
満室詐欺とは?デメリット満載
さて、みなさんがアパートやマンションを買う時にはどういった物件が欲しいでしょうか?
A 満室の物件
B 空室だらけの物件
しかも同じ築年数で隣同士の物件です。値段も同じ
当たり前ですがAですね。
好き好んでガラガラで空室だらけの物件が欲しいという人は少ないでしょう(それが理由で値段が安ければ別でしょうが)
そう、現在の入居率というのは売却の価格に影響が出てきます。
もちろん高く売却したいのであれば日頃からメンテナンスを行い、高稼働の物件にする必要があります。
満室であれば買主候補に「こんなにいい物件なんだ」「高くで買っても元は取れそう」と思えますし、本来は事実そうです。
よく手入れされていれば入居率は自然と良くなるものですし、市場からも人気物件として扱われる。
もちろん、そんな良好な物件は当然高くで売れることでしょうし、買ったオーナーも引き続き良好な賃貸経営が出来ることでしょう。
それを逆手に取って買主候補となるターゲットに「本当は空室なのに満室を装う」ことを「満室詐欺」と呼んでいます。
これは売主と結託して不動産業者が加担する場合もありますし、売主だけが画策する場合もあります。
この満室詐欺は単に「思ってたのと違う」という予想を裏切るだけでなく、実害も多くあります。
今回は実際にあった事例なども踏まえて、この「満室詐欺」に合わないように注意する点をご紹介したいと思います。
満室詐欺の実害とは

この満室詐欺に掛かってしまうと実害やダメージは甚大です。
ここからは満室詐欺によって被る実害をご紹介しましょう。
原状回復されていない部屋が多数

この満室詐欺をする売主や不動産業者というのは「自分だけが儲かればいい」という悪質な性根があります。
その為、空室も放っておきがちで、ろくに原状回復やリフォームをしていない部屋が多く存在します。
しかし、そんな状態で売りに出したなら当然ですが高値では売れません。
買主からすれば空き部屋のリフォームを想定しなければいけませんから、予算の中にリフォームを組み込まなければなりません。
目標とする利回りを確保する為にはリフォーム代を差し引いた金額である必要があります。
そこで満室詐欺ではボロボロで状態の悪い空室を「入居者がいる」ということにするのです。
そうすると買主候補に中を見せる必要もなくなりますし、現況利回りも上がって見えるし、最悪の一石二鳥なのです。
後は売れた後にしばらくして解約を出せば一丁あがりです。
本来自分がしなければいけなかった原状回復をすることなく、高値で売却出来てウッハウハという訳です。
売れた後にしばらく家賃を負担しなければいけませんが、高値で売れたことを考えればその程度痛いものではありません。
利回りを捏造される

表面利回りは当然ですが
満室想定の賃料の1年分÷売買価格=利回り ですね。
あまりに空室が多い場合はこの想定利回りを見ても「本当はこうならないんだろうな」とか「家賃設定が高いから空室が多いんだ」と利回りを低く見られてしまい、結果売れないのです。
しかし、満室詐欺ではこの「無理がある家賃設定」でも問題ありません。
満室詐欺を行えば「この家賃設定でも入居する位いい物件なんだ」と誤解させられます。
これも同様に売れた後に解約してしまえばいいのです。
買主さんは可哀想に相場とズレた金額で募集を掛ける羽目になり、空室期間が長くなり収益になりません。
しかも、買ってすぐに仲介業者から「家賃を下げた方がいいですよ」という提案も飲めないでしょう。なぜなら
「この条件で決まっていたんだから」という誤った相場観も植え付けられてしまっていますし、「想定と違う」ということを受け入れるのに時間や覚悟も必要になってしまいます。
大抵のオーナーはこの段階では苦言を呈してくれる仲介業者を「客付け力の無い不動産屋だな」と思ってしまい彷徨ってしまいます。
そしてその後「満室詐欺」に遭ってしまったことを飲み込むしかなくなるのです。
このように総じて満室詐欺が行われると適正な売買価格から外れてしまい、買主にとっては正に「想定外」の収益や出費となってしまう恐れがあるのです。
こんな状態があれば疑おう

ではよくある手口とその特徴と対策をいくつかご紹介してみましょう。
当社の管理物件を購入される場合などは間違ってもありえませんが、この満室詐欺は規模や悪意の大小にもよりますが、結構見かけます。
先日も他社で物件を購入されたお客様の物件の相談がありました。
内容はといえば「買ってからというもの次々と退去が出てくるんです」という内容でした。
ちなみに満室詐欺というのは立証するのはかなり難しいものです。
実際の犯罪としての詐欺という形で立件するのは至難の業といえます。
大体は泣き寝入りになり、その後何とか自分の力で立ち直らせるしかないのが現状です。
では手口と特徴を紹介していきましょう。
実際にはいない入居者

