
投資ブーム到来で魑魅魍魎だらけ
ある日のこと旧友から電話がありました。
「内田、俺も不動産投資をしようと思っているんだけどどう思う?」との電話
しかし、彼との接点は同級生という程度で当時もあまり遊んだりする仲ではありませんでした。電話自体も卒業以来で電話番号は共通の知人から聞いたとのことでした。共通の知人に不動産投資の話をしたところ「そういえば内田が不動産屋だったような」との経緯らしいです。
「いいと思うよ!じゃーね」と切ろうとすると
「そんな冷たいこと言わないで、いい物件かどうか?騙されていないかどうか?調べて欲しい」とのこと
「んなアホな・・・」と思ったものの、本当に騙されたのでは夢見も悪いしな・・・と思い、少々話しを聞くことに
聞けば概要は以下の通りでした。
- 不動産投資が「いい」との噂を聞いて始めたくなった
- 何から始めたらいいか分からずにTwitterで検索した
- #投資初心者と繋がりたい というワードで不動産投資について語っているアカウントをフォローした
- そのアカウントから不動産会社を紹介してもらった
- 物件を買おうかと悩んでる←イマココ
聞けば「物件は見ていないけどキレイだって言ってた」「近隣の相場も不動産会社に聞いたら大丈夫って言ってた」「けっこうローンを払っても大丈夫って言ってた」など
「って言ってた」ばっかりじゃないか!
なぜ何千万の買い物をするのにたった一人の言う事だけを聞いて納得するんだろう?
この辺りで私は彼の為に言いました。
「その物件が良い物件だったとしても、今は始めない方がいいんじゃない?」
嫌味でも何でもなく、心からそう思いました。彼の為には今始めない方がいいだろうと
すると彼は
「内田がその会社を見て大丈夫か確かめて欲しい」とのこと
おおジーザス、なんてこった、何故私がそんなことをしなければならないんだ。とは思いましたが、ふと・・・
そういえば、不動産営業を掛けられたことは無いな・・・と思いました。
不動産業同士で不動産の売買は当然あります。
しかし、それは相手をプロとしてリスペクトして「プロ向け」の物件での話です。
一般消費者向けの物件を私たちに売ろうとする人はいません。
私は彼を助けるという目的ではなく
Twitterなどで見かける業者っぽい彼等が「何を売っていて、どんな話をするのか?」興味が湧きました。
少なくとも私に相談してきた彼は今にも買おうとしています。
それなりの物件が流通しているのか?それとも詐欺まがいの手法なのか?
私は彼に「どのアカウントから辿り着いたのか?」を聞くことにしました。
私もそんなにいい物件なら「自分でも買おうかな」と邪な心が全く無かったかと言えば・・・・・
不動産屋がアカウントをフォローしてみた

まず彼の言った通りの#投資初心者と繋がりたい というワードを検索してみました。
すると出るわ出るわ、株式やFX、不動産から金など投資の種類も千差万別です。
しかし、私から見ればこのハッシュタグには1種類の人間しかいないように思えました。
それは
「何か得たい人」
これについては後で語るとして、私は彼がフォローしたというアカウントを発見しました。
アカウントをフォローするとLINEへ誘導されました。
ここではアンケートなるものを記入しなければいけませんでした。

ここでは馬鹿正直にプロフィールを入力しては相手も商談してくれないだろうとのことで、職業も会社員ということにして必要事項を入力しました。
すると、その時にもらえる特典というものが気になりました。
特典とは
「これだけで大丈夫!不動産投資とは!」
みたいなテキストでした。
「ほおほお、そんな必殺技みたいなテキストがあるんだ・・」と思いながらテキストを開くと
- 物件の買い方の章= 申込をして重要事項説明を受けて契約する。その後銀行ローンの手続きをして登記をする
- 物件選びの章= 賃料が適切かどうかチェック!設備が壊れそうじゃないかチェック!将来売れそうな不動産かチェック!価格が高すぎないかチェック!とだけ書いてあります。チェック方法は書いてありません。
- 購入後の章 =不動産取得税を払う!固定資産税を払う!家賃入金を確認する!
