内見希望などがピタッと無くなります。 不思議なもので、以前までは大人気だった物件でも、少しずつ家賃を上げていった場合、どこかのラインで パッタリ問い合わせが無くなるのです 原因は一つだけではないのでしょうが、あるラインを超えるとパッタリ止まってしまいます。 この要因には「不動産ポータルサイトの構造」が一つ挙げられます。 というのも不動産ポータルサイトの検索画面を見てみましょう このように「物件の間取り」「家賃の上限下限」を選ぶ仕様がほとんどなのです。 そうすると、自ずと地域のボリュームゾーンがハッキリと分かるのです。 間取りで検索した時にヒットする価格帯というのが件数として出てくるのです。 これを外し過ぎると、良いお部屋だったとしても「相場より高すぎる」というバイアスが掛かってしまうのです。 そうすると、良いお部屋だったとしても「相場より高いしなぁ」というイメージが付いてしまうのでしょう。 間違うと永遠に売れない(空室のまま) これも不動産の厳しいところです。 不動産賃貸における収入は0か100かしかありません、空室になると一銭も入ってきません。 家賃の壁を超えると、あれほどあった問合せがピタッと止むことで入居が決まらない期間に突入いたします。 この「家賃の壁」はたったの千円の値上げでも発生することがあります。 大家さんとしては「前回より少し上げただけだから、そのうち決まるだろう」と思ったりするのですが、これが「家賃の壁」の恐いところです。 以前は10人ほどが検討してくれていたので、その中で決まるのを待てばよいのですが、誰も検討していないとすると・・・・ 「家賃の壁」の恐いところが正にこういった特殊なところなのです。 他の商品であれば値上げの有効性というのは売上が徐々に下がっていったり、売上の推移が変わらなかったりと言う風に検証しやすいのですが、不動産では同じ条件の部屋が2つとして無いのですから、比較するのが難しく「家賃の壁」というものの理解が難しいという点にあります。 家賃の壁を越えてしまうと「なぜか決まらない」という現象に戸惑ってしまいますが、メカニズムとしては「選択肢から除外されてしまっては戦いようがない」という部分が強いのです。 競合が多数の「上のカテゴリー」に入ってしまう 今までは人気物件だった我がマンション 少し家賃UPを目指した途端「家賃の壁」に阻まれる。 もう一つの要因は「競合が強いカテゴリー」に入ったことも原因かもしれません。 これはどういうことかというと 日本のプロサッカーに例えてみましょう。 日本のプロサッカーではリーグがそのレベルに応じて分かれています。 かつてはTVでも放映されていたJ1を頂点にJ2、J3として各リーグでしのぎを削っています。 そして、各リーグで上位に入ると上のカテゴリーに昇格するのです。 この段階でよく起こることなのですが 下のリーグで無双していたチームが、上のカテゴリーでボコボコにされる これが不動産でも起こるのです。 今までの家賃帯では競合に価値で勝っていたにもかかわらず、上の家賃帯に入ると「そうでもないな・・・」という評価になってしまう現象が起こります。 そうなると、今まで順調に決まっていたお部屋がなぜか決まりにくくなってしまうのです。 時期による思い違い 家賃設定をするときには既存のお部屋の賃料を元に考えることとなるでしょう。 その時に注意していただきたいのが「時期による賃料の差」です。 これはずばり 繫忙期(1~3月)に決まったスピードや賃料を過度に信用しない ということです。 お部屋により賃料のばらつきがある場合、高いお部屋に水準を合わせて目指すケースがほとんどです。 しかし、そのお部屋が決まった時の背景もしっかり分析しなければいけないと思っています。 そのお部屋が繫忙期に決まっている場合などは特殊な思惑などがあった可能性もあるからです。 学生さんが多いエリアなどであれば、最後の駆け込みでどこも空いてなかった結果、たどり着いたということもあるのです。 この補正をかけないまま、「以前この賃料で決まってるもん」と考えて、閑散期などを迎えると空室の長期化を招く可能性が高まります。 ここで大事なのは「今の時期で適正な賃料はどの辺りか?」ということです。 必ずしも家賃というのは一定でなくてもいいのです。 需給バランスを考えながら設定するというのも一つの手です。 そのタイミングで取れる最大の幅というのを意識してコントロールすることも、時には必要かもしれません。 まとめ いかがでしたでしょうか。 賃料については出来る限り高い水準を求める気持ちは分かりますし、経営者としては当然と思えます。 しかし、冒頭の稲盛和夫氏の言葉にも含まれている通り 「最大の収益につながる点はどこか」 この点にフォーカスすべきです。 高い家賃を設定するのは簡単ですが、それによって空室を長期化してしまっては収益性を失ってしまいます。 とはいえ、安すぎる賃料を設定してしまうと、後からの変更は現行法律ではかなりハードルが高くなってしまい、同様に収益性を失ってしまいます。 まさに「値決めは経営」であるということが不動産賃貸業でも言えるのです。 みなさんの物件の「家賃の壁」というのはどこにあるのか? 一度じっくりと分析してみるのもいいのではないでしょうか
