
今回はなぜか家賃を滞納する方々が多く言うこととその対策についてお話します。
賃貸管理で必ず出てくるこの問題
我々、賃貸物件の管理会社は毎月の家賃を入居者さんからお預りし、その月の支払いなどを代行し、残った金額を大家さんへ送金する。
その業務でお金をいただいております。
ということは、家賃が入らないと大家さんだけでなく、我々管理会社も対価をいただけません。
ちなみに皆さんは、物件の大家さんというのは大金持ちの方がアパートマンションを作って家賃収入でウッハウハというイメージでしょうか?
現実は一部の例外を除けば、そんなこともなく、当社で管理させていただいている方のほとんどは本業を持ち、必死で貯めたお金を元手に将来のため、お子さんやお孫さんのためなどを思い、銀行さんで借り入れをして大家さんを営んでいる方が多いものです。
つまり、家賃滞納というのは管理会社だけでなく、借金を返せなくなる大家さんにとっても重大な事案となるのです。
そんな一大事の家賃滞納の解決ですが、私はこういっちゃなんですが上手です。
こんなことを書くと、「悪徳不動産屋が脅したり、嫌がらせをして無理やり回収するんだ」
などと思われるかもしれませんが、家賃滞納の対応はそんなに甘いものではありません。断言できます。
脅したり嫌がらせで払ってくれるならこんなに苦労などしません。
またそんないわゆる「滞納者」という方が必ず言うことがあるのです
その前に、これから私がお話しする「滞納者」とは
・家賃が遅れるなどの連絡もなく
・3ヶ月以上の期間家賃を1円も支払わない
方となります。「引落しがたまたま出来なかった」「うっかり残高確認していなかった」などの過失などによる遅れた方などは除きます。
では本題になりますが、その一言とは最初に電話や訪問でお話しして、「〇〇月からお家賃が〇〇万円未納となっておりますが~」
と言うと
「来月まとめて払います」※正確には全額もしくは2ヶ月分など
と即答するのです。
そして滞納督促に慣れていない社員などはその言葉を鵜呑みにして、大家さんや上司に
「○○さん、来月支払う約束してきましたー」と誇らしげに報告するのです。
大体95%位の確率で入金はされません
そもそも考えてみれば当たり前なのですが、来月少なくとも2ヶ月分かそれ以上払えるのなら何故滞納してしまうのか?
毎月月初に送る未納のお手紙や電話での督促でなぜ払わないのか?を考えていないのです。
これを読んでいる皆さんはおよそ滞納などされないと思います。そんな皆さんに質問しますが、来月2~3倍の家賃相当額のお金を家計から払えと言われてポンと出せますか?
出せるという方はそっとブラウザを閉じていただいて結構です。
そう、お金に困ったから支払わなかったはずでしょう?そして来月本当にまとめて払えるのなら、事情を先に話して待ってもらうなどの行動が先にくるのではないでしょうか?