みなさん、これだけで不動産投資はOKだそうです。
その後はこのアカウント運営者らしき人がyoutubeで
- なぜ私が不動産投資をしようとしたか?
- 経営難で命を絶った経営者を救えなかった話
- 自分がお世話になっている社長がいかにスゴイ人か
- 不動産投資で月収○○万円を稼ぐには
などの一人語りを次から次に聞かされます。
これを一つずつ聞いてアンケートに答えないと次へ進めないように自動化されていました。
要は面倒なことをしっかりと言う事を聞いてくれる「素直な人」をふるいにかけているのでしょうか。
ちなみに私がその動画を見ての感想はというと
「不動産投資に関係のない話ばっかりだな・・」でした。
いかに不動産投資を始めた方がいいかを力説しているばかりで「なぜ不動産投資がいいのか?」や「正しいリスクとは?」も無く、ただ「やりなさい」「不幸を回避するには不動産投資」「私がお世話になった社長は凄い人」「信頼できる不動産会社を見つけよう」ばかりでした。
一通りYOUTUBEを見終えるとついにきました。
無料相談

不動産会社との面談
そして肝心の営業活動のお時間がきました。
希望日を入力するとZOOMでの面談とのことでした。
私は会社のノートパソコンからZOOMに入ると営業マンも挨拶をしてきました。
語り口調は柔らかく、私の資産や年収などを聞き取り、不動産投資に対する思いなどをヒアリングしました。
ZOOMではこちらも顔を出しませんでしたが、先方も顔を見ることは出来ませんでした。
不動産会社自体はしっかりと実在しておりましたが、開かれた店舗というイメージは無く、会社のHPでも抽象的な事業ばかりの印象はありました。
LINEのアカウント主は事前に
「この不動産会社は凄い」「担当者は本当に多忙でラッキー」と事前に貴重な体験であることを盛んにアピールしていました。
私は
「そんなに優秀な人なら買えるか買えないか分からない人、ましてや本当にアポ通り来るか分からない人によく時間を割けるな」
と思ってしまいました。
大分と性格の悪い男だなと自分が嫌になりました。
そうしているとついに物件の提示が来ました。
私の正直な感想としては
意外と悪くない条件に聞こえた
この「悪くない」は褒めている訳ではありません。
思ったより現実的な物件でした。
もっと「これを持てばFIREできます」的な夢物語のような収支シミュレーションなどが語られるのかと思っておりましたが、意外と現実的な内容に聞こえました。
物件は一都三県のエリアで木造の築10年ほどの物件でした。
利回りなども昨今の中では悪くなく、収益の目安なども教えて貰いましたが「ちょっと物足りないかな」とは思うものの、非現実的という訳でもないようでした。
しかし、これは物件の資料や写真なども提供を受けたわけでもなく、あくまで口頭だけの話ですから実際はどうかも分かりません。
そこまで聞き終わると、興味を示していた私に気づいたのか
「今度実際に喫茶店などでお会いしませんか?」と言ってきました。
しかし、これ以上私も踏み込むつもりもなく、物件にさして興味も持てなかったこと、意外と担当者もゴリ押しするようなタイプでもない為、これ以上冷やかしのようなことをしても可哀想だ。とも思いました。
その為、時間を割いてくれた担当者にお礼を言い、丁寧にお断りしました。
世間は「得たい人同士」の集まりである

私は自分が聞いたものを含めて冒頭の旧友に話しました。
「少なくとも自分ではこの投資はやらない」「今のあなたにとって”良い”とは思えない」「もう少し冷静に勉強してからでも遅くはないのかもしれない」
という主旨で話しをしました。
しかし、彼は私からの肯定的な言葉が無かったことに落胆するばかりか、少しイラつきもあるようでした。
「じゃあどうすればいいんだ?」とか「他に良い物件など無いじゃないか?」と言ってきました。
私はそれを否定することもせずに、「あくまで自分の意見だから」と言ってそこそこに電話を切りました。
常日頃、私は不動産投資は
「物件の力も大事だけど、それを伸ばすかどうかはオーナーの力も大きい」と書いてきました。
