
「さすが内田さん」の一声
つい先日のこと、新たに仲介させていただくお部屋がございました。
入居者の方が望む要望が少し多く、オーナーさん(Aさんとしましょう)の負担が重くなりすぎるのでは?とのことで営業マンから私に話しがきました。
特段珍しいことではありませんが、このまま全要望を受けてしまうとAさんの負担は重くなってしまうことでしょう。
その為、途中から入居者さんとの窓口を私に代わってもらい、ゴチャゴチャしていた双方の要望の交通整理を行いました。
ある程度Aさんと入居者さんの負担も公平になったところで、Aさんへ電話で報告しました。
すると
「ありがとうございます。さすが内田さんですね、お見事です。それでお願いします」
あら、とっても心地良い。
そう、このAさんは上手なのです。いつも私の心をくすぐってくるのです。
こういった一言一言がとても嬉しいのです。
私たちの仕事は当然ながら依頼者であるオーナーに収益をもたらすことです。その為にも入居者さんに快適に過ごしてもらうことなのです。仕事ですから当然ですね。
でも、こういった一言をナチュラルに言われると内心
「へへっ!」
と嬉しくなってしまいます。こういった一言が無くても仕事ですから頑張るのですが、あると馬力が上がるような気がします。
そして、こういったことをしてくれるオーナーさんは大体不動産投資が上手なのです。
いい意味での「人たらし」というものでしょうか。
事実、Aさんがお持ちの物件は入居率も好調です、入居者へのサービスも上手なのです。
そんなAさんを取り巻く状況は?
ちなみにAさん、私だけにこういったことをしてくれるわけではありません。
私たち管理会社を喜ばせ、入居者を喜ばせ、売買情報を持ってくる人を喜ばせ、施工業者を喜ばせ、みんなを喜ばせているこのAさん
当然かもしれませんが、このオーナーの周りにはたくさんの業者が集まってきます。
ここまで読まれた方で
「どうせそのオーナーは金払いがいいからそういっているんだ」
「要は業者の言うことをハイハイ聞いて文句言わずに金払えってこと?」
「不動産会社に厳しく当たるなってこと?」
そうじゃないんです。
もちろん、お金をたくさん払えば喜ばせることは出来るかもしれませんが、それはある一時だけです。
正直全てをハイハイ聞いて金を払い続けていたら「カモ」と認定されるかもしれません。
ちなみにAさんが買う物件も払う工事費も決して高くありません、なんなら安い位です。
しかし、Aさんの周りの業者や不動産会社は
Aさんが得する話しを次から次へ持っていくのです。
みなこぞってAさんを喜ばせようと骨や手間を折っても仕事をするのです。
なぜなんでしょうか?
この世は「喜ばせ合戦」
私の知り合いに腕利きの売買仲介業者が居ます。
この方はかなりの実力者です。
売買情報はこの業者さんを素通りすることはなく、「どっからそんな情報が?」とビックリさせられる程です。
その売買業者さんの元には物件を買いたいオーナーが列をなしている印象です。
しかしこの業者さんもAさんの周りの業者の一人です。
その方と話している時に印象的だったのが
「やっぱりいい物件売るなら感謝してくれる人に売りたいですよね」
そう、私たち働く者にとってお金は大事です。異論はあろうかと思いますが、まずはその為に皆さん働いている訳でもあります。
とはいえ、それだけでもないんですよね。
時にはAさんより高く買う人がいる物件でもAさんに売ることもあるそうです。
不思議なものですよね。
Aさんの周りには「他の業者よりサービスを良くしよう」「Aさんに選ばれよう」と各社が競っている始末です。
そしてAさんは値下げ要求や要望を自ら伝える必要もなく、「他より良いサービス」が受けられるのです。
ちなみにAさんですが、知識や相場の感覚はかなりのものです。欺こうとしても簡単ではないでしょう。
Aさんを騙せる人がいたら見てみたいレベルでもあります。
ではAさんだけ得するのはなぜでしょうか?
そう、結局この世は「喜ばせ合戦」なのです。
Aさんは周りを喜ばせている→嬉しい周りはAさんに気に入られようとする→Aさん得する→先頭に戻る
正のサイクルに入ったのです。
もちろん、不動産投資というのは収益を上げる為に行うものです。
無駄な出費はしてはいけませんし、単価にも厳しくあるべきです。
不動産会社の言うことを鵜呑みにしてもいけません。ハイハイ全部を聞いていたら間違った方向へ進む可能性もあります。
周りから「カモ」と見なされたら大変な目に遭ってしまうでしょう。
厳しい目で運営状況を見ておく必要があります。
異論はありません。
しかし、それと相手を喜ばせることは両立できるはずです。
お金で喜ばせなくてもいいじゃないですか、相手への敬意や感謝を示すだけでも随分と違うものです。
文字で書けば簡単なのですが、中々難しいものです。
かくいう私も全然出来ていません。
人は感情の生き物です、良くも悪くも
そんな中でAさんの正のサイクルは私も見習いたいものです。
今回は精神論になってしまいましたが、なぜか上手くいっているオーナーはこの点が上手なのです。
生まれ持っての心根なのか、努めてそう振る舞っているのかは分かりません。
しかし、人を喜ばせると返ってくるという昔からの教えは不動産投資においてもあながち間違いではないと断言できます。