-

不動産売買の決済時に持っていくと便利な物3選 ~「おぉ、通だね」と思われたいなら~
今回は、不動産売買における決済で「持っていくと便利な物」についてご紹介してみようと思います。 ちなみに不動産売買の「決済」とは、売買契約を結んだ後に行われる最終的な手続きで、物件の所有権を買主に移転し、代金の支払いが完了するプロセスのことを指します。 簡単に言うと、契約内容を確定し、正式に不動産の引き渡しとお金の支払いを行う場面です。 一般的には銀行の応接室などをお借りして行うケースが多いでしょう。 もちろん取引の為に必須となる物(身分証や印鑑、権利証など)は当たり前です。 そうではなくて 必須ではないけど、持っていくと便利な物 これをご紹介しようと思います。 さりげなく決済の場で取り出したなら「おっ!通だな」と不動産業者や銀行員から思われることでしょう。 思われたからなんだ!と言われたら、それまでですけど・・・ スティックのり まずはこちらです。 普通のスティックのりで大丈夫です。 このスティックのりは何に使うかというと 収入印紙を貼るのに使うんです 決済の場では、とにかく領収書の発行が多いものです。 売買代金はもちろんのこと、固定資産税や日割り家賃の精算など、かなりの枚数になることもあります。 収入印紙を事前に領収書に貼っておくこともあるのですが、当日領収書の枚数が変更になったり、最悪取引が破談になることもあり得る場所ですから、大体は銀行の手続きが済んで、入金の確認時に貼ったりすることが多いのではないでしょうか。 収入印紙自体は、裏がのり面になっているので、水を少しつけることで貼り付けることは可能です。 そして舐めることでも使えます。 ですが、他人が舐めた収入印紙というのも抵抗がある方は多いと思います。 また、水も付け過ぎたりすると、紙がたわんでしまったりします。 私はそういったことを避ける為にスティックのりを持参しています。 これならば、水分でたわんだりすることもなく、不快に思う方もいないですからね。 一般的に朱肉や印鑑マットなどは応接室にありますが、水分は置いてありませんからね。 おススメです。 折り畳み式のバッグ 続いては折り畳み式のバッグです。 これは、布製の物でも、紙袋でも構いませんが、出来る限り大き目で頑丈な素材なタイプがおススメです。 これは何に使うのかと言えば 当日受け渡しする書類や物を入れる為です 売主でも買主でも、当日は結構な物を受け取ることがあります。 決済時に渡されるものは意外と多いものです。 これまでの取引をまとめたバインダー、物件の書類や設計図書、戸建等であれば設備の取扱説明書などがあります。 また、収益用物件ですと時には全世帯分の鍵ボックス、世帯分の賃貸借契約書、分厚い設計図書などがあります。 もちろん、相手方が袋などに入れてきて、そのまま渡してくれる場合もありますが、案外みなさん裸で持ってくるものです。 そういった時のために折り畳み式のバッグを持っていると活躍いたします。 使わなければそのままで結構ですからね。 丈夫な素材がいいというのは、単純に設計図書などは重いうえに、角があるので、薄い紙袋なら破れてしまうことがある為です。 意外と大事ですよ。 マスク こちらは、2024年秋ごろの情勢でという感じです。 現在、コロナウイルスは一頃よりは落ち着いております。 しかし、現在でも仕事柄だったり、身内に疾患をお持ちの方などは以前恐かったりします。 取引の相手方のスタンスに応じて対応が出来るようにカバンに入れておいてもいいかもしれません。 なかなかデリケートな問題ですが、不動産にかかわらず、取引を円滑に進めるための気遣いかもしれませんね。 また、それ以外でも冬場の応接室に売主の他、不動産業者、司法書士、銀行員などたくさんの人が出入りします。 インフルエンザや風邪などの予防のために、持っていてもいいかもしれませんね。 すべては円滑な取引のために 今回挙げたものは全て決済に必須のものではありません。 それでも、あると便利だったり「持っててよかった」という場面がある物たちです。 決済という場面は、最終局面であり、デリケートなお金がやり取りされる場所です。 緊張感があったり、書類の準備などで忙しいものです。 だからこそ、今日挙げたような”少しの気遣い”のような物があることで、スムーズな取引になったりします。 こういった部分を見ると思わず「おっ、通だな」と思ってしまいます。 みなさんの参考になれば嬉しいです。