本当にそうだからです、物件の力がいかに強くとも舵取りが下手であれば真価も発揮できないでしょう。そんなオーナーもたくさんいます。
今の彼ではどんな物件を買ったとて、上手くいかない気がしました。
今、世の中は情報化社会です。
欲しい情報や知識などは大抵調べれば出てきます。
だからこそ、不動産投資に興味を持ってくれた方に言いたいのですが
それでも地道な努力が必要です
SNSで#投資初心者と繋がりたい と検索するとたくさん出てきます。
しかし、そこにいるのは前述した通り
「なにかを得たい人」しかいません
初心者だから知識を「得たい」、フォロワーを「得たい」、知名度を「得たい」、共感する仲間を「得たい」、そして何も分からない初心者からお金を「得たい」
そう、皆欲しがってばかりの人たちです。
それらを上手く見抜くことが出来れば、自分の欲しいものを取捨選択できるのですが、そうでなければ「奪われる」だけになってしまいます。
もちろん、フォロワーを得たいなどの無害な欲求であれば満たしてあげるだけで、相応の知識や仲間などは貰えるでしょう。
しかし、「自分は初心者です」と宣言して世の中に出て行くと、「初心者狩り」をする上級者にも出くわします。
今回の業者は扱う商材も比較的まともに見えましたが、実際の中身も確認していないので分かりません。
少なくとも、仮に良い物であれば、こんな成功確率の低いマーケティングなどやらないでしょう。
そういった上級者から自分を守る術も身に着けないまま、大事な決断をすることが無いようにして欲しいのです。
今回はプロとして不動産投資の商談に触れる貴重な機会ではありました。
そして最後にアカウント主がしきりに言っていた信用できる人の見つけ方ですが
そんなものありません
残酷なようですが、これは事実です。
信用できる人は一長一短で見つかるものでもありません。
ある程度の期間、慎重に付き合いを重ね(お互いに)、それで信用できる人になるのですから
だからこそ、地道な努力や研鑽が必要になるのではないでしょうか?
そして皆さん自身も相手からも「信用できる人」と思われて初めて相手が「信用できる人」になってくれるのです。
でも、その位に貴重なものですからね。
後日談ですが、アカウント主のラインをフォローしてからというもの
「よく分からない投資セミナー的なLINEグループへの招待が止まりません」
私のLINEの個人情報は流出してしまったようです・・・・
お問い合わせ
-

あけましておめでとうございます
蒲生の大楠 近くからでは全体が収まりません。正に御神木 2023年も皆様にとって実り多き年であるように 新年あけましておめでとうございます。2023年が始まり、当社も4日より営業を開始しております。振り返れば2022年は新型コロナウイルスも収束することもなく、ウクライナ侵攻など決して明るいニュースばかりではありませんでした。しかし、そんな中でも私たちに出来ることはたくさんある。という思いで昨年は走ってきました。世界が暗くても「私たちに近い範囲で出来る範囲で」身の回りの人を幸せにするお手伝いは出来ると信じています。目に映る範囲だけでも、自分の力の及ぶ範囲だけでも人の幸せを願っていきたいものです。正直、若い頃は他人の幸せを妬んでしまうことすらありました。お恥ずかしい話しですが最近ようやく目に映る他人の幸せも微笑ましく見ることが出来るようになりました。そして、身の回りの人たちが幸せそうだと自分自身も「いい気分」になるようになれました。我々管理会社というのは、一番過ごす時間の多い「住宅」の管理が主になります。だからこそ、この時間を大事にしていきたいなと思っております。出来ることが限られているからと諦めることなく、誰かの人生の気付かれないかもしれない部分でも、幸せのお手伝いが出来ればなと新年の蒲生八幡神社で願いと決意を祈ってきました。おみくじは「末吉」でした。
-

一年の感謝をみなさまに