本当にある事例としては今まで家賃の遅れもない方で「コレコレこういう事情で今月入金が間に合いませんが、来月〇日に入るのでその時に支払ってもいいでしょうか?」という電話をしてくださる方もおります。
そういった場合、過去の履歴などを照らし合わせて大家さんに掛け合い、少し待つこともレアケースではありますが、以前は行っていました。
※最近はシステムで管理しており、家賃保証会社から自動で入金がある場合が多く。現在は原則として行っておりません
そう、そうなのです。いよいよまずい事態になった時に人は悪意なく咄嗟に言ってしまうのです。
そうして期日を迎えるが、手元にお金が準備できない。そうすると
約束を破ることになる→気まずくなって電話も出ない→滞納が積みあがる
負のスパイラルに突入です。
これは何も滞納する方だけが悪いのではないのです。その場、その瞬間では本当に支払うつもりなのです。
ではどうしたら良いのでしょうか。
まずは「何故支払うことが出来なかったのかをしっかりと確認しましょう」
「来月払われるとのことで、ありがとうございます。ちなみにすぐのご入金が出来ない理由を聞かせてください」
ここではしっかりとストレートに聞きましょう。お金のことなので聞きにくい、その人の懐事情を探っているようで嫌だ
などとボカシてはいけません。そして、それは絶対にお互いの為になりません。
残念ながら滞納になってしまい、滞納者の方も最初は恥ずかしい、申し訳ないという気持ちがある内に解決へ向かわなければなりません。
ここで解決しないと「遅れても大丈夫」のマインドが育ってしまい、本当に常習化してしまいます。
ここで大事なのは、「確かにそういうことなら理解できる」という所まで到達することです
良くある事例と不審に思わなければならないポイントは以下
| ・会社からの給料が遅れて | ・ではいつになるのか?今後もそういったことがあるのか? |
| ・今月別の支払いが多くて | ・なぜ家賃を後回しでいいと思えるのか? |
| ・病気やケガなどで収入が減った | ・現在の状態は?今後の回復の目途は? |
| ・単に支払いを忘れていた | ・それでは今日、もしくは明日ではダメなのか? |
| ・落とした、盗難にあった | ・被害届、保険会社への申告の有無 |
| ・葬儀や結婚式などが多くて | ・なぜ家賃を犠牲に? |
| ・クビになった、失業した | ・失業保険その他の申請などは |
このように不審と思われる点をついていくと、嘘の場合はボロが出ますし、本当の場合は本人も今後の道筋が見えていない場合が多いのでアドバイスをしていきます。
今後の道筋を何も分からない本人に任せてしまうと負のスパイラルへまっしぐら。
ある程度のところまでは導いてあげましょう。
「そんなこと言っても、ケガや病気は治せないし、盗難にあった人を助けることもできない、ましてや貸してあげろとでも言うつもりか?」
そうではありません、不動産屋たるものそういったサポートを勉強しておかなければいけません。
例えば盗難にあったなら入居者が加入している家財保険に盗難補償などがついていますし、ケガや病気で働けないなら生活福祉資金や住居確保給付金等の公的サービスの存在をお知らせする、雇用保険の要件など、そういった知識を教えてあげるだけで、ようやく目途が立つのです。
あとは、細かく連絡を入れることで「家賃は遅れてはいけない」「遅れるとしつこく連絡が来る」というマインドを持ってもらうのです。
なぜか後回しにされやすい家賃、その家賃はだれかの借金なのです。
滞納督促には必殺技など残念ながら無いのです。我々にできることは地道な作業の連続です。でも地道な作業を行うと、毎回の督促対応は確実に減っていきます。
一度正しい流れに乗ってしまえば本当に期日通り支払ってくれるようになります。
実際は悪質な滞納者へ変わる方は少ないものです。初期対応や言い訳に対する対応を間違わなければ解決へ向かうケースがほとんどです。
疑う訳ではなく、一緒に解決へ向かうという姿勢でいきましょう。
「キレイゴトばかり言いやがって」「現実はそこまで甘くない」
そう思われる方は、最初から根本を解決しないから大変なのです。目先の家賃の入金だけにこだわると毎月督促を行わなければならないので、私はこの方法で1件解決したら後は連絡をしなくて済むように楽をしたいのです。
本当に物事は最初が肝心です。最初にとことん突き詰めれば後で楽できるのです。
だからこそ、「キレイゴト」「耳ざわりのよい言葉」を使わないといけないのです。
苦境に立っている人に厳しい言葉を投げつけても受け止める力はありません。あとは聞く耳が閉じて負のスパイラルです
「キレイゴト」でも「この人の言うことを聞いていれば何とかなるかも」と思ってもらえれば、明日から鬼の督促などを行わなくても良くなるはずです。
現実は嘘をつかれることも多い。約束は破られることも多いのは分かります。
それでも自分自身が楽になるために、明日気分よく仕事を終えられるために私はこのように考えてます。