-

「地面師たち」を見て ~不動産の所有者を特定する困難さ~
とても面白かった 2024年に公開され、大人気となってネットフリックスのドラマ「地面師たち」 不動産業界にいるせいか、色々な場面で「地面師たち見ました?」とお声がけいただくことが多くありました。 遅ればせながら、見てみたところ「やはり面白い」 さすがですね、ネットフリックスは そんな地面師たちですが、おかげさまで不動産屋として色んなところで聞かれるのです。 「地面師が現れたら見抜けるの?」「どうすれば騙されないの?」 確かに、恐いですね。 そこで、普段お世話になっている弁護士や司法書士たち、ベテランレベルの不動産業者たちに聞いた結論です。 結論からいけばですが 「ドラマレベルのことをされた場合、見抜くのは難しい」 そうなのです。モデルになった実際の事件のように、超大手不動産会社でも場合によっては騙されるくらいです。 ここで簡単に「いやー、俺なら見抜けるけどねぇ」という不動産業者がいたとしたら、若干想像力が足りないんじゃないでしょうか。 収益がかなり見込めそうで 自分が先着を走っていそうで 内密に近いレベルで来た話で 出来れば早めにと急いでいる こんな状況で冷静に時間をかけて、見抜くことが簡単に出来るという人はいるのでしょうか? そして、上記のような事態というのは「詐欺ではない案件で、実際にあり得る」から困ったものなのです。 更に公的書類を完璧に近い形で偽造し、本人確認を仕込んで代役を立てたら? 「地面師たち」が流行って以降、インターネットサイトでは「地面師を防ぐには?」という項目であふれています。 おおよその対策としては 入念な本人確認 複数の仲介業者や専門家を挟む 怪しい業者や代理人に注意 売り急いでいる人には注意 なるほど、確かに基本ではあります。でも不動産業界では、これらは当然に言われていることなのです。 それでも事情によっては騙されてしまうのです。 やっぱり地面師の犯行を完全に防ぐのは困難です。 そういってしまっては話は終わってしまいます。 発想を変えてみましょう。 地面師の犯行を見抜くのは困難ではある。 そうであるなら そもそも「地面師と遭遇しない」、もしくは「地面師たちがもってくる案件に関わらない」ようにする方法はないのか?と・・・ 不動産の所有者を特定するという難しさ 実は不動産取引というのは、非常に不安定なものです。 みなさんや我々が普段信用している「登記簿」も正に不安定な代物なんです。 不動産の言葉に「登記に公信力なし」というものがあります。 超ザックリといえば 「登記というものは、名義は誰の所有か?などは調べられるけど、その内容が本当か嘘かは国も誰も保証してないよ」という感じです。 仮に登記だけを信用して売買しても実態とは違うかもよ。という非常に不安定な代物なんです。 そもそも、土地の所有者というのは厳密にいえばですが、どうやって証明すればいいのでしょうか? 土地の所有者というのはどうやって決まったのでしょう。 恐らくは、太古の昔からあった土地を誰かが勝手に「ここ俺の物」としたのが恐らく最初でしょう。 そこから長い時間を積み重ねて、周りの人達も「あそこはあの人の土地だから」と信じ続けた結果に過ぎないのです。 他にも、そもそもの本人確認というのも、不安定なものです。 「山田花子」さんという人の所有だという物件があったとして、山田花子さんの本人確認というのはどうすればいいのでしょうか? 印鑑証明書?住民票?免許証? これらは公的書類ではありますが、事件のように偽造されていたら? DNA検査や血液検査などをすれば確認できるでしょうが、残念ながら登記にDNAの登録などはありません。 他にも国などに登録されている情報というのはあるでしょうが、民間で使わせてくれる情報などはありはしないでしょう。 そして、不動産という正に「動かせない物」であることも本人確認を難しくさせています。 時計や車など、実際に持ち運べる物(動産)などであれば、実際に持っている人が所有者ということを証明しやすいでしょう。 しかし、不動産などは本人がその場所に常にいるとも限りませんし、所有者が普段からいない土地などごまんとあるでしょう。 前置きが少々長くなってきましたが、不動産の所有者を証明することは本来かなり難しいものなのです。 