本当にありがとうございました。来年もみなさまの幸せのお手伝いを目指して頑張ります。 感謝 早いもので、2022年ももう少しです。みなさまの2022年はいかがでしたでしょうか?我々ロータスホームは前身のマルトクエステート霧島店から一新し、2022年1月より株式会社ロータスホームに生まれ変わりました。新型コロナウイルスも以前猛威を振るってる中、新しい会社としてとにかく激動の一年でございました。少し前進したかと思えばまた後退の繰り返しをしながら、スタッフと共に一所懸命に取り組んでまいりました。時にはみなさまにご迷惑をお掛けし、お𠮟りを受けることもありました。しかし、2022年の終わりに差し掛かり、振り返ってみると、たくさんのオーナーさん、業者さん、入居者さん、たくさんの方から温かい言葉をいただきました。たくさんの方々に応援、ご支援をいただけたおかげだと思っております。とても嬉しかったです。正直、不安や迷いも抱えながらの一年でした。「どうやったら喜ばれるのか?」頭の中はこればかりでした。そんな中でいつも励みになっていたのは、みなさまからの ありがとう この言葉でした。何者でもない私たちに期待と応援をくださった全ての皆様に感謝申し上げます。そして来年は今年より更に成長し、もっと皆様のお役に立てるように精進してまいります。 拙い私と一緒に頑張ってくれたスタッフ、腕の良い業者さん達、同じ不動産業界に身を置く同業者さん、当社の管理物件にお住まいの入居者さん、私たちを信頼し物件を預けてくださっているオーナーさん、そしてロータスホームにお越しいただく全てのお客様、皆様に感謝を申し上げます。まだまだ至らない点もたくさんあろうかと思いますが、今後ともスタッフ一同よろしくお願い申し上げます。 皆さまにとって実り多き2023年になるよう願っております。 株式会社ロータスホーム 代表取締役 内田 幸喜
-

満室経営とは誰のおかげなのか?
管理会社のおかげでしょうか? 入居率UPのお礼を受けて返す一言 オーナーさんとお会いした折に、このようなことを言われることがあります。 「ロータスホームで入居率が上がりました、ありがとうございます」このようにお褒めの言葉をいただくのですが、私はこの言葉をいただくと必ず 「いえ、こちらのご提案を受けてくださったおかげです、こちらこそありがとうございます」 と返します。そう、管理会社にとって入居率を上げることはとても大事な仕事の一つです。しかし、入居率が上がったら全て管理会社の手柄だとは思えません。なぜなら、管理会社がいかに優秀だとしても、その提案をオーナーさんが飲んでいただけないことにはどうしようもありません。私たち管理会社は物件の決定権は持っていません。あくまで決定するのはオーナーさんですから。不動産を持っているオーナーさんにとっては、賃貸経営というのは楽しい提案ばかりではないのです。時に費用を支出したり、意見を交わしたり、時間を使ったりと、頭も心も体も使いながら決断していくのです。そんな中で、私たち管理会社からの提案を飲んで、ある種信用して任せてくれるのです。全ての策や提案が当たればいいのですが、そう上手くいかないこともあります。それでも二の矢、三の矢と一緒に進んでいくと、自ずと良い結果になっていきます。 ですから、本心で入居率のUPは「オーナーさんのおかげ」と思っています。もちろん、管理会社の言う事を全て聞けとは思いません、各オーナーさん毎に進め方も違ってきます。投資スタイルや規模、将来へのビジョンなどで良好な経営方法はいくつも枝分かれしていきます。万人に成功する方法など無いと言ってもいいでしょう。それでもイメージを共有し、一緒に満室経営を目指していく過程は楽しいものです。何だか、年末に差し掛かりたくさんのオーナーさんがお越しいただいたり、お会いする機会が多いこの季節、そんなことを改めて考えておりました。そして、提案を飲んでいただいたら結果を出さねばならない!という良いプレッシャーもまた醍醐味の一つでもあります。
-

なぜ騒音問題は解決しづらいのか?③ マンションなら大丈夫という幻想他 まとめ