実際には部屋を使っていないし、下手すると家賃も払っていない。
購入後しばらくは家賃が入るかもしれませんが、早ければ1・2ヶ月で解約。
部屋を訪れたらトイレや水周りの使用形跡も無い。
正に売買期間だけの為の賃貸借契約です。
注意すべき契約は主に以下の通りです。
- 短期貸し
- 法人契約
- 倉庫としての使用者
それぞれをご説明します。
短期貸しは文字通りです。そもそも事前に短期と分かってて受け入れるということは「短期でもいいから入って欲しい」という弱気な状態であるということです。
人気物件であるならば敢えて分かっている短期を受け入れなくてもいいような気がしますよね。
いずれにしても短期というのはある意味正直な「売買が終わったらすぐ出ますよ」であることは間違いないです。
法人契約に注意が必要というのは2つの意味があります。
これは「隠れ短期」という面と「悪意ある協力業者」の可能性があるのです。
まず「隠れ短期」ですが、業種などにもよりますが建設系の会社の場合、近くの現場がある間の短期などの可能性があります。
事前に言っていたかどうかは別として実際には短期である可能性があるのです。またそれを仲介業者も知ってか知らずか正確に伝えない場合もあるのです。
もう一つは「悪意ある協力業者」の方ですが、これは真っ向から売主、もしくは売主側の関係する会社で何部屋か法人契約をするというものです。
この場合は家賃を払ってもおらず、実際には売主と結託している場合や売主から仕事を貰っている業者が名義だけ貸すなどの場合があります。
なぜ個人でなく法人なのかといえば「まとめて何部屋か借りても不思議ではない」という点と個人名で架空の契約などをすると流石に各個人の詐欺が疑われるという所です。個人であれば連帯保証人の有無や連帯保証人の印鑑証明など手続きも煩雑です。
流石にそれらを全部用意しての詐欺はハードルが高いのです。
売主や売主側の馴染みの法人であれば「近くで仕事があったが、もう終わったので解約した」という立証しづらい言い訳が出来るのです。
そういった点から「法人契約」は注意です。
見抜く方法としては法人の規模等で判断するのがいいのかもしれませんが、買主側が購入前段階で確認するのは難しいかもしれませんが、法人契約の数などは確認しても良いかもしれませんね。
最後に「倉庫としての使用」ですが、これがある場合に想定しなければならないのは
「状態が悪い部屋をそのまま貸しているんだろうな」ということです。
本来居住用であるお部屋を倉庫として貸すというのはいささか不可解です。
倉庫として原状のまま貸すといのであれば「直すのに多額の費用が掛かるから安くで倉庫として貸したのかも」と思って間違いないと思います。
現地で見抜く方法

ではチェックするポイントですね。
ここでは実際に住んでいるかどうかの簡易チェック方法です。
集合ポスト

まずはポストをチェックしましょう。
空室があるのであればポストにテープを張っていることもあります。
しかし、あまり管理をしない会社であれば逆にチラシなどが溢れかえっていることもあります。
ポストが塞がれているお部屋が多い、チラシがあふれているお部屋が多い場合は要注意かもしれません。
カーテンの有無

これもよくあるのですが、カーテンが付いていないにもかかわらず入居者がいるという分かりやすいものもありますが、一般的にはレースのカーテンなどをつけて誤魔化します。
ちなみに冒頭の相談があった物件に行った時は分かりやすいものでした。
法人契約があるというお部屋はカーテンも無く、外から見ると開封されていない布団が一組だけ置いてある状態でした。
私たちが相談を受けて現地を見に行って1か月後案の定解約が来ましたが、部屋は水周りの水も枯れておりました。
正に満室詐欺の分かりやすい例であるといえるでしょう。
カーテンがある場合でもレースカーテンだけである場合は疑っても良いでしょう。
電気の開通より「ガス」を見る

よくサイトでは電気の契約をチェック!とあるんですがね
電気の契約は空室でもすることが多いものです。
当社でもご案内の時の為に空室でも電気契約をいたします。
また、満室詐欺をする業者も流石にこれは開通などさせますし、電気が動いていなければ怪しまれるので室内の換気扇だけ動かしておくなどの手を使います。
そこで役立つのは「ガス」です。
ガスは契約されていないと給湯器付近に付箋のような物が付いていますし、元栓も横にされています。
またガスは基本的には開通させるのに立ち会いが必要になることから満室詐欺とは相性が悪いのです。
その為、疑わしいお部屋の給湯器付近はチェックしてみるといいと思います。
ガスまで丁寧に開通させることはあまり無い為、意外と電気は開通していたとしてもガスは中々開通させていないものです。
また、倉庫代わりに使っていたりするとガスを開通していないので、そういった意味でも注意が必要です。
賃貸物件ではオール電化はほとんど普及していませんから見分けるには格好の設備であるといえるでしょう。
満室詐欺に遭わない為に
ちなみに冒頭の家主さんの物件では、当社も空室のリフォームや入居付けでお手伝いをし、全体の半分ほどあった空室を半年程度掛かりましたが、満室へ至りました。
この家主さんの例では退去したお部屋に費やす資金も確保していた為、原状回復もすることが出来ましたし、当社もリフォームをなるべく安くできるように試行錯誤しました。物件それ自体に大きな問題があった訳でもなく、家賃設定も家主さんと協議したましたが当初設定の水準で決めることができました。
また買主側に立っていた業者さんも良好な業者だった為、協力することが出来た稀有な例だともいえるでしょう。
これが間に入った売買業者が悪意で有った場合は目も当てられない状況になったことでしょう。
満室詐欺は巧妙なものになると見抜くのは困難です。
しかし、例え満室詐欺に遭ってしまったとしても事前に「近隣相場と購入物件の家賃相場のずれが無いかを事前に確認する」「出来る限りの調査をする」「信頼できる不動産業者を見つけておく」などの基本的なことで回避したり、リカバリーすることも出来るのです。
悪意がある人に遭わないことが一番大事ですが、運悪く遭ったとしても自力で挽回できる「自身の力」と協力してくれる「信頼できる不動産業者」を見つけておくことが重要だと思います。
冒頭の家主さんは今でも満室を維持しており、今ではいい物件に生まれ変わっていますからね。
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