それでも日常のほとんどの取引が円滑に行われているのは 結局、周りの人の信用によるものなのです。 「あの土地は○○さんがおじいさんの代から持ってるから」 「あの土地は私があの人に売ったから」 「小さい頃からあそこであの人は生活してた」 「あそこで商売している人で、あの土地も所有している」 結局、本人であることを証明するのは、自分ではなく周りの人たちからの信用によるものなのです。 実際の積水ハウスの「海喜館(うみきかん)」事件の時もそうでした。 事件発覚後になりすまし役の写真を持って周辺に尋ねたところ 「この人は海喜館の所有者じゃないよ」と近所の方々は申したそうです。 もちろん、このような確認作業を事前にすればよかったというのは当たり前なのですが、こういった当たり前のことをすると 「私を疑っているのか?」ということで立腹する売主というのは実際におり、地面師側もライバルの存在をちらつかせて、そういった作業をさせないようにしていたという事情は考慮した方がいいとは思います。 地面師に遭遇しない、案件に乗らないためには そう、本人確認の難しさや所有者を本当の意味で見分けることは困難というのはお伝えできたと思います。 それでも、地面師の被害に遭わないようにするためにはというと 「地面師と関わらないようにする」 これしかないんですよね。 具体的にいえば 「信用できない人とは取引しない」 ということぐらいしか現実的にはないんじゃないかと思います。 じゃあ、信用できる人の条件というのは?ということになります。 これは千差万別、信用というのは一日二日で積めるものではありません。 でも逆に信用しづらい人というのは、挙げやすいものです。 不動産業者が警戒するのは、以下のような人たちでしょう。 普段取引がないのに、急に現れた その人の評判などを知る人があまりいない 過去の取引事例で検証できるものがない まあ当然といえば当然なのですが、要は「素性が分からない人」ということですね。 大体、地面師が仕掛けるのはいわゆる「利益が出そうな条件のいい話」であろうと思います。 そんな「素性が分からない人」がそんな好条件をなぜ自分に持ってくるのか?という点も大事ですね。 美味しい話に飛びついて、その先に待つものは・・・・ ここで突然ですが、みなさんは不動産屋のイメージはどうでしょうか? 胡散臭い、金に汚そう、人を騙しそう などあまりいいイメージはないんじゃないでしょうか。 にも関わらず、不動産屋は「信用第一」とか言いませんか? 「どの口が言ってるんだ」と思われるかもしれませんが、これは不動産業界なりの真実なのです。 上記のように、不動産というのは本来は本当に不安定な物なのです。 その割には価格は高額であり、取引の失敗は計り知れないダメージとなります。 その為、不動産屋というのは「信用第一」ということを本気で言っているのです。 きれいごとでは無くて、取引を終える為には信用なくしては不可能なのです。 不安定かつ高額なものを取り扱っている為に、まともな業者であれば「信用第一」というのは、自分自身を守るためにも大切にしているのです。 よく「不動産業界は内輪ばかりでやっており、透明性がなく、古臭い業界だ」と言われたりしますが、これも上記の理由からです。 簡単に人を信用してはとてつもないダメージや取引先への損害となるのです。 その為、見知っている人、過去の取引がある人などを優先してしまうのは、一定の合理性のあることなのです。 決してキレイごとだけで言っている訳ではないんです。 私は不動産投資などでも相談を受けた時に、まず大原則として申し上げるのが 「不動産では、大きな成功を掴むことより、大きな失敗をしないこと」 だと思っています。 小さな失敗を避けることは不可能ですし、学びや経験になりますので、これは仕方ないことです。 しかし、高額でもある不動産で地面師などによる大きな失敗は取り返すことが、極めて難しいものです。場合によっては回復不可能なダメージともなるでしょう。 不動産では、こういった「一発アウト」という経験をしなければ、他の失敗であれば何とか対応していけることがほとんどです。 地面師に限らず、不動産業界では怪しいブローカーなど、色んな人達がいます。 そして怪しい人たちが持ち掛けてくる案件というのは魅力的です。 甘い囁きに聞こえるでしょうし、事実として詐欺などではない魅力的な話がごく稀にあります。 しかし、それでも気を付けて欲しいものです。 私は昔どこかで聞いたこの言葉を常に胸に置いてあります。今回はこの言葉で締めましょう。 「悪魔というのは、恐がらせたり、脅したりはしない。悪魔は皆、優しいのだ」