音に強いという過度の幻想はやめておきましょう https://lotushome.jp/blog/3289/ 前回の記事はこちら 7 マンションなら大丈夫という幻想 次にあげるのが、音の問題を避ける為にマンションという選択肢への「過度な幻想」です。そしてこの過度な幻想こそが騒音トラブルを発生させてしまうという内容です。これは、事実の部分と期待の部分がズレるという話しです。まず、音に対して「アパート」と「マンション」ならどっちが強いか?といえば「マンション」であるのは間違いありません。これは構造の差によりますが、大体そうでしょう。しかし、音のトラブルは「アパート」「マンション」どっちが少ないか?といえば必ずしも「マンションの勝ち」とはなりません。なぜでしょう? 音の問題は「期待」と「感覚」にも関わるから そう、音の問題は感覚の違いによるものと話してきましたが、マンション=音に強い というイメージから過度の期待によるトラブルも多いのです。要は「マンションに住んだのに音が聞こえる」という主旨です。皆さんにハッキリと言っておきたいのですが、例え分譲マンションであったとしても共同住宅である以上、「音はします」にもかかわらず、マンション=音がしない という期待を持った方からすると「許せない」という感情を持ってしまいます。体感になりますが、マンションタイプの方が騒音トラブルは多い印象です。これは以下の側面があると思っています。 マンションだから音に強いと思って「音を出す側」が気を遣わない人がいるマンションだから聞こえないと思って「音を受ける側」が期待しすぎるアパートはそもそも「聞こえる」という前提の人が住みやすい音に対して意識の高い(過敏な)人が住みやすい マンションという物への過度の信頼や期待が却って騒音問題に繋がってしまうケースですね。一般的にアパートタイプというのは「音にそこまで強くない」という前提がありますから、選択する方は音に対する期待値がそこまで大きくないのです。他方マンションというのは強いのですが、それでも全くしないという訳でもありませんから、音に無頓着な方が近くにいれば聞こえてしまいます。しかしマンションへの過度の期待値がある方は「音に悩みたくないからマンションにしたのに」という感情も出てしまうのです。その為、騒音に対する苦情というのはアパート>マンションとはならないのです。そしてマンションの方が音の苦情はこじれるケースは多い印象です。やはりマンションに対する期待値というものが働いているのかもしれませんね。 8 救われない専門家や訴訟 訴訟や専門家を活用することも解決の一つではありますが、容易ではありません。これまで申し上げた通り、「騒音」と認定するだけでも高いハードルです。しかもその後弁護士などを使い訴訟などに移行しても変わりません、やはり守りの堅い「借地借家法」、損害賠償を求めても被害とのバランスを欠いた金額、そもそも訴訟費用などが高い現状など本当の意味で救われることが少ないのです。騒音と認定する為の費用から弁護士費用、裁判まで持ち込む労力。これらは並大抵のものではありません。被害者側に立つとあまりに膨大な労力!解決への道はこれでは困難です。 9 管理会社は「人の管理」はできない 借りていただく入居者の行動や宅内での生活スタイル、昨今ライフスタイルの変化や個人個人の新しい価値観などの多様化も叫ばれております。管理会社はあくまで「建物の管理」であり、「人の管理」ではありません。私権を制限するようなことは出来ませんし、すべきでもありません。昔の古い時代のようにお部屋を無断で開けて見る、などはもってのほかです。解決をしたい管理会社ですが、同時に入居者の自由は尊重したい。誰かに制限を課す為にはしっかりとした「基準」が必要です。大多数が納得できる「基準」ですが、現状これはありません。我々管理会社の最大の弱点である「人の自由」とのバランス。個人的には国や法律しかこの部分は触れないのです。せめて基準などが示されるだけでも随分と解決しやすいのですが・・・ まとめ 変革の時では?「借地借家法」 最近の賃貸住宅を取り巻く問題は「借地借家法」の「強さ」が変に作用している印象です。一昔前は横暴な大家や悪徳不動産が横行した経緯もあり、入居者の権利が弱いものでした。そこで登場した「借地借家法」は多くの人を救いました。それに異論はありません。入居者と大家というのは対等であるべきです。しかし、ライフスタイルなども変わった昨今、本当にこのままで良いのでしょうか?最近の借地借家法は「弱者救済を強く打ち出し過ぎて、逆に多くの普通の人を苦しめている」印象があります。音の問題もしかりです、悪質に騒音を出す場合でも「借地借家法」は守ります。簡単に追い出すことはおろか、調査さえも管理会社やオーナーは簡単にできません。こんな状態では誰が助けてあげられるのでしょうか?国や裁判に訴えたとて、明確な基準はなく、実際に実効性のある判決は期待薄です。普通に心穏やかに過ごしたい大多数の人を守れないのです。私は何も「管理会社やオーナー目線の法律になれ」「入居者を簡単に追い出せるようにしろ」とまでは言いません。しかし、「かなりのレアケースに備えようとして、99%以上の普通の入居者が困ってしまう」現状には警鐘を鳴らしたいのです。社会的弱者を守る為の法律が「好き勝手放題する人」も同時に守り、そして悪用されている現状には異を唱えたいのです。社会的弱者を守ることは第一ですが、だからといって99%の大多数を蔑ろにすることはいいのでしょうか?両立する道はあるハズです。
-

なぜ騒音問題は解決しづらいのか?② ~強力過ぎる?借地借家法~
騒音問題!マンションだろうがアパートだろうが発生しますね。 https://lotushome.jp/blog/3233/ 前回の記事はこちら 実は9割以上の騒音は解決する 前回から騒音問題解決の難しさや、何が解決の障害となっているかを書いてきました。しかし、この「騒音問題」ですが、体感では9割以上はすぐに解決します。 騒音問題での一般的な解決としては、音の苦情が寄せられた場合 ①書面で全体もしくは該当住戸への注意喚起②書面で収まらない場合、該当住戸への直接連絡③解約を見据えて該当住戸への警告 だいたいこんなプロセスを踏んでいきます。 しかし、①の書面による注意で大体90%位は収まります。「そうか、自分が出した音がうるさかったんだな、注意しよう」 こんな感じなのでしょう、これで大体収まります。みなさん、普通の入居審査を経ているので①で大体90%以上、②までいけば98%位は解決します。しかし、これをくぐり抜けた残り2%の騒音問題はかなり厄介なのです。そして、この少数のケースこそ、高い壁に阻まれて解決が困難なのです。 4 強力すぎる「借地借家法」 次にあげる項目が「借地借家法」です。この借地借家法という法律ですが、本来素晴らしいものです。全体の主旨としては 「大家より立場の弱い借主を守ろう」 という法律です、ですから「大家の意向だけでは退去させられない」とか「少々の違反があったとしても、よほど悪くなければ解約してはいけないよ」という法律になっています。要は立場の弱くなりがちな入居者を「大家」や「管理会社」から守ろうとする法律なのです。この素晴らしい「借地借家法」ですが、一度入居者同士の問題になると凄まじい壁となってしまうのです。よく、騒音に悩まされる方から 「こんなに迷惑な音を出す方は追い出した方がいいんじゃない?」と言われます。実際、感覚の違いなどでもなく、上下階などで影響のあるレベルの音を出す入居者というのは稀にいます。そして、一般的な契約書などにも「他の住民に迷惑を及ぼすような騒音、その他の行為~」などが禁止事項として入ってもいます。「じゃあ、それに違反したんだったら契約解除できるでしょう」 そんなに簡単にできないんです!「借地借家法」があるから そう、ここで出てくる借地借家法、入居者の権利というのは非常に強いんです。簡単に住まいを奪われてはいけないから「借地借家法」は出来ているのです。確かにそれはその通りです。しかし、入居者同士になるとお互いに「借地借家法」に守られているため、どちらかを一方的に追い出す権限は「大家」「管理会社」ともに持っていません。そして、契約解除するには、前回書いた通りですが 「受忍限度を超える必要がある」受任限度というのは「音が不愉快なのは分かるが、ここまでは普通のことだから我慢しなさいよ」という基準です。 この「受忍限度」ですが、騒音については特に基準があいまいです。音についてもこんな感じです。 騒音がしたとしても 音の具体的な内容(何をして音を発生させてるか)音の性質音の頻度音の発生時間帯音の継続時間音の継続期間周辺環境の状況(閑静な住宅街と賑やかな商店街では違う) これらを超えたものが「受忍限度」を超えるという「騒音」なのです。ハードルが高いのです、基準があるようで曖昧なのです。各サイトなどでは騒音の基準として「○○デシベル以上は騒音」と書いてあったりします。しかし、「受忍限度」というのを超える為には、一時的な音だけでなく、周辺環境など様々なものと組み合わせないといけないのです。ここに騒音問題の難しさがあるのです。 聞こえる「騒音」と法的な「騒音」の違い このように、聞こえる「騒音」と法律が契約解除を認める「騒音」の違いがあるのです。もちろん、聞こえる「騒音」が一番の被害となってしまうのですが、法的な「騒音」まで該当しないと契約解除などは難しいのです。基本的には共同住宅では「受忍限度」という考え方はなければいけません。「どんな物音も少しでも立ててはいけない」となると誰も住めません。どんなに強固な建物でも多少の物音はしますし、みなさんもそこまでのことを求めている訳ではありません。しかし、法的な「騒音」と認められるには期間や周辺環境なども含めて認められる必要があるのです。そして、そこにある基準は絶対的なものではなく、曖昧な基準となってしまっているのです。実は多くのオーナーも「人の迷惑になるような入居者だったら正直、出て行ってほしい」と思っています。なぜならそういった人がいることで「普通の入居者」が多く出ていってしまったら、そちらの方が損害が大きいのです。しかし、本来入居者を守る為の法律が入居者同士の問題では強力に加害者を守ってしまうのです。 5 お互いが感じる被害者意識の調整 音の問題で厄介な問題として「音の感覚」という点をあげてきました。そして、更に厄介なのが「被害者意識」です。これはどういうことかというと、一旦近隣トラブルに発展した場合、苦情を「申し立てた方」と「言われた方」という対立構造が生まれる場合があります。「申し立てた方」からすると、解決を望むのですが、「言われた方」は時に「なんで言われないといけないんだ?」との感情を持ってしまう場合があります。管理会社としては近い距離にお住いの関係ですから、この被害者意識を発生させないことが第一の任務と言ってもいいと思います。その為、「言われた側」が極力「被害者意識」を持たないように慎重な言い回しをしなければなりません。時に騒音を「申し立てた側」からすると、「もっと強く言って欲しい」と思われるかもしれませんが、この「被害者意識」が「申し立てた方」に行かないように慎重に進めなければならないと思っています。それは、管理会社であれば知っている過去の痛ましい事件なども起因するからなのです。 6 過去の悲惨な事件 前述した通り、不動産管理会社をしっかり取り組んで勉強している会社であれば、なおさらですが、騒音問題を語る時に思い起こされる事件というのがいくつかあります。非常に有名な事件でいえば「ピアノ殺人事件」と呼ばれた事件です、これは騒音だけが問題ではなく、他にも加害者の複合的な問題も重なっての事件ですから単に騒音だけが問題とはいえないのですが、その他にも「騒音」問題で起こる最悪な結末というのは少なからず毎年どこかで発生しています。そして、注目すべきは加害者は騒音問題に対して「申し立てた方」と「言われた方」どちらも発生してしまうのです。我慢できなくなった方と「なぜ私が責められないといけない」という方、どちらも感情を爆発させてしまう可能性があるのです。このようにデリケートな対応が必要であることを管理会社は肝に銘じておかねばいけません。どちらかの感情が高まり過ぎているようであれば、警察などの介入をお願いするなど、非常にデリケートに対応していく必要があります。また、申し立てた側と言われた側、双方に発生する可能性がある「相手への敵意」を発生させないように、間を取り持つことも管理会社として必要不可欠であるといえます。要はお互いの熱を直接伝えない「断熱材」のような存在になることです。





